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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 幹細胞性白血病の分子生物学的特性に関する研究
原田 実根 ; 渋谷 恒文
研究期間: 1990-1992
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概要: 表面マーカーCD34、CD7陽性の幹細胞性白血病細胞について、サザンブロット法で免疫グロブリン遺伝子、T細胞受容体遺伝子の再構成を検索したが、いずれも認められなかった。この幹細胞性白血病細胞をヌードマウスに接種し、白血病細胞性の樹立を試みている。細胞株がまだ樹立されないため、幹細胞性白血病にみられたdel(9)(qllq22)の染色体異常に関する分子生物学的特性の解明や第9染色体上の切断部位の遺伝子クローニングは進んでいない。急性骨髄性白血病でしばしば観察される癌遺伝子rasの点突然変異をサザン法による再構成の有無、スロットブロット法による増幅の有無、ノーザン法による活性化の有無を検討したが、その存在は認められなかった。 ついで、幹細胞性白血病細胞のサイトカイン要求性を検討した。急性骨髄性白血病連続88例中9例がCD34、CD7陽性、ペルオキシダーゼ陽性であった。検討したサイトカイン、インターロイキン3(IL-3)、顆粒球/単球コロニー刺激因子(GM-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)のうち、IL-3が白血病芽球のDNA合成、芽球コロニー形成に対して最も強い刺激効果を示した。一方、CD7陰性の白血病細胞に対するIL-3の刺激効果はわずかであった。さらに、IL-3に反応したCD陽性白血病について、最も未熟な造血幹細胞に作用するstem cell factor(SCF)の効果を検討したところ、SCFがIL-3よりも強い刺激効果を示した。また、SCFは芽球コロニー形成においてIL-3と相乗効果を発揮した。以上の成績より、幹細胞性白血病は未熟な造血幹細胞の生物学的特性を反映していると考えられる。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 婦人科悪性腫瘍における血管新生の臨床的意義と治療への応用に関する基盤的研究 — THE CLINICAL SIGNIFICANCE OF ANGIOGENESIS IN GYNECOLOGIC MALIGNANCY
加来 恒壽 ; KAKU Tsunehisa
研究期間: 1999-2001
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概要: 上皮性卵巣癌におけるmicrovessel density(MVD), vascular cuffing(VC)およびvascular endothelial growth factor(VEGF)発現を免疫組織化学染色法で評価し、予後との関連について検討した。対象は1980年から1995年に当科で治療した上皮性卵巣癌105例について、抗CD34抗体、抗VEGF抗体を用いて兔疫組織染色をおこなった。MVDは染色された血管内皮が最も多い場所を弱拡大で探して、200倍1視野あたりの微小血管数として求め、1視野あたり70以上と70未満の2群に分けた。VCは微小血管が腫瘍胞巣を全周性に取り囲むように数珠状に配列する像を陽性とした。VEGF発現は腫瘍細胞の5%以上が染色されるものを陽性とした。それぞれについてprogression-free survivalとの相関について検討し、また年齢、進行期、組織型と各血管新生関連因子についてCox回帰解析法による多変量解析で予後因子を検討した。MVD値は21から244で中央値は77であった。VC、VEGF発現はそれぞれ陽性は31例、92例であった。I, II期ではMVD、VC、VEGFはいずれも予後良好な因子であった(各々P=0.003,0.077,0.005)が、III、IV期では予後との相関を認めなかった。I, II期症例について組織型別に解析すると、明細胞腺癌のみでMVDは有意に予後と相関した(P<0.0001)。多変量解析ではMVDと進行期、年齢が予後因子として見い出された。これらの結果より卵巣癌においても血管新生が予後に影響を与えていることが示され、卵巣癌の組織型により予後因子としての血管新生の意義が異なることが示され、血管新生が抗癌剤の局所の癌への移行に関与していることが示唆された。さらに子宮頸癌、子宮体癌の血管新生に関する成績から婦人科腫瘍において発生部位により血管新生の腫瘍の発育・進展への関わりが異なることが示唆された。 子宮頸部扁平上皮癌122例でHE標本を全て再検鏡して、臨床進行期、病理組織学的に浸潤の深さ、脈管侵襲の有無、リンパ節転移の有無、炎症細胞浸潤などについても詳細に検討した。CD34抗原を用いて血管新生の免疫染色を行い血管内皮を染色して微小血管を同定し、特に腫瘍の微小血管密度および腫瘍周囲の微小血管の囲い込み像(VC)と転移および予後との相関性について、リンパ節転移の有無ならびに生存率との関連を解析した。VCが全周性のものは16例、部分的に囲い込んだものは49例、認められないものは57例であった。全周性に囲い込んだ群は部分的に囲い込んだ群あるいは囲い込みのない群より有意に予後不良であった(P<0.011,P<0.0001)。また他の臨床病理学的パラメーターと合わせて多変量解析を行ない血管新生が独立した予後因子であるかの検討を行って、予後因子であることを明らかにし誌上に発表した。これらの腫瘍でも血管新生が発育、進展に関連していることが明らかになった。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 婦人科悪性腫瘍の発育と進展における血管新生の関連に関する研究 — ANGIOGENESIS IN GYNECOLOGIC MALIGNANCY
加耒 恒壽 ; KAKU Tsunehisa
研究期間: 1997-1998
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概要: 当科に収集された子宮体癌症例のHE標本を全て再検鏡して組織型、分化型、核異型度、浸潤の深さ、脈管侵襲の有無について検討した。対象症例で代表切片を選択し新たに組織切片の作成を行った。子宮体癌85例について第VIII因子関連抗原の免疫染色を行い血管内皮を染色して微小血管を同定し、200倍1視野当たりの微小血管数および微小血管密度を算出した。微小血管密度と腫瘍分化度、筋層浸潤の深さおよび脈管侵襲との間に有意に関連があること、さらに微小血管密度と生存率および無病生存率とが有意に関連しており、多変量解析を行い微小血管密度が独立した予後因子であることを明らかにし誌上に発表した(Kaku T,et al.Cancer 1997;80:741-747)。 子宮内膜増殖症の有無で子宮内膜癌が大きく2つのタイプに分けれることが明らかにしてきたが、さらに2群の性格を明確にするため免疫組織学的に微小血管密度と癌抑制遺伝子P53について染色を施行し、微小血管密度と癌抑制遺伝子P53の発現が内膜増殖症非合併群では合併群に比して有意に高いことを明らかにした(Kaku T,et al.Gynecol Oncol 1999;72:51-55)。 子宮頸部腺癌においても多変量解析を行い微小血管密度が独立した予後因子であることを明らかにし誌上に発表した(KakuT,etal.Cancer 1998;83:1384-1390)。 子宮頸部扁平上皮癌および卵巣癌でもCD34抗原を用いて血管新生の免疫染色を行い、微小血管数および微小血管密度を算出し、微小血管数および微小血管密度とリンパ筋転移の有無ならびに生存率との関連を解析した。また多変量解析を行ない血管新生が独立した予後因子であるか否かの検討を行って、これらの腫瘍でも血管新生が発育、進展に関連していることが明らかになり、この成果を投稿中である。 続きを見る