close
1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 有機ゼオライトを水中で用いる有機合成プロセスの改変 — Alteration of Organic Synthetic Processes Using Organic Zeolites in Water
青山 安宏 ; AOYAMA Yasuhiro
研究期間: 2001-2003
本文を見る:
概要: アントラセンのビスレゾルシンを基盤とする"有機ゼオライト"の多孔性、ゲスト捕捉、触媒作用に関する研究を遂行し、以下の成果を得た。 (1)ランタン含有有機ゼオライトが水中において、カルボニル基質のエノール化を経由する様々な反応の有効な触媒になることが明らかになった。但し、ケトンのCO_2による直接カルボニル化や糖の異性化の場合には生成物がキレート効果により強い金属配位能を有し、ターンオーバー挙動を実質的に示さないことから、触媒としては機能しないことが判明した。 (2)トリフェニルホスフィンのカルボン酸誘導体のLa(III)錯体で種々の重金属をネットワーク化する手法により、Pd(II),Ru(II),Rh(II),Pt(II)の多孔体を得た。これらの有機ゼオライトはカップリングなど特有の反応を進行させる能力を有するが、還元された金属の再酸化が容易に起こらないことから触媒としての有効性には問題が残ることが明らかになった。 (3)アントラセンの代わりにアクリジンを用いるとアクリジンの窒素が一種のゲスとしてレゾルシンの水酸基と結合する(自己相補的)ことから、配位飽和の多孔体が得られ、ゲストであるベンゼンの脱着に際し、真の"多孔性"を維持することが分かった。 (4)レゾルシンの代わりにイソフタル酸を用いるとカルボキシル基の水素結合ネットワークにより極めて強固な多孔体が得られ、加圧下のメタンを可逆的に脱着できることが分かった。また、結晶構造も明らかにできた。 (5)水中で安定な有機ゼオライトを得るための一環として大環状糖クラスターによる核酸のカプセル化を検討し、後者が50nm程度のナノ粒子に覆われた人工グリコウイルスが生成することを明らかにした。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of キャビタンドポルフィリンによる小炭化水素分子の識別と触媒的酸化反応
中澤 順
研究期間: 2006-2007
本文を見る:
概要: 分子認識分野の研究として、カプセル状ホスト分子キャビタンドポルフィリン(H_2CP)の小炭化水素分子の包接について1H NMR(EXSY法)を用いたカプセル内外のゲスト交換速度および活性化エネルギーを測定し、ゲストの大きさと交換速度の関係を報告されている他の例やモデル計算の値と比較する等、包接の動的な挙動を調べた。この成果は学会誌(J.Org.Chem.)において公表した。さらに分子認識分野の研究として、ポルフィリン平面の両側にカプセル構造を有するH_2C_2Pを新規に合成し、このゲスト取り込み能力を1H NMRによって詳細に調べて、片面のみがカプセルとなっているH_2CPと比較し、またモデル計算によっても小分子取り込み過程におけるカプセル構造変化を調べた。この成果は学会誌に投稿準備中である。 酸化反応分野の研究として、ポルフィリンの中心に鉄およびマンガンイオンを導入したFeCPおよびMnCP(総称MCP)を合成し、各種分析法によってキャラクタリゼーションを行った。均一系(有機溶媒中)においてMCPと各種酸化剤を用いて酸化反応を試みたが良好な結果が得られなかった。これはポルフィリン上のキャビタンドの存在していない側(open side)での反応が進行しやすく、カプセルの効果が得られていないためと考えられる。そこで現在より大きな空孔を有するMCPカプセルの合成や、open sideでの反応を抑制するために、かさ高い軸配位子の使用、さらにopen sideで修飾シリカ表面に坦持した不均一系への展開等について検討を始めている。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 相互ネットワークを有する分子性ポリマーの設計と分子配列の制御
青山 安宏
研究期間: 1996
本文を見る:
