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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子宮体癌幹細胞を標的にした新規治療法の開発
加藤 聖子
研究期間: 2011-2013
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概要: 1.まず、子宮体癌細胞株Hecl細胞、Ishikawa細胞、SNGM細胞、ラット子宮内膜細胞RENT4に活性化型K-Rasを形質導入し造腫瘍能を獲得したRK12V細胞のside-population(SP)細胞の出現率を解析したところ、Hec1細胞,RK12V細胞にSP細胞が安定的にみとめられた。 2.このRK12V-SP細胞は、以前我々が報告したHecl-SP細胞と同様にnonSP細胞に比べ分化マーカーの発現の低下・自己複製能・長期増殖能の性質を示した。また、SP細胞はnonSP細胞に比べ造腫瘍能が著明に亢進しており、間質に富む腫瘍を形成した。 3.RK12V-SP細胞とRK12V-NSP細胞の間でマイクロアレイ解析を行ったところ、RK12V-SP細胞においてepithelial-mesenchymal trasition(EMT)に関与する遺伝子群をはじめ、複数の増殖因子、サイトカインの遺伝子の発現増加がみとめられ、幹細胞の増殖制御にはEMTをはじめ、複数のシグナルの関与が示唆された。 4.そこで、複数の作用機序を持つヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(以下HDAC阻害剤)sodium butyrate(以下NaB)の効果を解析した。 5.NaB添加により、RK12V-SP細胞の増殖や軟寒天培地上のコロニー形成能を有意に抑制された。また非添加時に比べγH2AX,リン酸化p38MAPK,p21,p27の発現が亢進した。この変化はnonSP細胞よりSP細胞で有意であった。 以上より、HDAC阻害剤は癌幹細胞の標的治療薬の候補として有用であることが示された。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子宮体癌に特徴的な遺伝子変異に基づいた細胞死誘導機構の解明と癌遺伝子治療への応用
加藤 秀則
研究期間: 2003-2005
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概要: 1)DCCについて ヒト子宮体癌細胞株7株をもちいて、全ての株でDCCの正常な発現が失われていることを確認し、Netrin-1存在下でDCCを再発現させると全株でアポトーシスが誘導されることを確認した。また臨床検体30例の検討でも70%程度の症例でDCC発現が消失しておりこれらの症例の予後は相対的に不良であることも判明した。臨床応用の第一歩としてDCC発現アデノウイルスベクターを作製した。引き続きこれを用いて、子宮体癌細胞株とヌードマウスを用いた系で生体内投与の検討を行う。 2)ORF-12について ORF-12はHIF-1プロリン残基水酸化活性をもち、これをとうしてHIF-1の分解を促進する。多くの子宮体癌症例ではHIF-1の発現が亢進しておりその約5分の一にORF-12の異常が見られる(特に肉腫例ではほぼ全例)ことを明らかにした。ヒト子宮体癌細胞株3株を場として(これら全ては、ORF-2に変異を持つ)、正常型ORF-1の再発現はHIF-1蛋白を消失させ、その下流であるVEGFなどの腫瘍増殖促進的に働く多くの遺伝子の活性を低下させることを見いだした。さらにORF-12によるHIF-1の抑制は最終的には、senescenceを誘導し癌細胞死を導くことも明らかとなった。これらの事実をふまえてHIF-1活性阻害剤であるYC-1と17AAGを癌細胞株に添加したところ同様な細胞死の誘導が観察された。ORF-12発現アデノウイルスベクターとともにこれらの薬剤の生体内投与について、特に難治例の肉腫を中心にして今後検討を行う。 3)p21について p21発現アデノウイルスベクターを作製した。これらの癌細胞への感染は、Rb,p16,p53の状態に依存せず低容量感染でsenescenceを、高容量でアポトーシスを誘導することを明らかにした。基礎的検討が終了したのでこれもヌードマウスを場として検討を進める。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子宮内膜細胞の老化逸脱へのゲノム多様性の関与
和氣 徳夫
研究期間: 2011-2015
