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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 建築空間史の基礎的研究-特に古代・中世の建築を中心として — Basic Study on History of Architectural Space in Ancient and Middle Ages
前川 道郎 ; MAEKAWA Michio
研究期間: 1987-1989
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概要: 〈建築する〉とは「人間によって具体的に生きられ体験される空間を人為的に構築することである」という基本理念にのっとって、以上の諸項目に示すような研究成果をえた。 1.空間論一般の基礎的研究として、ノルベルグ=シュルツラの空間論を考察し、空間と場所の意味の差異を検討した、場所とは意味の突出した空間的状況であることを示し、場所論への手がかりとした。 2.マルセル・プル-ストの『失われた時を求めて』を素材として、彼の表象したゴシック教会堂における建築体験を解明し、時間と空間の連関を教会堂のあるその場所に住まうことの意味の探究を対して考察し、建築空間論を時-空間論へと展開した。プル-スト的教会堂の研究は一応の結末をみた。 3.古代の建築と都市に関するジョ-ゼフ・リクワ-トの建築論的著作“The Idea of a Town"を精読して邦訳もを完稿し、その理論と意味の検討を深化し、祖型反覆して〈住まう〉という視点から人間学的空間論を試みた。この問題に関する詳論は今後の課題である。なお、邦訳は近日刊行の予定である。 4.フェルナン.プイヨンの『粗い石』を通してル・トロネのシト-会修道院の建築の意味とその聖なる空間を考察し、それがパウル・ティリッヒのいう〈聖なる空虚〉に通じることを序説的に論じた。 5.パノフスキ-『ゴシック建築とスコラ学』に関して、フィリップ・ブドンの批判を参照しながら、その詳細な分析を行うとともに、ゴシック建築(空間)論の主要な広がりを通観し、パノフスキ-のゴシック建築論を位置つけた。それに伴って同書の邦訳を出版した。この成果は今後のゴシック建築論に対する重要な寄与であると自認している。(ただし第4、5項は補助的成果であり、正式の論文ではない。) 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of パウル・ティリッヒの建築理念とプロテスタント教会建築論に関する研究 — Study on the Architectural Idea of Paul Thillich and the Theory of Protestant Church Architecture
前川 道郎 ; MAEKAWA Michio
研究期間: 1994-1996
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概要: プロテスタント教会建築論研究の中核的主題として、文化の神学者といわれるパウル・ティリッヒ(1886-1965)の建築論・造形芸術論の全貌を、彼の論文・講演を綿密に精査することによって明らかにすることに努めた。まずティリッヒの文化の神学における基礎概念をきっちりと把握することからはじめて、「宗教と文化の本質的相互帰属の原理」を詳細に跡づけ、「宗教とは、究極的にかかわっていること、究極的にかかわっているという関心をいだくことである」とするティリッヒの実存的態度を詳論した。ついで、自律、他律に対する神律の優位、内容、形式に対する内実の優位を示し、その際、内実Gehaltという用語の英語訳、日本語訳の多様性を整理した。内実は形式を媒介として内容において捉えられ、そして表現される、ということである。そこで、建築を含む造形芸術における主題、形式、様式の三幅対における様式の意味を論じて、様式は内実を個別的形式において表現するのであり、芸術作品においては究極的意味と究極的存在の経験がその様式において表現される、というのである。したがって、通常俗的とよばれている種類の芸術も宗教的でありうるのであって、彼は〈表現主義的〉ないしは〈表現的〉な芸術に宗教芸術の本道をみている。ここで表現主義的・表現的芸術において表現されるのは芸術家の主観性ではない。そこでは事物の表層を突破してリアリティーの深層があらわにされるのである。私は教会堂の空間については詳論するには至っていないが、彼の建築論において最も重要な概念は〈聖なる空虚〉である。プロテスタントの教会堂空間は聖なる空虚でなければならないのである。〈聖化〉と〈誠実〉という宗教芸術の統合すべき二つの原理について、近代建築の特質である誠実をなによりも重んじつつ、宗教的空間の本質である聖化の空間を実現しなければならないのである。私は以上のようなティリッヒの建築論・芸術論を明らかにしつつ、牧師や建築家と議論して建てられた教会堂をも考察しているが、その成果は発表に至っていない。 続きを見る