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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ジルコン中の放射性元素と蛍光 — Natural radioisotopes in zircon and their luminescences
進野 勇 ; SHINNO Isamu
研究期間: 1989-1991
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概要: 1.各種の元素をド-プしたジルコン単結晶の育成 総計45種の元素を単独または対にしてド-プしたジルコンを約150種,フラックス法と熱水合成法で単結晶を育成した。この際,ド-プ元素が単結晶の形態に及ぼす全体的な傾向をまとめて学会誌に投稿した。 2.ジルコンの蛍光スペクトルの測定 ジルコンの蛍光については単行本として出版された“新素材シリ-ズ"ジルコンー科学と技術ー(内田老鶴圃)にこれまでの知見をまとめた。ジルコン結晶中でα線のエネルギ-で生成する蛍光中心については不明な部分が夛いので実験を続行してきた。特に,(n,α)を起す安定元素をジルコンにド-プして,熱中性子照射をしてド-プ元素が結晶内でα線を放出する仕方で蛍光中心を作成する方法を用いた。この蛍光中心は天然のものでは熱漂白しても復活するが,人工合成のものは自然消滅してしまう。この安定化に寄与する安定剤はEu,Tbであることをつきとめた。これら蛍光の測定では高感度光電子増倍管およびノイズを低減化するための電子冷却装置を用いることができた。 3.ジルコンの電子スピン共鳴(ESR)の測定 γ線や熱中性子を照射したジルコンのESR信号の特徴を調べ,α線が作る蛍光中心と一致する原因から発信するESR信号を特定することがでぎた。蛍光法の方が高感度であることも判明した。 4.ジルコンの熱中性子照射実験 ジルコンの蛍光中心を作る実験と併行して,放射化分析,すなわち,ジルコン中の微量元素の定量分析も行った。この際,地球化学的放射性核種のデ-タベ-スも完成させた。また,放射化分析に必要なγ線のエネルギ-の同定のBASIC言語によるプログラムも開発した。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 後期更新世のESRおよびTL年代測定に関する研究 — Study on ESR and TL dating for late Pleistocene rocks
林 正雄 ; HAYASHI M.
研究期間: 1988-1989
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概要: ESR年代測定については、地熱帯産の若い石英の年代を求め、数万年以下の試料でも測定が可能であることを示した。また、TL法では測定が不可能な低結晶質の石英でも、ESR法では年代測定が可能てあることを示した(地熱学会誌)。ジルコンでは、種々の元素をド-プした合成ジルコンに現れる信号が放射線に関係しており、特にg=2.008の信号は放射性元素の壊変に伴うα粒子によると推定した。これはCaをド-プしたジルコンに熱中性子を照射して^<40>Ca(n,α)^<37>Ar反応を起こし、人工的に信号を生じさせることに初めて成功した(J.Min.Petr.Econ.Geol.)。 TL年代測定については、ジルコンが熱螢光量が強く、若い岩石年代測定に有望であるとが確かめられた(FTニュ-スレダ-)。また、年間線量を見積る方法として、α線スペクトロメ-タで測定するケ-スと、試料とTL素子を混合し放射線量を測定するケ-スについて、その妥当性を検討した。前者はジルコンがかなり大量に必要であるが、後者は10mg程度でも測定可能であり、実用的であることが明らかとなった(発表予定)。 FT(フィッション・トラック)法については、若いジルコンのユッチング特性を明らかにし、若い試料でもエッチングを十分に行えばトラック密度は飽和状態に達し、年代測定が可能なことを確めた(Nucl.Tracks)。 上の3手法について、本質ジルコンと時代の異なる異質ジルコンを結晶形態の定量記載によって識別できることを示し(情報地質)、さらにこの記載法が地球科学の諸分野で利用できることを報告した(地質学雑誌印刷中)。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ジルコンの蛍光スペクトル — Photo-luminescence of zircons
進野 勇 ; Shinno Isamu
研究期間: 1985-1987
