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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 生体外修飾を行った「再生免疫組織」による癌特異免疫療法への応用
内山 明彦
研究期間: 2002-2003
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概要: 強力な抗原提示能を有する樹状細胞を用いた抗腫瘍免疫ワクチン療法は、今後、難治性癌の治療や予防に期待されている癌特異免疫療法の一つであり、我々は、腫瘍ワクチンとしての樹状細胞の基礎研究を行い、九州大学倫理委員会の承諾後、本治療法を実際の臨床において開始している。今回、再生医学的手法の応用により人工サイトカイン産生装置などの腫瘍免疫療法に応用するためのデバイスについての研究にも着手している。このような臨床・研究過程の中で、腫瘍抗原刺激自己樹状細胞とT細胞との反応を、手術により採取されたリンパ節や脾臓という自己の免疫組織そのものを場としてex vivoで誘導し、抗腫瘍免疫能を賦与・強化した免疫組織として再生させ、生体に戻す治療法の開発に着手することになった。本研究の目的は「手術時得られた免疫組織(患者リンパ節、脾臓組織の一部)の中に、in vitroにおいて自己腫瘍抗原で刺激した樹状細胞を誘導し、抗腫瘍免疫療法のための再生自己免疫組織を作成すること」であった。本年度は、(1)in vitroにおいて樹状細胞あるいはその前駆細胞を含んだ免疫組織(リンパ節、脾臓組織の一部)を長期培養するための増殖因子の種類、濃度と培養条件についての研究を行った。また、(2)組織培養の終了時に内部で産生された樹状細胞と活性化T細胞の数、機能を腫瘍抗原特異性の点から評価し、将来的にこれを患者に治療用組織として再移植する場合を想定した予備実験を行った。これまでの我々の研究の結果は、低重力三次元培養とサイトカインの併用により免疫組織を抗腫瘍性組織として再生できる可能性を支持しているが、得られた免疫組織を更に生体に戻した場合の細胞寿命や機能に関しては、まだ検討すべき課題も多い。手術時採取されたリンパ節の一部を用いて、体外での三次元組織培養を行った研究においては、IL-2とGM-CSF, IL-4の併用が、最もリンパ節内においてex vivoでのリンパ球寿命の維持に有用であることが確認された。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 腫瘍細切片とGM-CSF遺伝子組換えアデノウイルスを用いた免疫遺伝子治療
田中 雅夫
研究期間: 1998
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概要: (1)まず、pilotstudyとしてハムスター膵癌細胞(HPD-2NR)とマウス乳癌細胞を用いてGM一CSF遺伝子組換えアデノウイルス感染腫瘍ワクチンの抗腫瘍効果について検討した。それぞれの腫瘍を用いて実験群は以下の3群(n=5)を作成した。(A)対照群:生食皮下投与。(B)照射単独群:膵癌細胞(5×100000)に100Gyの放射線照射のみ行い皮下投与。(C)腫瘍ワクチン群:膵癌細胞(5×100000)にGM-CSF組換えアデノウイルスを感染させ(感染効率:100)、100Gyの放射線照射した翌日にハムスター皮下に腫瘍ワクチンとして投与した群。各群に対して1週間後に腫瘍細胞(1×100000)をchallengeし、腫瘍の生着率とサイズを測定した。【結果】ELISAにて上清中のGM-CSFの発現はA、B群:0であったが、C群:360ng/1000000cells/24hrと高発現が認められた。Challenge後18週の時点で、膵癌の生着率はA、B、C群それぞれ80、40、0%、腫瘍サイズは、15700±10300、690±980、0立方mmと腫瘍の生着率、サイズともに腫瘍ワクチン群で完全に抑制された。乳癌においてもほぼ同様の結果であった。 (2)両腫瘍細胞に対してGM-CSF組換えアデノウイルスを用いた腫瘍ワクチンが有効であることが証明されたので、続いて腫瘍細切片を用いた腫瘍ワクチンの実験系にとりかかった。腫瘍細切片をGM-CSF組換えアデノウイルス液に1時間浸し、100Gyで放射線照射を施行した24時間後に上清のGM-CSF濃度をELISAにて測定、GM-CSFが発現されていることを確認した。現在、腫瘍細切片を用いた腫瘍ワクチンの実験を施行中である。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 白血病細胞増殖におよぼす組み換え造血因子と造血微細環境の作用
仁保 喜之
研究期間: 1988
