close
1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 代数的組合せ論の総合的研究 — Comprehensive study on Algebraic Combinatorics
坂内 英一 ; BANNAI Eiichi
研究期間: 2001-2004
本文を見る:
概要: この科研費のひとつの目的は研究集会の講演者旅費の援助などを通じて、日本の代数的組合せ論の発展に広く寄与することであった。平成13-15年度は、第18,19,20回代数的組合せ論シンポジウム(於、千葉大、熊本九北大)、京大数理解析研における3回の研究集会「代数的組合せ論」、浜松における3回の保型形式関連分野シンポジウム(責任者:伊吹山.坂内、斎藤、宮本)、平成14年11月の山形のシンポジウム、平成15年11月の福岡における国際会議EACAC2(責任者坂内),などを支援した。 日本の代数的組合せ論は順調な進展を持続している。また、成果は距離正則グラフとアソシエーションスキーム、コード、デザイン、格子、モジュラー形式など多岐にわたる。研究代表者のこの期間の成果は、(i)可換アソシエーションスキームの指標表とラマヌジャングラフ・(ii)コード・格子・モジュラー形式の間の関連性、(iii)球面上のtight4-,5-,7-デザインの研究(坂内-宗政-Venkov),(iv)グラスマン空間上のtight designs/codesの研究(Bachoc-Bannai-Coulangeon),などの研究に加えて、ユークリッド空間上のデザインについての研究に力を注いだ。坂内悦子との共同研究として、ウエイト定数のtight 4-Euclidean designsの分類、 Gaussian tight 4-designsの分類、2つの同心球上のoptimal tight 4-designsの分類を行い、さちに一般の場合の分類問題に挑戦中である。なお、Oleg Musinの画期的な結果:4次元kissing numberの決定、の検証にも田上真とともに取り組み、その完成の手助けにも参加した。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 数理物理学における量子トポロジーとモジュラー形式の総合的研究
樋上 和弘
研究期間: 2011-2014
本文を見る:
概要: 1.超弦理論における多様体の解析道具の一つが楕円種数である。楕円種数は、ウィッテンによって明らかにされたように、超対称性共形場理論(SCFT)を用いて構成でき、また特殊値はオイラー数やヒルツェブルフ指数などの位相不変量と一致することが知られている。例えば、K3曲面の楕円種数は中心電荷6のN=4SCFTを用いて表示される。モジュラー形式とも関連し、超ケーラー多様体の楕円種数はヤコビ形式となる。楕円種数はSCFTの指標を用いて展開できるが、K3曲面の場合、非BPS状態数は擬テータ函数のフーリエ係数に対応し、マチウ群の表現との関連が指摘されている。実際にマチウ群の各共役類に付随する楕円種数を構成し、表現との関連をより詳細に調べた。また、いくつかの共役類に対する楕円種数をK3ヒルベルト概形について考察し、ボーチャーズ積表示を与えた。 2.チャーン・サイモンズ汎関数積分によって結び目の量子不変量が定義されるが、幾何的な解釈については不明な点が多く残されている。幾何的な性質を与える手がかりになるものと期待されるのが体積予想である。体積予想とは、色付きジョーンズ多項式の特殊値上の漸近形が、結び目の補空間の双曲体積によって定まるとの予想である。色付きジョーンズ多項式とはSU(2)ゲージ群を用いて定義される結び目の量子不変量である。この体積予想はいくつかの結び目においてのみ厳密に証明されているが、数値実験によって多くの結び目で確かめられている。 体積予想は量子不変量と双曲幾何との関連を指摘しており、3次元多様体の量子不変量についても同じような関連性が予想される。本年度は、従来とは異なった量子群の表現を用いて量子6j記号を構成した。この量子6j記号の漸近形を解析し、双曲4面体の体積との関係を明らかにした。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 非線形特殊多項式の数論
金子 昌信
研究期間: 2002-2004
本文を見る:
