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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 光反応性レドック分子による遺伝子のマルチラベル化と超高感度電子計測
前田 瑞夫
研究期間: 1998-1999
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概要: 本研究は、化学センサーによる遺伝子の簡易かつ超高感度な電子計測を目的として、プローブDNAに多数の酸化還元活性分子を結合させることを試みるというものである。酸化還元物質としてはフェロセンを用いる。一方、遺伝子との結合にはDNA特異性の高いソラレンという光反応性化合物を利用する。このソラレン化フェロセンは単純な非対称2官能性試薬であるが、過去には全く類例が無かった。ジプロピレントリアミン型のスペーサを持つ分子と、テトラメチル型の4級アンモニウム塩をスペーサとする分子を合成した。後者はより親水性が高く、より高密度のDNAラベル化を期待した。まず、ゲル電気泳動法を用いて、この2つの分子がともに紫外光照射下でDNA二重らせんに結合することを確かめた。次いで、電極上に固定化したDNAに対し、これらのソラレン誘導化フェロセン分子を反応させ、その酸化還元反応活性を調べた。まずサイクリックボルタンメトリーを用いた検討から、フェロセンラベル化量を検討したところ約25pmol/cm2と求まり、高密度のDNAラベル化が達成されていることがわかった。フェロセンに由来するレドックス電流が掃引速度の1次に比例したことから、フェロセン分子が電極固定系として反応していることが確かめられた。これらの結果から、遺伝子の超高感度計測に適したDNAの電気化学的ラベル化法として、本研究で新たに合成したフェロセン・ソラレン複合体が有望であることを示した。今後はより定量的な検討と、実際の遺伝子計測に向けた条件設定を引き続き行わなければならない。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of DNAコンジュゲートを感応素子に用いるバイオエレクトロケミカルアレイ型センサ — Bioelectrochemical-Array Sensor Using DNA Conjugate as Chemical Sensing Element
中野 幸二 ; NAKANO Koji
研究期間: 2003-2004
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概要: 1)酵素法によるキノンポリマーの合成 アルブチンを出発原料とし、ペルオキシダーゼによる酸化反応を利用してキノンポリマーを合成した。NMRや質量分析法、元素分析等により構造を確認するとともに、各種電気化学測定法を適用してポリマーの基礎的な酸化還元反応特性を明らかにした。 2)DNA-キノンポリマーコンジュゲート修飾電極の調製と電極特性の評価 電極とキノン部位との疎水性相互作用を利用しキノンポリマーをグラファイト電極に吸着させて修飾電極を得た。末端アミノ化オリゴヌクレオチドを用い、キノン骨格中の共役不飽和結合へのアミノ基の付加反応を利用してDNAコンジュゲートをin-situに形成させた。調製したDNA-キノンポリマーコンジュゲート修飾電極について、各種の電気化学測定法や水晶振動子マイクロバランスを適用して特性を評価した。その結果、電極表面でのハイブリダイゼーション反応を電気化学的に検出できることを見いだした。 3)マイクロアレイ型バイオセンサに関する基礎検討 バイオエレクトロケミカルアレイ型センサへの応用を念頭に置き研究を行った。具体的には、微少カーボンファイバー電極(電極直径33ミクロン)を用いて修飾電極を調製し、走査電気化学顕微鏡(SECM)を用いて、表面の電気化学イメージングを行った。その結果、1)キノンポリマー修飾電極系、および2)一本鎖DNA-キノンポリマーコンジュゲート修飾電極系での電気化学イメージングに成功した。さらに2)の修飾電極系において、相補鎖DNAとのハイブリダイゼーション反応についても、SECMイメージングが可能であることを初めて見いだした。以上の結果により、SECMと組み合わせたハイスループットアッセイの可能性を示すことができた。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of DNA構造体を反応場とする電極-溶液界面の電子移動反応とその制御
