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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 疎水性ビタミンB_類を触媒とした電気化学的新有機合成 — Novel Organic Synthesis Catalyzed by Hydrophobic Vitamin B_ Derivatives under Electrochemical Conditions
村上 幸人 ; MURAKAMI Yukito
研究期間: 1988-1989
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概要: 1.ビタミンB_<12>のコリノイド骨格周辺のアミド基を種々のカルボン酸エステル基に変換した疎水性ビタミン_<12>類を合成した。 2.基質としてマロン酸エステルのブロム化物を用い、種々の電位で疎水性ビタミンB_<12>を触媒とする反応を行い、エステル基が分子内1,2-転位する電解条件を見出した。また、マロン酸誘導体以外に、エステルのかわりにエチエステル、アシル、シアノなどの官能基を有する基質についても反応を行い、同様に電子吸引性置換基の1,2-転位が起こることを明らかにした。本研究での実験条件下における反応は触媒的に進行し、2時間でタ-ンオ-バ-数100以上の効率で転位生成物を与えた。種々の分光学的手法により電解反応機構を検討し、1,2-転位反応はアニオン中間体を経由して進行することを明らかにした。さらに、シアンイオンの添加によりヘテロリシス開裂が促進され、1,2-転位反応が効率良く進行することを見出した。 3.グラッシ-カ-ボン電極上で疎水性ビタミンB_<12>誘導体とエポキシモノマ-を反応させ、高分子被覆電極を作製した。作製した修飾電極に関して、FT-IR、蛍光X線、ESCA等により表面分析を行い、疎水性ビタミンB_<12>が電極表面上に固定化されていることを確認した。このビタミンB_<12>修飾電極を、用い、電極表面上の疎水性ビタミンB_<12>に対して、10^5ー10^6倍モルの基質を添加して電解反応を行った。均一系触媒反応と比較して基質の転化率は良くないが、転位生成物の比率の向上が観測された。電極表面上に固定化された疎水性ビタミンB_<12>を基準に評価するとタ-ンオ-バ-数が10^3-10^4となり極めて触媒効率が良い。また、均一系ではほとんど異性化反応が進行しない電解条件(中間体としてラジカルが生成する条件)でも転位生成物が得られた。これは、電極表面上の高分子膜による反応場効果によるものと考えられる。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ビタミンB_類縁錯体におけるアクシアル配位子の反応に関する研究
松田 義尚
研究期間: 1987
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概要: 1.ビタミンB_<12>の側鎖のアミド基をすべてエステル結合に変換した疎水性ビタミンB_<12>類およびビタミンB_<12>と類似の酸化還元挙動を示すN_4型モノアニオン性配位子のコバルト錯体を合成した. 2.アポ酵素モデル化合物として, 8本の炭化水素鎖を有するタコ型シクロファンおよび水中で二分子膜を形成する合成脂質を合成した. 3.メチルマロニルーCoAムターゼおよびグルタミン酸ムターゼのモデル基質が疎水性ビタミンB_<12>の軸配位座に結合したアルキル錯体をアポ酵素内に取り込ませ, 可視光照射によりコバルトー炭素結合の開裂を行い, ガスクロマトグラフ法により生成物解析を行った. アポ酵素モデル中では, メタノールやベンゼン中と比較して飛躍的に異性化生成物の役割が増大した. アポ酵素内での異性化反応促進の最大の要因は, 疎水性ビタミンB_<12>が存在する場の分子運動抑制効果であることを明らかにした. また, 環状ケトン類の分子内転位による環拡大反応も効率良く進行することを見出した. 4.上記の反応系にシアンイオンを添加することによりコバルトー炭素結合のヘテロリシス開裂を誘起し, 異性化反応を更に促進することを見出した. 5.新規な基質活性化法として三塩化バナジウムと酸素によるラジカル生成を採用し, ハロゲン化アルキルのように活性化された基質を用いることなく酵素と同じ基質を用いることのできる触媒的異性化反応系を開発した. アポ酵素モデル内に疎水性ビタミンB_<12>を取り込ませ, 基質としてメチルアスパラギン酸エステルを過剰に加え, 好気条件下で三塩化バナジウムを添加し光照射を行った. 反応は相当する基質ラジカルの生成を経て進行し, 疎水性ビタミンB_<12>との反応によりアルキル錯体を生成し, その光開裂によりグルタミン酸エステルと原料を与える. 原料は再び基質として作用し, ターンオーバー挙動を伴う異性化反応が進行した. 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 金属錯体と人工ぺプチド脂質よりなるハイブリット膜の触媒機能