概要: ヤブロンスキー多項式については、前年にその最低次の項の係数の明示的な公式を与え、また一般の係数をその最低次係数で割ったものが多項式のインデックスに関して多項式関数であることを示し、更に多項式を素数で還元したときの周期的な様子を明らかにしたが、その知見をもとに多項式のガロア群(それはすべて対称群であろうという梅村の予想がある)を計算するべく計算機実験を行った。実例を見る限りはすべて対称群であった。その証明のために、まず線形な場合、特に、超特異楕円曲線のj不変量との関係で以前みつけた、ある微分方程式の解から生じる特殊多項式(超幾何多項式になっている)のガロア群を計算し、ある条件の下で実際対称群になることを証明した。ヤブロンスキー多項式の場合にも前年に得た知見によって同じような証明が機能すると期待したが、係数についての知見の少なさによってそれは実現しなかった。 上記の微分方程式について、重さに対応するパラメーターを5分の整数とたものから、これまでのように古典的なガウスの超幾何多項式では書けない多項式の系列を見つけ、そのいくつかの性質を証明した。この解はラマヌジャンやクラインの関数と密接に関係し、また数理物理でもしばしば現れる。それの標数pでの振る舞いについても予想を得た。その予想の証明はしていないが、ここまでをまとめて論文とした。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 多重ゼータ値とモジュラー形式、非可換何との関係
金子 昌信
研究期間: 2005-2007
本文を見る:
概要: 二重ゼータ値のシャッフル関係式と、モジュラー群に関するモジュラー形式の周期多項式との関係を拡張すべく昨年度行なった、三重アイゼンシュタイン級数のシャッフル積に関する計算を引き続き継続し、形式的な部分はある程度並行した議論が出来たが、モジュラー形式との関係を見つけるには至らなかった。また、二重の場合、レベルをつけて考えることを修士学生梵真沙子の協力を得て試み、二重L値の関係式についての一定の知見を得た。しかしながらやはり当初の目論見であったモジュラー形式との関係を明らかにすることは出来なかった。 一方、多重ゼータ値の導分関係式を与える導分をある仕方で「ひねって」得られる導分(もどき)について、計算機実験によりそれが多重ゼータ値の関係式を与えることが予想されたが、それについて、昨年度観察した、名大の川島氏により得られた関係式との密接な関係にもとづき議論を進め、この「ひねり導分関係式」が「川島関係式」に含まれること、したがって実際に多重ゼータ値の関係式であることが、主として博士学生田中立志により証明された。 多重ベルヌーイ数と、Hoffmanが研究した有限多重ゼータ和の素数還元との関係を見出した。この類推に基づき、等号つき多重ゼータ値に関してある種の双対性のような結果を計算機実験により観察、予想として定式化した。これはすぐに大野泰生により証明された。これらについて、日仏冬の学校、同志社大での研究集会において講演を行ない、得られた結果を論文として公表した。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 種々の数学に現れるモジュラーおよび準モジュラー形式の研究とその応用 — Research of modular and quasimodular forms arising in various areas of mathematics and their application
金子 昌信 ; KANEKO Masanobu
研究期間: 2003-2006
本文を見る:
概要: 海外共同研究者であるドイツ,ボンのマックスプランク研究所のDon Zagier氏との,Atkinの直交多項式系に関する共同研究において現れた微分方程式について,そのモジュラーおよび「準モジュラー」(quasimodular)な解を分担者九大小池正夫と調べた.モジュラー解については重さ5分の整数の場合に,古典的なKlein, Ramanujanのモジュラー関数に関係する解を発見した.また準モジュラー解に関連して「extremal」な準モジュラー形式の概念を導入し,その性質について調べた.「深さ」が1および2の場合に,微分方程式を具体的に書き下し,extremal quasimodural formも具体的に漸化式で与えた.係数の数論的観察など,計算機実験によって得られた興味深い知見もあるが証明には至っていない.また準モジュヲー形式の応用として,モジュラー群の尖点形式のフーリエ係数がある素数に関してordinaryであるための条件を,ある種の多項式(モジュラー形式を順次微分して得られる準モジュラー形式を,重さ2,4,6の三つのアイゼンシュタイン級数によって表したときの多項式)の可除性によって記述することにも成功した. Don Zagier氏および井原健太郎氏(現近畿大学研究員)との共同研究で,多重ゼータ値のある関係式の系列を非可換多項式環の導分を用いて解釈し,予想として定式化,証明した.