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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ヨード造影剤による肺障害におけるNO及びヒスタミンの関与と予防法の確立 — Involvements of NO and histamine in radiographic contrast medium-induced pulmonary dysfunction
大石 了三 ; OISHI Ryozo
研究期間: 2001-2002
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概要: 画像診断の進歩によりヨード造影剤(RCM)の使用は益々増加しているが、RCMによる肺障害及びアレルギー様症状等の副作用の発現に関する問題は依然として解決されていない。本研究ではこれらの副作用発現機序の解明と予防法の確立を目的としてラット血管透過性亢進in vivoモデル,ラット単離肥満細胞を用いて以下の成果を得ることができた。 1.RCMによるラット肺浮腫における肥満細胞由来ヒスタミン(HA)の関与 イオン性RCMであるイオキサグレートはラット肺における肥満細胞の脱顆粒を引き起こし,HAを遊離することによって血管透過性亢進作用を発現すること,また,この作用にはH_1及びH_2両HA受容体が関与することが判明した。 2.RCMによるラット単離肥満細胞からのHA遊離機構 種々のRCMは肥満細胞からのHA遊離を濃度依存的に亢進し,その作用はイオン性RCMにおいてより顕著である。さらにイオン性RCMによるHA遊離には細胞内cAMPの低下及び細胞内Ca^<2+>濃度上昇が関与することを明らかにした。 3.RCMによるラット肺血管透過性亢進機序の解明 RCMは肥満細胞からHAのみならずトリプターゼも遊離させ,トリプターゼは血管内皮細胞に存在するproteinase-activated receptor-2(PAR-2)を刺激することによりカドヘリン等の細胞間接着蛋白の構造を変化させ,透過性元進を引き起こすことを明らかにした。さらに,トリプターゼ阻害薬であるナファモスタットは,ヒトトリプターゼに対して極めて強力な阻害活性を示し,RCMの副作用に対する有用な治療薬になることが期待された。 4.培養ウシ血管内皮細胞におけるPAR-2を介したタンパク透過性亢進作用 血管内皮上にあるPAR-2は肥満細胞由来トリプターゼ等により活性化され,PLC活性化/細胞内Ca^<2+>上昇/PKC活性化により内皮細胞バリア機能に破綻を来たすと考えられ,これは造影剤による血管透過性亢進の発現機序に深く関与することを提示することができた。 5.RCMによるラット肺血管透過性亢進ならびに肺機能低下に対するカルバゾクロムスルホン酸の改善作用 カルバゾクロムスルホン酸は血管内皮細胞におけるバリア機能を強化することによってRCM誘発性血管透過性亢進を抑制することが見出され,RCMによる透過性亢進に基づく副作用の予防もしくは治療薬としての有用性を明らかにした。 続きを見る
2.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 食品成分の標的受容体分子の機能制御に基づく抗アレルギーシグナルの解明
藤村 由紀
研究期間: 2005-2007
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概要: 本研究では、ヒト好塩基球(株化細胞)やマウスマスト細胞(正常細胞)を用いて、緑茶カテキン(エピガロカテキンガレートおよびそのメチル化体:EGCGおよびEGCG3"Me)の抗アレルギー活性(高親和性IgE受容体発現抑制作用およびヒスタミン放出抑制作用)について検討することを目的としている。 1)ヒトにおける抗アレルギー作用(花粉症の改善など)が確認されている"べにふうき緑茶"に多く含まれる抗アレルギー茶葉成分EGCG3Meの作用機序を明らかにするため、緑茶カテキン受容体67kDa laminin receptor(67LR)を特異的にノックダウンしたヒト好塩基球様細胞株KU812に対するカテキンの効果を検討した。その結果、EGCG3"Meの高親和性IgE受容体発現抑制作用およびヒスタミン放出抑制作用は67LR発現の低下により阻害され、さらに、EGCG3"Meの細胞表面結合性も低下することが明らかとなった。また、EGCG3"MeはERK1/2リン酸化阻害活性および細胞骨格再編成活性(ミオシン軽鎖のリン酸化阻害活性)を示したが、これらの作用は67LR発現の低下によって阻害された。以上の結果から、EGCG3"Meは細胞膜上の67LRを介したERK1/2およびミオシン軽鎖のリン酸化阻害によってその抗アレルギー作用を発揮していることが示唆された。 2)次に、マウスの骨髄細胞をサイトカイン(IL-3およびSCF)存在下で培養することで、マスト細胞へと分化させ、これら細胞に対する緑茶カテキンEGCGの抗アレルギー活性について検討を行った。その結果、EGCGは高親和性IgE受容体発現抑制活性およびヒスタミン放出抑制活性を示し、これらの作用に細胞表面結合性、ERK1/2およびミオシン軽鎖のリン酸化阻害作用が関与することが明らかとなった。以上の結果から、EGCGは、好塩基球(株化細胞)だけではなく、マスト細胞(正常細胞)に対しても抗アレルギー作用を発揮することが明らかとなった。 続きを見る
3.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 冠循環異常による心筋障害の発生機序とその防止に関する実験的研究 — Pathogenesis and prevention of myocardial injury induced by coronary artery spasm
中村 元臣 ; NAKAMURA Motoomi
研究期間: 1984-1985
