| 概要 |
本調査は,昭和30年10月12日より4日間,福岡県粕屋郡久原村・村有竹林内における竹材の伐出作業中,その主なる要素作業部門である伐倒・枝払い・曳出しの三作業に対[figure]する功程の時間観測を実施したものである.而して,本調査の結果,次のことが明らかとなった.(1)要素時間分析上記時間観測の結果を分析表に纒めると第I表(要素動作時間分析表)の通りとなって,全作業時間に対する実働・余裕時間はそれ...ぞれ75(%):25(%)の割合となる.さらに伐倒・枝払い・曳出しの三作業に所要する時間の割合は,対象となる林分の状態・竹の形質・伐採の程度等によつても異つてくるであろうが,20%~60%程度の択伐をもつて,収獲作業を実施している林分においては,それぞれ2:2:1の比率とみなされる.(2)功程を左右する要因功程を左右する要因としては,伐倒・枝払い両要素作業共に,竹の1)大きさ(D.B.H.)2)形質・3)林分の状態・4)伐採の程度・5)作業者の能率などが一応考えられるが,そのなかでも,特に大きな影響力をもつと考えられる次の三項について分析すると,次の通りとなる.すなわち,(1)立竹の径級(D.B.H.)の大小第1図に示すように,1次或は2次のupwardの曲線関係が認められ,b_1及びb_2はb=Oの帰無仮説を否定して,相関係数の検定の結果と共に,伐出作業功程の上に密接な影響力のあることを示している.(2)作業種各作業種間には量的生産力の上に差異が生ずると同時に,立竹の形質・林床の状態・立竹の疎密度等といつた林分構成内容の上にまでも差異が生じてくることは当然である.而して,このような立竹の形質・林分の状態などの良否が伐出作業功程の上に直接に影響して,これらが複合された形で作業種の相違による功程上の差異としてあらわれてくるのである.そこで各作業種に対する功程の差異を検討するために,各作業種毎に胸高直径(D.B.H.)に対する所要時間の回帰を求め,各作業種毎の修正平均所要時間の間の有意性を検定すると,これらの間には極めて有意な差が認められる,そこでその修正平均値の大きさの順序に作業種を列挙すると1)伐倒作業においてには[figur]2)枝払い作業においては[figure](3)作業者の能力作業者毎の修正平均所要時間を比較すると,この平均値間には極めて大きな有意差が認められ,その大きさの順序にこれを配列すると,D^^C>B>Aの順序となる.さらに,各作業者毎の経験年数・年令・体位を比較すると,年令・体位については特に顕著な傾向は認められなかつたけれども,経験年数のみが功程の上に強く影響しているもののように判断された.各作業者の経験年数は次の通りであつて,功[table]程の大小と,経験年数の順位との間においてA・Dについては一致しているが,B・Cについては転倒が認められる.これは,C作業者が努力度か或は健康状態かにおいて,なんらかの欠陥があつたためと考えられる.さらに,平均所要時間の大きさよりみると,A・Bはtop classに入れて差支えないものと認められるので,この種の作業においては大体3~4年の経験で,一応技術的には熟練の域に達するものと判断される.(3)功程表の作製ならびにその検討 以上の結果を基礎として,伐倒作業部門については作業種毎に1本当りの伐倒所要時間ならびに1束当りの伐倒所要時間を表示することによつて功程表を作製し,枝払い作業部門については一般的な取扱いを続けた林分の場合と,特に集約な連年択伐的な取扱いを続けた林分の場合とに分けて,伐倒作業部門の場合と同じように1本当りならびに1束当りの枝払い所要時間を表示した.上記の功程表を使用して算出した標準功程と,現実に達成した功程との差異を,本表より求めた功程が,果して標準として使用可能か否かを伐倒作業12例・枝払い作業14例について検討した,この結果,両者の相関関係をみると,標準功程(束・主体所要時間)に対する実現功程(束・主体所要時間)の相関係数は,伐倒作業で0.957,0.992・枝払い作業で0.885,0.915となり,母相関γ=Oの帰無仮説は棄却されて,極めて高次の関係が認められた.さらに,標準値に対する実現値の回帰はb≠1と見做しえずとして,この算出功程表を標準功程表として使用しても差支えないことが明らかとなつた.(4)作業継続による功程の変 10本当りの処理(伐倒,枝払い)所要時間を求め,グラフに示すと,第IX図の通りとなる.本調査においては直径分配関係,その他林分構成内容が規正出来なかつたために,一定の傾向は明示しえないけれども,労働心理学が示すところの功程の変化曲線というものは,或る程度うかがいうるもののようである.続きを見る
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