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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 中枢性カルシウム調節機構とその生理学的意義 — Central control mechanisms of calcium homeostasis and its physiological significance
粟生 修司 ; AOU Shuji
研究期間: 1996-1997
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概要: 無麻酔ラットでGABA_A受容体遮断薬ビキュキュリンによる視床下部化学刺激に対する血液カルシウム応答を調べ、視床下部外側野および腹内側核に胃迷走神経を介するカルシウム低下機構が存在し、室傍核に迷走神経甲状腺/副甲状腺枝を介する血液カルシウム低下機構が存在することを明らかにした。さらに視床下部外側野に血液カリウム低下機構が存在することを見い出した。 1) 視床下部外側野へビキュキュリンを微量投与すると低カルシウム血症および低カリウム血症が誘発された。これらの反応は、β受容体遮断薬ナドロールやヒスタミンH_2受容体遮断薬ラニチジンの前処置で抑制された。末梢性ムスカリン受容体遮断薬臭化メチルアトロピンは低カルシウム血症の発生だけを抑制し、低カリウム血症には影響しなかった。ノルアドレナリンα受容体遮断薬フェノキシベンザミン、ガストリン放出抑制薬ソマトスタチンやセクレチンの前処置は両反応に対して効果がなかった。 2) 視床下部室傍核へのビキュキュリン投与は低カルシウム血症およびグルーミングを誘発した。この反応は下喉頭神経または上喉頭神経の切断で減弱したが、前者の抑制効果の方がより著明であった。末梢性ムスカリン受容体遮断薬臭化メチルアトロピンでも抑制された。ビキュキュリン副甲状腺ホルモンは一過性の上昇を示し、カルシトニンは変化しなかった。カリウムやナトリウム濃度は変化しなかった。 本研究により、視床下部が少なくとも2つの異なる迷走神経経路を介して血液カルシウム代謝を調節していることが明らかになった。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 環境ストレスにおける中枢性カルシウム代謝調節機構の役割 — Central control mechanisms of calcium homeostasis and its physiological significance
粟生 修司 ; AOU Shuji
研究期間: 1998-2000
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概要: 視床下部外側野(LHA)および腹内側核(VMH)に迷走神経胃枝を介するカルシウム低下機構が存在し、特に後者がストレス性低カルシウム血症を引き起こす。室傍核には迷走神経副甲状腺枝を介するカルシウム低下機構が存在し、VMHと拮抗的な関係がある。この視床下部カルシウム代謝調節機構の生理学的意義を明らかにするため、学習記憶などの高次機能との関連を調べた。また性分化とカルシウム代謝調節機構および学習記憶機構との関係も検討した。その結果、以下の点が明らかになった。 1)LHA電気刺激およびLHAが産生する摂食促進物質オレキシンの側脳室投与は不安情動には影響せずに、回避学習の促進、侵害受容の抑制、空間学習および長期増強の抑制を引き起こした。 2)ストレス負荷で細胞死が起こる海馬にブドウ糖を微量投与すると、空間学習が促進した。この効果はaFGF受容体(FGFR1)抗体の前処置で減弱する傾向があり、aFGFがブドウ糖依存性学習促進機構に関与することを見出した。また、オライド・ラクトン系摂食抑制物質である2-buten-4-olideもaFGFを介して空間学習を促進した。 3)カルシウム低下因子であるコレシストキニンのCCK-A受容体欠損動物であるOLETFラットならびにレプチン受容体異常があり骨代謝異常を示すZuckerラットおよびdb/dbマウスは空間学習及び海馬長期増強の障害があり、後者ではさらにカルモジュリンキナーぜII活性の低下およびNMDA受容体のMg依存性消失によるカルシウム信号系の異常を示した。 4)拘束ストレスは脳内インターロイキン1β(IL-1β)mRNAの発現を促し、IL-1βはノルアドレナリンの放出を促す。環境内分泌撹乱化学物質のビスフェノールA及びトリブチルスズは回避学習や迷路学習の性差を消失させ、さらにノルアドレナリンニューロンが局在する青斑核の性分化を障害した。 続きを見る
3.
雑誌論文
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 二次性副甲状腺機能亢進症における副甲状腺の増殖機序 — Cell Cycle Progression in Secondary Hyperparathyroidism
徳本, 正憲; 谷口, 正智; 平方, 秀樹 ... [ほか]
出版情報: 福岡醫學雜誌. 94, (6), pp. 201-208, 2003-06-25. 福岡医学会
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概要: 慢性腎不全患者では, 活性型ビタミンD(1,25D)の産生低下, 低カルシウム(Ca)血症, リン(P)の蓄積(高P血症)によって, 副甲状腺ホルモンの分泌が持続的に亢進し, 二次性副甲状腺機能亢進症(2HPT)を発症する. 2HPTでは, 副甲状腺細胞が増殖して結節を形成し, 超音波検査で容易に検出できるほどに腫大する. 骨には典型的な線維性骨炎が生じ, X線単純写で特徴的な変化を呈する. 約20年前に, 経口投与可能な活性型ビタミンD製剤が開発され臨床応用が開始され, 2HPTは治療可能になると期待された. しかし, これまでの臨床成績の結果, 活性型ビタミンD製剤やP吸着薬を投与し, 1,25D濃度を正常に保って低Ca血症や高P血症を是正してもPTHの合成・分泌の亢進が持続する例が少なくないことが明らかになった. 活性型ビタミンDによって低Ca血症を是正してもPTH分泌亢進を抑制できない例では, CaとPTH分泌との間のフィードバック機構に異常がある. 最近では, その異常に副甲状腺細胞の形質変化が関与している可能性が示唆されている. 本項では, 2HPTの発症・進展について, 副甲状腺細胞の増殖と形質変化を中心に概説する. 続きを見る