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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 希土類元素化合物を用いる複素環式化合物の環構築反応の開発
杉山 卓
研究期間: 1996
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概要: 本重点領域研究では、硝酸セリウムアンモニウムの存在下、(a):アルケンから直接的に(反応A),(b):アルケンと一級ニトロアルカン(反応B)とから2-イソオキサゾリンの環構築が行われた。その初年度と次年度においては、その開発と反応の概要の解明、反応Bを有機合成という立場から眺めた場合の本反応の拡張、限界と展望の確立等に重点が置かれた。そして今最終年度は、前二年間の延長線上に立って以下の二点についての検討を行った。 (1):フラーレン(C_<60>)は、60個の炭素からのみなる特異な構造の為に物理的及び化学的性質やその応用的可能性等の面から現在最も注目されている化合物の一つである。C_<60>とニトリルオキシドとの1,3-双極子付加環化は1993年、Mecee等による最初の報告があるが、著者も今回開発された系がC_<60>との1,3-双極子付加に適用出来るか否かに興味を持ち下記の反応を行った。反応は、1-ニトロー2-ヘキサノン、硝酸セリウム(III)アンモニウム、ギ酸、C_<60>およびo-ジクロルベンゼン(溶媒)の系で行われた。その結果、相当するmono-、di-adductが、それぞれC_<60>に対して26.2、3.2%の単離収率で得られた。それらの同定は、^1H-,^<13>C-NMR,UV-,IR-,FAB-MSの各スペクトルによって行われた。UVおよびMSスペクトルからは、付加はC_<60>の6,6-結合で起こっていることが明らかになった。 (2):反応AはCeイオン影響下での窒素酸化物の化学というコンセプトからもデザインされたものであるが、それに成功することによって、アルケンと硝酸セリウムアンモニウムとギ酸とから直接イソオキサゾリン環を構築することが可能になった。この結果は既に報告済みであるが、ニトリルオキシド前駆体の特定と生成過程については未解決であった。そこで、この点に関し今回検討した結果、vic-ニトロソニトロ化合物とオキシム基を持つニトロ化合物とが重要な意味を有することが明らかになった。しかしこの考察には幾つかの推定が含まれるので、現在更に直接的な証拠を得る為の努力がなされている。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 希土類元素化合物を用いる複素環式化合物の環構築反応の開発
杉山 卓
研究期間: 1995
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概要: 本重点領域研究の初年度において,硝酸セリウムアンモニウムの存在下,(a)アルケンから直接的に,(b)アルケンと一級ニトロアルカンとから,2-イソオキサゾリンの環構築を行うことに成功し,その反応経路の概要を解明する事にも成功した. 本年度はその延長線上に立って,反応(b)に合成反応としての地位を与えるべく,主として親双極子試剤となりうるアルケンの範囲を拡張し,その限界と展望の確立を計ると共に,当反応に対する活性の小さな試薬や基質に関しても好ましい反応条件を探索する基礎となる研究を行ってきた. これらの目標に対しては,何れもなお進行中であるけれども,以下に現段階で明らかにすることが出来た事実を箇条書きにする. 親双極子試剤の拡張と本反応における限界と展望 (1):本反応において,アルケン上の酸素,窒素,硫黄の様なヘテロ原子の存在は,それらが反応部位に直接結合していない限り本反応を阻害しない.但し,水素基と一級のアミノ基を有する基質は,この反応になじまない.これらの基と本反応に大きな働きをしているNO2との相互作用がその原因と考えられる. (2):末端アルケンの場合(1)の条件を満たす限り,目的の化合物を得ることが出来る.ポリエンに対しては,それが孤立系である場合には試薬と基質との量比の調節によって反応をコントロール出来るが,共役系の場合には,標的反応以外の反応が優先する. (3):内部アルケンの場合には反応の進行するものとそうでないものがある.環状アルケンの場合,反応は進行するが,その程度は環の大きさの影響を受ける.鎖状内部アルケンとしてビニル系二重結合を有する基質を検討しているが,ビニルブチルエーテルの場合には目的物は得られていない.更に検討が必要と思われる. (4):フマル酸ジメチルやマレイン酸ジメチルの様なアルケンでは好収率で目的物が得られるけれども,これらの場合には親双極子試剤の立体化学が生成物のそれに必ずしも反映されていない.付加の前段階での親双極子試剤のシス【double arrow】トランス平衡反応の存在がその理由として考えられる. 閉鎖系での反応の試み (a)反応中に生じるNOxが系外に失われる事を防ぐ効果,(b)活性中間体生成段階への高温条件の使用,(c)付加段階における高圧条件下の使用を目的として閉鎖系での反応を試みている.(a)に関して得られた結果は開放系での結果を越えるものでなかった.(b)(c)に関しては現在鋭意検討中である. 続きを見る