さらにこの関係式と,「複シャッフル関係式」を結び付ける関係式を証明した.この「複シャッフル関係式」を二重ゼータ値の場合に詳しく調べる研究をDon Zagier氏およびHerbert Gangl氏(現Durham大学)と共同で行なった.そこには意外にもモジュラー形式の周期多項式が現れる.副産物としてヤコビの判別式関数のフーリエ係数,いわゆるラマヌジャンのタウ関数について,新しい公式をいくつも得た. 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 数学・物理学の様々な局面で現れるモジュラー・準モジュラー形式の総合的研究 — Studies on modular and quasimodular forms arising in various contexts in mathematics and physics
金子 昌信 ; KANEKO Masanobu
研究期間: 2007-2010
本文を見る:
概要: 主に楕円モジュラー関数やモジュラー形式,準モジュラー形式についての研究を行った.とくにj関数の実2次点での振る舞いに関連して非常に興味ある現象を発見した.関連してマルコフ2次無理数や,実2次無理数のcaliberについての研究も行った.他に2進的な保型形式,Serre の保型性予想の2次体版,パンルヴェ方程式のモノドロミー,カラビ・ヤウ多様体のミラー対称性,レンズ空間に対するfree energyなど保型形式に関連する研究にも進展があった. 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 代数的組合せ論の総決算的研究 — Conclusive study of algebraic combinatorics
坂内 英一 ; BANNAI Eiichi
研究期間: 2008-2012
本文を見る:
概要: 代表者の長年の代数的組合せ論の研究の総決算を行うと言う形で,いままでの研究の総まとめをしたいと言うのがこの研究の主旨である.置換群の多重可移という性質と,原始的であると言う性質の意味をもっと良く理解したいということが研究の元々の出発点であったが,それをより広げた形で,アソシエーションスキーム,あるいは球面上の代数的組合せ論と言う枠組みで,アソシエーションスキーム上の,あるいは球面上のt-デザインにおけるtの意味を良く理解したいと言うことであった.具体的には,アソシエーションスキーム自身の分類問題に加えて,アソシエーションスキームの部分集合である,コード,デザインの研究を行い,さらに球面上の良い有限集合の研究,およびその拡張であるユークリッドデザイン等の研究を行った.特に,ユークリッド格子の殻として出来る球面t-デザインの研究(Lehmer予想のtoy modelsの研究),ユークリッドデザインとcoherent configurationとの関係の研究,特にtightなユークリッドt-デザインの構成,分類問題に努力を集中して研究を行った 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 代数的組合せ論の総合的研究 — Synthetic study of algebraic combinatorics
坂内 英一 ; BANNAI Eiichi
研究期間: 2004-2007
本文を見る:
概要: この科研費の1つの目的は,講演者旅費の援助などを通して,日本の代数的組合せ論の発展に広く寄与することであった.平成16-19年度は,第21,22,23,24回 代数的組合せ論シンポジウム(信州大,愛媛大,東北大,近畿大),京大数理研における毎年の研究集会,九大において開催された2回のCOE Workshops on Sphere Packings,代数的組合せ論ミニ集会(九大3回、神戸学院大1回)などを支援した,また,Japan-Korea Workshop on Algebra and Combinatoricsの4回にわたる開催などを通じて国際交流の面でも成果を挙げた.日本の代数的組合せ論は順調な進展を持続している,成果は距離正則グラフとアソシエーションスキーム,コード,デザイン,格子,モジュラー形式など多岐にわたる.研究代表者の最近の研究の中心は,ユークリッド空間上のデザインについて(坂内悦子との共同研究)であった.ウエイト定数のtight 4-Euclidean designsの分類,Gaussian tight 4-designsの分類,2つの同心球上のoptimal tight 4-designsの分類を完成させ,またSuprijantoとも共同で,ある種のユークリッドtightデザインをdeformすることにより多くの新しいユークリッドtightデザインが存在することも示した.