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概要: 大多数の白血病細胞の試験管内での増殖には刺激物質の存在が必須であることが判明しているが,より明確にするため白血病芽球コロニー形成法を用いて純化した組み換え型造血因子(GM-CSF,G-CSF,IL3,EPOなど)の作用を検討した。これによりGM-CSF,G-CSF,IL3が白血病芽球増殖を刺激することが判明した。一部の症例の白血病芽球ではEPO単独での刺激効果は認めないにもかかわらず,GM-CSFの白血病芽球コロニー形成刺激効果をEPOが強く促進した。しかも,G-CSFの白血病芽球コロニー形成刺激効果はEPOにより殆ど促進されなかった。これらのことは,白血病細胞でも造血因子の作用にヒエラルキーが有することを示唆する。このことをより明らかにするためには各々の受容体の解析が急務であり,既に我々はG-CSF受容体の解析を開始している。 白血病細胞増殖において造血刺激因子によるオートクラインあるいはパラクライン機作の存在を明らかにするため,白血病細胞自身の造血因子遺伝子発現を検索した。急性骨髄性白血病症例の中にはGM-CSF遺伝子やG-CSF遺伝子の発現しているものが存在することを証明した。さらに慢性骨髄性白血病に比較的大量に発現される遺伝子の解析も行い報告した。またTNFやTGF-β遺伝子が発現されている例も発見し,その意議について検討を加えている。 組み換え型G-CSFとGM-CSFに対するモノクローナル抗体を作製し,これを用いた酵素免疫抗体測定法で各々の因子の濃度を測した。また造血微細環境を形成すると考えられる骨髄前脂肪細胞株上で白血病細胞を培養し,分化の誘導が可能であることも見出している。 本年度は研究実績を20編の英文論文にまとめ,それぞれ英文学術誌に発表した。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of グラヌロポエチンに対するモノクロ-ナル抗体作製とそれを用いた顆粒球造血の研究 — Studies on granulopoiesis using monoclonal antibodies against granulopoietin
仁保 喜之 ; NIHO Yoshiyuki
研究期間: 1986-1989
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概要: グラヌロポエチン(別名CSF)は白血球のうち顆粒球の増殖・成熟分化を司る物質である。極微量のグラヌロポカチンが正常人、あるいは病的状態で、いかに顆粒球造血に作用しているかを明らかにするため多方面から研究を行った。まず、CSFを産生するヒト細胞株を大量に培養して得られた培養上清を単一蛋白に精製した。その過程で、グラヌロポエチンの正確な生物学的測定系を確立した。続いてヒトGーCSFとGMーCSFに対するモノクロ-ナリ抗体を産生する多数のマウス雑種細胞株の樹立に成功した。そのうちの一部の抗体はグラヌロポエチン活性を阻害できる興味あるものであった。これらのモノクロ-ナル抗体は様々な顆粒球造血に関連した研究に応用可能であるが、まずグラヌロポエチンの酵素免疫測定法に利用して成果を上げつつある。すなわち各種患者血清中のGーCSFおよびGMーCSF濃度の測定を行った。これにより多数の新知見が得られた。一例を示すと、細菌感染症、薬剤誘発無顆粒球症ではCSFが極めて高値を取るものが有ることが判明した。また、科学療法後の白血球減少期の血清中CSF値は化学療法の種類や原疾患により上昇の程度に差があることを認めた。一方、CSFは白血病細胞を試験管内で増殖させることを証明した。さらに、モノクロ-ナル抗体や遺伝子操作技法を用いてグラヌロポエチン産生細胞、産生の調節機構あるいは作用する細胞上のレセプタ-の解明にも取り組み、正常顆粒球系細胞だけでなく白血病にも存在することを証明した。研究成果は現在取りまとめている英文論文だけでも54編(投稿中を含む)あり、さらに国際学会21回発表など広く公表してきた。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ヒト白血病増殖因子の純化とそのレセプターの研究
仁保 喜之
研究期間: 1986
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概要: 1.ヒト急性骨髄性白血病芽球コロニーの形成およびそれを用いた白血病細胞の薬剤感受性試験;多数例の急性骨髄性白血病患者から白血病芽球を採取し,ヒト膀胱癌細胞株HTB9細胞培養上清を白血病芽球増殖因子源として加えメチルセルロース添加アルファ培地中で培養すると、強く白血病芽球を増殖させてコロニーを形成した。即ち、白血病幹細胞の定量が可能となった。この系で臨床例の薬剤感受性試験を行った。治療経過に沿って感受性が変化することが認められた。さらに治療に反応した群は不応群に比べ薬剤添加後のコロニー残存数が有意に少ないことを証明した。 2.