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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 偏微分方程式の解の数値的検証法
山本 野人
研究期間: 1993
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概要: 今年度における精度保証付き計算法の研究の中で得られた、次のような新しい成果を報告する。 1.丸め誤差を処理するための演算手法の開発 既存の有理数演算用のパッケージをもとにして、区間演算を利用して丸め誤差を処理するプログラムを開発した。すなわち、 (1) 区間型の変数および演算を導入した。 (2) 加減算の度に連分数展開を用いて、有理数を与えられた桁数に丸め、その誤差を含むように区間幅を広げるルーチンを作成した。 このプログラムによって、丸め誤差の影響までも考慮した厳密な計算が可能となった。 2.非線形偏微分方程式の球対称解の漸近挙動に関する応用 conformal scalar curvature equationと呼ばれる非線形偏微分方程式の球対称解は、原点での値に依って三種の異なる漸近挙動を取ることが知られているが、どのタイプを取るかの判定法は一般には与えられていなかった。報告者は、積分方程式に対する精度保証付き計算法を考案し、これを用いてPohozaevの恒等式にあらわれる量を厳密に計算することで、漸近挙動の判定を行なう方法を提案した。 今後の研究計画としては、まず、これまでの結果をさらに発展させて、有理数演算及び区間演算、あるいは区間演算を応用した完全精度計算を用いた精度保証計算用の演算パッケージを開発することが挙げられる。次に、問題によって必要となる区間係数の扱いや誤差評価の方法などについての複雑な手順を上述の演算パッケージで計算可能になるように工夫する。これは同じ計算量で最大の精度が得られるような理論と演算双方での工夫を意味するだけでなく、応用の簡便さという視点から、できるだけ明解で適用範囲の広い手法の開発をも意味している。具体的には、上記の球対称解を扱う場合での積分方程式への変換及び数値積分の手法の応用を発展させていくことなどを考えている。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 関数方程式に対する自己検証的数値計算法
中尾 充宏
研究期間: 1990
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概要: 本年度は特に偏微分方程式の解の存在、一意性および存在範囲の特定を計算機によって数値的に検証する方法として、非線形楕円型境界値問題と放物型初期値境界値問題を対象に検討した。これまでの研究成果をもとに、検証可能な方程式の範囲の拡大を図り、得られた検証法を、実際に物理学や生物数学上に登場する具体的方程式に対し適用することにより、その有効性を評価すると共に、手法の改良を行った。研究内容と成果は以下の通りである。 1.非線形楕円型境界値問題の検証を行う場合、従来のL^2理論に基く方法では高々多項式オ-ダ-の非線形性にしか対応できなかったが、非線形項のTaylor展開を考えることによりこれを克服できることがわかった。例えば指数関数的な非線形性を持つ方程式の検討にもL^2理論で対応できることを明らかにし、具体的適用例として方程式:-Δu=λe^uの解の検証を行った。 2.生物数学に現れる反応拡散系の定常問題を記述する非線形楕円型方程式:-Δu=λu(1ーu)(uーa)を対象として解の検証を試み、検証方式の実用性の評価を行った。その過程において従来方式の問題点が明らかにされ、その点を改良することにより効率良い検証アルゴリズムが得られ、有効性が高められた。 3.非線形発展方程式に対する検証法について検討した。先ず準線形放物形方程式に対する初期値境界値問題の解をコンパクト作用素の不動点として定式化し、RoundingとRounding・errorの概念に基づく検証条件を明らかにし、具体的な近似空間を設定して検証手順と検証例とを与えた。 4.非線形常微分方程式の2点境界値問題に対しても、より効率の良い検証法を開発した。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 精度保証付き計算法の開発と実用化 — Development of practical methods for rigorous calculation with guaranteed accuracy
山本 野人 ; YAMAMOTO Nobito
研究期間: 1997-2000
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概要: 本研究は、精度保証付き算法実用化を計ることを主たる目的とするものであった。4年間の研究期間の間に1.無限次元Newton作用素の最大固有値の精度保証付き計算法 2.対称帯行列の固有値を順位も込めて保証する精度保証法 3.上記の方法の一般固有値問題への拡張 4.不動点方程式の解の局所一意性を数値的に検証する方法 5.Perturbed Gelfand方程式の解曲線の追跡 6.有限要素法の射影誤差評価に現れる定数の精度保証付き算定法 7.Fortran90と4倍精度浮動点演算による丸め誤差の処理法の研究 8.スペクトル法を用いたNavier-Stokes方程式の解の精度保証付き計算 9.区間演算を用いた丸め誤差の影響の追跡 10.有限要素法の近似能力の測定法に関しての研究を行ない、それぞれ成果を得た。 これらのうち、4.と2.が理論的な基礎を与える研究で、1.および6.はこれらを用いて得られる結果のうち応用上特に重要となるものである。5.,8.は具体的な応用例となる。特に8.では、それ以前の有限要素法を基礎としていた方法ではなく新しくスペクトル法を利用する方法を開発している。 以上の研究成果をまとめると、次のようになる。 1)行列固有値の精度保証付き計算については、その実用化を果たした。職人芸的な要素をサブルーチンとしてまとめたプログラムライブラリの構築も行なったので、汎用性という点でも有意義なものとなった。 2)偏微分方程式の解についての精度保証法についても、実用レベルに達し得たと考えられる。特に有限要素法を用いる場合の応用範囲が広がったこと・スペクトル法を利用する方法を開発したことが重要である。ただし、その適用にあたっては数学的にやや高度な部分を含み、専門家でない者にとって容易に利用できるとは言い切れない。このことは今後の研究課題としたい。 続きを見る