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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 免疫化学的手法を用いたアリストロキア酸の超高感度検出システムの開発
田中 宏幸
研究期間: 2002-2003
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概要: 本研究は、主にアリストロキア属の植物に含有される成分であるアリストロキア酸(Ari)に対するモノクローナル抗体(MAb)を作製し、本MAbを用いてアリストロキア酸の超高感度検出システムを開発することを目的としている。 本申請者は、平成15年度中にAriに特異的なMAbを活用した高感度且つ迅速な免疫化学的アッセイシステムの構築を目指した。まず、スタンダードなイムノアッセイであるELISA法の確立を行った。Ari-OVA(ovalbumin)を固相化抗原とし、イムノプレート中で遊離のAriと抗Ari MAb-1A8とを競合させる競合的ELISAを検討した結果、200ng/mlから5μg/mlの濃度範囲でAri量と吸光度との間に良好な直線関係が得られた。続いて、確立した競合的ELISA法を用い、各種アリストロキア属植物に含有されるAriの分析を行った。その結果、今回確立した競合的ELISA法は、測定誤差が少なく、また高感度定量法として植物中のAriの分析に適用可能なことが明らかとなった。 加えて、我々が独自に開発した新規な免疫染色法であるEastern blottingによるAriの特異的な同時検出法の構築を行った。本法は、植物エキス中の二次代謝産物をTLC板にて展開分離後、各種化合物をpolyethersulfone(PES)膜に熱転写し、膜状で抗Ari MAb-1A8を用いた免疫染色を行う。抗体の高い分子認識能を利用した本手法を用いることで、多種多様な二次代謝産物の中のAriのみが特異的に検出可能であった。また、本手法は有害作用が指摘されているAriを含有するアリストロキア属植物等の生薬、健康食品への混入を未然に防ぐ有用な評価システムとして期待できる。 <参考資料>辛島誠子,田中宏幸,Waraporn Putalun,正山征洋,免疫化学的手法によるaristolochic acid高感度分析法の確立,第20回日本薬学会九州支部会講演要旨集,p.104. 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 魚類における補体活性化制御因子を活用した免疫応答の最適化
中尾 実樹
研究期間: 2010-2012
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概要: 本研究は、自然免疫の第一線で働く補体系活性化の促進あるいは抑制による獲得免疫応答の制御機構を解明し、優れた生体防御能と免疫記憶を魚類に賦与できるように、免疫応答の補体活性化制御による最適化を目指した。本年度は、これまでに単離・同定あるいはクローニングしたコイとギンブナ補体成分C3および補体制御因子Tecremについて、それらの相互作用を解析することを目的とした。まず、TecremのC3に対する作用を、組換えTecrem発現CHO細胞に対するコイC3の沈着を、コイC3に対するモノクローナル抗体を用いたフローサイトメトリーによって解析した。その結果、Tecrem発現細胞は、非発現細胞と比べて有為に、コイC3の沈着量が低いことが判明した。このC3沈着阻害作用は、先の実験で認めたTecrem発現細胞の補体による細胞障害反応に対する高い抵抗性を説明できるメカニズムとして注目される。さらにTecremの機能を解析するために、本年はコイTecremのSCR1~4ドメインから構成される可溶性組換えタンパク質の作出と、Tecremに対するモノクローナル抗体(MAb)の樹立を進めた。可溶性Tecremについてはバキュロウイルス・昆虫細胞による発現系の構築に成功し、現在はその精製にこぎつけている。一方、抗Tecrem MAbについては、Tecrem発現CHO細胞に強い反応性を示す抗体のスクリーニングを終えたところである。また、これらのMAbにはギンブナTecremへの交差反応も期待でき、コイとギンブナにおけるTecrem発現リンパ球サブセットの同定およびリンパ球の機能解析に必要なツールとしてMAbを活用する準備が整った。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 筋内脂肪のエネルギー代謝機序の解析-筋線維タイプによる脂肪合成・取込能の差異-
水野谷 祥子
研究期間: 2011-2013
