<博士論文>
骨粗鬆症発症へのアレルギー性炎症の関与

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概要 喘息・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎などアレルギー疾患の罹患者は世界的に増加傾向にあると言われており、我が国においては国民の約3人に1人以上であると考えられている。こうした患者は、症状の増悪と寛解を繰り返し、抗アレルギー薬やステロイド剤による治療を受けている事が多い。アレルギー患者における骨粗鬆症の罹患率が非患者群よりも高いことが報告されており、局所的あるいは全身的なステロイド投与が骨量の低下...を導くと考えられてきた。しかし、喘息やアトピー性皮膚炎患者と骨密度あるいは骨粗鬆症罹患についての統計的な解析の報告をみると、その関連性は明らかとはいえない。そこで、本研究では卵白アルブミン (OVA) の全身投与によるアレルギーモデルマウスを作製し、骨代謝調節への影響を調べた。OVA投与により血漿中総IgEおよびOVA特異的IgE量が対照群よりも有意に上昇していた。OVA投与群にOVA溶液を鼻より吸引させると気管支周囲に炎症性細胞浸潤が認められた。μCT解析による脛骨の三次元解析では、骨量、骨梁幅、骨密度がアレルギー惹起9週間後に有意に減少していた。骨組織においては、OVA投与後3週目より破骨細胞数の増加が確認された。定量的PCR解析により骨組織中のmRNA発現変化を、IL-1βL-4, IL-10, RANKLなどの炎症性サイトカインの上昇が認められた。さらにアレルギー増悪に関わることが知られている脂質メディエーターの合成酵素やその受容体群の発現上昇が確認された。骨中のロイコトリエン量の増加も確認された。 これらのことより、全身的なアレルギー炎症が破骨細胞形成を誘導し、骨減少を引き起こすことが示唆された。続きを見る
目次 Ⅰ. 要旨 Ⅱ. アレルギー炎症が骨量へ与える影響の解明 Ⅲ. マウスを用いた矯正的歯の移動へのアレルギーの影響解明のための予備的研究 Ⅳ. 総括 Ⅴ. 謝辞 Ⅵ. 参考文献

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登録日 2013.06.28
更新日 2023.11.21

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