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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 食道癌多発地域および本邦における食道癌化機構の比較検討-ヒトパピローマウィルス感染と遺伝子異常、HLA抗原発現の検討- — Esophageal Carcinogenesis in the High-risk Area-HPV infection and genetic abnormality, expression of HLA antigen-
杉町 圭蔵 ; SUGIMACHI Keizo
研究期間: 1996-1997
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概要: 近年の分子生物学の進歩により、食道発癌とさまざまな遺伝子異常との関連、さらにヒトパピローマウィルス(HPV)感染との関連が報告されてきたが、未だ一定の見解を得るには至っていない。本研究の目的は、食道癌発生のハイリスク地域である中国北部地方と本邦の食道癌発生様式を比較検討し、食道発癌の分子機構を解明することである。 対象は中国Linxian地方の術前無治療食道癌切除症例151例と、本邦の術前無治療食道癌切除症例151例である。HPV感染をPCR法により検出したところ、食道癌ハイリスク症例を除いた場合、日本4.3%(1/23)に対し中国では22.2%(28/126)と明らかに感染率が高く(p<0.05)、少なくとも一部の中国の食道癌発生には、HPVが関与していることが示唆された。生活歴に関しては、日本では飲酒指数(合/日×年)100以上の大酒家が31.8%、喫煙指数(本/日×年)1000以上の多喫煙家が30.0%であるのに対して、中国ではそれぞれ7.9%、5.3%でありいずれも日本が多かった(p<0.0001)。また、日本では大酒家(p<0.01)、多喫煙者(p<0.01)でp53異常を高率に認め、さらに大酒家でかつ多喫煙家では94.1%(16/17)と非常に高率にp53異常を認めた(p<0.01)。よって、日本では、飲酒、喫煙によるp53異常が、食道癌発生の重要なひとつの経路である可能性が示唆された。 本研究では、人種、環境の異なる2つの地域での食道癌にみられる異常を比較しており、食道癌発生における内的因子・外的因子の解明が期待できる。今後、中国の食道癌発癌の特徴を浮き彫りにすることにより、相手国へもさらに貢献できればと考えている。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 癌関連遺伝子の発現からみた食道癌発生並びに進展形式に関する研究 — BIOLOGICAL FEATURES OF CARCINOGENESIS AND PROGRESSION OF ESOPHAGEAL CARCINOMA WITH REGARD TO EXPRESSION OF CARCINOMA-RELATED GENES.
桑野 博行 ; KUWANO Hiroyuki
研究期間: 1992-1994
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概要: 9.研究成果の概要(最終年度のまとめ) 本研究は食道癌における癌関連遺伝子の異常について、単にその有無を検索するに留まらず、免疫組織化学およびIn situ hybridization法を用いて、それらを発現している細胞の組織内における局在およびその分布を明らかにすることにより、食道癌の発生および進展過程における生物学的特性を明らかにすることを目的とした。 このような観点から、食道癌の発生に関しては食道異型上皮の前癌病変としての意義について癌抑制遺伝子p53の異変の面から免疫組織化学的に検討を行った。また、食道癌の進展に関しては、Type IV collagenaseの発現をIn situ hybridization法にて検討した。この結果、食道異型上皮はその異型細胞層のみをみるとすでに癌に準じた遺伝子変化が認められることが明らかとなり、前癌病変というよりもむしろ潜在癌病変といえるものであることが示唆された。また、食道癌におけるType IV collagenaseの発現は胞巣あたり数個の癌細胞に認められ、またその発現はStage dependentであり、この酵素の発現が食道癌の浸潤に関与していることが示唆された。食道癌の発生および進展に関与すると考えられる遺伝子の変化について、その局在を明らかにすることにより、その意義についての検討を行った。今後同様の手法を用いて他の遺伝子変化についても検討を行うことにより、それぞれの遺伝子変化の意義および食道癌の発生および進展機構が更に明らかにされることが期待される。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 食道癌発生における遺伝子異常およびシグナル伝達機構解析の意義に関する研究
大野 真司
研究期間: 1999-2000