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概要: 骨格筋は生体最大のエネルギー消費器官であり、そのエネルギー代謝調節、特に脂肪代謝調節機構の解明が肥満解消に最も重要であると考えられる。脂肪酸の正味消費量は、酸化分解とトリグリセリド合成(脂肪合成),の収支で決まるため、合成経路の理解は不可欠であるが、「脂肪合成」の調節機構はほとんど分かっていない。代謝機序の全体像を理解するためには、酸化・合成の両面から作用機序を調べる必要がある。本研究では骨格筋の「脂肪合成・蓄積能力」に焦点を当て、筋線維タイプの差異に応じた脂肪酸取込・脂肪合成活性・蓄積能の差異、また、脂肪合成・蓄積においてキーとなるタンパク質を明らかにすることを目的とする。 初年度では、筋線維タイプ(1,2A,2X,2B型)を分類・明視する実験系構築のため、各筋線維タイプのミオシン重鎖アイソフォームを識別するラットモノクローナル抗体をそれぞれ作製した。各々の抗体上清を用いて、マウス骨格筋横断切片(soleus、plantaris、gastrocnemiusを含む)の免疫組織染色を行ったところ、各ミオシン重鎖アイソフォーム特異的な染色像が得られた。この結果は、作製した抗体が筋線維タイプを正確に識別していることを示している。現在、筋線維タイプを明視するため、各精製抗体と標識キットを用いた条件検討を行っている。また、並行して、筋内脂肪量を評価するための予備実験を行った。単離直後の筋線維をNile redおよびBODIPY493/503にて染色し、脂肪滴の染色および存在を確認した。さらに、マウス骨格筋線維を生体外で培養するため、培養条件の最適化を試みた。その結果、細胞外マトリクス分解酵素は、単独で使用するよりも複数の酵素を組み合わせることでその効果が飛躍的に高まり、生存率の向上につながることを見出した. 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 抗パクリタキセルモノクローナル抗体を活用したTaxus属植物の探索並びに育種研究 — Preparation of monoclonal antibody against paclitaxel and its application for a survey and breeding of Taxus spp
田中 宏幸 ; TANAKA Hiroyuki
研究期間: 2007-2008
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概要: キシロシルパクリタキセル(xyl-PA)をハプテンとして用い、常法により免疫原の調製、免疫感作、細胞融合を試みた結果、1種の抗PA MAbの作製に成功した。本抗体は、PAのみならずPA関連化合物であるドセタキセルに対し71%、xyl-PAに対し32%、セファロマニンに対して6.2%の交差反応性を示した。続いて、本抗体を用いて15~250 ng/mlの検量域を有する競合的システムによるEnzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)を構築し、PA様化合物のスクリーニングに有用な手法であることを確認した。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 小型化抗体を活用した高性能Eastern blottingの開発研究
田中 宏幸
研究期間: 2005-2006
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概要: 本年度は、Eastern blottingの更なる高機能化を目指し、モノクローナル抗体に代わる新規プローブの開発を行った。新規プローブとしては、抗体の可変領域をフレキシブルなペプチドリンカーで結合した小型化抗体を採用した。薬用人参の成分であるジンセノシドを認識するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマからm-RNAを抽出した後、相補的なDNAを合成した。抗体の可変領域の遺伝子(VH, VL)を増幅するための特異的なプライマーをデザインし、各々の遺伝子を続いて増幅した。増幅した遺伝子のシークエンスを行った結果、マウスのIgGの可変領域に相当する配列を有することを確認し、その配列を基にリンカープライマーを設計した。次に、overlap extension PCRを行い、VH, VL遺伝子を連結することで小型化抗体(scFV)遺伝子を作製した。作製した抗ジンセノシドscFV遺伝子を発現用ベクターpET28(a)に導入した後、これを用いて大腸菌BL21を形質転換した。形質転換したBL21についてIPTG添加によりscFvの発現を確認した結果、分子量30kDaのタンパク質の発現を確認することができた。発現したscFvの活性を確認するために、封入体に発現したscFvの巻き戻しを行った後、ジンセノシドータンパク質コンジュゲートを固相化抗原としたELISAを行った。その結果、抗ジンノセノシドscFVはモノクローナル抗体と同等の反応性を示すことを確認した。続いて、作製した抗ジンノセノシドscFVをプローブとしてEastern blottingを行った結果、ジンセノシド類を検出することに成功した。本研究課題で日的としたメンブレンクロマトグラフィーと新規プローブを採用した高機能化Eastern blottingに世界で初めて成功した。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 抗体軽鎖遺伝子発現シフト現象を利用したヒト型抗体酵素創製系の確立 — Establishment of human abzymes-generation system by using light chain shifting in human B cells
立花 宏文 ; TACHIBANA Hirofumi
研究期間: 2003-2005
