<博士論文>
Streptococcus mutansの二成分制御系によるバシトラシン耐性機序

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概要 Streptococcus mutansは、主要なう蝕の原因細菌であり、バシトラシンに耐性を持つことが知られている。本研究では、この耐性メカニズムを解明するため、バシトラシン存在下で顕著に発現誘導される遺伝子をマイクロアレイを用いて探索した。4 倍以上発現誘導されていた8 つの遺伝子のうち、耐性に主に関与していたのは ABC トランスポーターをコードすると推定される 2 つの遺伝子、mbrA、mb...rB であった。以前の研究から、mbrABCD 遺伝子群はバシトラシン耐性に関与することが分かっているが mbrABCD 遺伝子群による耐性のメカニズムの詳細は判明していない。アミノ酸配列のホモロジーより mbrCD は 二成分制御系 (TCS) の遺伝子と推測されており、mbrC、mbrD それぞれの欠損株を作製して検討したところ、推測通り、 mbrCD が mbrA の発現を制御していた。また、ゲルシフトアッセイにより MbrC はmbrA の発現調節領域と推定される部位と特異的に結合すること、及びリン酸化部位と予測される 54 番目のアスパラギン酸をアスパラギンに置換した変異 MbrC (D54N-MbrC) はその部位と結合しないことが明らかに なった。また、変異 MbrC (D54N-MbrC) を導入したmbrC D54N 変異株 KD1113を作製してバシトラシンによる mbrA の発現誘導とバシトラシン耐性を調べたが、KD1113 はバシトラシンによる mbrA の発現誘導を失っており、バシトラシン耐性も低下していた。以上の結果からS. mutans のバシトラシン耐性はホモロジーから推測された様に、二成分制御系である MbrCD の制御による MbrABの誘導によっていることが示され、さらにその制御には、MbrC の 54 番目のアスパラギン酸のリン酸化が必須である可能性が高いことが明らかになった。続きを見る

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登録日 2013.07.10
更新日 2023.11.21