<紀要論文>
詩人としての Poe : Poe詩論の一考察

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概要 Poeにとっての詩とは何か。ポオ自身の言葉で言えば、"TheRhythmical Creation of Beauty"ということになる。これは、詩においては音楽との言葉の統合体が最高の理想状態であるとしたポオの思想の表れであるが、この考え方は"La Poesie Pure"という詩の形式となって、フランス19世紀、Baudelaireを始めとしたMallarme,Valeryに至るサンボリストた...ちにおいて前身的役割を果たした。この音と意味の特異な関係を持った詩は、英語圏へは1924年GeorgeMooreのPurePoetryによって逆輸入されることになる。このように、ポオは一風変わった位置にある詩人である。ポオの自国アメリカにおける詩人としての評価は、同時代人のEmersonがポオを"jingleman"と呼び、HenryJamesが"Anenthusiasm for Poe is the mark of a decidedly primitive stage of reflection."^1といった様に決して高いものではなかったが、20世紀に入り、T.S.Eliotはポオの再評価の必要性を提唱し、^2 F.O.Matthiessenは国際的文化における独創的創造者としての地位をポオに与えた。^3ポオは、詩の素材を意識的に構築してゆくことを提唱し、自分にとっての詩とは、"notap urpose,bu t ap assion"^4と言い切り、小論"TheRationale of Verse"においては"Versificationis not the art of arranging, &c. ,bu t the actual arranging..."と定義した。ここにはポオが如何に詩作品^5に至るまでの詩作の過程を重視したかが表れている。ポオが詩を構成する究極的目的とは敢えて言えば、"SupernalBeauty"と彼が呼ぶ詩的洸惚状態のこととなろう。彼の興味ば快楽追求から次第に美の方へと移りゆき、独自の美学を創りあげるに至った。ポオを中心としたある流れは、言語を越えた文化の結びつきを可能にした。本論では、ポオという詩人像を探求する上での1試論として、ポオだけにテーマを絞り彼の「詩論」として発表された4つの小論を追いながら、彼が固執した美・快楽の効果を中心として、ポオの思考を考察するとともにポオにとっての詩とは何かをみてゆくことにする。続きを見る

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登録日 2023.05.02
更新日 2023.07.31

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