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概要 |
本稿は、科学技術社会論(STS)におけるコリンズ=エヴァンズの「対話型専門知(interactional expertise)」の議論を手がかりに、安全保障政策領域における専門知の位置づけを再検討するものである。安全保障は高度に専門化された政策分野であると同時に、市民の生死や権利に直結する公共性の高い領域である。しかし、同分野では専門家の専断や政府の秘密性がしばしば批判され、専門知と民主主義の緊張...関係が顕在化してきた。コリンズとエヴァンズは、実務や実践経験を持たない非専門家であっても、専門家との言語的対話を通じて専門知を理解・共有しうる「対話型専門知」という新たな専門知のカテゴリを提示し、それを通じて専門家と非専門家(市民や政策決定者など)の協働可能性を論じた。本稿は、この理論枠組みを安全保障政策に応用し、専門知と市民参加を架橋する制度設計の可能性を考察する。具体的には、ドイツの国防白書策定プロセス、スイスの国民投票による戦闘機調達拒否、日本の安全保障関連三文書改定を取り上げ、対話型専門知の制度化の試みとその限界を比較検討する。これらの作業を通じて、本稿は、対話型専門知を用いた制度設計の要件を整理し、民主的正統性と専門性の両立に向けた具体的な論点と対話型専門知が持つ政策的意義を明らかにする。続きを見る
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