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概要: 私たちはこれまで子宮体癌の発生にRas/ERα/MDM2/P53/P21シグナロリームが重要な役割を担っていることを明らかにした。これらのシグナロソームを構成する各遺伝子の体細胞変異は低率であるためSNPハプロタイプにより各遺伝子機能が変化し子宮体癌の発生に関与するかを検討した。 (1)本年度MDM2SNP309、TP53Arg72Pro、ESR/PVull、Xbal、P21Codon31遺伝子多型と子宮体癌発症のリスクとの関連について検討した。子宮体癌125例、対照群200例の血液からDNAを抽出し解析した。MDM2SNP309d/Gは、T/Tに対し子宮体癌Odds比1.76(0.93~3.30)と統計学的に有意ではないが増大傾向にあった。TP53、ESR1、P21SNPと子宮体癌リスクの間には相関を認めなかった。 しかしMDM2SNP309G/GとTP53Codon72Arg/Argの組み合わせは補正後の子宮体癌Odds比2.53(1.03~6.21)、inferactionP値0.04で、両遺伝子間に統計学的有意な相互作用を認めた。 (2)ダイオキシンはAHR (Aryl Hydrocarbon Roceptor)と結合し、細胞内毒性シグナルを活性化し、がん発生を含めた健康被害の原因となる。本研究ではAHRゲノム多様性と健康被害の解析も研究目的に加えた。AHRプロモータ領域は翻訳開始点から-452bpに存在した。本領域には2種類の多型が存在するが、そのうち-130C/TSNPはAHR転写に強い影響を与えた。 T/TはC/Cに比し約1.75倍の有意な転写亢進が示された。-130bp領域にはNFIC転写因子結合サイトが存在する。免疫沈降法、ゲルシフトアッセイ法さらにはNFIC蛋白に結合するAHRプロモータシークエンスをクローニングし解析した結果、NFIC蛋白はCアリルとの結合力が強く、Tアリルの場合には結合が低下することが判明した。C/C型AHRプロモータではNFICが結合しSP1を介する転写が抑制され、T/T型AHRプロモータではNFICが結合しにくく、結果としてSP1を介する転写が亢進することも判明した。一般集団でのT/T型ジェノタイプは約10%に存在し、ダイオキシンによる健康影響の程度に関与しているこが示唆された。今後、油症患者におけるAHR-130C/TSNPを解析し、症状発現の程度をCC、C/T、T/T型で解析する予定である。本研究は既に九州大学倫理委員会の承認を得ている。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 対立遺伝子間遺伝子発現相違に起因する子宮体癌発症メカニズムの解明
恒松 良祐
研究期間: 2011-2012
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概要: 細胞老化誘導シグナロソーム破綻へのAllelic Expression difference(AED)の関与を明らかにするために、MDM2遺伝子の3'非翻訳末端のSNP(rs1690916、A/G)をマーカーSNPとして子宮体癌患者および対照群各45例(マーカーSNPがヘテロであったのはそれぞれ20例、23例)より採取した組織(子宮体癌組織および正常子宮内膜組織)よりゲノムDNAおよびmRNAを抽出し、上記SNPを含む領域をPCR法およびRT-PCR法により増幅しSSCP法を用いて解析した。正常子宮内膜組織ではゲノムDNAおよびmRNA上のマーカーSNPの存在比はいずれも1:1であり、AEDが存在しないことが明らかとなった。一方で子宮体癌患者由来の20例中2例において、ゲノムDNAでのマーカーSNPの存在比が1:1であるにもかかわらず、mRNA上のマーカーSNPの存在比が大きく異なることが明らかとなり、これらにおいてはAEDが存在することが示唆された。MDM遺伝子にはP1、P2という2つのプロモーターが存在し、上記マーカーSNPのmRNA上の存在比は両プロモーターからの遺伝子発現の総和の違いをみていることになる。そこでP1プロモーター由来の転写産物のAEDを同様にPCR-SSCP法で解析したところ、P1プロモーターからの遺伝子発現にはAEDが存在しないことが明らかとなった。以上のことからMDM遺伝子のAEDはP2プロモーターに由来すると考えられた。P2プロモーターでは転写因子Sp1の結合配列上にあり、Sp1の親和性に影響を与えるSNP309がよく知られているが、われわれはこれとは別にP2プロモーター上のさらに5'側に新規のSNPを同定しており、今後このSNPを含めてMDM2遺伝子におけるAEDの分子機構の解析を進めていく予定である。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子宮内膜細胞の老化逸脱へのゲノム多様性の関与と癌幹細胞における不死化能獲得機構 — Genome diversity associated with in montalization and establishment of endometrial cancer stem cell isolation
和氣 徳夫 ; WAKE Norio
研究期間: 2008-2010
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概要: Ras/ERα/MDM2/p52/p21シグナロソームにはゲノム多様性が存在し対立遺伝子間発現量に差異があることを明らかにした。特にMDM2 p1プロモータ活性にはAEDが関与し、その機能に影響を与えていることが判明した。子宮体癌幹細胞で発現を更新する遺伝子を同定した。そのうち細胞表面で発現するものを標的に抗体を作成し幹細胞を同定するMACSシステムを構築した。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子宮体癌における対立遺伝子間発現量の相違 — Allelic expression difference of endometrial cancer
