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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子宮頸部腺癌の免疫組織学的検討 — IMMUNOHISTOCHEMICAL STUDY OF THE ENDOCERVICAL ADENOCARCINOMA
松山 敏剛 ; MATSUYAMA Toshitaka ; 加来 恒壽
研究期間: 1988-1989
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概要: 1.1972年から87年までの16年間に治療された頸部腺癌111例について組織学的再分類を含む臨床病理学的検討を行った。この間に腺癌の頻度が子宮頸癌中の5%から10%へと上昇した。これは扁平上皮癌の減少による相対的な上昇であった。臨床進行期では早期癌症例数が少なく、進行癌の予後は扁平上皮癌に比較して不良であった。予後を左右する因子として、原発巣の大きさ、浸潤の深さ、リンパ節転移、腹水細胞診の結果等が考えられた。 2.基底膜の成分であるラミニンとIV型コラ-ゲンの免疫組織染色を行ない、その結果基底膜が強く厚く染色されるTypeI、基底膜が弱く薄く一部欠如するTypeII、基底膜が弱く断片的に染色されるTypeIIIに分類した。高分化型腺癌はTypeIが17例(71%)で残りはTypeIIであったのに対して、低分化型では5例中4例(80%)がTypeIIIであった。上皮内腺癌はすべてTypeIであったが、悪性腺腫は組織学的に極めて高分化であるにもかかわらず、TypeIIIが83%であった。Type別の予後はTypeI,TypeIIに比較してIIIが悪く、組織分化度別の予後でもTypeIIIが多い未分化型や悪性腺腫が悪かった。基底膜の染色性と予後の間に関連が見られた。 3.腺癌のhigh iron diamine(HID),Alcian blue(AB)による粘液染色を行ないその結果をそれぞれに対する染色態度で検討した。純粋腺癌は両者陰性、正常細胞はAB陰性、HID陽性、そして悪性腺腫は両者陽性となった。腺癌と悪性腺腫は正常細胞を中心にして癌では機能を失う方向に、悪性腺腫では新たな分泌能を獲得する方向にと、反対の方向に脱分化していると考えられた。こりより、悪性腺腫を腺癌の最も分化した癌と考えるより、通常の腺癌とは機能的に全く違う腫瘍と考えた方が、その治療成績の悪さとも合致すると考えられた。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 婦人科悪性腫瘍の発育と進展における血管新生の関連に関する研究 — ANGIOGENESIS IN GYNECOLOGIC MALIGNANCY
加耒 恒壽 ; KAKU Tsunehisa
研究期間: 1997-1998
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概要: 当科に収集された子宮体癌症例のHE標本を全て再検鏡して組織型、分化型、核異型度、浸潤の深さ、脈管侵襲の有無について検討した。対象症例で代表切片を選択し新たに組織切片の作成を行った。子宮体癌85例について第VIII因子関連抗原の免疫染色を行い血管内皮を染色して微小血管を同定し、200倍1視野当たりの微小血管数および微小血管密度を算出した。微小血管密度と腫瘍分化度、筋層浸潤の深さおよび脈管侵襲との間に有意に関連があること、さらに微小血管密度と生存率および無病生存率とが有意に関連しており、多変量解析を行い微小血管密度が独立した予後因子であることを明らかにし誌上に発表した(Kaku T,et al.Cancer 1997;80:741-747)。 子宮内膜増殖症の有無で子宮内膜癌が大きく2つのタイプに分けれることが明らかにしてきたが、さらに2群の性格を明確にするため免疫組織学的に微小血管密度と癌抑制遺伝子P53について染色を施行し、微小血管密度と癌抑制遺伝子P53の発現が内膜増殖症非合併群では合併群に比して有意に高いことを明らかにした(Kaku T,et al.Gynecol Oncol 1999;72:51-55)。 子宮頸部腺癌においても多変量解析を行い微小血管密度が独立した予後因子であることを明らかにし誌上に発表した(KakuT,etal.Cancer 1998;83:1384-1390)。 子宮頸部扁平上皮癌および卵巣癌でもCD34抗原を用いて血管新生の免疫染色を行い、微小血管数および微小血管密度を算出し、微小血管数および微小血管密度とリンパ筋転移の有無ならびに生存率との関連を解析した。また多変量解析を行ない血管新生が独立した予後因子であるか否かの検討を行って、これらの腫瘍でも血管新生が発育、進展に関連していることが明らかになり、この成果を投稿中である。 続きを見る