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概要: 本研究は独自に見いだしたヒト抗体遺伝子発現系を利用して、研究例が皆無に等しいヒト型抗体酵素を効率的に取得する系の構築を目指した。本目的のため、下記の項目について検討した。 ・抗体軽鎖遺伝子の組み換え誘導効率を増大させるための細胞培養系の構築 ・抗体遺伝子組み換えを高頻度に生じるヒト抗体産生細胞株を用いた軽鎖遺伝子の多様性増大系の構築 ・触媒活性を有する抗体軽鎖と基質特異性を規定する重鎖を組み合わせた抗体酵素創製(特定のタンパク質のみを分解するプロテアーゼの創製) 第一の項目に関しては、カフェイン、PKC活性化剤、PARP阻害剤、緑茶カテキンなどにより、培養ヒトB細胞株において軽鎖遺伝子の二次的組み換えを強力に誘導することを明らかにした。また、この誘導に、軽鎖可変領域遺伝子座におけるアセチル化の誘導が関与していることを見いだした。 二番目の項目に関して、独自に発見した高頻度に軽鎖遺伝子組み換えを生じるヒト抗体産生細胞株において、PKC活性化剤を用いることで本来発現しないとされていた可変領域遺伝子の発現を誘導できることを明らかにした。 三番目の検討項目において、上記の軽鎖組み換え誘導において得られた、新たな軽鎖遺伝子を発現する細胞集団の培養上清中のプロテアーゼ活性について検討し、プロテアーゼ活性を有する軽鎖タンパク質を産生するクローンの獲得に成功した。このクローンより軽鎖遺伝子をクローニングし、その配列を検討した結果、V遺伝子とJ遺伝子の組み換え領域におけるN領域の挿入があること、また、この挿入配列により、同じ軽鎖可変領域遺伝子ファミリーの軽鎖遺伝子ともその配列が異なることを明らかにした。一方、この軽鎖タンパク質と重鎖を組み合わせることによる重鎖認識抗原(タンパク質)の分解活性付与の検証までにはいたらなかった。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of サーカディアンリズム発現に関わる神経ペプチドPDFの受容体同定と前駆体局在の解析
本田 健
研究期間: 2001-2004
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概要: PDF(Pigment-Dispersing Factor)は、昆虫脳において概日リズムに関わる神経ペプチドである。最近、このPDFが神経伝達物質として働くことや、神経終末のみならず細胞核でも時計機構に関与することなど、新たな事実が明らかにされた。本研究の目的は、コオロギPDFの存在様式、受容体等について解析し、概日リズム発現の分子機構を明らかとすることである。コオロギPDF前駆体はN端側からPAS、PDF領域からなる。今年度は、神経細胞内におけるPDF、PAPおよび前駆体タンパク質の存在様式を解析する目的で、PDF前駆体タンパク質の各領域に特異的な抗体を用いた解析を実施した。 現在、PDFとPAPが切断を受けていない、つまり前駆体のみを特異的に認識するモノクローナル抗体(前駆体認識抗体)、前駆体から切り出しを受けた成熟PDFのみを認識する抗体(成熟PDF認識抗体)、PDF-C端アミド構造を特異的に認識する抗体(PDFアミド認識抗体)、PAP領域を特異的に認識する抗体(PAS認識抗体)を得るのに成功している。これら一連のモノクローナル抗体を用いて、コオロギ脳-視葉における免疫染色を試みた。その結果、成熟PDF認識抗体、PDFアミド認識抗体、PAP認識抗体では、いずれもlaminaおよびmedullaと呼ばれる部位に存在する時計ニューロンの細胞体および軸索を明確に染色されることが判明した。さらに興味深いことに、前駆体認識抗体では、それらのニューロンの細胞体のみしか染色されなかった。このことは、PDT前駆体は時計ニューロンの細胞体に局在しており、そこでプロセシングを受けることを示唆する。また、前駆体認識抗体と他の抗体との組み合わせによる共免疫染色を行って、前駆体ペプチドや成熟PDF、PAPペプチドの局在部位の相互関係を調べたところ、プロセシング後の成熟PDFおよびPAPペプチドはともに軸索に局在する(輸送される)ことが初めて明らかとなった。また、時間帯による各々のペプチドの存在量(免疫染色性の強度)には、有意の差は見られなかったことから、PDFのリズム発現は、プロセシング段階で起きているわけではないことが示唆された。一方、PDF受容体の同定は、放射ラベルPDFを用いた昆虫脳ホモジネートに対する結合試験を実施予定であり、現在、結合試験系確立のための条件検討中である。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ノックアウト漢方の創製とそのエビデンスに関する研究
正山 征洋
研究期間: 2007-2008