谷口 秀一 ; SHUICHI Taniguchi
研究期間: 2008-2009
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概要: 子宮体癌や乳癌などのホルモン依存性癌において、p14ARF/MDM2/p53/p21シグナロソームを構成する遺伝子のゲノム多様性が癌発生にいかに関与するかを解明することを目的とし、子宮体癌患者とコントロールで解析した。MDM2 SNP309T/G、p53 codon72 Arg/Pro、ERα Pvu2 T/C・Xba1 A/G、p21 codon31 Ser/Argに存在する遺伝子多型の解析を行い、その結果、子宮体癌患者のMDM2 SNP309G/G型のT/T型に対するオッズ比は統計学的に有意差を認めなかったが、MDM2 SNP309とp53 codon72の組み合わせは、子宮体癌オッズ比の高まりを示した。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子宮体癌のパクリタキセル耐性における微小管結合蛋白質Tauの関与についての研究 — Relation between paclitaxel resistance in endometrial cancer and microtubule binding protein Tau
上岡 陽亮 ; UEOKA Yousuke
研究期間: 2006-2008
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概要: 子宮体癌の臨床検体からmRNAおよび蛋白を抽出し、Tau発現と化学療法の奏効率の相関について解析したが、統計学的な有意差は示されなかった。タキサン系製剤に抵抗性を示した特殊組織型の症例について、学術集会で詳細を発表した。CNh1遺伝子の導入により、培養癌細胞では扁平伸展化・足場非依存性増殖能の低下・細胞運動能と浸潤能の低下を認め、腹膜中皮細胞では細胞間隙の開大と培養皿からの剥離の現象が抑止された。卵巣癌細胞へのCNh1遺伝子導入により、マウスにおける腫瘍増殖能の低下がみられた。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 婦人科微小浸潤癌における細胞外基質蛋白分解酵素と接着因子の動作の解析に関する研究 — Interaction if Cell Adhesion Molecules and Tumor Cells on the Production of Matrix Metalloprotease in Gynecological Cancers
平川 俊夫; HIRAKAWA Toshio; 齋藤 俊章 ... [ほか]
研究期間: 1994-1996
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概要: 1 In vitro invasion assay、collagen gel invasion assayを用いて、子宮頚癌株化培養細胞の浸潤と間質細胞の有無、接着因子の有無との関連から検討した。HeLa,CAC-1,TMCC,SiSoいずれも子宮頚部間質細胞をTGF-β,アルコルビン酸で前処理した群において浸潤細胞数の有意な増加を認めた。ファイブロネクチン、ラミニンのchemoktactic effectによる浸潤の亢進を認めた。TGF-β,アスコルビン酸により間質細胞(fibroblast)のファイブロネクチン産生は亢進しており、これらの事より、腫瘍細胞の産生するTGF-βにより間質細胞のファイブロネクチン産生が惹起され、産生されたファイブロネクチンが腫瘍細胞の浸潤を誘導する可能性が示唆された。 2 子宮頚癌、卵巣癌株化培養細胞を用いて、癌細胞のマトリックスメタロプロテアーゼ産生能をzymogramを用いて検討した。卵巣癌株2種HRA,KFにおいて検討したところ、KFにおいてのみ62kD付近にゼラチンを溶かすバンドが出現しマトリックスプロテアーゼ活性を認めた。この62kD付近で活性を示す蛋白融解酵素は主として4型コラーゲンを分解する2型マトリックスメタロプロテアーゼに相当すると考えられた。in vivoでシスプラチンに耐性となったHRA株では親株になかったこの活性が発現し、KFにおいても親株に比べてその活性は亢進した。子宮頚癌株HeLaにおいては、やはりMMP-2に相当する蛋白分解酵素活性が認められた。 3 接着因子が子宮頚癌株の蛋白分解酵素産生に及ぼす影響を検討した。zymogramを用いて検討した結果、ファイブロネクチン、ラミニンいずれも用量依存的に子宮頚癌株HeLaの蛋白融解酵素産生能を亢進させた。 4 以上のことから、細胞接着因子の一部による子宮頚癌細胞蛋白分解酵素産生の亢進機序の存在が明らかとなり、先に述べた間質細胞による癌細胞の浸潤誘導の機序と考えられた。 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子宮内膜癌化機構に関する研究-子宮内膜癌抑制遺伝子のクローニング — Genetic events associated with human endometrial carcinogenesis.
