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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 精度保証による非線形方程式の大域的性質の解明
小林 健太
研究期間: 2003-2005
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概要: 我々は平成17年度において、Driven-Cavity問題の制度保証に現れる定数の導出、および、孤立波の大域的な一意存在性についての研究を行った。 1.Driven-Cavity問題の精度保証に現れる定数の導出 Driven-Cavity問題は流体の分野における典型的なベンチマーク問題であり、その厳密な解を精度保証付きで求める事は非常に重要である。この問題を3次スプライン補間を用いて有限要素法で解くとき、H^2_0ノルムで測った離散化誤差は解のH^4セミノルムで押さえられる。しかし、効率的に精度保証を行うためには、これを更にダブルラプラシアンのL_2ノルムで評価してやらねばならない。その評価に現れる定数は、存在は示されているが、今まで厳密な値は知られていなかった。この値を、いくつかの条件を仮定した上で求めることが出来た。 2.孤立波の大域的な一意存在性 孤立波の運動を記述した方程式としてYamadaの方程式が知られている。この方程式の正値解の大域的な存在と一意性について精度保証付き数値計算による検証を試みた。Yamadaの方程式は無限遠点を有限区間に変換しているため、非線形性が非常に強く、解を精度保証する際には困難が伴う。我々は、無限遠点に相当する点の付近で漸近解析を行い、その点の付近では漸近解析の結果を用い、それ以外の範囲においては区分2次多項式で解の範囲を限定する事により、ある一定範囲のパラーメータにおいてYamadaの方程式の正値解の大域的な存在と一意性を示すことができた。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 滑らかでない非凸領域でのナビエ・ストークス方程式の解に対する数値的検証法の研究
橋本 弘治
研究期間: 2003-2004
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概要: 滑らかでない非凸境界を持つ定常Navier-Stokes方程式は,例えばステップ・フローを始めとする理工学上の問題などに現れ,その流体の動きを解析することは非常に重要であるが,内部角の影響による特異性などの為に理論解析が非常に難しい問題として知られている.一方,数値的検証法も非凸領域ではスペクトル法など矩形領域に対する手法の適用が困難である為,現在手付かずの状況である.それゆえ本研究では,九州大学中尾充宏研究室の共同研究として,一連の数値的検証アルゴリズムの開発を行った. 1.Driven-Cavity問題に関する有限要素法を用いた数値的検証の実現 Navier-Stokes方程式に対しては,スペクトル方を用いた手法以外には実用的な問題への検証例が未だほとんど存在しない為,先ず空間2次元凸領域でのDriven Cavity Problemに対して,有限要素法とその構成的事前誤差評価を用いた検証法の定式化と実際の検証を試みた.その結果,矩形領域においては海外における他の結果よりも遥かに小さな粘性係数に対応する数値的検証法の開発に成功し,このような手法の実用性が確認できた. 2.Navier-Stokes方程式における線形化逆作用素の直接評価法の構築 上記の結果をもとにして現在,空間2-3次元非凸領域でのNavier-Stokes方程式に対する数値的検証法について検討を進め,以下の成果を上げている. Navier-Stokes方程式ではStokes-射影に対する有限要素法の事前誤差評価が本質的に重要となる.そこで,非凸領域を包含する凸領域のH^1_0-射影に対する誤差評価定数を利用して,両領域の相対比率から非凸領域でのStokes-射影の構成的事前誤差評定数の計算法を開発し,行列固有値問題として精度保証付き数値計算により具体的に算定した.また,逆作用素の直接評価では射影部分の評価が大きな役割を果たすことになるが,Stokes-射影は直交射影ではない為にこの評価に新たな問題が生じる.よって,H^1_0-射影とStokes-射影を組み合わせて評価することにより,これを擬似鞍点型行列固有値問題へ帰着させて混合型作用素の直接評価を行うことに成功した.その有効性を確認する為,具体的問題に対する数値計算を進めた. 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 数値処理と数式処理の融合による計算機援用解析学の可能性に関する基礎的研究
中尾 充宏
研究期間: 2005-2007
