<紀要論文>
地中海流出水に現れる渦Meddyの南進機構

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概要 北大西洋中緯度,東部の中層に位置する地中海流出水にはMeddyと呼ばれる半径約30kmの高圧性渦が存在し,平均して1.5cm/sの速度でほとんど南向きに進むという観測結果がある.この不思議な南進機構を説明するために種々の仮説が提案されてきたにも関わらず,説得力を有する考え方はまだ提出されていない.そこでこのMeddyの南または南西への移動機構を,実効重力模型や準地衡模型を用いて調べた.その結果,M...eddy層にのみ渦流が存在する場合でも表層流が存在する効果によって,観測されているMeddyの南向き移動速度の約3割を説明出来ることが分かった.この表層流が存在する効果とは,疑似的な地形性ベータ効果の事で,Meddyの海域の南向き表層流の存在によるMeddy層の厚さの東西変化によって生じるものである.さらにこの表層流の効果に加えて,Meddy層の上下にも高圧性回転の渦流が伴っているとして,その非線形効果を考えれば,観測値に近いMeddyの南向き移動速度が得られる事が明らかとなった.但し,Meddy層の上に弱い高圧性回転の渦流が存在する事を報告した観測例はあるが,正確なことは不明であり,実際の渦流分布については更に詳細な観測が必要である.従来の仮説は単一の機構でMeddyの南下を説明するものがほとんどであったが,本研究によるとMeddyの大きな南下速度は,種々の効果の複合的な結果である可能性が大きい.続きを見る
目次 1. 初めに
2. 表層流の効果(渦運動が1層のみの場合)
3. 上下層の渦流の効果(運動が多層の場合)
4. 他の2つの仮説の検討
5. 終わりに

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登録日 2022.01.18
更新日 2023.03.04

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