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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 皮膚悪性腫瘍微小環境が樹状細胞を介した免疫反応に与える影響の解析
中原 剛士
研究期間: 2011-2012
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概要: 皮膚悪性黒色腫は発育の過程で周囲の免疫系に様々な影響を与えると考えられる。本研究は皮膚悪性黒色腫局所の微小環境が樹状細胞を介した免疫反応に与える影響の詳細な解析を行い、免疫療法の治療効果向上へと応用することを目的としている。そのために最初に、計画に沿ってB16マウス悪性黒色腫をマトリゲルに溶かしてマウス皮膚に接種し、腫瘍に浸潤する樹状細胞のサブセットを非常に早期から経時的にフローサイトメトリーで解析した。すると腫瘍接種ごく初期には非常に多くの割合の樹状細胞が腫瘍内に浸潤しており、その割合は腫瘍の増大とともに徐々に減少していくことがわかった。しかし浸潤する樹状細胞の数は逆に、腫瘍の増大とともに増加した。また、通常の二次リンパ組織では見られない樹状細胞のサブセットも見られた。所属リンパ節と非所属リンパ節における樹状細胞の割合は予想に反して有意な差は見られなかった。活性化マーカーに関しては、腫瘍に浸潤している樹状細胞は表面マーカーで見るとリンパ節の樹状細胞より活性化した状態であった。 また、樹状細胞の機能を見るために腫瘍浸潤細胞をCD11c磁気ビーズにて分離できるかどうかの基礎実験を行なったところ、高い純度で分離できることが確認された。 このように、腫瘍発育早期には予想以上に多くの腫瘍浸潤樹状細胞が見られたため、これらの更なる詳しい表面マーカーの解析、機能の解析は抗腫瘍免疫を高める手がかりになりうると考えられた。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 悪性黒色腫におけるCD10発現の生物学的意義と新規治療法の開発
師井 洋一
研究期間: 2011-2013
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概要: 今までの研究の結果、悪性黒色腫患者において原発病巣でCD10 を高発現する症例では,そうではない症例に比較して予後が悪いことが判明した(J Am Acad Dermatol 65; 1152, 2011)。その生物学的メカニズムを検討する目的で、CD10をほとんど発現していないヒトメラノーマ細胞株A375にCD10遺伝子およびそのベクターのみをトランスフェクトしたCD10-A375とvec-A375を作成した。この2系列の細胞株について各種生物学的検討を行った。(1)in vitroでの増殖能の比較:MTTアッセイによってCD10陽性A375細胞の方がCD10陰性A375細胞よりも有意に増殖能が高いことが判明した。(2)抗癌剤によるアポトーシス誘導:etoposideによる誘導ではCD10-A375の方がAnnexin V陽性細胞数が少なく、(抗癌剤の細胞毒性に対する)アポトーシス抵抗性が高いと思われた。gemcitabineでも同様の結果であった。(3)ヌードマウスにおけるin vivoでの腫瘍増殖能:CD10-A375の方がvec-A375よりも有意に腫瘍発育が早いことが観察された。さらにCD10-A375には潰瘍形成傾向があった。また,予備実験ながらCD10の酵素活性阻害薬:phosphoramidonを担癌ヌードマウスへ投与したところ、CD10-A375で阻害薬投与群のほうが 阻害薬非投与群に比べ腫瘍の増殖が遅延していた。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ヒト悪性黒色腫組織におけるα-アクチンの意義に関する研究
堀 嘉昭
研究期間: 1990-1992
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概要: ヒト悪性黒色腫組織をホモジェナイズし、抗α-アクチン抗体を用いてウエスタン・ブロット法によるα-アクチン発現量をみると、良性の色素性母斑にくらべバンドが著明に減少していることを既に報告した。今回種々の病型の悪性黒色腫のパラフィン切片を用いて抗α-アクチン抗体による免疫組織化学染色をおこない、腫瘍内および周辺の血管におけるα-アクチンの染色パターンとウエスタン・ブロット法の解析結果との比較、さらには予後との関連性について検討した。 悪性黒色腫の表皮内限局型(melanoma in situ)では腫瘍巣に近接する真皮上層の小血管壁のα-アクチンは母斑とほぼ同程度の染色性を示した。原発性の肢端黒子型では腫瘍巣内の小血管のα-アクチンの染色性は不均一で明瞭な血管と不明瞭な血管が混在していた。腫瘍の浸潤部の血管の染色性が減弱している傾向がみられた。