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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 胃MALTリンパ腫におけるCARD11の発現と胃温存治療効果に関する研究 — Expression of CARD11 (CARMA1) and efficacy of non-surgical treatment in gastric MALT lymphoma
中村 昌太郎 ; NAKAMURA Shotaro
研究期間: 2004-2005
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概要: Caspase recruitment domain(CARD)-membrane-associated guanylate kinase 1(CARMA1、別名CARD11)は、CARD9、BCL10およびMALT1と共に,nuclear factor κB経路を介するリンパ球の活性化に重要な役割を果たしている。前年度までに、胃原発B細胞性リンパ腫65例(MALTリンパ腫43例、びまん性大細胞型Bリンパ腫6例、両者の併存16例)と慢性胃炎18例において、CARMA1,CARD9,BCL10およびAPI2-MALT1のmRNAレベルでの発現をRT-PCR法で検索した。今年度は、対象リンパ腫のうち30例において,CARMA1とBCL10蛋白の免疫組織染色を追加し、前年度の結果と併せて総合的に解析した。CARMA1およびCARD9 mRNAの発現はリンパ腫(55%および48%)において、胃炎(17%および0%)より高頻度であった。CARMA1とCARD9は、いずれもH.pylori陰性例、API2-MALT1キメラ分子陽性例、H.pylori除菌無効例で高頻度に発現し、Helicobacter pylori除菌治療に反応しないリンパ腫21例中18例(86%)は、両者のうち少なくとも一方が陽性であった。CARMA1 mRNAの陽性率は,MALTリンパ腫成分陽性例(50%)より,びまん性大細胞型Bリンパ腫(100%)で高かった。また、免疫染色によるCARMA1蛋白の過剰発現はリンパ腫の60%に認められ,CARMA1 mRNAの発現およびBCL10蛋白の核内発現と有意に相関していた。以上より、CARMA1およびCARD9の過剰発現が、胃B細胞性リンパ腫、特にH.pylori非依存性MALTリンパ腫の発生ないし進展に関連している可能性が強く示唆された。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 消化管悪性リンパ腫における遺伝子異常と臨床病理学的因子に関する研究 — Clinicopathologic impact of genetic aberrations in gastrointestinal lymphoma
中村 昌太郎 ; NAKAMURA Shotaro
研究期間: 2008-2010
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概要: 【目的】消化管濾胞性リンパ腫における遺伝子学的異常の有無を検索し,臨床病理学的因子との関連を明らかにする。【方法と結果】消化管濾胞性リンパ腫48例を対象としてt(14;18)(q32;q21)/IGH-BCL2の有無をfluorescence in situ hybridization (FISH)法で検索した結果,39例(81%)でt(14;18)転座が検出された。転座陽性群は陰性群よりも,消化管の複数領域浸潤(69%vs.0%),ポリポーシス成分(72%vs.22%),組織grade 1-2(92%vs.56%)例の頻度が高く,寛解導入例は低頻度であった(56%vs.100%)。さらに,転座陽性群は進行・再燃が多く(22%vs.0%),無イベント生存率不良の傾向がみられた(P=0.09)。一方,t(14;18)陰性の9 例中3例で他の遺伝子異常(BCL6転座,トリソミー3,トリソミー18)が検出された。【考察】濾胞性リンパ腫におけるt(14;18)転座の頻度は発生臓器によって異なる。消化管濾胞性リンパ腫における研究は少なく,今回多数例の解析で80%にt(14;18)転座を認めることを明らかにした。本転座の臨床的意義について一定の見解はないが,本研究で転座陽性例が臨床経過不良である可能性が示唆されたことは新たな知見である。さらにt(14;18)転座陰性例においてBCL6転座やトリソミー3,18がみられることも確認した。今後は腸管MALTリンパ腫やDLBCL(diffuse large B-cell lymphoma)における遺伝子異常の検索を計画しており,消化管リンパ腫の病態解明をさらに進めたい。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of MALT型胃悪性リンパ腫の生物学的悪性度と遺伝子異常の解析 — Analysis of malignant biology and gene disorder in gastric MALT lymphomas
佐藤 裕 ; SATOH Hiroshi
研究期間: 1995-1996
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概要: 粘膜に関連するリンパ組織(MALT)由来の悪性リンパ腫の概念が認められるようになり、胃悪性リンパ腫の臨床診断や治療方針の見直しが切望されている。当科で外科切除された胃悪性リンパ腫40例を組織学的に再検討すると、MALT型リンパ腫26例と非MALT型リンパ腫14例に分けられた。さらに、MALT型リンパ腫は細胞学的に高度異型部分を含む高悪性度リンパ腫8例と高度異型部分を含まない低悪性度リンパ腫18例に分けられた。MALT型リンパ腫は高悪性化やリンパ節転移や化学療法の有無に関わらず臨床的には無症状や軽症状のことが多く、病理学的には表層拡大型が多数を占め、病変の境界は不明瞭で高悪性化を予期し得なかった。MALT型リンパ腫例の5年生存率は94.4%で、非MALT型リンパ腫例の59%より有意に高かった。しかし、MALT型リンパ腫高悪性度例の5年生存率64%と非MALT型リンパ腫例の間に有意差はなかった。これらの所見はMALT型リンパ腫には非MALT型リンパ腫とは違った病因や臨床所見や治療上における特異性の存在が疑われた。MALT型リンパ腫が広範で境界不鮮明な胃壁内進展をし、半数の症例にリンパ節転移があることは、現時点では2群以上のリンパ節郭清を伴う胃全摘術が最良の外科治療法であろう。最近の知見によればMALT型リンパ腫の発生にHelicobacter pylori感染が関連していると言われている。今後、臨床的、病理学的、細菌学的、遺伝子解析結果の集積によってMALT型リンパ腫における治療方針のさらなる確立が期待される。 続きを見る