close
1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of アポトーシス誘導による新しい食道癌治療法の開発 — Development of apotosis-induced treatment for esophageal cancer.
北村 薫 ; KITAMURA Kaoru
研究期間: 1996-1998
本文を見る:
概要: 進行食堂癌に対する集学治療の一環として、教室では高温・化学・照射療法(Hyperthermo-Chemo-Radiotherapy:HCR)を行ってきた。詳細な検討によって、個々の癌におけるMalignant potential(又はBiological behavior)に関わるような特徴を示唆し得、かつNeoadjuvant therapyの効果を的確に予知しうる因子の探究こそが急務であると考えられた。そこでp53とKi67の発現を、治療前の生検標本を用いて免疫組織学的検索を行い、治療効果予知因子としての意義を検討した。(1)HCR、CR(化学・照射療法:(Hyperthermo-Chemotherapy)とも、p53(+)で有効例が多い傾向を示したが、単独で有意な予知因子にはなりえなかった。Ki67は、Labelling Index(LI)のCut off値300以上をhigh LI、300未満をlow LIとして分けると、前者で有意に有効例が多かった。(2)p53、Ki67の発現別に治療効果を比較すると、p53(+)かつKi67(high)の症例では、治療法を問わず高い奏効率が得られた。一方、p53(-)/Ki67(Low)症例では有効例が少なく、奏効率と発現様式は有意に相関していた。特にp53(-)でもKi67(high)の症例では、HCRに対する奏効率が有意に高く、この発現様式を示す症例では温熱療法の併用が高率に有効であるという予知が成り立つ可能性が示唆された。(3)合併療法施行中の中間期(総照射量30Gy中16Gy終了時)と治療終了時に食道透視によって腫瘍縮小率を、治療前を100%として比較すると、Grade 1では、その平均縮小率は16.3%に過ぎなかったが、Grade 2では43.9%、Grade 3では57.6%と、Gradeと腫瘍縮小率には有意な相関が認められた。 すなわち、分子生物学的アプローチにより、予め個々の腫瘍の生物学的特性に基づいた治療法の選別を行うと共に、治療中間期に効果を評価することにより、早期に現行治療の適否を予測する指標とすれば、集学的治療における著効例の増加、ひいては治療成績の飛躍的な改善が期待しうると考えられた。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 食道癌多発地域および本邦における食道癌化機構の比較検討-ヒトパピローマウィルス感染と遺伝子異常、HLA抗原発現の検討- — Esophageal Carcinogenesis in the High-risk Area-HPV infection and genetic abnormality, expression of HLA antigen-
杉町 圭蔵 ; SUGIMACHI Keizo
研究期間: 1996-1997
本文を見る:
概要: 近年の分子生物学の進歩により、食道発癌とさまざまな遺伝子異常との関連、さらにヒトパピローマウィルス(HPV)感染との関連が報告されてきたが、未だ一定の見解を得るには至っていない。本研究の目的は、食道癌発生のハイリスク地域である中国北部地方と本邦の食道癌発生様式を比較検討し、食道発癌の分子機構を解明することである。 対象は中国Linxian地方の術前無治療食道癌切除症例151例と、本邦の術前無治療食道癌切除症例151例である。HPV感染をPCR法により検出したところ、食道癌ハイリスク症例を除いた場合、日本4.3%(1/23)に対し中国では22.2%(28/126)と明らかに感染率が高く(p<0.05)、少なくとも一部の中国の食道癌発生には、HPVが関与していることが示唆された。生活歴に関しては、日本では飲酒指数(合/日×年)100以上の大酒家が31.8%、喫煙指数(本/日×年)1000以上の多喫煙家が30.0%であるのに対して、中国ではそれぞれ7.9%、5.3%でありいずれも日本が多かった(p<0.0001)。また、日本では大酒家(p<0.01)、多喫煙者(p<0.01)でp53異常を高率に認め、さらに大酒家でかつ多喫煙家では94.1%(16/17)と非常に高率にp53異常を認めた(p<0.01)。よって、日本では、飲酒、喫煙によるp53異常が、食道癌発生の重要なひとつの経路である可能性が示唆された。 本研究では、人種、環境の異なる2つの地域での食道癌にみられる異常を比較しており、食道癌発生における内的因子・外的因子の解明が期待できる。今後、中国の食道癌発癌の特徴を浮き彫りにすることにより、相手国へもさらに貢献できればと考えている。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 癌関連遺伝子の発現からみた食道癌発生並びに進展形式に関する研究 — BIOLOGICAL FEATURES OF CARCINOGENESIS AND PROGRESSION OF ESOPHAGEAL CARCINOMA WITH REGARD TO EXPRESSION OF CARCINOMA-RELATED GENES.
桑野 博行 ; KUWANO Hiroyuki
研究期間: 1992-1994
本文を見る:
概要: 9.研究成果の概要(最終年度のまとめ) 本研究は食道癌における癌関連遺伝子の異常について、単にその有無を検索するに留まらず、免疫組織化学およびIn situ hybridization法を用いて、それらを発現している細胞の組織内における局在およびその分布を明らかにすることにより、食道癌の発生および進展過程における生物学的特性を明らかにすることを目的とした。 このような観点から、食道癌の発生に関しては食道異型上皮の前癌病変としての意義について癌抑制遺伝子p53の異変の面から免疫組織化学的に検討を行った。また、食道癌の進展に関しては、Type IV collagenaseの発現をIn situ hybridization法にて検討した。この結果、食道異型上皮はその異型細胞層のみをみるとすでに癌に準じた遺伝子変化が認められることが明らかとなり、前癌病変というよりもむしろ潜在癌病変といえるものであることが示唆された。また、食道癌におけるType IV collagenaseの発現は胞巣あたり数個の癌細胞に認められ、またその発現はStage dependentであり、この酵素の発現が食道癌の浸潤に関与していることが示唆された。食道癌の発生および進展に関与すると考えられる遺伝子の変化について、その局在を明らかにすることにより、その意義についての検討を行った。今後同様の手法を用いて他の遺伝子変化についても検討を行うことにより、それぞれの遺伝子変化の意義および食道癌の発生および進展機構が更に明らかにされることが期待される。 続きを見る