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概要: 1.多機能顕微分光法の確立-吸収, 蛍光励起・醗酵・寿命, 熱蛍光- 天然のものも, 合成した結晶も微細な形のものが多い. これらを鏡下で観察と同時に標記のような情報が取れればこれらの研究の進展に好都合である. 光源に通常の高圧ガスランプの他に, YAGレーザーを用いた. 検出器は, -25°C位に冷却して雑音を減じた. 信号処理はロックインアイプにボックスカー積分法も導入して, 極微的な蛍光の検出と寿命の測定が可能になった. この手法をジルコンに適用して, その有用性を実証した. 2.ジルコンの3つの蛍光タイプ 産状の異なる約百種のジルコンを世界の有名な産地から収集した. これらの蛍光スペクトルを測定して解析し, それらの蛍光中心や発光メカニズムから, 3つの蛍光タイプを認識した. (1)ジルコンの蛍光タイプI-Dy^<3+>, Eu^<3+>, Sm^<3+>, Tm^<3+>の4f電子の遷移- ジルコンの微小均質領域10μm^2から上記の希土類元素が検出できた. これらは人工結晶に16種の希土類元素をドープした実験結果から確認された. Euについては熱中性子照射実験結果との対比から, 鏡下で定量が可能であることを示した. (2)ジルコンの蛍光タイプII-U, Thの放射崩壊に伴うSiOラジカルー このタイプは数MeVのエネルギーの荷電粒子(α,P)がジルコン中に標記のラジカルを作り, これらが蛍光中心となっていることを始めて実証した. この蛍光は熱によって消滅し, 又, 回復したり, 結晶学的方位に敏感に対応する, 紫外光に敏感であるなど特異な性質のあることを明らかにした. (3)ジルコンのタイプIII蛍光-不純物元素の電荷アンバランスー U^<3+>, P^<5+>やCa, Mnなどの作る電子-正孔中心が蛍光中心をなしている. 天然では産出が珍である. 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 北西九州・中国西部の古第三紀広域テフラの研究 — Studies on the Paliogine tephron in Northwest Kyushu and West Chugol
宮地 六美 ; MIYACHI Mutsuai
研究期間: 1994-1995
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概要: 2年間に亘る研究によって、北西九州から中国西部にかけての広大な地域の第三系に多数のテフラが挟まれていることが判明した。その火山学的・堆積学的研究から供給源は、45〜20Maに対馬-五島列島西方沖合いに在ったと推定される火山前線上の火山に求められることが明らかとなった。九州本土に到達したテフラは、火砕流堆積物、マグマ水蒸気爆発にともなう火砕サージ堆積物、降下軽石・火山灰、火山性土石流堆積物、火山豆石などに分類される。火砕流に巻き込まれた炭化樹木の輝炭反射率の研究から、火砕流堆積物が九州本土に到達したときの温度は550℃以上であったと推定された。 一方、対馬の対州層群に挟まれる火山砕屑岩層の研究から、同層が水中火砕流堆積物であることが判明した。同層は軸流方向に(南西-北東)40km以上に亘って追跡され、その体積は少なくとも40km^3以上あり、噴火当時は120km^3以上の巨大噴火であったことが明らかとなった。この水中火砕流の一部は九州本土にも達しており、唐津炭田の岸岳または竹有凝炭岩がその南方延長であると推定される。 今後も更に火砕堆積物の火山学的・堆積学的研究を続け、その年代を決定し、陸弧時代のアジア大陸東縁のテクトニクスと古環境の復元につとめる計画である。 続きを見る
5.
雑誌論文
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ジルコンの迅速分離手法とU-Pb年代測定への適用例 — Rapid techniques for zircon separation and the application for U-Pb dating
北野, 一平; Kitano, Ippei; 小山内, 康人 ... [ほか]
出版情報: 比較社会文化. 20, pp. 1-10, 2014-03-25. 九州大学大学院比較社会文化学府
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概要: 本稿では、ジルコンの迅速分離手法とLA-ICP-MSを用いたU-Pb年代測定の実例を報告する。ジルコンは岩石中には副成分鉱物として産するため、その量的な問題から多くの場合、試料からの分離が必要となる。ジルコンの分離には、現在においても重液を用いた分離法が一般的である。しかしながら、重液の使用に対する非効率性や人体に及ぼす危険性、高コストが指摘されてきた。そこで、小論ではこれらの問題を解決するために、重液を用いないジルコンの迅速分離手法を考案した。本手法では、粉末試料をビーカーや時計皿による水簸および椀掛けをすることでジルコンを30分以内に抽出することが可能であり、重液分離と比べると極めて迅速で効率よく、低コストで安全な手法といえる。ジルコンはU-Pb年代測定のほかに、包有物解析や化学組成から様々な地質事変を制約できる鉱物である。本手法は膨大なジルコン分析に対応した地質学的研究に非常に有用な手法であるとともに考古学などの他分野への応用も期待される。 続きを見る