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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of トリチウムオートラジオグラフによるジルカロイ表面酸化膜の水素透過機構の解明 — Study of hydrogen permeation through oxide layer of zircaloy with tritium microautoradiography
杉崎 昌和 ; SUGISAKI Masayasu
研究期間: 1999-2000
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概要: ジルカロイ-2は高温水により酸化される際に水の解離により発生する水素を酸化膜を通して吸収する特性があり、ジルカロイに吸収された水素量が多くなると水素脆性などを引き起こすため、その吸収量の低減化が求められている。しかしながら、酸化膜中の水素の輸送経路は必ずしも明確にされておらず、水素吸収低減化の指針を得るためにはその輸送経路の特定が焦眉の問題であるとされている。水素の輸送経路の特定が難しい原因として、固体中の水素原子の空間分布を測定する機器分析としては走査型二次イオン質量分析計しか利用できず、しかもその分析感度および空間分解能があまり高くないことが挙げられる。そこで、本研究では水素同位体として放射性のトリチウムを利用して、ベータ線によるミクロオートラジオグラフを行い、水素の輸送経路を調べた。実験の詳細および得られた主な成果は次の通りである。 1気圧723Kの水蒸気中で熱処理の異なるジルカロイ-2を酸化した後、陰極電解法を用いてトリチウムを導入し、生成したジルカロイ酸化膜中のトリチウムの分布状態をトリチウムミクロオートラジオグラフの手法に基づき走査型電子顕微鏡を用いて観察した。これらの実験結果より、以下の結論を得た。 (1)水素の輸送経路は主としてジルコニア中の粒界であるが、酸化膜中に存在する金属間化合物が水素の輸送経路として重要な役割を果たす。 (2)熱処理条件により水素吸収量が大きく変化するのは、金属間化合物の粒径が熱処理条件に大きく依存しているためである。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 軽水炉における燃料被覆管の内面腐食に関する研究
有馬 立身
研究期間: 1996
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概要: 混合酸化物燃料の軽水炉での利用及び高燃焼度化を進めるにあたり、燃料被覆管の内面腐食を研究することは燃料の健全性を考える上で重要である。本研究では、内面腐食の最も基本的な腐食形態である酸化について注目し、酸素分圧の異なる混合ガス雰囲気においてジルカロイ-2被覆管材の酸化実験を行い、その挙動について検討した。 酸化実験での試料の重量変化の測定は熱天秤を用いて行った。反応管内の雰囲気の酸素分圧を緩衝ガス混合法により調整した。混合ガスには、CO^2、CO/CO_2、Ar/H_2を用い、ほぼ大気圧で試料上を通過させた。また、雰囲気の酸素分圧は安定化ジルコニアを用いた酸素センサーで測定した。実験条件は、酸化温度450〜600℃、時間0〜24hに設定した。酸素分圧は1×10^<-30>〜2×10^<-2> atmであった。 ジルカロイ-2の酸化による重量変化は本実験条件の範囲内ではW^3=k・tで表される3乗則に従って増加することが分かった。ここで、W[mg/cm^2]は重量増加、kは速度定数、t[min]は時間である。速度定数と温度の関係から酸化反応の活性化エネルギーを求めると、CO_2、CO/CO_2、Ar/H_2に対して、それぞれ145、171、188kJ/molになった。本研究においては速度定数の酸素分圧依存性は見られかった。これは酸化皮膜の成長が酸素空孔の拡散に支配されているためであると考えられる。走査型電子顕微鏡による断面観察から、600℃で生成した酸化皮膜と下地ジルカロイの界面付近には試料の表面と平行なクラックの存在が認められた。またX線解析法による構造解析の結果から、酸化皮膜は単斜晶ジルコニアの構造を持つことが分かった。 続きを見る