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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 有機スズ化合物によるヒト卵巣のエストロゲン合成阻害機構の解明
高柳 涼一
研究期間: 2001
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概要: 船底防汚塗料や漁網防汚剤として使用されてきた有機スズ化合物は海棲ほ乳類への高度の蓄積が認められている。有機スズ化合物は、最近、貝類のインポセックスを引き起こすことが明らかとなった。このような魚介類への有機スズ汚染は、食料を通してヒトへの有機スズの蓄積の危険性があるが、ヒトの性腺系に対する影響は不明である。有機スズはヒト卵巣におけるエストロゲン合成に影響を与える可能性があるが、ヒト卵巣のアロマターゼ活性に対する直接効果について検討された報告はない。本研究では、我々が最近確立したステロイド合成能を保持したヒト卵巣顆粒膜細胞由来株KGNを用いて有機スズのアロマターゼ活性(P450AROM)に及ぼす効果を検討し、以下の結論を得た。 1)ヒト卵巣顆粒膜細胞由来細胞株KGNに対して、トリブチルスズ(TBT)/トリフェニルスズ(TPT)は高濃度(200ng/ml以上)では細胞毒性あるいはアポトーシス誘導を来すが、インポセックスを発生させる低濃度(2〜20ng/ml/0.6〜6nM)では細胞毒性を示さず、アポトーシスも誘導しない。 2)2〜20ngのTBT/TPTはKGN細胞において、添加後すぐに阻害を示すアロマターゼ競合阻害剤(YM511)とは対照的に、添加後24時間以降にP450AROM活性を抑制した。このことはTBT/TPTが遺伝子あるいは蛋白発現のレベルでP450AROMを抑制することを示唆する。実際、TBT/TPTはP450AROM mRNAレベルを低下させ、転写活性を酵素活性とほぼ同程度まで抑制した。この機構として、P450AROMの遺伝子発現に重要なcAMP-PKA経路とAd4BP/SF-1による調節の両方の阻害が明らかとなったが、その詳細な抑制機構は今後さらに解析する必要がある。 3)今回の研究により、人体にTBT/TPTが蓄積された場合、ヒト卵巣のアロマターゼ活性を抑制する可能性が示された。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ダイオキシン毒性の客観的評価法の開発と、周産期・小児期疾患への影響の評価
原 寿郎
研究期間: 2001
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概要: 環境汚染物質であるダイオキシンは、急性毒性や癌化、催奇形性といった問題に加え、外因性内分泌撹乱物質(環境ホルモン)として生殖系への影響も懸念されている。環境からの暴露のみならず、母体から胎盤や母乳を介しての次世代への影響も心配されている。細胞内に入ったダイオキシンは、細胞質内に存在するAhレセプター(AhR)に結合し、核内に移行後に核内のAhR転位酵素(ARNT)と結合することで転写因子として機能し、薬剤代謝酵素であるCYP1A1や、AhR依存性の転写抑制に働くAhRリプレッサー(AhRR)遺伝子の発現を誘導する。我々は、これらダイオキシン受容体関連遺伝子群(AhR, ARNT, CYP1A1, AhRR)の遺伝子量を高精度に定量するため、ABI PRISM7700 Sequence detectorを用いたリアルタイムPCR法による定量系を確立し、ヒト成人精巣腫瘍細胞株が3-methylcholanthrene(3-MC)暴露によってARNT、CYP1A1、AhRR遺伝子の発現が誘導されることを確認した。次に、ヒト成人および胎児の各種臓器における発現量を定量し、その結果、臓器別発現ではAhRは肺、胎盤、脾臓、ARNTは肺、脾臓、成人の卵巣、精巣と胎児の腎臓、CYP1A1は成人の肺と肝臓、膵臓、AhRRは成人の精巣、卵巣、肺で高発現が認められた。また成人血単核球では3MCによりCYPlAl、AhRR遺伝子の発現が誘導されたが、臍帯血および乳児末梢血単核球ではAhRR遺伝子の発現の誘導は起こらず、誘導の差異が認められた。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 内分泌撹乱物質による脳および行動の性分化障害メカニズムの解明
粟生 修司
研究期間: 2001