結節型では腫瘍が深く浸潤している部分でさらに染色性が減弱していた。原発性悪性黒色腫の場合腫瘍巣周辺の血管壁のα-アクチンの染色性はかなり保持されていた。転移性の場合では皮膚転移巣では腫瘍巣内のみならずその周囲の血管もα-アクチン染色性が減弱していた。リンパ節転移巣ではリンパ節内の転移巣内血管は染色性が著明に減弱していたが、辺縁洞からリンパ節被膜部の血管は明瞭にα-アクチンが染色されていた。 悪性黒色腫組織の抗α-アクチン抗体を用いた酵素抗体法による血管の染色性の結果は以前おこなったウエスタン・ブロット解析によるα-アクチンの半定量的分析とほぼ相関していた。また染色性の減弱の程度と悪性黒色腫のステージの進行・患者の予後とはほぼ相関したものと思われた。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 眼組織の老化関連因子テロメアの解析とこれを用いた外眼部腫瘍の早期腫瘍診断法の開発
猪俣 孟
研究期間: 1999-2000
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概要: 昨年までの研究により、腫瘍の増殖にはテロメアの長さが影響することと同様に血管新生が重要であることがわかった。そこで、今年度は血管新生を人為的に起こした腫瘍と、血管新生を人為的に抑制した腫瘍で、テロメアの長さがどのように影響を受けるかを調べている。 腫瘍細胞 網膜芽細胞腫の細胞株Y79に血管内皮増殖因子(VEGF)遺伝子を導入したものと、VEGFのdominannt negative receptor遺伝子を導入したものを用いる。腫瘍は、ヌードマウスに移植して作成した。血管新生は経時的に標本を採取して、組織学的に血管新生の程度を定量化した。血管内皮増殖因子(vascular endothelial growth factor,VEGF)の発現を、ノザンブロット、ウエスタンブロット法で確認した。また、同様に実験を、悪性黒色腫細胞を用いて実験した。その結果、VEGFを抑制し、血管新生を抑制することで、腫瘍の増殖を明らかに抑制することが可能であった。腫瘍細胞自身のVEGFの発現は変わらなかったので、外的に血管新生を抑制することで、autocrine的な腫瘍の増殖が抑制されたためと考えられた。その結果は(Shiose S,et al.Invest Ophthalmol Vis Sci,2000)に発表している。 テロメアの解析は現在進行中であるが、テロメア長と血管新生の抑制作用には、あきらかな関係はみられていない。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ヒト悪性黒色腫の悪性度に関するアクチン発現変化の意義についての研究 — Effect of expression of actin on human malignant melanoma
堀 嘉昭 ; HORI Yoshiaki
研究期間: 1995-1996
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概要: 樹立されたヒト悪性黒色腫細胞株4種類より、transfectionの効率の良い細胞株28.1を選び、その細胞株にpSV_2 neoをtransfectionしてネオマイシン抵抗性の細胞株3種のクローンを得た。この3種についてin vitroでの細胞増殖速度および無胸腺マウスでの腫瘍形成能を検討した所、腫瘍形成能に関してはクローン間で差が認められたが、増殖速度はほぼ同等であった。そこでこの細胞株にカルシウムフォスフェイト法を用いてβmアクチン発現ベクター(10-20μg)とpSV_2 neo(1μg)のco-transfectionを行い、ネオマイシン抵抗性のクローンを抗βmアクチン抗体で染色し、解析した。その結果βmアクチン陽性のクローンは認められなかった。他の3種の細胞株に対しても同様にtransfectionを行ったが、βmアクチン陽性のクローンは得られなかった。この結果より、検討した黒色腫細胞株のtransfectionの効率が悪い可能性は残るが、βmアクチンが細胞の増殖を抑えるためにクローン化できないことが示唆された。今後はβmアクチンのプロモーターにinducerを導入し、実際にβmアクチンの発現がヒト悪性黒色腫の増殖を抑制するかどうかを検討する必要がある。 また我々は、その他のアクチンとしてα-アクチンにも注目し、ヒトの悪性黒色腫の手術標本においてα-アクチンの発現が減少していることをウエスタンブロットにより明らかにした。そこでさらにα-アクチンの減少の原因を明確にするために14症例の手術標本をα-アクチンの抗体を用いて免疫組織学的に検討した。その結果、α-アクチンは腫瘍中、および周囲の血管に存在すること、また腫瘍のstageが進む程発現量が低下することが観察された。このことよりα-アクチンの発現量の測定はヒトの悪性黒色腫のstage分類に役立つことが示唆された。 続きを見る