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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 水素添加と酸素富化の併用による希薄炭化水素燃焼限界の拡大と乱流火炎構造の解明
城戸 裕之
研究期間: 1994
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概要: 現在の火花点火機関は、希薄燃焼によりNOxの低減と熱効率の向上(CO_2排気量の低減)を図っているが、より一層の希薄化を制限しているものは、燃焼速度の低下と希薄燃焼限界近くでの点火ミス(失火)の発生である。本研究では混合気自身の燃焼特性を向上させるために、乱れによる燃焼促進効果が最も大きく、かつ希薄燃焼限界が最も低い水素の燃焼特性に着目し、希薄な炭化水素混合気中に水素を少量添加するとともに、さらに酸素を富化し、局所の層流燃焼速度を上げることにより、希薄燃焼限界を拡大することを試みた。実験に使用した燃焼装置は内径が約120mmの球形に近い定容燃焼容器、ファンを回転させることで燃焼室の中心にほぼ等方的な定常乱れ場をつくることができる。所定の乱れ強さで、燃焼室の中心で火花点火し、燃焼実験を行った。 まず、当量比をパラメータとして、水素添加量、酸素富化量をそれぞれ単独に変化させ、層流燃焼速度を計測し、水素添加量ごとに、当量比を横軸、酸素富化量を縦軸とするメタン混合気の場合の等層流燃焼線図を作成した。この線図より、当量比が一番小さく(0.6)、水素添加量、酸素富化量ともになるべく少ない領域で、層流燃焼速度が等しい(15cm/s)混合気を決定した。次にそれぞれの混合気につき、乱れ強さを変化させ、乱流燃焼速度および火災伝ぱ限界を調べた。その結果、少量水素添加(燃料の2割まで)により、乱流燃焼速度が著しく上昇し、乱流燃焼の消炎限界の伸びた。これは水素の選択拡散効果によるものと考えられる。また、酸素を富化した場合、乱流燃焼速度、燃焼限界ともに拡大した。しかし、乱れが弱い領域において乱流燃焼速度の層流燃焼速度に対する比は、酸素無富化の場合が酸素を富化した場合よりお大きいことから、乱流燃焼速度および燃焼限界が拡大したのは、層流燃焼速度が増加したためと考えられ、さらに検討する必要がある。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 圧力が予混合乱流火炎伝播特性に及ぼす影響
早川 晃弘
研究期間: 2010-2012
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概要: 乱流燃焼速度の主な支配因子は,乱流火炎面積であると考えられる.したがって,球状に伝播する予混合乱流火炎の燃焼速度特性に及ぼす圧力の影響を明らかにするためには,乱流火炎面積を求めることが重要であると考えられる.しかしながら,乱流火炎面は複雑な三次元形状を有しているため,その面積を求めるのは容易ではない.一方,乱流火炎断面の周長は乱流火炎面積と相関があると考えられる.すなわち,長い周長を有する乱流火炎は,大きい火炎面積を有すると考えられる.そこで本年度は,正確な乱流火炎断面の周長を評価するため,レーザートモグラフ法を用いて,乱流火炎の断層写真撮影を行った. レーザートモグラフ法による乱流火炎断層写真撮影に先立ち,シュリーレン法により,乱流燃焼速度の火炎半径および圧力に対する変化を求めた.その結果,同一の乱流火炎半径においては,乱流燃焼速度と層流燃焼速度の比は,混合気初期圧力が高くなるほど大きくなった. 次に,レーザートモグラフ法により得られた乱流火炎の断層写真から,乱流火炎面積と層流火炎面積の比と相関のあると考えられる,乱流火炎断面の周長と乱流火炎断面の平均半径を持つ円の周長の比の,混合気初期圧力および乱流火炎半径に対する変化を調べた.この比は,同一の乱流火炎半径においては,混合気初期圧力が高くなるほど大きくなった.すなわち,乱流燃焼速度と層流燃焼速度の比が,混合気初期圧力が高くなるほど大きくなったのは,乱流火炎面積と層流火炎面積の比が,混合気初期圧力が高くなるほど大きくなったためである. さらに,乱流火炎断面の周長が,混合気初期圧力によって変化する原因を考察した.本研究では,混合気初期圧力が高くなるほど,Kolmogorovスケールが小さく,また火炎厚さが薄くなった.乱流火炎断面の周長の混合気初期圧力による変化は,これら2つの影響を受けていることが明らかとなった. 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 水素ガス添加による炭化水素系希薄混合気の燃焼促進
城戸 裕之
研究期間: 1992
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概要: エンジンの一層の低燃費と排ガス浄化を両立させるためには、混合気の希薄燃焼がもっとも効果的であると考えられる。しかしながら、混合気が気薄になる際の大きな障害は、燃焼速度が遅くなる事と希薄燃焼限界近傍で点火ミス(失火)を起こす事である。これらの問題を克服するために点火の強化、乱れによる燃焼の促進、混合気の成層化などの方策がとられているが、混合気自身の燃焼特性を向上させる方法はまだ見られない。水素ガスは希薄燃焼限界がもっとも低く、乱れによる燃焼促進効果がもっとも大きいことから、希薄な炭化水素混合気中へ水素を添加することにより、燃焼速度低下と失火ミスの問題解決に有効であると考えられる。本研究では、まず水素添加量と混合気当量比を単独に変化させながら、メタンとプロパン混合気の層流可燃限界及び燃焼速度を明らかにし、次に燃焼限界近傍の混合気に対し、乱れ強さを変化させ、各々の混合気の消炎限界及び乱流燃焼速度を調べた。燃焼実験装置は、内径120mmの球形に近い定容容器で、向かい合う4つの多孔板の後方にファンを設け、ほぼ一様な乱れ場を作る事ができる。以上の実験により、次の事が明らかとなった。炭化水素/水素/空気混合気系の層流燃焼速度は、両燃料成分の理論酸素量を重みとする、同じ当量比の炭化水素混合気と水素混合気それぞれの層流燃焼速度の平均値に近いことがわかった。また、水素添加量が多いほど、可燃限界近傍希薄混合気の乱流燃焼の消炎限界が著しく伸び、より強い乱れ場での安定な燃焼が可能になった。次に、当量比が同じ混合気では、水素添加量が多い混合気ほど同一乱れによる乱流燃焼速度の増加量は大きくなった。さらに、水素添加による希薄炭化水素混合気の消炎限界の拡大並びに乱流燃焼速度増大の効果は、炭化水素燃料の分子量に依存し、水素添加量が同じ体積割合であれば、その効果は分子量が小さいほど大きくなる事がわかった。 続きを見る