最近では,2つの球面上のtight Euclidean 7-designの分類を完成させ,球面上のantipodalなt≧2s-3である有限集合はQ-多項式アソシエーションスキームの構造を持つことの証明も完成させた。特にt=5,s=4の新しい例がmaximal real MUBから得られることも示した.更に,tight Euclideanデザインにどのようにcoherent configurationが付随するかの研究も開始した.また,universal optimalな球面上のコードに関連する2つのアソシエーションスキームの一意性を示し(坂内-坂内-坂内),Abdukhalikov,須田庄と共同でその一つの場合の高次元の類似がmaximal real MUBから得られることも示した. 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 代数的組合せ論の総合的研究 — A collective study of algebraic combinatorics
坂内 英一 ; BANNAI Eiichi
研究期間: 1997-2000
本文を見る:
概要: この科研費は旧総合Aのように,研究集会の講演者旅費を援助することなどを通じて,日本の代数的組合せ論の発展に広く寄与するのが主目的であった.毎年開かれた代数的組合せ論シンポジウム(第14回,東京三鷹;第15回,金沢;第16回,福岡;第17回,筑波)および毎年京大数理研で開かれた代数的組合せ論あるいはそれと関連した分野の研究集会が主なものであり,それ以外にも毎年いくつかの小規模の研究会も持った. 日本の代数的組合せ論は現在活発に研究が持続されており,アソシエーションスキームおよび距離正則グラフの分類問題,球面デザイン,スピンモデル,Terwilliger代数との関連において研究が進展している.研究代表者の周辺では,有限体の上の通常のコード理論を有限環あるいは有限アーベル群上のコード理論に拡張する方向の仕事が現在の研究の1つの中心テーマである.また,そのモジュラー形式への応用も含めてSL(2,Z)の有限部分群でそれに対するモジュラー形式全体の作る環が多項式環と同型になるものの研究,特に必ずしも整数ウエイトでない場合のモジュラー形式についても研究がはじまり,Γ(5)のウエイト1/5のモジュラー形式について興味ある結果が得られた.(坂内-小池-宗政-関口の共同研究としてさらに研究が続行中.)最近の研究方向としてはアソシエーションスキームの指標表の研究それ自身と,それをモジュラー形式の有限版の研究という立場からみようという研究も開始している.また,有限群のmodular dataとmodular invariantsの研究も開始している. 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of コードの代数的組合せ論的研究
坂内 英一
研究期間: 1997-1999
本文を見る:
概要: コード理論の側面から代数的組合せ論を見ていくのがこの研究の主旨であった。コードは通常有限体の上で考えられてきたが、有限環Z/Z_4の上のコードの研究にはじまり、種々の有限環あるいは有限アーベル群上のコードの研究が始まってきている。代表者の研究もこの方向にそった研究を中心におこなった。特別な有限環、例えば有限環R=F_2+uF_2(あるいはクラインの4元群)上のTypeIIコードの分類を長さが16以下の場合に完成させた。さらに、有限環R=F_2+uF_2の上のTypeIIコードの(多重)重さ枚挙多項式を用いてGauss環Z[i]上の種数2の対称Hermitianモジュラー形式の生成元を具体的に記述することにも成功した。(原田昌晃、宗政昭弘、大浦学との共同研究。さらに最近の伊吹山の参加で、研究の進展を見た。)また、宗政の助けを得て、SL(2,Z)の有限部分群でそれに対するモジュラー形式全体の作る環が多項式環と同型になるものの決定に成功した。これは(2次元の)有限複素鏡映群の分類のモジュラー形式における類似とも考えられる。さらに、この仕事の延長として、必ずしも整数ウエイトでないモジュラー形式についても研究中であり、Γ(5)のウエイト1/5のモジュラー形式について興味ある結果が得られた。(坂内ー小池ー宗政ー関口の共同研究として共著論文を準備中。)この結果はF.Kleinによる古い仕事とも関係し、Roger-Ramanujanの公式とも関連する。いずれにせよ、コード、有限群の不変式環、テーター関数、モジュラー形式の間の関連について、新しい展開を開きつつあると言える。この方向の研究は伊吹山によるさらなる進展をみる。 続きを見る