close
1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ミトコンドリアのチトクロムP-450の細胞内局在化機構
伊藤 明夫
研究期間: 1988
本文を見る:
概要: 副腎皮質細胞においてステロイドホルモンの生合成に関与しているチトクロムp-450(SCC)およびチトクロムp-450(11β)のミトコンドリアの局在化機構に関して、次の3つの方向から検討した。 1.チトクロムp-450(SCC)前駆体分子内に存在するミトコンドリアへの局在化シグナルの解析:チトクロムp-450(SCC)前駆体に対するcDNAを改変して前駆体分子に様々な欠失やアミノ酸置換を行いミトコンドリアへの移入の様子を調べた。局在化シグナルは前駆体延長ペプチドのアミノ末端から19アミノ酸残基の中に含まれていた。次に、延長ペプチドのアミノ末端部に点在している塩基性アミノ酸の役割を調べるため^4Arg→Ser、^9Arg→Ser、^<14>Lys→Thrの置換を行ったところ、塩基性アミノ酸1残基存在すれば前駆体のミトコンドリア表面への結合は起こるが、移入には3残基全て存在することが必要であった。 2.チトクロムp-450(SCC)前駆体と結合するミトコンドリア蛋白質の検索:前駆体分子を認識し、ミトコンドリア内に輸送する過程に関与している蛋白質をチトクロムp-450(SCC)前駆体の延長ペプチドのアミノ末端部20残基に相当するペプチドを化学合成し、これと反応する蛋白質として単離することを試みた。化学合成ペプチドが分子量約32KDaの細胞骨格蛋白質と類似した性質を示す蛋白質と特異的に結合することを見つけ、現在これに精製中である。 3.延長ペプチドを切断除去するプロテアーゼの精製:ラット肝ミトコンドリアマトリクスよりプロセシングプロテアーゼを均一に精製した。金属プロテアーゼの一種で分子量55KDaおよび52KDaの2つのサブユニットから成り、アドレノドキシン、チトクロムp-450(SCC)、p-450(11β)前駆体の延長ペプチドをエンドプロテアーゼ作用により切断した。現在、本酵素のcDNAクローニングを行っている。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ミトコンドリアのチトクロムP-450の細胞内局在化機構
伊藤 明夫
研究期間: 1989
本文を見る:
概要: 副腎皮質細胞においてステロイドホルモンの生合成に関与しているチトクロムP-450(SCC)、チトクロムP-450(11β)、および小胞体においてチトクロムP-450系に関与しているチトクロムb_5が生合成されてから、機能発現の場であるミトコンドリアや小胞体に局在化される機構に関して次の3点から検討した。 (1)チトクロムP-450(SCC)およびチトクロムP-450(11β)前駆体と相互作用をもつミトコンドリア蛋白質の検索:2種のP-450の前駆体分子の認識や、ミトコンドリア内への輸送に関与している蛋白質をこれらの前駆体の延長ペプチド約20残基のペプチドを化学合成し、これと相互作用(結合)をする蛋白質として単離、同定を試みた。約70KD、約45KDなどの蛋白質が身い出された。現在、これらの蛋白質の精製と役割について検討中である。 (2)チトクロムP-450前駆体の延長ペプチドを切断するプロテア-ゼのcDNAクロ-ニング:ラット肝ミトコンドリアマトリクスから精製された延長ペプチド切断プロテア-ゼに対する抗体を用いて、ラット肝cDNAライブラリ-(入gt11)よりこの酵素に対するcDNAを検索した。プロセシングプロテア-ゼの2つのサブユニットのうち、52KDサブユニットに対するcDNA(35kbp)が得られ、塩基配列を決定している。また、55KDのサブユニットの前長を含むcDNAをスクリ-ニングしている。 (3)チトクロムb_5の小胞体膜局在化シグナル:ラット肝のチトクロムb_5に対するcDNAを改変してそのアミノ末端側の親水性部とカルボキシ末端側の疎水性部をそれぞれ欠失したり、他の蛋白質と結合した融合蛋白質をつくり、これらを哺乳動物細胞で発現させ、細胞内局在場所を解析した。カルボキシ末端側の疎水性部をもつ融合蛋白質はいずれも小胞体に局在することから、この部分に局在化シグナルが存在することが明らかになった。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ミトコンドリアのチトクロムPー450の細胞内局在化機構
伊藤 明夫
研究期間: 1990
本文を見る:
概要: シトクロムPー450およびPー450を含む代謝系の一員であるアドレノドキシンやシトクロムb_5の細胞内局在化過程を解析した。 1.ミトコンドリアのシトクロムPー450前駆体のプロセシングに関与するプロテア-ゼ; 細胞質で生合成された後、ミトコンドリアに移入されたシトクロムPー450(scc)やアドレノドキシン前駆体の延長ペプチドを切断除去し、それぞれを成熟型にするプロテア-ゼをラットおよびウシ肝臓より精製した。アドレノドキシン前駆体を用いたリガンドブロッティングにより,酵素の2つのサブユニット(55kD、52kD)のうち、52kDサブユニットが基質の認識に与っていることがわかった。さらに、延長ペプチド部に様々の長さの欠失を持ったアドレノドキシン前駆体に対するプロテア-ゼの作用や、アドレノドキシン前駆体のプロセシング体する延長ペプチドの様々な部分に対応する合成ペプチドの影響を調べることから、アドレノドキシン前駆体の延長ペプチドの切断には、切断点から約40個以上のアミノ酸の長さがあって、ー30からー40番目に塩基性アミノ酸に富んでいることが必要であることがわかった。 2.小胞体でシトクロムPー450を中心とする電子伝達系に関与しているシトクロムb_5の小胞体局在化胞体に局在化せず、シトゾルに留まった。一方、この10残基を他の蛋白質のカルボキシン末端に結合すると、融合蛋白質は小胞体に局在化し、この10残基の中にシトクロムb_5の小胞体局在化シグナルが存在することがわかった。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of プロセシングプロテアーゼによるミトコンドリアタンパク質の延長ペプチド認識構造の解析
荻島 正
研究期間: 1993
本文を見る:
概要: ミトコンドリアプロセシングプロテアーゼによる認識機構を明らかにするために、以下の研究をおこなった。(1)プロテアーゼ反応をリアルタイムで測定できる基質の開発。(2)基質と同様に酵素に結合するが、切断を受けず酵素と安定な複合体を形成する基質類似体の開発 (1)リンゴ酸脱水素酵素の延長ペプチドをモデルとした合成ペプチドが、ミトコンドリアプロセシングプロテアーゼの基質となり正しい位置で切断を受けることを明らかにした。この合成ペプチドを修飾し、アミノ末端に蛍光基を、切断部位をはさんでカルボキシル末端側に消光基を導入した。その結果、蛍光基は延長ペプチド中の遠位のアルギニンよりもアミノ末端側に存在し、消光基はカルボキシル末端側の切断部位、すたわち、P1'から少なくとも3残基は離れていれば切断に伴い蛍光を発することが判明した。この基質は酵素反応をリアルタイムでしかも高感度に測定することを可能にした。この蛍光基質をさまざまに改変することで、基質認識における遠位および近位のアルギニン、P1'位のアミノ酸の重要性が判明した。 (2)リンゴ酸脱水素酵素の延長ペプチド中のP1'位のアミノ酸をL-フェニルアラニンからD-フェニルアラニンへと置換させた。この基質類似体はプロテアーゼにより切断を受けなくなるばかりか、もとのペプチドやin vitroで合成した前駆体タンパク質の切断をも強く阻害した。この基質類似体を用いて酵素の部位特異的標識化などへの応用を現在準備している。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼ系における基質および基質認識構造の解析 — Analysis for the Substrate Strucure and Structure Responsible for Substrate-recognition by Mitochondrial Processing Peptidase
荻島 正 ; OGISHIMA Tadashi
研究期間: 1995-1996
本文を見る:
概要: リンゴ酸脱水素酵素(MDH)の延長ペプチドをモデルとした合成ペプチドに自己消光性の蛍光基を導入することで、ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼ(MPP)の反応をリアルタイムで簡便に測定するのに成功した。他のミトコンドリアタンパク質前駆体の延長ペプチドをモデルとした基質についても解析を行い、それらにおいても、MDHと同様の認識シグナルが働いていることを明らかにした。MDHにおいては、延長ペプチド部分の近位と遠位アルギニンの間には柔軟な構造が不可欠であることを、主鎖にエーテル基を導入したアミノ酸をその部分に入れることで証明した。さらに、アルギニンのアナログアミノ酸を用いることで、近位アルギニンの認識には側鎖の2カ所の水素結合とイオン結合が関与していることを明らかにした。以上のような認識要素は実際の前駆体タンパク質でも機能していることを明らかにした。 点変異法によりβ-サブユニットに触媒部位があることを明らかにした。αおよびβ-サブユニットを大腸菌で大量発現させる系を確立し、これらのサブユニットを高純度に精製し、再構成することに成功した。この再構成系を用いて合成基質による光親和性標識を行ったところ、基質の切断部位付近は触媒部位のあるβ-サブユニットに結合することが判明した。しかし、基質のC-末端部はα-サブユニットと結合することが判明した。すなわち、これらのことは、両サブユニットが共同で基質認識部位を形成していることを強く示唆している。 続きを見る