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概要: 研究分担者がそれぞれの分担課題に関して恒常的に検討を続け、以下のような研究実績を得た。 1.中尾は、前年度に引き続き非線形楕円型境界値問題および定常Navier-Stokes方程式の解に対する数値的検証法の改良・拡張について検討し、特に本年度は、以下の成果を得た。(1)楕円型方程式の検証に関して、double turning pointの検証法を定式化し具体例を与えた。 (2)非凸領域上の定常Navier-Stokes方程式で記述されるStep-flow問題に対してその解の精度保証付きで計算することに成功した。 (3)特異随伴作用素をもつ楕円型問題に対する有限要素解の構成的なL-2誤差評価について、Aubin-Nitscheの技巧を用いない計算機援用的方法により数値的に評価する知見を得た。 (4)空間3次元熱対流問題の精度保証に関して、新たな分岐解の検証定式化とその実例を与えた。 2.吉川は、ソボレフ空間の計算可能構造について、数値解析における有限要素法との関連を見込むために、ソボレフ関数の近似と近似の評価の管理を帰納的関数により行う手法について知見を得た。 3.横山は、制御におけるパラメータ値の決定の最適化問題に対して、記号的代数的手法を適用し、大域的最適値を正確に求めることに成功した。数学研究応用では、逆ガロア問題において数値計算による証明を行い、さらに分解体計算では代数的近似を利用した高速化を実現した。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 数理流体問題における低次元的な解の数値解析と数学解析 — Numerical and mathematical analysis to low-dimensional solutions in. mathematical fluid problems
中木 達幸 ; NAKAKI Tatuyuki
研究期間: 2003-2005
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概要: (1)Euler方程式に支配される2次元流体上の渦糸の挙動に関して研究した。(i)5つの渦糸のある相対的定常状態を調べた。その結果、ある不安定な定常状態から緩和振動がおこすことがあるとの数値シミュレーション結果を得、それが正しいことを数学的に証明した。また、緩和振動する4つの渦糸群、3つの渦糸群を発見し、その数学的な裏付けを得た。(ii)渦同士が接近すると数値計算が困難になる。特に渦点群が激しい振動を起こす場合、この困難性が顕著に現れる。これに対し、天体力学の問題で使用されている手法を念頭に入れ、それを改良した方法を適用することにより、この数値的な困難性を克服することに成功した。 (2)極に固定された渦糸を持つ球面の上での非粘性非圧縮流の渦運動を数学・数値の両面から研究した。渦糸が同一緯度に並んだ系の安定性解析や中心多様体への方程式の縮約を行った。 (3)渦流の3次元線形不安定性を、ハミルトン的スペクトル理論の観点から計算し、いくつかの場合について、不安定性の要因を解明した。 (4)渦輪の不安定性について、非線形領域における挙動を調べるため,ある弱非線形方程式系を多重尺度法を用いて導出した。そして、Widnall不安定性の出現とその不安定モードの構造を明らかにすることができた。 (5)特異極限近似の手法により、氷の溶解を記述する古典的な1相ステファン問題や多孔質媒体の中の流に対する数値解法を開発、研究した。 (6)混ざらない非圧縮性の2流体問題を対象に、高い質量保存性を有する有限要素スキームの構築をめざして開発されたフラックス・フリー有限要素法について、近似解の誤差評価および収束性を得た。 (7)2次元の流体問題の一種であるDriven Cavity Problemに対して精度保証付き数値計算法を適用し,定常解の検証を行った. 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 流体問題に関連した線形化固有値問題に対する数値的検証法とその応用
長藤 かおり
研究期間: 2003-2004
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概要: 昨年度に引き続き,2次元の流体問題の一種であるDriven Cavity Problemに対して精度保証付き数値計算法を適用し,定常解の検証を行った.本研究では大きなレイノルズ数の場合にも適用可能な方法として,無限次元空間におけるニュートン法(無限次元ニュートン法)による定常解の検証法を提案した.扱う問題を不動点定式化し,その不動点の検証に関して無限次元ニュートン法を適用する場合,扱う問題の線形化作用素が可逆であることの保証や,その逆作用素の定量的な評価が必要になる.本手法では,線形化作用素Lの可逆性の検証については,フレドホルムの択一定理を利用することによりLの核の一意性を示せばよいことに着目し,線形方程式Lu=0の解uの大域的一意性を精度保証付きで示すことにより行った.またその検証過程で得られる評価を用いることにより,線形化作用素の逆作用素の評価も行うことができた.これらの評価を用いて無限次元ニュートン法を適用し,レイノルズ数がある程度大きい場合でも定常解の検証が行えることを検証数値例により確認した.