高木 誠
研究期間: 1995
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概要: 筆者らが開発したDNA固定化電極は、DNA2重らせん-小分子間相互作用の解析に有望であることがこれまでの研究で明らかになっている。本研究では、配列の明確な化学合成オリゴヌクレオチドを用いて同様にDNAバイオセンサを構築し、遺伝子計測について基礎的な検討を行うことを主たる目的とした。 末端にチオール基を持つDNA(HS-C6-5'-CGTACTGGATGCAAGCTTCA-3')とその相補鎖を化学合成し、金電極上に一本鎖または二重鎖として固定化した。同電極を用いて、フェリシアン/フェロシアン化物イオン(10mM)のサイクリックボルタモグラム(CV)を測定し、ここにアクリジンオレンジ(AO;0.2-40μM)を添加した場合の、CVピーク電流値に与える共存AO濃度の影響を調べた。測定は10mM KNO3を支持電解質とし、25℃にて行った。その結果、DNA固定化電極を用いてフェリ・フェロシアン化物イオンのCV測定を行うと、AOの添加によりボルタモグラムに変化が見られた。すなわちAO濃度に応じてピーク電流値が増加した。しかし一本鎖と二重鎖では応答する濃度域が一桁異なっており、これはAOがDNA二重鎖に特異的にインターカレートすることを反映していると考えられる。一方、電極に一本鎖を固定した後に相補鎖とハイブリダイズさせた場合は、二重鎖を固定化した場合とほぼ同様のAO濃度-電流応答曲線を与えた。相補鎖との二重らせん形成に伴いAO応答濃度が一桁低下するという事実は、このDNA固定化電極が遺伝子の計測に適用可能であることを示唆している。また、末端に酸化還元活性な官能基をもつオリゴヌクレオチドを合成し、これと電極上の一本鎖とのハイブリダイゼーションならびにその電気化学的計測を試みた。こうした第3の電気化学プローブを用いる遺伝子計測法も今後重要になると考えられる。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 遺伝子変異検出バイオセンサの開発と診断応用に関する研究 — Development of Bioaffinity Sensor for DNA Mutation Assay
前田 瑞夫 ; MAEDA Mizuo
研究期間: 1997-1998
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概要: 本研究では、DNA結合タンパクのDNA認識能を利用して、DNA-タンパク相互作用の電極による計測系を確立し、これをふまえて、特定塩基配列を有するDNAの検出やその応用としての遺伝子変異検出を可能にするバイオセンサの開発を目指した。 まず、電極上でのDNAとタンパクの相互作用の計測システムを確立するために、DNA結合タンパクであり、それ自身全身性エリテマトーデスのマーカー分子でもある、抗DNA抗体を用いて、DNA固定化金電極での計測を検討した。その結果、フェロシアン化物イオンをredoxマーカーをして用いると、電極上〓DNAへ抗DNA抗体が結合することにより、電極有効面積の減少を主な原因として、マーカーイオンの酸化還元電流値が減少し、これによりnMレベルの抗DNA抗体が計測できることを明らかにした。この場合、電極表面をメルカプトエタノールで処理しておくと、DNAに結合しないその他のタンパクの非特異的吸着を防げることも明らかにした。これをふまえ、逆に抗DNA抗体を電極に同定して、DNAを検出する系についても詳細に検討した。 上記のように、電極上でDNAとタンパクの相互作用が実際に計測できることを初めて明らかにした後、特定の配列を認識するDNA結合性タンパクとして、転写因子であるPIT-1を用いて検討を行った。その結果、PIT-1認識配列を有するDNAを固定した電極において、PIT-1の添加に伴い、マーカーイオンの酸化還元電流が抗DNA抗体の場合とは逆に増加した。これは、PIT-1の正荷電に基づくアニオン性マーカーイオンの電極反応の促進によるものであると考えられ、この電流値の変化からPIT-1が計測可能であった。この様にして、遺伝子変異計測の基礎となるDNA-タンパクの配列特異的相互作用計測の基礎を確立することに成功した。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of DNAをアフィニティーリガンドとするバイオセンサの開発 — Development of Biosensor Comprising DNA as Affinity Ligand