概要: 直交因子を導入したアントラセンのビスレゾルシン誘導体はアントラセンカラムを有する2次元の水素結合ネットワークを形成し、生じた大きな空孔には水素結合により2分子のゲストが包接される。しかしながらこのアプローチは芳香環カラムの形成という観点からは問題が多い。第一に隣接するアントラセン環の距離が非常に長く、ゲスト分子により隔たれている。第二には、個々のカラムはレゾルシンポリマーにより遮断されており、このままでは電導性などに要求されるカラム間の相互作用が期待できない。このような欠点を克服するための検討を行った。 そこで、水素結合ネットワークの次元性を低めるためにアントラセンのモノレゾルシン誘導体を合成した。このものは予想どおり1次元の水素結合ネットワークを形成し、これがお互いに「からみあう」結果、小さな空孔を有するアントラセンの積層構造が生じる。絡み合いにはdimericおよびmonomericの2種の様式がある。これらはゲスト分子の立体的な大きさに支配されており、一般的に小さなゲストはdimericな格子を、大きなゲストはmonomericな格子を与える。dimeric様式においては積層したアントラセン環はエキシマー蛍光を発する。また、monomeric様式におけるゲストの包接は非常にユニークな「厚み」選択性がみられ、直鎖アルキルはとりこまれるが、分岐したアルキル基はとりこまれない。空孔の厳密なサイズ制御である。またこのような様式により、アントラセン(A)とゲスト(G)分子をAGAGAGの如く交互に配列させることが可能となった。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 包接機能を持つ不活性分子の合成と包接化学種の挙動 — Synthesis of encapsulating cage and characterisation ofencapsulated species
松田 義尚 ; MATSUDA Yoshihisa
研究期間: 1996-1999
本文を見る:
概要: 1.トリクロロシランを加水分解してシルセスキオキサン,H_n(SiO_<1.5>)_n混合物を合成した.HPLCによって,混合物からかご構造を持つ8量体,10量体,12量を単離する方法を確立した.得られたかご分子の末端置換基である水素をサイズの異なる脂溶性あるいは水溶性の置換基で交換し構造,物性の異なる包接骨格分子を合成した. 2.固相,溶液相,吸着相の包接骨格分子に対して,種々の温度でガンマ線を照射し水素を包接させた.水素包接には,骨格の末端置換基が嵩高くかご分子間に空間が存在することが重要である.同様に,吸着媒に吸着分散させることが有効であることが分かった. 3.8量体よりも大きなサイズを持った包接分子には,常温では水素が包接されないことが明らかになった.低温照射によって補足された水素原子の脱離挙動を検討した結果,拡大サイズを持つ包接骨格の5量体環を通る水素の脱離が低温において進行することが原因である. 4.脂溶性の8量体骨格に補足された水素は,溶液中に比べて固相中の方が水素の脱離速度が大きいことが明らかになった. 5.種々の包接骨格中の水素のスピンハミルトニアンを決定した結果,1s軌道の大きさは骨格サイズによって変化するが,包接された水素の基底状態にたいする,励起状態の混入の程度は,骨格サイズには強く影響されないことが明らかとなった. 6.包接水素原子のスピン状態に対して骨格外の酸素分子は緩和時間を減少させるが,T_1がT_2に対比べて強く影響をされることが明らかとなり,酸素の早い分子運動が大きな役割を担っていると考えられる. 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 高対称性かご型クリプタンドによる中性化学種の包接
武村 裕之
研究期間: 1993
本文を見る:
概要: かご状化合物、1のカリウム錯体を酸で処理し金属イオンを除いた。これを脱プロトン化し、モノプロトン錯体を得た。このものにボランや、ボロンハイドライドを作用させることによる、プロトン除去や、ボランクリプテートの生成を試みたが、それらの生成は確認できなかった。次に、アンモニウム錯体の対イオンを水酸イオンにし、長時間その変化を調べたが、脱プロトン化によるアンモニア分子包接体の生成は認められなかった。従って、中性分子の包接をおこさせるためには、空孔になにも入っていないかご状化合物の合成が必要であることがわかった。そこでつぎのような試みを行った。即ち、銀錯体を合成し光やシアノイオン、硫化水素との作用を検討した。カリウム錯体と銀イオンを反応させて銀錯体を合成した。このものはハライドイオンを大過剰共存させても安定であった。言い換えると、塩化銀やヨウ化銀のイオン対をクリプタンドで安定に引き離した形の化合物が生成したといえる。この化合物は通常の光には安定だが、高圧水銀灯による光照射によりラジカル反応を起こし複雑な生成物を与えた。空の化合物は得られなかったが、この銀クリプテート自体興味深い化合物となった。硫化水素を作用させるとただちに硫化銀を析出し、2H^+・1が生成したが、同時に空の1らしきものの生成がNMRにより確かめられた。今後これを単離、同定したのち、ボランやアンモニア、アルゴンなどの分子と作用させてみたい。同じく、1の銅錯体を合成し、シアノイオン、硫化水素との反応による空の1の合成を検討している。なお、アンモニウム錯体、銅錯体の基本的物性の調査はおおむね完了した。 以上の研究により、中性分子包接体の合成の足がかりができたといえ、その合成中間体となるいくつかのクリプテートも興味深い新しい包接化合物となり、十分な結果を得たと考えている。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 「オン-オフ」型スイッチ機能を持つ超分子カプセルの合成 — Syntheses of Supramolecular Capsules with