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概要: 食道癌は前癌病変・癌初期像とされるdysplasiaを伴うという病理学的特徴を有している。これらの特徴に着目し、本研究は食道癌特に多発病変やdysplasiaにおける遺伝子異常と発癌危険因子との関係を検索し、食道癌発癌機構解明を目的とするものである。対象は、術前無治療で食道切除術を施行された表在癌69例とした。すべての癌部、dysplasia部に関してp53免疫染色を行った。各症例の危険因子(飲酒、喫煙歴)を調査し、(1)食堂内多発癌の頻度(2)dysplasiaの併存頻度(3)dysplasiaの平均個数(4)主癌部がp53陽性の症例の頻度(5)p53陽性のdysplasiaの頻度との関連について検討した。危険因子は、喫煙指数500以上且つ飲酒指数100以上である群をhigh risk群とした。 結果は、(1)表在癌症例では、high risk群のみに多発癌症例が認められた(p=0.0003)。また、high risk群は他の群に比較し、(2)dysplasiaの併存頻度が高く(p=0.025)、(3)dysplasiaの個数が多く(p=0.009)、(4)癌部のp53陽性症例の頻度が高く(p=0.0025)、(5)p53陽性dysplasiaの率が高かった。以上よりdysplasiaの発生には、飲酒喫煙といった危険因子への暴露による食道上皮のp53異常が関与し、その一部に癌化が生じているという過程が考えられた。 (今後の予定) p53、p16、CyclinD1、CyclinE、TGF-β1receptor、Smad、Ki-67、HGF、c-Met蛋白といった癌遺伝子、癌抑制遺伝子、シグナル伝達に関与する遺伝子などに関して検討し、正常粘膜、異型上皮及び上皮内癌における遺伝子変異や増殖活性の差異を調べる。それらの結果より異型上皮の前癌病変としての意義を明らかにし、食道癌発癌機構解明を目指す。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 癌関連遺伝子からみた食道癌の発癌機構の究明 — INVESTIGATION OF CARCINOGENESIS AND PROGRESSION OF ESOPHAGEAL CARCINOMA WITH SPECIAL REGARD TO EXPRESSION OF CARCINOMA-RELATED GENES
桑野 博行 ; KUWANO Hiroyuki
研究期間: 1995-1997
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概要: 研究成果の概要 1.食道異型上皮(dysplasia)の食道癌における前癌病変としての意義 今回われわれは食道癌組織に併存するdysplasiaを対象に(1)細胞増殖活性からみた検討として36kdの核内蛋白で細胞周期におけるS期をピークとして、G1からG2期に発現する、すなわち細胞増殖能の指標となるproliferating cell nuclearantigen(PCNA)を用いた研究(2)腫瘍抗原性という観点からある種の癌細胞に発現されるHLA-DR抗原からみた検討、さらに(3)細胞増殖や血管新生の制御に関わるサイトカインの1つであるTransforming growth factor β1(TGFβ1)の発現からみた検討を行うことにより、食道dysplasiaの意義をさらに明らかにすることを目的とした。 その結果(1)PCNALIは正常上皮およびdysplasiaにおいてはbasal layer(基底層)でparabasal layerより低く、上皮内癌では両者において差はみられなかった。また特に高度な(severe)dysplasiaではともに上皮内癌と同様でPCNALIでも差をみとめず、上皮内癌と同様の増殖活性を示していた。 (2)HLA-DR抗原発現は正常上皮ではほとんどみられず、dysplasiaで42.0%(癌に連続するdysplasiaで50.0%、連続しないdysplasiaで31.8%)、上皮内癌で42.0%、浸潤癌で34.3%にみられ、またHLA-DR抗原発現とリンパ球浸潤はよく相関していた。(3)正常上皮を陽性対象とし検討した所dysplasiaではその程度(mild.moderate.severe)に関係なくTGF-β1の発現は強陽性0、陽性5.7%、陰性94.3%と上皮内癌の0、16.7%、83.3%と同様その減弱がみられた。以上より、dysplasiaの多くはすでに質的に癌性変化を来したものであり、前癌病変というよりはむしろ潜在癌病変と呼ぶにふさわしいものであり、癌に準じた対処が必要であることが示唆された。 2.食道癌の初期浸潤形式と血管新生に関する研究 食道癌の発生および進展形式における初期浸潤の段階における血管新生の意義を明らかにすることを目的として検討を行った。初期浸潤形式が″flat″.″expansive″.さらに″downgrowth″pattrnになるに従って有意に新生血管数は増加していた。 以上より食道癌初期浸潤における血管新生はその浸潤形式とより関連があることが明らかとなった。 続きを見る