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概要: A:本研究による知見 (1)行動への影響 母ラットに対してビスフェノールA(飲料水中に0.1、1、5ppm)、トリブチルスズ(餌中に5、25、125ppm)、ジエチルスチルベストロール(飲料水中に0.05ppm)を飲ませて生まれた子ラットが6週齢になった時点でオープンフィールド試験を実施し、全群において本来の性差(オスよりもメスのほうがよく動き、よく探索する)が消失することを見出した。レスベラトロール(飲料水中に5ppm)に曝露されたラットでは、オープンフイールド行動の性差は保持されていた。 (2)脳への影響 本来雌のほうが大きい青斑核の体積は、ビスフェノールAおよびジエチルスチルベストロール曝露ラットでは性差が逆転して雄のほうが大きくなり、レスベラトロールでは性差が消失していた。青斑核の細胞数の性差に関しても同様の傾向が見られた。一方、視床下部視索前野の性的型核の性差(雄のほうが大きい)は、ビスフェノールA、ジェチルスチルベストロール、レスベラトロールのどの曝露によっても影響を受けなかった。 B:現在進行中の研究 (1)行動への影響 上記化学物質曝露ラットにおいて、性差を示す他の行動試験を施行中である。 (2)脳への影響 脳内で性的二型性を示す上記の2つの核に対する種々の物質の影響をさらに検討するため、生後1日、11日、21日齢のWistarラットの脳を採取した。現在、これらの核におけるアポトーシス細胞出現の発達に伴う変化を解析中である。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of トリブチルスズとPCBsの複合作用による内分泌攪乱の解明
大嶋 雄治
研究期間: 2001
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概要: 我々は、これまでの研究でメダカ(Oryzias latipes)産卵群(雄3尾、雌12尾)にトリブチルスズ(TBT)とPCBsを複合投与すると、相加的に作用して産卵が低下することを報告した。本研究では、この作用機構を明らかにするために以下の実験を行った。 メダカペア(雌雄各1尾、12ペア)にTBTとPCBsを餌から1μg/g魚体重の割合で単独もしくは複合投与した。その結果、受精卵数はTBT処理区で有意に低下し、さらにTBT+PCBs処理区では有意ではなかったが相加的に減少した。無暴露の雌に対する雄の性行動を調べた結果、TBTが雄の性行動に影響を与えて放精行動を抑制していた。よって、受精率が低下する原因として放精行動の抑制が原因と推定された。一方、PCBsを投与したメダカでは,平常行動(遊泳,壁面回遊)の持続時間が短くなっており、多動的状態を観察した。 さらに、PCBs添加餌料(1,5,25,125μg/g)を投与したメダカ3尾と,PCBs無投与3尾,計6尾で群を形成させ,その群行動を1時間観察したところ、外部からの刺激が無いにもかかわらず,瞬発的にメダカが離散する行動(群の崩壊)が観察された。画像解析により,遊泳速度,転向角を求めてフラクタル次元解析を行ったところ、有意なフラクタル次元の増加が観察された。また,無投与メダカの行動とPCBs投与メダカのそれの間に差はなかった。PCBs混成群において,PCBs無投与メダカはPCBs投与メダカに影響され,群全体が異常な行動を行った。PCBsによりメダカの行動が不安定になることが証明された。 以上の結果から、産卵群においてTBTとPCBsが相加的に作用して産卵が低下した原因として、PCBsにより行動が不安定となり、さらにTBTが雄の性行動を抑制したため、相加的に作用して産卵群における繁殖を低下させたと推定された。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 内分泌撹乱物質のホルモン受容体結合能および活性化能の同時評価測定法の開発
下東 康幸
研究期間: 2001
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概要: 内分泌撹乱作用が懸念される非常に多数の既存化学物賓を、迅速にスクリーニングする方法が必要とされている。我々は最近、エストロゲン様作用が疑われる化合物500種類について受容体結合試験を実施し、結合親和性がノニルフェノールよりも数十倍から数百倍も強い化合物数種を見い出した。しかしながら、これら化学物質の内分泌撹乱作用の評価においては、受容体結合後の活性発現がホルモン作用なのか、抗ホルモン作用なのか、の判別が必要である。こうしたなか現在検討されているスクリーニング法は、これらについてそれぞれ別途に試験されねばならず、きわめて非効率的である。ところで、ホルモンや化学物質が受容体(アポ型)に結合すると、受容体の構造・コンホメーションが変化する(ホロ型)。女性ホルモン・エストロゲン受容体のリガンド複合体のX線結晶解析から、そのコンホメーション変化の内容はアゴニストと、アンタゴニストでは異なる。 本研究ではまず、こうした受容体コンホメーション変化の違いを感知・センシングする抗体の調製を試みた。ホルモン結合による核内受容体(転写因子)のコンホメーションの特徴的な変化は、C末端部αヘリックス(H12)である。そこで、これをエピトープとする抗ウサギ・ポリクローナル抗体を調整した。精製した抗体はアゴニスト・17β-エストラジオール(E2)とアンタゴニスト・4-ヒドロキシタモキシフェンを識別した。さらに、アゴニストでも、E2とエストロン(E1)とを識別した。そこで、一連のアルキルフェノールについて検討したところ、E1様の応答を示すことが判明した。これらを総合的に解析したところ、本抗体のみを用いて検討することで、内分泌撹乱物質のホルモン受容体結合能と活性化能を同時に特異的に定量・測定できるアッセイ系の構築が可能であることが判明した。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of プロテインチップによる内分泌撹乱物質のリスクアセスメント法の開発
