<紀要論文>
徳之島・伊仙町はなぜ出生率が高いのか : 育児ネットワークの地域間比較から

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概要 本稿は、出生率が高位で推移する徳之島・伊仙町に着目し、その育児環境のうち特に私的な扶助(配偶者・親・親戚・友人・近隣住民等からの育児サポート)のあり様を福岡市と比較することにより、高出生の背後要因を解明することを目的とする。両者のネットワークを比較した結果、①伊仙町のネットワークは凝縮していること、②「実親」「義理親」「近隣」「ママ友等」によるサポート量に2地点間での差は確認されず、伊仙町では「親...戚」による育児サポート量が高いこと、③伊仙町では配偶者が育児を行う頻度が高いことが明らかとなった。その上で、こうした結果が導かれた背景をインタビュー調査の結果を参照しながら考察した。なお、研究の副次的な目的として、伊仙町および福岡市で得られた結果を先行研究で示されている神奈川県のデータと突き合わせることで、九州地方の育児ネットワークの特徴についても迫ろうとしたが、データの有する限界もあり明確な答えは得られなかった。最終的には、伊仙町においては「子は宝」という価値観を土台として、育児を支える複数本のネットワークが機能することで高い出生率が帰結されているという暫定的な結論に至った。続きを見る
目次 1 研究の背景と目的
1.1 徳之島での子育て
1.2 研究の目的と背景
2 伊仙町における出生と育児をめぐって
2.1 伊仙町の「子宝」―行政と住民の認識
2.2 伊仙町の「子宝」―その人口学的側面
2.3 分析されざるものをめぐって
3 先行研究の検討
3.1 南西諸島における出生・育児をめぐって
3.2 育児ネットワーク研究
3.3 九州・沖縄という地域性―副次的視点
4 要因の整理― 伊仙町の高出生率の背景と仮説
5 手続きとデータ
5.1 手続きと地域概要
5.2 データ
6 結果
6.1 ネットワーク分布
6.2 育児サポート
6.3 実親や親族サポートについて―インタビュー結果から
6.4 近隣サポートについて― インタビュー結果から
6.5 配偶者によるサポートについて
7 考察
8 付論的まとめ
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登録日 2023.10.13
更新日 2024.12.02

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