昨年度は,レイノルズ数が100程度までの場合について定常解の検証が行えることを確認したが,今年度はさらに高いレイノルズ数に適用できるよう改良を施し現在のところレイノルズ数が200程度まで適用できることを確認した.これらの結果は8月に中国で開催された第7回日中数値数学セミナーにおける招待講演において,および9月下旬に福岡で開催された国際シンポジウム「SCAN-2004(International Symposium on Validated Numerics 2004」)において発表した.さらに,より一般的な問題として,線形化作用素が本質的スペクトルを持つ場合についての研究にも着手したところである. 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 微分作用素のスペクトル分布に対する精度保証とその応用 — Numerical verification for spectral distribution of differential operators and its applications
長藤 かおり ; NAGATOU Kaori
研究期間: 2006-2008
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概要: バンド構造の本質的スペクトルを持つ1次元シュレディンガー作用素の固有値非存在範囲を精度保証付きで求める手法を開発し,検証数値例を与えた。本質的スペクトルのギャップにおける離散スペクトル(固有値)の存在・非存在は,半導体理論とも密接に関連する重要な問題である。本研究では,線形常微分方程式の基本解を計算機援用解析により厳密に求める手法をもとに,固有値が存在しない範囲を数学的に厳密に保証する方法を提案した。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 微分方程式に対する精度保証付き数値計算法
中尾 充宏
研究期間: 1992
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概要: 本年度は特に、楕円型境界値問題と放物型初期境界値問題の厳密解を、計算機によってその存在と精度の保証付きで求める方法(数値的検証法)について検討し、従来手法の改良拡張に関し以下の成果を得た。 1.パラメータに依存しturning pointを持つような微分方程式に対する数値的検証法の定式化 従来の検証法では、turning pointの近傍では線形化作用素の特異性のために検証不能となったが、この点を克服する手法を見いだし、生物数学に現われる非線形常微分方程式の2点境界値問題に適用しその十分な有効性を確認した。 2.非凸領域での楕円型境界値問題の解の検証法 非凸領域ではPoisson方程式の解の滑らかさが落ちるため、その有限要素解の構成的a priori誤差評価が困難であり、したがってこれまでの検証定式化は適用できなかった。今回、計算機を用いてPoisson方程式の有限要素解のa priori誤差評価を与える方法を見いだし、平面上のL-shape domainの場合適用し検証数値例を与えた。 3.空間多次元の放物型方程式の解に対する検証法 空間1次元の場合は既に定式化と基本的検証数値例とが与えられているが、多次元の場合にそのまま適用することはできなかった。今回その点を改良し原理的には空間3次元まで適用可能とし、2次元に対する検証例を与えた。 4.残差反復法による楕円型境界値問題に対する検証能力の向上 従来の検証法では検証の原理的要因から、解の大きさがある程度以上になると、それにともなって誤差が増大し検証実行時のニュートン的反復列が発散して検証不能となる場合があった。この難点を克服するための種々の残差方程式への変換技法について検討し有効な方法を見いだした。なお本項については今後も継続して検討する予定である。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 関数方程式の解に対する精度保証付き数値計算法
中尾 充宏
研究期間: 1994
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概要: これまでに得られた楕円型方程式に関する結果を、より実用度の高いものに改良・拡張するための検討を行なった。また、原理的な検証定式化が行なわれている放物型および双曲型方程式に対して、その適用性を高めることを試みた。具体的な検討結果は以下の通り。 (1)最大値ノルムの意味での精度保証が可能な方法を検討し、数値的に構成可能なa priori誤差評価を得るとともに、高次要素を用いて高精度で最大値ノルム型のa posteriori誤差評価を得る方法を見い出した。 (2)パラメータに依存する非線形微分方程式系に対し、turning pointやbifurcation pointの近傍における特異性の影響を克服した検証方式を定式化し、またそれらの点自体を数値的に精度保証する方法を実現した。 (3)方程式の中に未知関数についてのフレッシェ微分が不能な項を含む場合にも、ニュートン的方法による検証な可能なことを、電磁流体の平衡系方程式を例にとって明らかにした。 (4)高次有限要素を用いて近似解のa posteriori誤差評価を行い、その結果に残差反復を適用することにより、検証能力が飛躍的に向上することを見い出した。 (5)非線形楕円型方程式の球対称解の漸近挙動を特徴づける積分方程式について、その解を精度保証することにより、理論的に解明困難な問題に対し数値的解決を与えた。 (6)空間2次元および3次元の非線形放物型問題に対する数値的検証法を定式化し、その検証例を与えた。 (7)Stokes方程式の有限要素解に対するa posteriori誤差評価の方法を見いだし、Navier-Stokes方程式の解の数値的検証定式化への見通しを得た。 (8)検証プログラムの高速化と効率化について検討し、検証手順の簡易化手法を見いだし、これによりにより検証プログラムの実行効率と検証精度の向上が計れた。 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 偏微分方程式の解の数値的検証法
山本 野人
研究期間: 1993
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概要: 今年度における精度保証付き計算法の研究の中で得られた、次のような新しい成果を報告する。 1.丸め誤差を処理するための演算手法の開発 既存の有理数演算用のパッケージをもとにして、区間演算を利用して丸め誤差を処理するプログラムを開発した。すなわち、 (1) 区間型の変数および演算を導入した。 (2) 加減算の度に連分数展開を用いて、有理数を与えられた桁数に丸め、その誤差を含むように区間幅を広げるルーチンを作成した。 このプログラムによって、丸め誤差の影響までも考慮した厳密な計算が可能となった。 2.非線形偏微分方程式の球対称解の漸近挙動に関する応用 conformal scalar curvature equationと呼ばれる非線形偏微分方程式の球対称解は、原点での値に依って三種の異なる漸近挙動を取ることが知られているが、どのタイプを取るかの判定法は一般には与えられていなかった。報告者は、積分方程式に対する精度保証付き計算法を考案し、これを用いてPohozaevの恒等式にあらわれる量を厳密に計算することで、漸近挙動の判定を行なう方法を提案した。 今後の研究計画としては、まず、これまでの結果をさらに発展させて、有理数演算及び区間演算、あるいは区間演算を応用した完全精度計算を用いた精度保証計算用の演算パッケージを開発することが挙げられる。次に、問題によって必要となる区間係数の扱いや誤差評価の方法などについての複雑な手順を上述の演算パッケージで計算可能になるように工夫する。これは同じ計算量で最大の精度が得られるような理論と演算双方での工夫を意味するだけでなく、応用の簡便さという視点から、できるだけ明解で適用範囲の広い手法の開発をも意味している。具体的には、上記の球対称解を扱う場合での積分方程式への変換及び数値積分の手法の応用を発展させていくことなどを考えている。 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 非線形最適化の基礎理論とその応用
川崎 英文
研究期間: 1993
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概要: 1、川崎は微分不可能計画法の分野で1次の包洛線効果について研究をおこない、sup型関数の方向微分の公式を与えた。その応用として、1個の動節点をもつ折れ線による最良近似問題を考察し、新しい交代定理を導いた。これらの結果を、シンポジウム「非線形解析学と数理経済の研究」(10月、京大数理研)と、日本オペレーションズ.リサーチ学会(10月、筑波大)で発表した。 2、川崎は古賀さゆり(院生)との共同研究により、不等式相条件をもつ変分問題の弱極値に対するLegendre条件を導き、その結果をシンポジウム「最適化理論と数理構造」(12月、京大数理研)で発表した。 3、中尾と山本は、非線形楕円型方程式の解の数値検証法について検討し、従来手法の適用領域の拡張及び検証効率、精度の改良をおこなった。 4、坂内は、Hamming association scheme H(d,q)がmodular不変性を持つ事を示し、有限巡回群上のassociation schemeのmodular不変性を完全に決定した。これらに関し、国際シンポジウム「Algebraic Combinatorics」(11月、九大)、「Shanghai Conference:Designs,Codes and Finite Geometries」(5月、上海交通大学)等で4件の講演をおこなった。 5、高田は河野俊丈との共同研究により、量子群の表現に付随した3次元多様体のWitten不変量を構成し、framed linkの不変量に関するSymmetryを与え、それを利用してホモロジー3球面についての不変量の値の周期性を与えた。これに関連して、「The Second Japan-Korea Seminar on Knots and links」(8月、大阪)で講演をおこなった。 続きを見る