新海 征治 ; SHINKAI Seiji
研究期間: 1994-1995
本文を見る:
概要: 半球型のカリックス[n]アレーン二分子を接合する実験計画は、その後分子間反応や架け違いなどの副反応のため、好収率では進行しないことが判明した。そのため、二つの改良法で分子カプセルの合成を行なうことにした。第1はカリックス[4]アレーンをキャップし、内部空間を持つ一分子カプセルを作ることである。この方法により、金属イオンやRNH_3^+の交換が非常に遅いホスト分子の合成に成功した。第2は大環状化合物カリックス[8]アレーンの上下二カ所で架橋し、一分子カプセルを合成する方法である。キシリレンジブロミドを架橋子とすることで、目的物の合成に成功した。この空孔は8個の酸素が集中し、極めて高い親イオン性を示すことが明らかとなった。 一方、二分子接合型でも、一本鎖および二本鎖を用いることで、会合定数が増加することを認めたが、分子あるいは金属イオンを空孔内に閉じ込めるまでには至らなかった。しかしながら、コンホメーションの変化により種々の異なる分子あるいは原子選択性を示し、コンホメーションの揺らぎが応答機能を実現する上で有用であることが判明した。また電子供与基を持つカリックスアレーン類はフラーレンを包接する機能を持つことも研究の過程で発見された。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 水素結合の多点認識による有機高スピン超分子の構築
秋田 健行
研究期間: 2000-2001
本文を見る:
概要: 水素結合の多点認識を用いて光応答性を持った有機高スピン超分子を構築するため、水素結合のアクセプター部位を持つスピン源として二つのニトロニルニトロキシド基及び光応答性スピン源としてジアゾ基を導入した、ビス(フェニルエチニル)ベンゼン誘導体1及びビス(フェニルエチニルフェニル)メタン誘導体2を合成した。 まずこれらの化合物1,2の単分子での磁気的性質とその光応答性を検討するため、極低温剛体溶媒中でのESR測定及びSQUID磁束計による磁気測定を行った。化合物1,2をMTHF溶液とし、極低温状態での磁気測定を行うと、ふたつのニトロニルニトロキシド基間に磁気的な相互作用がほとんどなく、S=1/2の孤立した二つのスピンとして振る舞うことがわかった。さらにこれらの溶液にアルゴンイオンレーザーまたはキセノンランプにより光照射を行うと、ジアゾ基の光反応によりほぼ定量的にカルベンを生成し、生成したカルベンのスピンとニトロニルニトロキシド基のスピン間に強磁性的な相互作用が生じることにより、S=2の基底五重項分子として振る舞うことがわかった。その磁化の磁場依存性及び温度依存性よりそれぞれの強磁性的相互作用の大きさは化合物1ではJ/k_B=1.1K、化合物2ではJ/k_B>10Kと見積もられた。これらの結果より化合物1,2は水素結合のアクセプター部位を持っ光応答性スピン源として利用することができると考えられる。 そこで現在、これらの化合物1,2と、当研究代表者らが水素結合性分子間強磁性スピンカップラーとしての機能を持つことを明らかにしたフェニルボロン酸誘導体との水素結合性錯体超分子の生成を検討中である。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 水溶性カリックスアレーンを用いたC_の水溶化とそのガン治療薬としての評価
池田 篤志
研究期間: 1999-2000
本文を見る:
概要: 現在、生体内の全ての部位に光を照射することが可能となっている。従って、可視光により励起可能なC_<60>を光増感剤として利用することは、光線力学治療法への臨床適応に対し早くから期待されてきた。しかし、C_<60>の水への可溶化の難しさが大きな障壁となってきた。そこで、本研究では超分子化学的な手法を用いて問題解決を行った。 今回、本申請者はカチオン性カリックスアレーンにより、C_<60>の水溶化に成功した。このC_<60>錯体によるDNA切断実験を行ったところ、本手法はこれまでの高分子を用いた手法に比べ、切断効率が飛躍的に向上した。この結果から、今回用いたカチオン性カリックスアレーンはC_<60>の単なる可溶化剤としてでなく、C_<60>をアニオン性のDNAの近傍に運ぶ担体(キャリアー)としても働くことが示された。以上のように、超分子システムという化学的手法を用いて、DNA切断の高効率化に成功した。 続きを見る