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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 林冠の疎開した海岸クロマツ林における常緑広葉樹種の更新と生理生態的特性
作田 耕太郎
研究期間: 1998-1999
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概要: 暖温帯の海岸マツ林への常緑広葉樹の侵入・定着様式を明らかにすることを目的として、マツ類と常緑・落葉広葉樹が混交する海岸マツ林で,林冠構成木の樹種ごとの相対胸高断面積比(RBA)によるパッチの類型化、パッチごとの林床のギャップ率(GLI)と光合成有効放射(PAR)の測定、林床の稚樹個体数と分布による多様性の算出、そして、実生に由来する常緑広葉樹稚樹の伸長成長パターンの解析を行い、これらの相互関係について検討した。 林冠構成木のRBAによるパッチの類型化より,調査地のパッチはマツ型、マツーハゼノキ型そしてクスノキ型の3つに分類された。これら3つのパッチの間には.GLIに大きな差はなかったが、PARはマツ型で最も高く、クスノキ型で最も低かった。林床の稚樹の多様性はPARと正の相関を示したが、常緑樹の稚樹にはパッチとの対応が無かったのに対し、落葉樹の椎樹はマツ型のパッチで多様性が高く、クスノキ型のパッチでは低下し、落葉樹稚樹の侵入・定着には光環境の影響が大きいと判断された。 また、常緑広葉樹の実生は、その分布と伸長成長パターンから先駆的な樹種(クスノキ.クロガネモチなど)と非先駆的な樹種(クロキ,シロダモなど),および先駆・非先駆の両特性を有するタブノキが認められた。すなわち、先駆的な樹種は主にPARが高かったマツ型のパッチに分布し、伸張成長速度も高かった。一方,非先駆的な樹種は、すべてのパッチに分布し、伸長成長速度は低かった。タプノキは非先駆樹種と同様にいずれのパッチにも存在したが、伸長成長速度はマツ型のパッチでは先駆的な樹種と同程度であり、クスノキ型のパッチでは非先駆的樹種と同様に低かった。このような、タプノキの光環境に対ける伸長成長反応の変化は、海岸林の主要構成樹種となる大きな要因の一つと考えられた。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of スギ林冠の炭酸ガス固定機能の評価に関する研究 — Evaluation of CO2-fixation capacity in Sugi (Cryptomeria japonica) canopy
斉藤 明 ; 玉泉 幸一郎 ; GYOKUSEN Koichiro
研究期間: 1998-2000
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概要: スギ林冠の炭酸ガス固定機能を明らかにするために、(1)葉の空間分布を決定する枝の構造と、(2)葉の生産性を決定する樹冠内窒素分布について研究した。 (1)枝の構造 スギの枝は分布や密度に規則性が認められ、スギ樹冠の構造は枝を1個のモジュールとしたモデルによって表現された。また、スギでは幹シュートの上位から中位の枝は樹冠の空間獲得の機能、下位の枝は空間充填の機能を持つことが明らかにされた。 間伐により本数密度を変えた場合、樹冠のサイズには差は認められなかったが、着生する葉量とその分布に差がみられ、間伐林分では同化器官の配置を変化させることによって生産性を高めていた。 枝打ちにより葉量を低下させた場合、幹や枝の伸長量はともに低下したが、枝の成長低下率が小さく、結果的に傘型の樹型となった。これは、光合成器官の減少を残った枝への最配置で補おうとした結果であると考えられた。 (2)窒素の分布 当年葉の窒素量は光強度と正の相関にあり、樹冠上部で高く、下部で少なかった。しかし、一年生以上の葉では樹冠の深さや葉齢に関係なく一定の値を示した。さらに、立地が異なる場合の樹冠における窒素分布をモデル化するために、斜面に生育するスギの窒素分布を調べた。この結果、立地が異なってもスギ樹冠の窒素分布は光強度と地位の2因子を用いてモデル化できることが明らかにされた。これらも結果を用いて、窒素分布を取り入れた炭酸ガス固定モデルを構築した。モデルには林冠の窒素分布に関するパラメーターと葉の光合成に関するパラメーターを用いた。スギ林分で得られた値をモデルに代入して計算した結果、適合度の高いモデルであることが確認された。 続きを見る