<紀要論文>
空気防波堤の研究に就いてⅡ : 伊王島に於ける現地実験

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概要  長崎県土木部港誘課の協力のもとに, 昭和30年冬期季節風の期間に, 長崎港伊王島日鉄磯業所岸壁沖に於て空気防波堤の実物実験を行った. 使用可能な空気量は30立方米毎分であったので, 消波目標の波長を15米として, 空気防波堤(多孔管)の長さを30米, 深度を8米とした.
 総ての準備工事及び測定器具の設置, 検定の終つた2月14日以降に於て, 海面の波立つ機会に実験は行われた. 又凪の日に, 水...平流の流速分布及び流速と空気量との関係が測定された. この報告では, 以上の実験の計画及び実施過程の概要と, 得られた結果の整理及びその検討が示されている. 主なる結果は次の通りである:流速分布は実験室にて求められたものと同型であり, 相似律が成立つている. 流速と空気量の関係には, 海水の単位容積毎の気泡容積が, これが小さいときには, 重要な意昧をもつことが発見された. 消波実験の結果の整理は末だ終つていないが, 2つの例に就いてスペクトル解析が行われた. 消波の模様はベクトルの比較に依つてよく知ることが出来る. 2つの例に就いて, 消波対象の波長と所要勤力の関係は理悔直によく一致している. この意昧から今回の実験は成功したものと言えるであろう.
 消波実験及び水平流速の測定結果から, 消波には渦動粘性が大きな役割をもつていることが知られる. 多孔管が短かつたゝめ, その両端からの廻折波が著しく, 見かけ上空気防波堤の性能を低下さしていた.
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目次 Ⅰ緒言
1.
2.伊王島に於ける実験の目的
Ⅱ伊王島に於ける試験計画及び実施の概要
3.
4.多孔管の設計及びその設置
Ⅲ測定及び測定装置
5.測定及び観察事項概要
6.消波状況の測定
7.波形記録装置
Ⅳ測定の結果とその検討
8.流速分布
9.空気消費量と流速の関係
10.消波実験
11.廻折波に就いて
12.波型解析
13.渦動粘性の作用に就いて
14.多孔管の縮流係数に就いて
Ⅴ結語
15.
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登録日 2022.01.18
更新日 2023.03.04