前田 瑞夫 ; MAEDA Mizuo
研究期間: 1993-1994
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概要: 本研究は、DNA固定化電極を用いたバイオアフィニティーセンサの開発を目的とする。遺伝子やDNA結合性薬剤の計測が可能であることを実証し、加えてDNA結合性物質の系統的評価が可能であることを明らかにする。 まず、DNAの電極への一般的固定化法を開発することを中心に研究を行った。金-硫黄配位結合を利用する手法を開発し、再現性の良いDNA固定化法を確立することが出来た。また、得られる電極が一連のDNA結合性薬剤やアルカリ土類金属に対する選択的センサとなることを明らかにした。データの物理化学的解析を詳細に行った結果、得られたアフィニティーパラメータ(結合定数)はこれまでに報告されている文献値と良い一致を示した。このことから、本研究で開発したDNA固定化電極は、バイオアフィニティー反応の解析の手段として有望であることが明らかとなった。 次いでこのDNAバイオセンサを遺伝子計測に応用した。遺伝子センサへの適用には、塩基配列の明確なヌクレオチドが必要であるのでこれを化学合成し、その末端にチオール基を導入した。その結果、効率的なDNA固定化が達成された。電極上のDNA固定化量は、水晶発振子重みセンサを利用することにより追跡した。レドックス活性分子の電極応答は、1本鎖オリゴヌクレオチドと2重らせんで顕著な違いを示した。また、電極上で2重らせん形成が可能であることも明らかとなった。これらの現象を利用し、遺伝子断片(本研究ではそのモデルとして合成オリゴヌクレオチドを用いた)を定量する事が可能となった。以上の通り、DNA2重らせんを固定化した電極は、バイオセンサとしての実用化が可能であると考えられる。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 遺伝子ターゲッティングツールとしてのDNA-フェロセン複合体の研究 — Study of DNA-Ferrocene Conjugate for Application to Gene Targeting
中野 幸二 ; NAKANO Koji
研究期間: 1999-2000
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概要: 放射性同位体(^<32>P)を用いたオートラジオグラフィーに代わる、安全かつ簡便な遺伝子計測システムとして電気化学をベースにした手法が注目されている。本研究では、DNAと低分子とのコンジュゲート形成に着目し、1)フェロセニルソラレンを用いた二重鎖DNAの酸化還元ラベル化、及び2)酸化還元活性層との積層構造化を図ったDNA修飾電極システムを用いた遺伝子計測について検討した。 ソラレン化合物は核酸塩基と光架橋反応を行うことが知られている。そこで、フェロセニル基を導入した二官能性分子(フェロセニルソラレン)を新たに合成し、その酸化還元特性、及び二重鎖DNAとの結合反応挙動を明らかにした。これをもとに、修飾電極系での酸化還元ラベル化反応について検討した。まず、末端チオール化DNAを用いて修飾電極を調製し、フェロセニルソラレンでの処理と組み合わせ電気化学測定を行った。その結果ソラレン由来の酸化還元波が観測され、本ラベル化法が修飾電極系でも適用可能なことがわかった。さらに、電極表面でのハイブリダイゼーションと組み合わせた場合にも所定の機能を発揮し、遺伝子センサへの応用が可能と考えられた。 一方、電気化学検出のための酸化還元要素の組み込みを目的に、申請者らが過去に検討してきたDNA修飾電極系を酸化還元活性層との積層構造とした電極システムに拡張した。具体的には、単分子膜修飾金電極をベースにフェロセン固定化電極を調製し、さらにその上部に、DNA修飾層を形成させるものである。我々が得た知見は、まず、フェロセン修飾電極に一本鎖DNAを固定化すると酸化還元活性が50%程度に抑制されるというものであった。一方相補鎖とのハイブリダイゼーションはさらなる活性低下(フェロセン単独の場合の10%程度)をもたらし、本修飾電極系がハイブリダイゼーション反応の検出に用い得ることがわかった。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 合成オリゴヌクレオチド修飾電極を用いるバイオセンサ
