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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 樹木の水分動態シミュレーション・モデルの構築に関する研究
矢幡 久
研究期間: 1987-1988
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概要: 樹木の水分動態ならびに水分生理学上の特性を明らかにし、さらに森林を対象として水分動態を予測するシミュレーション・モデルを構築することを目的として、本研究を実施した。樹木における葉の水分特性、すなわち、葉の相対含水率と水ポテンシャル、圧ポテンシャル、浸透ポテンシャル等との関係の季節変化を明らかにするために、我が国西南地域で主要な樹種であるクロマツ、ヒノキ、スギ、マテバシイ、コジイの5樹種について、P-V曲線法によって計測をおこなった。また、水分動態を考察する上で単位土壌容積当りの根系長(根系密度)の分布は重要でありながら、その測定例が少ない。そこで、クロマツ林を対象にサンプリング法によって、根径区分毎の根系密度の分布を調べた。根株内を除外すれば根系は土壌60cmの深さまでに分布し、その密度はスギ林の場合とあまり大きな違いはみられなかった。また、葉のコンダクタンスと蒸散および光合成との関係を、切り枝法によって計測した結果、葉の乾燥によっていずれの特性値も低下するが、葉内のCO_2濃度は僅かに増加することから、葉のコンダクタンスが光合成を抑制することにより、光合成の低下が葉のコンダクタンス、蒸散を抑制することが明らかになった。またP-V曲線法で求めた葉の水分特性値を利用して、葉のコンダクタンスと相対含水率、水ポテンシャル、圧ポテンシャルとの関係を検討した。これによって、葉のコンダクタンスと葉の水分状態との関係を定式化することができた。最後に成木のクロマツ個体の葉のコンダクタンス、蒸散、葉の水ポテンシャル、幹内の蒸散流速の測定などの水分動態を計測し、成木の日蒸散速度を決定した。同時に、苗木で測定した葉のコンダクタンスと気象環境との関係を関数で表わし、これを野外の成木に適用することで、気象測定値からかなり高い精度で葉のコンダクタンスおよび蒸散を推定できることを明らかにした。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 異常渇水の長期化による森林流域環境の影響評価と今後の流域管理に関する研究 — A study on the forest environment changes by long term extreme drought and headwater watersheds management measures for water conservation -A case study of Matsuyama city-
小川 滋 ; OGAWA Shigeru
研究期間: 1995-1996
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概要: 本研究の目的は、自然生態系に適応した適正で健全な地方文化都市を目指した流域管理の施策・対策を提言するために重要水源地流域の森林流域の評価を行うことである。平成8年度は、ダム水源流域のリモートセンシングによる植生活性度評価、水源流域の降雨流出過程での土壌水分の変化と流出特性、水源流域の植生変化が流況特性に及ぼす影響、水源林の整備方法に関する研究を行った。その研究成果は以下のとおりである。 1.四国ダム水源地6流域の1994年と1995年の水文資料について、流況解析をおこない、流況に異常渇水年の影響が残っている流域と回復した流域を安定化率を用いて判定した。また、異常渇水年、平年(1989年)、1995年の衛星データを用いてNDVI値を比較したところ、尾根部の森林植生が異常渇水によって活性度が低下し、谷部の森林植生は影響を受けていない傾向が見いだされた。さらに、異常渇水年に影響を受けた翌年の森林植生回復の有無が斜面単位で判定された。これら斜面単位での差異は、今後の森林管理のあり方に対する基礎的資料であることを示した。 2.瀬戸内の江田島3流域において、源流部斜面の上部と下部に、土壌水分計を各4深度に設置し、降雨流出に伴う土壌水分変動の観測を行った。渇水年に低水部が異常減水しなかった健全流域と林野火災を受けた流域との比較では、降雨による浸透に伴う各土層深度の水分動態に差異があり、健全流域では深部への浸透量が多いことが推定された。 3.東京多摩川小河内ダム水源流域の流況資料と森林植生の変化との解析から、森林植生の増加に伴う年損失量の増加、伐採の減少と平水量の増加の関係が見いだされた。 4.愛媛県における具体的な水源林の整備指針の策定を行い、具体的に市町村が中心となって水源林を整備する実践的仕組みとその技術的指針を作成した。 続きを見る