| ヨミ |
ナカムラ ヨシミ
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| 編者 |
花田, 俊典
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スカラベの会
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| データベース名 | |
| 人物詳細 |
1903(明治36)年、●の生まれ。翻訳家。福岡県立中学修猷館4年修了で第1期生として福岡高等学校理科に入学したが3年次に退学。その後、小説を書き、一時は地方紙に毎月1本ずつ書いていたこともあったという。その後、翻訳を専門とし、戦時中は九州飛行機の勤労課長を務めていた。以上は当時福高の生徒で動員される側だった田中小実昌の追悼の文章(「ノウゾーさん」、「翻訳の世界」昭56・5)の一部要約である。このほかにも、田中小実昌は中村のことを翻訳の専門家としては大久保康雄とともに、日本の草分けだといい、同文の中で「能三さんの訳は、むつかしい文章は避けながらも、格調があり、きちんとしていて、それでいて、読みやすい、あかるい文章だった」と最大級の讃辞を惜しまない。また、英文学者の柳瀬尚紀は中村を「何よりもまず、自由を体現している人だった」といい、「翻訳家はでしゃばらないで、世間の裏街道を歩いていればよい」と言いながら、「翻訳に対してすさまじく真剣だった」(「たったひとつの訳し漏れ」同前)と述べている。亡くなったのは、柳瀬・永井淳・海渡英祐と麻雀をやっていて倒れたのだという。ちなみに、福高の後輩に当たる檀一雄の実母・高岩とみの手記『火宅の母の記』(新潮社、昭53・9)の中に、檀の妻の律子が昭和20年、結核のため福岡県三井郡松崎に病臥していたときに、三沢の種畜場に勤めていた中村能三が律子のために当時は貴重品だったバターやチーズを分けてくれたという記述がある。『リツ子・その死』(作品社、昭25・4)最終章、リツ子が亡くなった後の回想シーンに登場する「バタ」が、あるいはこのバターかも知れない。翻訳としてクローニン『城塞』、サマセット・モームの『クリスマスの休暇』や同じモームの詩論集『要約すると』、クリスティの遺作『カーテン』同じく『アクロイド殺人事件』ハローウィン・パーティ』(早川書房、77・10)ビアス『生のさなかにも』(創土社)、『サキ短編集』『プリンス・ザレスキーの事件簿』(創元推理文庫)、ナン&アイヴァン・ライアンズ『料理長殿、ご用心』(角川書店、79・1)など多数ある。昭和56年3月5日没。【長野秀樹】
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| 関連情報 |
| レコードID |
442100
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| 権利情報 |
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| 登録日 | 2013.08.16 |
| 更新日 | 2020.10.26 |