久枝 良雄
研究期間: 1996
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概要: アミノ酸残基を導入した合成ぺプチド脂質は水溶液中で会合し、直径400〜800A^^・の極めて安定な二分子膜ベシクルを形成する。この二分子膜は、疎水性相互作用とアミノ酸残基間の水素結合により会合したナノ組織体である。この人工二分子膜と金属錯体の複合体の触媒機能に関して検討した。 天然のビタミンB_<12>は水溶性であり、二分子膜ベシクル中に取込むことができない。 そこで、ビタミンB_<12>の側鎖のアミド結合をすべてエステル結合に変換した疎水性ビタミンB_<12>を合成した。カチオン性ぺプチド脂質およびアニオン性ぺプチド脂質と疎水性ビタミンB_<12>との組み合わせにより、二分子膜型B_<12>人工酵素を構成した。この人工酵素を用いることにより、均一水溶液中では再現できなかったB_<12>酵素に特徴的な異性化反応を効率良く進行させることができた。また、カチオン性ぺプチド脂質を用いた場合には、興味深い反応が進行した。2,2-ジシアノプロピル基がコバルトの軸位に結合した疎水性ビタミンB_<12>をカチオン性膜中に取り込ませ、光照射により、Co-C結合を開裂させると、主生成物は臭素化物であった。ESRスペクトルの結果より、二分子膜表面に濃縮された臭素イオンから臭素ラジカルが生じ、Co-C結合の開裂により生じたラジカル種と結合して臭素化物を与えたものと結論した。 ポルフィセンはポルフィリンの異性体であり、その金属錯体の性質はポルフィリン金属錯体との比較という観点からも興味深い。そこで、合成二分子膜中へのコバルトポルフィセン錯体の取り込みについて、ゲルろ過クロマトグラフ法により検討した。平面4配位錯体であるCo(II)は二分子膜中に取り込まれにくい。配位可能な官能基を有する脂質や配位塩基を添加することにより膜中に取り込まれ易くなる。軸位にClを有するCo(III)は二分子膜中に容易に取り込まれることより、ポルフィセン錯体のスタッキングがなくなると二分子膜中への取り込みが促進されると結論した。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 生体関連金属錯体を触媒とした有機電界反応 — Electroorganic Synthesis Mediated by Metalloenzyme Models
久枝 良雄 ; HISAEDA Yoshio
研究期間: 1997-1999
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概要: 金属酵素は天然の優れた触媒であり、モデル化合物を用いた酵素機能のシミュレーションは新規触媒の開発の一つの有効な手段と言える。また、視点を変えることにより酵素類似の反応以外にも適用できるユニークな触媒開発につながる可能性を秘めている。本研究ではビタミンB12の鍵中間体であるコバルト-炭素結合を形成できる金属錯体に注目し、ビタミンB12酵素反応のシミュレーションを基礎とした新規触媒系の開発を目指した。反応の手法としては、反応系がクリーンで、電位による反応制御が容易な電気化学的手法を主に用いた。 ビタミンB12誘導体を用いた電気化学的手法による分子変換反応では、酵素類似の高効率官能基転位反応、電解電位による転位基の制御、また非酵素反応として環拡大反応および不斉反応への応用に成功した。さらに新規触媒系の構築を目指した新規コバルトニ核錯体の合成と酸化還元挙動、コバルトポルフィセン錯体による付加-酸化触媒反応の開発について研究を行った。ビタミンB12誘導体については、すでに金属錯体の合成と物性に関する実績があったので、これらを触媒とした種々の有機電解反応に関して新たな知見が得られ、有用な触媒反応を見出した。一方、新規ニ核錯体とポルフィセン錯体については、配位子と金属錯体の合成と物理化学的性質の検討に焦点を当てたため、有機電解反応の触媒としての応用までには至らなかった。しかし、これらの錯体は、極めて興味深い反応性を有しているので、新有機合成触媒への展開が期待できる。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 新規マクロ環化合物による分子認識と触媒機能 — Molecular Recognition and Catalytic Functions of Novel Macrocyclic Compounds