中野 幸二
研究期間: 1996
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概要: 申請者は、金属-硫黄配位結合を利用したDNAの固定化、及びこれを修飾電極に応用したDNAバイオセンサについて研究してきた。これを背景に、ここでは遺伝子センシングシステムについて検討した。この方法では、金電極に固定化したオリゴヌクレオチド、これと相補的な塩基配列を持つオリゴヌクレオチド、及び酸化還元活性な置換基を導入したオリゴヌクレオチドの組合わせによって起こる、サンドイッチ複合体形成反応を利用する。 5'末端付近をホスホロチオエステル化したオリゴヌクレオチドを合成し、金電極にオリゴヌクレオチドをキャストした。この手法により、非常に安定なDNA修飾層を得ることができた。また、末端にフェロセニル基を導入した、酸化還元活性オリゴヌクレオチドコンジュゲートを合成した。コンジュゲートは、オリゴヌクレオチド合成段階で末端にアミノ基を導入し、活性エステル化フェロセンカルボン酸とのカップリングにより得た。 オリゴヌクレオチド修飾電極とコンジュゲートを組合わせると、固定化オリゴヌクレオチドと相補的な塩基配列を持つDNAフラグメント(ターゲットDNA)の検出が可能であった。すなわち、ターゲットDNAの共存によりコンジュゲートを含んだサンドイッチ複合体が形成される。この反応は、電極表面へのフェロセンユニットの濃縮につながり、フェロセンの酸化還元反応に伴う電流をモニタすることでターゲットDNAの検出が可能であった。ターゲットDNAと非ターゲットDNAとの間では、電流値に明らかな差異が認められ、遺伝子センサとしての可能性を示すことができた。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of DNAバイオセンサの診断応用に関する基礎研究 — DNA Biosensors for Medical Diagnosis
前田 瑞夫 ; MAEDA Mizuo
研究期間: 1996-1997
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概要: 本研究では、DNAバイオセンサの診断応用に関する基礎研究を目的とした。DNAを電極上に簡便かつ効率的に固定化し、これに生体膜に学ぶ独自の電気化学的検出原理を適用することにより、種々のDNA結合性化学物質を計測する手法の確立を目指した。 まず遺伝子DNAの計測を目的としてセンサシステムの構築を試みた。検出糸としては、金電極に固定化したオリゴヌクレオチドと末端に酸化還元活性種であるフエロセンを導入したオリゴヌクレオチドの2つを用い、この両者と相補的なターゲットDNAとからなるサンドイッチ複合体形成反応を利用した。その結果、相補鎖と非相補鎖の間で還元電流値に明らかな差異がみられ、このセンサが選択的にターゲットDNAを検出していることを証明した。 次いで、診断応用の視点から、DNA固定化電極をバイオアフィニティー反応の解析へ応用した。発ガン性や変異原性を有する化学物質とDNAとの相互作用について系統的な評価を行ったところ、いくつかの結合定数が明らかな物質について電極応答との間に有意な相関関係があることが明らかとなった。ラングミュイア式を仮定し電極応答と化合物濃度との関係式を導き、芳香族化合物のDNA結合能を推定することに成功した。 また、全身性エリテマトーデスに関わりが深いとされる抗DNA抗体を計測対象とし、その電気化学計測にむけて基礎的な検討を行った。電極上のDNAへの抗体タンパク質の結合に伴い、電極表面の物性に変化が生じ、これを「イオンチャンネル型センサ」原理に基づく電気化学手法によって検知することにより、IgM抗体の濃度決定が可能であることを明らかにすることができた。 続きを見る