村田 正治
研究期間: 2001
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概要: バクテリア発現系によって、ヒトエストロゲンレセプターリガンド結合ドメイン(hER-LBD)をヒスチジンタグとの融合タンパク質として大量発現させた。これを新たに合成した末端チオール化ニトリロトリ酢酸(NTA)誘導体と金属イオンを介して結合、さらに金-チオール間の化学吸着現象を利用することによって、hER-LBD三元複合体を金ディスク電極表面上へ固定化した。 リガンドとの結合実験はサイクリックボルタンメトリーによって行った。hER-LBD固定化電極を測定溶液に浸積し、これに所定の濃度の17β-エストラジオールを加えて電気化学的応答を観察したところ、添加したエストラジオールの濃度に応じてピーク電流値が大きく減少した。この現象はhER-LBDを固定化していない電極では全く観察されなかったことから、ピーク電流値の減少は電極表面上におけるレセプター-リガンド間の特異的な相互作用によるものと示唆された。女性ホルモンの添加濃度とピーク電流の減少量との関係をプロットした結果、得られた検量線は10^<-10>Mから10^<-7>Mまで線形応答が得られており、その検出感度はRI標識リガンドを用いた競合アッセイ法に匹敵した。ERはリガンドとの結合によって、その立体構造を変化させホモ二量体を形成することが知られている。本検出系では、このコンホメーション変化にともなって大きく変化したタンパク質の表面物性を、マーカーイオンの透過性に基づく電気化学的応答によって捉えたものと考えられる。このセンサは17β-エストラジオールに対して優れた応答特性を示した。本バイオセンサの測定時間は約1分と極めて高速であり、その検出感度も従来法に匹敵したことから、内分泌撹乱物質に対する新しいセンシングシステムとして有効である。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 触媒的不斉1,3-双極性環状付加反応による光学活性多元素環状化合物の合成
金政 修司
研究期間: 2001-2003
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概要: DBFOX-Zn(OTf)_2あるいはDBFOX-Ni(ClO_4)_2錯体は、α-ブロモアクロレインやメタクロレインなどのα,β-不飽和アルデヒドとN-ベンジリデンアニリン-N-オキシドとの環状付加反応を効率的に触媒し、高立体選択性で環状付加体を与える事を見い出した。ある種の金属塩から誘導した錯体は反応溶媒であるジクロロメタンに著しく難溶であるにも拘わらず、高い触媒活性を示したことから、触媒の会合による活性低下を解決できれば、単座親1,3-双極子であるα,β-不飽和アルデヒドへのニトロン環状付加反応の優れたキラル触媒開発への手掛かりが得られると考え、以下の2つの方法を検証した。 まず、DBFOX-Zn(OTf)_2錯体に種々のアルコール性の添加剤を加えて反応を行った。無添加時と比較して2mol%の触媒存在下において90%eeを越える高いエナンチオ選択性が観察された。 一方、オキサゾリンの5位に4つのメチル基を導入したテトラメチルDBFOX/Ph配位子を用いると、室温下数分で錯体を形成して、均一な溶液を与えた。この錯体溶液を触媒として用いると、不飽和アルデヒドを用いるニトロン環状付加反応がスムーズに進行し、1mol%の亜鉛触媒存在下において95%eeの高いエナンチオ選択性を達成することができた。加えて、ほぼ完全なエンド選択性を示した。他の不飽和アルデヒド基質を用いたニトロン環状付加反応においても、DBFOX/Ph錯体を用いた反応と比較して、エナンチオ選択性とジアステレオ選択性が大幅に向上しただけでなく、触媒量の低減に成功することができた。 強配位性の求核剤であるニトロンの触媒的不斉環状付加反応において、単座の反応基質である不飽和アルデヒドを用いて成功を収めたことにより、我々の開発したDBFOX/Ph錯体がこの種の反応における優れたキラル触媒として効果的に使えることを実証することができた。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 有機ビスマスおよびアンチモン-酢酸マンガン(III)系を用いた複素環の構築
西野 宏
研究期間: 2001