和氣 徳夫; WAKE Norio; 和氣 徳夫 ... [ほか]
研究期間: 1991-1992
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概要: 本研究では子宮内膜癌化に関与する遺伝子変化について、細胞工学的及び分子遺伝学的手法を用いて研究した結果、以下に述べる成果を得た。1)ヒト1番染色体上には子宮内膜癌抑制遺伝子の存在することが示唆されている。このため1番染色体特異的cDNA発現ライブラリーを作成し、遺伝子クローニングを試みた結果、ヒト・マクロファージ遊走阻止因子及びポーリンサーモレギュラトリー蛋白に一部相同性を有する2つの遺伝子を新しくクローニングできた。これらは子宮内膜癌抑制遺伝子の候補と考えられる。2)HHUA子宮内膜癌細胞と正常線維芽細胞との間で全細胞融合を行い造腫瘍性を失った融合クローンを得た。継代培養後再度造腫瘍性融合クローンを得ることができた。これら非造腫瘍性及び造腫瘍性クローンとの間で核型の比較を行った結果、正常線維芽細胞由来4番染色体の脱落が造腫瘍性の獲得と関連していることが判明した。このため正常4番染色体をHHUA細胞 微小核融合による単一移入した結果、融合クローンは増殖特性に変化を示さず造腫瘍性のみ失った。このため4番染色体上には造腫瘍能の獲得に関与する癌抑制遺伝子が存在すると推定された。2)42例の子宮内膜癌でLOH及びK-ras点突然変異の有無を検討した結果、17p,18qの欠失及びK-rasコドン12の点突然変異が子宮内膜癌の発生に関与していることが判明した。欠失地図の作成により、17p-はP53遺伝子に、18q-はDCC遺伝子に相当することが推定された。さらにPCR-SSCP法によるp53遺伝子変異について解析した結果、42例中4例に点突然変異を認めた。うち3例では片方のアリルの欠失、残存アリルの変異が示され、p53遺伝子の不活化と子宮内膜癌との関連が示唆された。3)K-rasコドン12の点突然変異を含むアンチセンスオリゴDNAをHHUA細胞へ添加した結果、DNA配列に特異的な細胞増殖の抑制が示された。 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子宮体癌の発癌機構の解明と治療法の開発 — Analysis of endometrial cancer development
加藤 聖子 ; KATO Kiyoko
研究期間: 2005-2007
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概要: 本研究では、Aホルモン依存性腫瘍としての子宮体癌の発癌機構の解明と治療法の開発、B.幹細胞の発癌機構への関与の観点から、検討を進めた。 A.子宮体癌細胞株Hec6,HHUAを用いて解析したところ、MDM2蛋白が過剰発現しており、MEK阻害剤の添加によりMDM2の発現は抑制され、p21が増加し、細胞老化が誘導された。また、MEK阻害剤の効果はERα機能に依存し、in vitro,in vivoで子宮体癌の増殖を抑制するが、その効果は抗エストロゲン剤の併用により増強された。また、MDM2のsiRNAでも増殖能は著明に抑制された。以上の効果は正常子宮内膜ではみられなかったことより、このシグナル経路の阻害は子宮体癌治療への臨床応用が期待される。 活性化型K-Rasの造腫瘍能へのPR-Bの抑制機構の分子機序を検討した。PR-Bの過剰発現は、p27の発現を誘導し、GO/G1期集積を起こした。また、cAMPの添加によりPR-Bの発現が増加し、細胞増殖能は抑制された。PR-Bのこの作用には、non-genomic ER活性が関与していた。 B.まず、組織幹細胞の同定に使用されるHoechst33342の取り込みの低い分画の細胞(side population cells,以下SP細胞)を分離する方法を用いて正常子宮内膜幹細胞の同定を試みた。正常子宮内膜細胞には、SP細胞が存在し長期培養により、腺上皮様・間質様構造を示したことより、これらのSP細胞は、前駆あるいは幹細胞様の細胞と考えられた。また、癌の初代培養細胞、子宮体癌細胞株(Hec1)にもSP細胞が存在し、nonSP細胞に比べ間葉系細胞の性質が強くなること、造腫能が亢進することを見いだしている。 続きを見る