村上 幸人 ; MURAKAMI Yukito
研究期間: 1989-1990
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概要: 1.剛直なシクロファン骨格に柔軟性のある8本の炭化水素鎖をLーアスパラギン酸残基を介して導入した「たこ」形シクロファンを合成した。このホスト分子は中性およびアニオン性ゲスト分子に対して10^5〜10^6dm^3mo1^<ー1>の結合定数で包接する。また取り込まれたゲスト分子は微視的に極性の低い環境下にあり、分子運動性が抑制されていることがわかった。次に、柔軟性のあるアルキル鎖を触媒官能基であるカテコ-ル基を介して剛直なシクロファン骨格に6本導入した「タコ」形シクロファンおよびカテコ-ル部位に金属イオンを配位させたものを合成した。鉄イオンを配位させた錯体は金属イオンを導入していない場合と比較してゲスト分子に対する結合定数が増大した。このことはゲスト分子がシクロファン内で中心金属に配位するためであると考えられる。 2.全ての面がテトラアザ〔3.3.3.3〕パラシクロファンで構成されている立方体型ホストである「かご」型シクロファンを合成した。このホストの分子内空洞への入り口は全て剛直なシクロファン骨格により構成されているため、その分子構造は極めて堅固である。そのため「鍵と鍵穴」機構に基づいた、即ちゲスト分子の大きさ、形状による選択的な取り込み能を発現することがわかった。 3.「たこ」形シクロファンとピリドキサ-ルー5'ーリン酸の非共有結合的組み合わせによりビタミンB_6人工酵素を構築した。水中と比較してシクロファン添加系では疎水的なアルキルアミンとのSchiff塩基生成定数が増大し、アルキル鎖の長さに依存した基質選択性が発現された。 4.「たこ」形シクロファンと疎水性ビタミンB_<12>の非共有結合的組み合わせによりビタミンB_<12>人工酵素を構築した。シクロファン添加系では疎水性ビタミンB_<12>のアルキル錯体は可視光照射により、基質の炭素骨格の組み変えを伴う異性化反応を司ることがわかった。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 高次集積反応場効果にもとづく人工酵素の設計 — Molecular design of artifical enzyme systems based on supramolecular effects
村上 幸人 ; MURAKAMI Yukito
研究期間: 1990-1993
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概要: 1.人工酵素の触媒活性を制御するための人工レセプターとして,誘導適合型の包接機能をもつ「タコ」形シクロファン,「鍵と鍵穴」機構により分子を識別できる「かご」型シクロファン,これらの中間的性質をもつステロイドシクロファン,エンテロバクチンモデルとしてのヘキサパスシクロファン,DNAの認識が可能な機能性インターカレータ等を種々分子設計士,それらの合成に成功した。 これらの人工レセプターは,水中において,個々の分子の構造的特徴を反映して細胞質レセプターとしての優れた機能を発現した。さらに合成ペプチド脂質が形成する二分子膜中に埋め込むことによって,人工細胞膜レセプターとしても有効に機能した。特に,光学活性な「かご」型シクロファンを二分子膜に組み込むことによって,人工酵素の基質である疏水性アミノ酸類に対する不斉認識能の発現が認められた。 合成ペプチド脂質が形成する二分子膜ベシクルに,疏水性ビタミンB_6誘導体と金属イオンを組み込んで構成した二分子膜型人工酵素は,トランスアミナーゼ,トリプトファンシンターゼ,およびアルドラーゼとしての機能を発現し,温和な条件下の水中において,立体選択的かつ触媒的なアミノ酸変換反応が可能になった。 疏水性ビタミンB_<12>誘導体を組み込んだ二分子膜型人工酵素は,メチルマロニルCoAムターゼ,グルタミン酸ムターゼ,およびα-メチレングルタル酸ムターゼとしての機能を発現した。さらに,基質活性化の助触媒を組み合わせることによって,炭素骨格の組み替えをともなう異性化反応を触媒的に進行させることが可能になった。 トランスアミナーゼ活性を有する二分子膜型ビタミンB_6人工酵素と,グルタミン酸ムターゼ活性を有する二分子膜型ビタミンB_<12>人工酵素間で連係機能の発現が可能であることを明らかにした。 続きを見る