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Abstract |
「国際法の父」と称されるフーゴー・グロティウス(Hugo Grotius, 1583-1645)が、1625年に刊行したのが、この『戦争と平和の法(De jure belli ac pacis)』である。本著は、その後350年以上にわたって国際法に関する最も著名な著作としての地位を保ち続けている。近年、本著は近代国際法に関する著作ではなく、中世後期以降の伝統である正戦論に関する著作とみなすべきであ...るとの見解が有力に唱えられている。しかし、本著が16世紀から18世紀にかけての学者たちに及ぼした甚大な影響、また、今日「グロティウス的伝統」として唱えられている考えなどに照らして見て、本著が後生の人びとに対して持った理論的影響の大きさは、否定しようがない。この初版には実は三つの刷本がある。ドイツのフランクフルト書籍見本市に出展するため、1625年3月にごく少数の部数が作成された第一刷(グロティス自身にも届けられなかった)、その後6月に正式に出版された第二刷、さらに正誤表を付して出版された第三刷、である。本学部が所蔵するのは、この第三刷である。この初版出版後グロティウスは、1631年、32年、42年、46年に改訂版を出版している(本学部は、これらすべての版を所蔵する)。1993年にオランダのフェーンストラ教授を中心として作成された版(H.Grotius, De iure belli ac pacis libri tres...Annotationes novas addiderunt R.Feenstra et C.E.Persenaire(Aalen,1993))は、これらの版の異同をすべて明記した、決定版とも言うべきものである。この版を見ると、いかにグロティウスが初版出版後20年間にわたって本著の改訂に心をくだいていたかがよくわかる。九州大学には、この『戦争と平和の法』のほかに、『自由海論』(1609年)、『バタヴィア共和国の古代』(1610年)、『ネーデルランドの年譜と歴史』(1658年)、『書簡集』(1687年)などの諸著作も所蔵されている。The Grotius Collection on Microficheという、マイクロフィッシュによるグロティウス著作集の出版が現在進行であるが、なおオリジナルの著作を手にして当時の思想に思いをめぐらす「快感」は捨てがたい。(法学部教授 柳原正治)show more
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http://hdl.handle.net/2324/1000214564
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