ヒト急性骨髄性白血病細胞増殖因子の分離;HTB9細胞を毛細管循環式培養法とマイクロキャリアーを用いる浮遊培養法で大量培養した。大量培養で得られた120Lの培養上清を限外濾過濃縮し、各種のカラムクロマトグラフィーで分離した。陰イオン交換クロマトでは白血病細胞増殖因子は低塩濃度で溶出されるA成分と高塩濃度で溶出されるB成分とに分離され、それらを更に逆相高速クロマトで精製し、A成分はG-CSFを含みその活性を1億単位/mg蛋白以上に純化した。B成分はGM-CSFを含み、両者には相加効果や相乗効果があることを証明した。またGM-CSFCDNAをプローベとしてノーザンブロッテングによりHTB9における大量のGM-CSF発現を証明した。更に一部の症例の白血病芽球自身もGM-CSF遺伝子を発現していることを証明した。 3.抗ヒト急性骨髄性白血病増殖因子抗体の作製;A成分とB成分を家兎とマウスに免疫し抗血清を得た。A成分に対する抗体はG-CSF活性を完全に抑制した。さらに純粋なG-CSFに対する抗体もウエスタンブロッティングで証明した。現在多数のモノクローナル抗体産生クローンを採取して、特異的に働くものを選別中である。 続きを見る
6.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 腎癌に対する免疫遺伝子治療法強化を目的とした腫瘍プロテオミクス解析
谷 憲三朗
研究期間: 2006-2007
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概要: Ex vivo免疫遺伝子治療は、現在までに世界中で多く試みられているが、第III相臨床研究に至っているプロトコールは、顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)を用いた前立腺癌に対する臨床研究など数種のみである。本邦に於いてわれわれはGM-CSF遺伝子導入自家腎癌細胞をワクチンとして用いた免疫遺伝子治療臨床研究を4人の第IV期腎癌患者を対象に実施した。この結果、患者体内にin vitro検査上腫瘍特異的免疫が誘導されたことが明らかになったが、腫瘍縮小効果に関しては遺伝子導入自家腎癌細胞ワクチンと低量インターロイキン2(IL-2)の全身投与の必要性が示唆された。また患者体内に抗腫瘍免疫が誘導されるものの、転移腫瘍サイズが大きい場合には、単独では効果が得にくいことも明らかとなった。この状況を克服することを最終目的に、本研究ではマウス腎癌細胞であるRenca細胞及びGM-CSF又はGFP遺伝子導入Renca細胞を移植したマウスの腫瘍形成試験において再現性をもって有意な腫瘍抑制を認めた時点(day 8)の腫瘍所属リンパ節(TDLN:Tutmor Draining Lymph Node)を採取し、先ずトランスクリプトーム解析を行う目的でマイクロアレイ解析法を用いて癌抑制効果に関連する遺伝子の同定を行った。マイクロアレイ解析の結果、マウスGM-CSF遺伝子導入Renca細胞を接種したマウスリンパ節に於いて高発現していた遺伝子198個の中から8遺伝子(Efemp 1、Ela 2、Tnfrsf 17、Slpi、Ccl 3、Ly6c、Cxcl 9、Samhd 1)に注目し、更に発現量の差の比較検討を行った。その結果、GM-CSF遺伝子導入Renca細胞接種マウスリンパ節で、有意な遺伝子発現を認めたSamhd1以外のこれら候補遺伝子が、GM-CSFの腫瘍増殖抑制効果を増強する重要な因子である可能性が示唆された。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 高分子ミセル内包RGD-TNFαを軸とする集学的がん遺伝子治療の開発 — Multidiciplinary TNF・a based gene therapy using polyplex micelle
中野 賢二 ; NAKA Nokenjl
研究期間: 2009-2011
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概要: 高分子ミセル型ベクターを用いて、TNF一α遺伝子を軸として免疫遺伝子や転写因子qYB-lRNA干渉の併用治療を検討し、集学的がん遺伝子治療を開発することを目的とする。TNF一α遺伝子導入でがん細胞に活性酸素産生と細胞傷害が認められ、Rac-lsiRNAで活性酸素産生と細胞傷害は阻害され、がんに高発現するRae-l1を介した活性酸素の産生がTNF一α遺伝子治療の作用機序と考えられた。腫瘍血管を標的化するリガンドの付いたRGD-hTNF一αとhTNF一α遺伝子治療で抗腫瘍効果を比較したところ、RGD-hTNF一α群が腫瘍の抑制が高かった。またACD4oL0L, GM-CSF併用群がTNF一α単独群より抗腫瘍効果が高AThlh1の指標:血中IL-2, IFN一γ濃度が高かったことからThl優位の免疫誘導が示唆された。