|
|
作成者 |
|
論文調査委員 |
|
|
本文言語 |
|
学位授与年度 |
|
学位授与大学 |
|
|
学位 |
|
学位種別 |
|
出版タイプ |
|
アクセス権 |
|
JaLC DOI |
|
概要 |
当分野ではこれまでに角化嚢胞性歯原性腫瘍(keratocystic odontogenic tumors,KCOTs)より分離された線維芽細胞(KCOT由来線維芽細胞:KCOTFs)がカルシウム感知受容体(calcium-sensing receptor,CaSR)を発現し、細胞外Ca²⁺([Ca2+]o)濃度の上昇によってシクロオキシゲナーゼ2(cyclooxygenase-2,COX-2 mR...NA)の発現が増強し、その結果プロスタグランジン E2(prostaglandin E2,PGE2)の分泌が増加することを明らかにしてきた。最近、結腸筋上皮線維芽細胞において、[Ca²⁺]o濃度依存性にCaSRを介してbone morphogenetic protein-2(BMP-2)の分泌増加が起こることが報告された。そこで、本研究では[Ca²⁺]oがKCOTFsのBMP-2 mRNA発現にどのような影響を及ぼすかについて、real-time PCR、ELISA法、western blottingを用いて検討を行った。その結果、下記のような知見を得た。1)高濃度[Ca²⁺]oとCaSR agonistであるneomycinはKCOTFsのBMP-2 mRNAおよびそのタンパクの発現を増大させた。2)PLC阻害剤であるU-73122とPKC阻害剤であるstaurosporinはCa²⁺によるBMP-2 mRNA発現を減弱させたが、KT5720はこの発現に影響を及ぼさなかった。3)高濃度[Ca²⁺]oは KCOTFsのERK1/2、p38MAPK、JNKのリン酸化を増加させ、またNF-κB p65の核内移行を促進させた。4)ERK1/2、p38 MAPK、JNKおよびNF-κBそれぞれの阻害剤であるPD98059、SB203580、SP600125およびPDTCは、全てCa²⁺によるBMP-2 mRNA発現を阻害した。5)PGE2はKCOTFsのBMP-2 mRNA発現を増大させたが、indomethacinはCa²⁺によるBMP-2 mRNA発現に対して有意な影響を与えなかった。以上より、で高濃度[Ca²⁺]oはKCOTFsのCaSRを刺激し、ERK1/2、p38 MAPK、JNKおよびNF-κBの活性化を介して、高濃度[Ca²⁺]oによって発現されるPGE2とは関係なく、BMP-2の発現を増大させると推測された。よって、KCOT周囲の骨近傍に存在するKCOTFsはBMP-2を介してKCOT周囲での骨代謝制御に関与している可能性が示唆された。続きを見る
|
目次 |
略語表 要旨 緒言 材料と方法 結果 考察 謝辞 References
|