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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of DNA構造体を反応場とする電極-溶液界面の電子移動反応とその制御
高木 誠
研究期間: 1995
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概要: 筆者らが開発したDNA固定化電極は、DNA2重らせん-小分子間相互作用の解析に有望であることがこれまでの研究で明らかになっている。本研究では、配列の明確な化学合成オリゴヌクレオチドを用いて同様にDNAバイオセンサを構築し、遺伝子計測について基礎的な検討を行うことを主たる目的とした。 末端にチオール基を持つDNA(HS-C6-5'-CGTACTGGATGCAAGCTTCA-3')とその相補鎖を化学合成し、金電極上に一本鎖または二重鎖として固定化した。同電極を用いて、フェリシアン/フェロシアン化物イオン(10mM)のサイクリックボルタモグラム(CV)を測定し、ここにアクリジンオレンジ(AO;0.2-40μM)を添加した場合の、CVピーク電流値に与える共存AO濃度の影響を調べた。測定は10mM KNO3を支持電解質とし、25℃にて行った。その結果、DNA固定化電極を用いてフェリ・フェロシアン化物イオンのCV測定を行うと、AOの添加によりボルタモグラムに変化が見られた。すなわちAO濃度に応じてピーク電流値が増加した。しかし一本鎖と二重鎖では応答する濃度域が一桁異なっており、これはAOがDNA二重鎖に特異的にインターカレートすることを反映していると考えられる。一方、電極に一本鎖を固定した後に相補鎖とハイブリダイズさせた場合は、二重鎖を固定化した場合とほぼ同様のAO濃度-電流応答曲線を与えた。相補鎖との二重らせん形成に伴いAO応答濃度が一桁低下するという事実は、このDNA固定化電極が遺伝子の計測に適用可能であることを示唆している。また、末端に酸化還元活性な官能基をもつオリゴヌクレオチドを合成し、これと電極上の一本鎖とのハイブリダイゼーションならびにその電気化学的計測を試みた。こうした第3の電気化学プローブを用いる遺伝子計測法も今後重要になると考えられる。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of DNA構造体を反応場とする電極-溶液界面の電子移動反応とその制御
高木 誠
研究期間: 1994
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概要: 標記研究の要素技術として、1)チオール前駆体による二重鎖DNAの末端修飾、2)フェロセンラベル化オリゴヌクレオチドについて検討し、以下に述べる成果を得た。いずれも標記研究の目的達成と深く結びつくのみならず、単独の研究としても極めて重要な内容を持っている。 1.二重鎖DNAをアフィニティリガンドとするバイオセンサ DNA二重鎖の末端をチオール前駆体で修飾し、チオールの化学吸着をアンカーとした二重鎖DNAの固定化法を提案した。これを修飾電極に応用し、二重鎖DNAをアフィニティリガンドとする薬物・イオンセンサの開発に成功した。本年度は、マグネシウムイオンに高感度(10^<-7>Mレベル)かつ選択的に応答するイオンセンサを確立するこができた。 2.酸化還元活性なDNAプローブの合成と遺伝子DNAの高感度検出 電気化学的なラベルとしてフェロセンを導入した化学合成オリゴヌクレオチドを合成し、相補的な一本鎖DNAとの二重鎖形成について検討した。これを電気化学検出器を備えた高速液体クロマトグラフィーに適用し、フェムトモル量の遺伝子DNAあるいはm-RNAの検出に成功した。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 核酸-希土類金属-有機配位子三元錯体の分子論的研究
高木 誠
研究期間: 1994
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概要: 核酸-希土類金属-有機配位子の三元錯体を構築する前の基礎的な検討として、まずDNAと希土類金属との相互作用について検討した。種々の希土類金属共存下、仔牛胸腺DNAの融解挙動を観察した。その結果、希土類金属は融解温度(Tm)を低下させる効果があることがわかった。Mg^<2+>などのハードな土類金属は2本鎖DNAのリン酸ジエステル骨格に結合し、2本鎖を強く安定化する(=Tmを上げる)。希土類金属はさらに強い同様な傾向をもつと考えられたが、これとは全く逆である。これにはDNAの高次の構造変化が関与している可能性があると考え、希土類金属共存下、DNAのCDスペクトルによる検討を加えた。希土類金属はDNAの塩基配列に依存して様々な構造変化を誘起することがわかった。中でも最も顕著であったのは、poly(dG-dC)については、僅かに数十μMという低濃度でB-Z転移を誘起することである。これは同様の実験におけるNa^+の数十万倍、Mg^<2+>の数千倍という驚くべき効果である。また、DNA修飾電極を用いた実験によっても同様にDNAと希土類金属の非常に強い相互作用が確認された。 希土類金属によるDNA配位子のDNA結合制御を目的として、代表的なDNA結合性小分子の1つであるインターカレータに金属結合部位を導入した新規DNA配位子を合成した。インターカレータとしてアントラキノン骨格、金属結合部位としてポリアミン(en、dien 、tren)、アミノ酸(gly、ida)、それと糖誘導体(d、l-グルコース)を用いた。特にアミノ酸修飾アントラキノンについては、そのDNA結合において希土類金属との協同性が観測された。すなわち、種々の希土類金属共存下における配位子とDNAとの結合定数は、希土類金属と配位子との親和性を反映して、よりハードな金属が共存している場合ほど(重希土>中希土>軽希土)大きくなった。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of DNAアーキテクチャによるナノ組織体構築
竹中 繁織
研究期間: 1998
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概要: ナノスケールの電子デバイスは,化学者にとって真に挑戦的である.DNAは,ナノサイズの集合体を構築するのに良い候補である.ところで,DNAの電子伝導性は極めて低い.従って,DNA上に電子を流す能力のある機能性分子を配列させることは重要である. 著者らはナフタレンジイミドの両置換基末端にフェロセンを導入したフェロセン化ナフタレンジイミド型リガンドを合成し,DNAセンサへの応用を検討してきた.センサは以下のようにして達成できた.まず,DNAプローブ(検出したい遺伝子と相補的な配列を有するDNA断片)を電極に固定化する.このDNAプローブ修飾電極にDNAサンプルとでハイブリダイゼーションを行う.もし,サンプル中に目的遺伝子が存在すると電極上で二本鎖DNAが形成される.リガンドをこれに加えれば電極上の二本鎖DNA部位に効果的に濃縮される.この電極を用いてサイクリックボルタモグラムを測定すると電極上の二本鎖形成量に応じた強度のリガンドの酸化還元シグナルが得られた.これによってサンプル中の目的遺伝子を定量できた.ところで,リガンドのDNAへの結合によってDNAの主溝と副溝にフェロセン分子が配列された複合体の形成が示唆される.その際,インターカレーションを伴うのでDNA複合体は堅い棒状構造を形成される.言い換えれば,これは一次元DNAマトリックスを支持体としてポリフェロセンが形成されたと見なせる.当該年度は,この棒状ポリフェロセンが実際形成され得ること,また,形成された複合体の方末端から他の末端への電子移動を仲介できることを証明した. 続きを見る