更にAYBl-miRNANA治療は腹膜播種を有意に抑制AYB-lsiRNARNAにより血管内皮細胞にアポトーシス誘導、管腔形成能の抑制が生じ、皮下腫瘍においてもYB-lmiRNA治療により腫瘍の新生血管密度低下が認められた。腫瘍血管を標的とする汎用性の高い治療となる可能性が示唆された。マウス腹膜播種モデルの遺伝子治療で体重、血液検査で異常を認めなかった。更に、カニクイサルを用いた安全性評価は単回漸増法で施行し、臓器傷害、異常検査値を認めず、腹腔内投与での安全性が確認された。以上の結果より、高分子ミセル型ベクターの腹腔内投与による集学的がん遺伝子治療は、安全性に問題なく直接的抗がん効果のみならず抗腫瘍免疫も誘導できる治療法として期待できる。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 新規遺伝子治療ベクターの開発と悪性腫瘍モデルコモンマーモセットを用いた前臨床研究 — Development of new gene therapy vectors and the preclinical cancer animal model system using common marmoset
谷 憲三朗 ; TANI Kenzaburo
研究期間: 2005-2009
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概要: 新しい癌に対する遺伝子治療法開発を最終目的に新しい動物腫瘍モデル作出技術ならびに新規遺伝子治療法の開発を行った。その結果、特筆すべきものとして小型霊長類コモンマーモセットにHTLV(ヒトTリンパ好性ウイルス)-1感染キャリアモデルを作出することができ、成人T細胞白血病の病態解明および治療法開発に有用であると考えられる。また新たな癌に対する遺伝子治療法として腫瘍溶解性麻疹ウイルス、腫瘍溶解性エンテロウイルス、さらにはGM-CSF遺伝子発現キャリア細胞を用いた新規免疫遺伝子治療法を開発することができ、臨床展開を図る段階に至ることができた。 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of LTB4阻害時にGM-CSF遺伝子導入腫瘍細胞の抗腫瘍効果が長期維持される機序 — To clarify mechanism by which long-term antitumor immunity induced by GM-CSF gene transduced tumor cells is generated in the absence of LTB4/BLT1 signaling.
井上 博之 ; INOUE Hiroyuki
研究期間: 2009-2010
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概要: 本研究で、我々はBLT1-KOマウスにおけるGM-CSF遺伝子導入マウス白血病(WEHI3B)細胞(WGM)の腫瘍形成拒絶後の同細胞接種の再拒絶過程において、CD4+T細胞が重要な責任細胞である事を明らかにした。また、KO/WGM マウス群でステムセントラルメモリーT細胞を含む各種メモリーT細胞が促進されていた(day 46)。その誘導メカニズムとして、in vivoにおけるBLT1シグナル欠失は、腫瘍抗原貪食樹状細胞の遊走及び活性化、追従する適応免疫系の活性化及び免疫寛容系を抑制しながら、より強力な腫瘍抗原特異的メモリーCD4+T細胞を効率よく長期的に誘導することが示唆された。 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of GM-CSF遺伝子導入肺癌細胞の抗腫瘍効果に関わる樹状細胞重要因子の同定 — Identification of the important factor of GM-CSF sensitized dendritic cells that involves with the process of antitumor effect induced by GM-CSF
田中 芳浩 ; TANAKA Yoshihiro
研究期間: 2009-2010
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概要: GM-CSFによる抗腫瘍効果誘導メカニズムの解明を目的とし、GM-CSF遺伝子導入肺癌細胞のマウス皮下接種後の拒絶過程における所属リンパ節中樹状細胞 (GM-DCs)の網羅的遺伝子発現解析をマイクロアレイ法を用いて施行した。その結果、I 型インターフェロン産生形質細胞様樹状細胞(pDCs)関連遺伝子の有意な発現変動が確認された。また、pDCs欠失実験、TLR7アゴニスト併用in vivo実験結果よりpDCsが上記抗腫瘍効果の中心的役割を果たしている事が示唆された。 続きを見る