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概要: アルケン類やアルキン類、芳香族化合物および1,3-ジカルボニル化合物と酢酸マンガン(III)を用いたラジカル反応系に、有機ビスマスを加えた反応を行うことで、含ビスマス複素環化合物の合成を試みた。これまでの研究で、トリアリールビスマス(III)(1)は酢酸マンガン(III)によって容易に酸化されてジアセトキシビスマス(V)(2)となり、続く後処理でジクロロビスマス(V)(3)となることを明らかにした。化合物3の構造はX線単結晶解析によって決定された。化合物1から2への反応は比較的遅いので、1,3-ジカルボニル化合物やアルケン類の存在下同様の反応を行うことで、ビスマスを含む複素環化合物の生成が期待された。反応条件を種々検討したが、残念ながらビスマスを含んだ環化生成物は得られなかった。 次に、シロキサン結合を含む末端ジエン4を合成して酢酸マンガン(III)存在下2,4-ペンタンジオンとの反応を検討した。その結果、シロキサン結合を側鎖に持つ4,5-ジヒドロフラン5が22%の収率で得られた。同様の反応をテトラメチレン-ビス(3-オキソブタノエート)を用いて行ったところ、シロキサン結合を含む15員環化合物6(12%)の合成に成功した。また、副生成物としてモノジヒドロフラン7が得られた。このことから、大環状化合物6の生成は段階的に進行すると考えられる。今後、この反応をさらに検討し、シロキサン結合を含む複雑な化合物の合成を行う予定である。 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of キラル希土類錯体触媒を用いるヘテロ環状化合物の不斉合成法
稲永 純二
研究期間: 2001
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概要: 先に開発した、共役エノンの不斉エポキシ化反応の優れた触媒系-ランタン/ビナフトール/トリフェニルホスフィンオキシド/クメンヒドロパーオキシド-のランタンイオンを種々のランタノイドイオンに変えて、β置換シクロブタノンの不斉バイヤー・ピリガー反応に用いたところ、エルビウム錯体がもっとも優れた触媒として働き、高い化学収率(96%)ならびに良好な光学純度(55%ee)で対応するγラクトンを与えることを見出した。 一方、多方向進展性スペーサーを用いて調製した新規な高分子キラル不斉エポキシ化触媒は不均一触媒として働くため回収・再使用が可能であり、三回目の再使用触媒反応においても90%以上の化学収率、95%ee以上のエナンチオ選択性でエポキシケトンを得ることに成功した。 光学活性ビナフチルリン酸のスカンジウム塩(Sc[(R)-BNP]_3)を不斉ルイス酸触媒とする共役エノンへのアルコキシアミンによるマイケル付加反応で高エナンチオ選択性(up to>99% ee)を達成した。また、このマイケル付加生成物を塩基触媒で処理すると光学純度を保ったまま対応するα-ケトアジリジンに変換できることを見出した。いずれの反応も室温で進行しほぼ定量的化学収率を与えるので、本法は高光学活性アジリジン化合物の製造法として極めて有用である。また、ここで得られるα-ケトアジリジンは種々のキラル合成中間体として大変重要である。一例として、酢酸クロリド処理によりその光学純度を保ったまま定量的収率で医薬品原料として有用なβ-ヒドロキシ-α-アミノケトン誘導体へ変換することに成功した。 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of メタラサイクリックな金属触媒の電子授受能力を利用した複素環化合物の合成
永島 英夫
研究期間: 2001
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概要: 本研究は、広範な生理活性物質の基本骨格である窒素を含む4〜6員環化合物の効率的な合成法として、分子内の適当な位置に炭素-炭素二重結合を有するポリハロアミドを触媒的に環化させ、多官能性ラクタムを得る方法を確立することを目的としている。本年度は、まず、従来の多座窒素配位子をもつ銅錯体を用いた、4〜5員環ラクタムの合成経路の確立をめざして、反応基質であるエナミド構造をもつトリクロロアセトアミド、N-アリルトリクロロアセトアミド、N-アリルジフルオロプロモアセトアミド、および、生成物である塩素あるいはフッ素を含むβ、γ・ラクタムを、結晶構造解析、溶液中での動的挙動、サイクリックボルタンメトリーを用いた酸化還元電位の測定、という3つの手段で、構造と電子構造を明らかにした。その結果、反応に与える立体構造、電子構造の因子を系統的に整理することに成功した。さらに、効率的触媒の開発をめざして、メタラサイクル(ジアザルテナシクロブタン)構造をもつルテニウムアミジナート錯体の開発した。得られた数種類のルテニウムアミジナート錯体を、サイクリックボルタンメトリー測定をおこない、上記環化反応の触媒としての機能を、錯体の酸化還元電位により評価した。その結果、(η^5-C_5Me_5)Ru(η-amidinate)が従来の銅錯体と同等の酸化電位をもち、N-アリルトリクロロアセタアミドの環化反応によるγ-ラクタム合成にもっともよい結果を与えることを見出した.この錯体を触媒的に用いて天然物であるピロリジジンアルカロイド骨格の合成に成功した. 続きを見る