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概要: 芍薬のペオニフロリンと甘草のグリチルリチンに対するscFVを作成しそれらの性状をそれぞれのMAbと比較した。その結果ペオニフロリンに対するscFVを抗ペオニフロリンMAbと比較した結果、両者とも幅広いクロスリアクションを持つ抗体で、ほぼ同一の挙動を示すことが明確となった。抗グリチルリチンscFVは直接的ELISAでは親和性を持つものの、競合的ELISAではグリチルリチンの測定が出来ないことが明らかとなった。 これらの結果からscFVを装着カラムでは十分なアフィニテイを持つカラムは得られないことが明らかになったので、抗グリチルリチンMAbと抗ペオニフロリンMAb装着カラムを作成した。本カラムを用いて、芍薬甘草湯エキスをチャージし、各種溶出溶媒を検討した結果、芍薬甘草湯エキスからグリチルリチンとペオニフロリン両化合物のみを除去し、他の成分は全て保有するエキスの作成に成功した。このことは我々が新たに開発した「イースタンブロッテイング法」と通常の薄層クロマトにより確認し、「ノックアウト漢方エキス」であることを明確にした。薬理効果については目下検討中である。一方、アメリカ人参エキスからジンセノシドReのみを除去したノックアウトエキスは粗エキスに比べ明らかにマウスの体重を上昇させることから、アメリカ人参エキスの体重をコントロールした活性本体はジンセノシドReであることを明らかにした。本研究により創製した「ノックアウト漢方エキス」は活性本体を見出す有効な手段であることを明確にした。 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 骨吸収制御を担う新規膜表面分子複合体の分子免疫学的解析と形態学的動態解析 — Molecular Immunological and Morphological Analysis of Novel Cell-surface Molecules Regulating Bone Resorption
久木田 敏夫 ; KUKITA Toshio
研究期間: 2007-2008
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概要: 破骨細胞は造血幹細胞に由来し、骨微小環境下に形成された単核の破骨前駆細胞どうしが融合することにより大型で多核の破骨細胞が形成される。更に骨芽細胞や骨基質から提供される刺激を受け、骨吸収機能に必須の形態学的超構造であるruffled border(刷子縁)が形成される(しばしば「活性化」という言葉で表現される)と、破骨細胞の活発な骨吸収が始まる。破骨細胞分化因子RANKLとその受容体であるRANKの発見により、分化シグナルに関する知見は急速に集積されつつあるが大規模な形態学的変化を伴う破骨細胞の「活性化」とその制御機構に関しては不明の点が多い。本研究では、破骨細胞の活性化に伴う特異的膜タンパク質の同定と破骨細胞の機能発現に伴う形態学的な動態解析を行い破骨細胞活性化の制御機構の一端を解明することを目的とする。破骨細胞を認識するモノクローナル抗体の1つを用いた免疫アフィニティークロマトグラフィーにより抗原の精製を行いSDS電気泳動後、LC-MASSを用いた質量分析を行った。候補蛋白質の1つとしてガレクチン3が検出されたが、ガレクチン3が抗原そのものであるのか、あるいは抗原に会合した分子であるのか、に関しては特定できなかった。ところで、ガレクチン3はMac2抗原として破骨細胞が発現することが報告されているが、その機能は分かっていなかった。特異的siRNAによりガレクチン3の遺伝子発現阻止を行い分化における機能を解析したが、破骨細胞分化への関与は認められなかった。そこでリコンビナントガレクチン3をRANKLに依存した破骨細胞分化系に添加したところ、破骨細胞の形成が顕著に阻害された。アジュバント関節炎ラットの系でも関節腔にガレクチン3を投与すると破骨細胞の形成が抑制され骨吸収が軽減されることがわかった。本研究より、ガレクチン3が破骨細胞の活性化を制御する重要な制御因子であることが強く示唆された。 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 白血病細胞増殖におよぼす組み換え造血因子と造血微細環境の作用
仁保 喜之
研究期間: 1988
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概要: 大多数の白血病細胞の試験管内での増殖には刺激物質の存在が必須であることが判明しているが,より明確にするため白血病芽球コロニー形成法を用いて純化した組み換え型造血因子(GM-CSF,G-CSF,IL3,EPOなど)の作用を検討した。これによりGM-CSF,G-CSF,IL3が白血病芽球増殖を刺激することが判明した。一部の症例の白血病芽球ではEPO単独での刺激効果は認めないにもかかわらず,GM-CSFの白血病芽球コロニー形成刺激効果をEPOが強く促進した。しかも,G-CSFの白血病芽球コロニー形成刺激効果はEPOにより殆ど促進されなかった。これらのことは,白血病細胞でも造血因子の作用にヒエラルキーが有することを示唆する。このことをより明らかにするためには各々の受容体の解析が急務であり,既に我々はG-CSF受容体の解析を開始している。 白血病細胞増殖において造血刺激因子によるオートクラインあるいはパラクライン機作の存在を明らかにするため,白血病細胞自身の造血因子遺伝子発現を検索した。急性骨髄性白血病症例の中にはGM-CSF遺伝子やG-CSF遺伝子の発現しているものが存在することを証明した。さらに慢性骨髄性白血病に比較的大量に発現される遺伝子の解析も行い報告した。またTNFやTGF-β遺伝子が発現されている例も発見し,その意議について検討を加えている。 組み換え型G-CSFとGM-CSFに対するモノクローナル抗体を作製し,これを用いた酵素免疫抗体測定法で各々の因子の濃度を測した。また造血微細環境を形成すると考えられる骨髄前脂肪細胞株上で白血病細胞を培養し,分化の誘導が可能であることも見出している。 本年度は研究実績を20編の英文論文にまとめ,それぞれ英文学術誌に発表した。 続きを見る