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概要: 1) 冠動脈攣縮の実験的誘発とその機序について 【◯!1】ミニ豚冠動脈の内膜剥離3ヵ月後、ヒスタミンによって再現性良く冠攣縮を生じることを確認し得た動物において、thiothromboxane-【A_2】(ST【A_2】)の攣縮誘発作用、PG【I_2】の防止効果を検討した。何れも有意の影響を与えなかった。ロイコトルエン(LT)【D_4】、【E_4】は夫々1.10μgの冠動脈内注入により、心筋虚血を誘発し造影剤の冠動脈内充満遅延を起こしたが、限局性の攣縮を起こさなかった。LTの拮抗剤であるFPL-55712を前投与するとLTの作用は抑制し得たがヒスタミンによる冠攣縮は抑制しなかった。従って、LTはわれわれが開発した実験的冠攣縮には直接関与していないと思われた。しかし、細動脈の過剰収縮による心筋虚血誘発作用はあると考えた。【◯!2】冠攣縮をin vitroの環境で再現しうる条件をin vivoで冠攣縮を起こした12例について検討した。即ち心臓を摘出後電解質液(Krebs-Henseleit液)で潅流し乍ら潅流液中にヒスタミンを添加すると容量依存性にin vivoの場合と同一の冠動脈攣縮部に同程度の冠攣縮を認め得た。異常収縮の原因としてヒスタミン受容器依存性の【Ca^(++)】の過剰流入が示唆された。 2) 血管平滑筋の細胞生物学的検討 【◯!1】遠心分離、蔗糖密度勾配遠心分離法により細胞膜成分に富む分画を得る方法を確立した。豚大動脈と冠動脈から細胞膜分画を抽出し、受容体の数や性質を放射性標識リカンドを用いて検討した。冠動脈には大動脈に比較して、α受容体が少なく【β_1】優位であり、又【H_1】も多い事が明らかになった。【◯!2】培養平滑筋細胞にQuin【II】を生理的にとりこませることに成功し、細胞内自由【Ca^(++)】の動態を1μ【M^2】の微小領域について連続的に測定する方法を開発した。現在、冠攣縮部細胞についてこの方法を応用する条件について検討している。 続きを見る
4.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 急性心筋虚血の発生に関する冠動脈硬化病変の活性化現象について — Activation of Vasospasm by X-ray irradiation and hyperventilation.
友池 仁暢 ; TOMOIKE Hitonobu
研究期間: 1988-1989
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概要: 冠動脈の内膜をバル-ンカテ-テルで機械的に剥離すると、数か月後にヒスタミンやセロトニンといったオ-タコイドに対し内膜肥厚の局在する血管壁が過剰に狭窄することを明らかにした。本研究ではこの様な過剰収縮の閾値を決める要因、即ち攣縮の活性化機序を解析した。 1.X線の冠動脈限局照射による血管壁の反応性亢進:X線照射の影響を、(1)高コレステロ-ル血症ミニ豚の冠動脈を機械的に剥離、(2)低コレステロ-ル血症ミニ豚の冠動脈内膜剥離、(3)低コレステロ-ル血症ミニ豚、内膜非剥離の3群について検討した。何れの群も、X線照射後にセロトニンに対する血管反応性亢進を認めた。非照射部では収縮反応性の亢進は生じなかった。セロトニンによる過剰狭窄はケタンセリンやメッセルガイドの前処置で抑制されたが、α遮断剤は抑制しなかった。X線照射はエルゴノビンによる狭窄反応も促進した。最大効果は内腔の狭窄率で照射部56%、非照射部24%であり、照射部の過剰反応はケタンセリンの前処置で抑制された。摘出血管標本の実験によってエルゴノビンの過剰収縮は内皮細胞依存性弛緩作用の減弱と中膜平滑筋の収縮亢進によることが明らかになった。 2.アルカロ-シスによる活性化現象の顕在化:ミニ豚の冠動脈に限局性にX線を照射すると、機械的内膜剥離を行わない場合でも照射部はセロトニンによって有意に強く狭窄した(45±2%VS26±3%;p<0.01)。過換気(pH7.66±0.22)やメイロンの静注(pH7.67±0.01;100mEq)によってアルカロ-シスにするとセロトニン(10μg/kgic)による冠狭窄率は76%と有意の亢進を示した。正常pHで高酸素血症(pO_2134±14VS94±7mmHg)下では過剰収縮現象を認めなかった。すなわち、アルカロ-シスはセロトニンに対する過剰収縮反応を顕在化する効果があると考えられる。 続きを見る
5.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 気道過敏性に与る迷走神経の役割についての検討 — Role of Vagal nerve in Airway Hyperresponsiveness.
相澤 久道 ; AIZAWA Hisamichi
研究期間: 1989-1990
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概要: 気道過敏性は気管支喘息の最も特徴的な病態生理学的異常であり、その機序の解明は気管支喘息発症の解明につながり、根治的治療の確立に役立つと考えられる。近年、軸索反射の気管支喘息への関与が注目されているが、気道に軸索反射が存在する確かな証明は未だなされていない。そこで我々は、モルモットを用いたin vivo,in vitroの実験において、迷走神経末梢に於けるヒスタミン・ブラディキニンの作用機序を検討したところ、以下の成績が得られた。 迷走神経は、ヒスタミン・ブラディキニンによるin vivoにおける気道攣縮およびin vitroにおける気道平滑筋収縮に対し増強作用を有していると考えられた。また、その増強作用には中枢を介さない反応の結果、気道局所の迷走神経末端から放出されるアセチルコリンとともにcーfiber末端から放出されるtachykininが重要な役割を演じている可能性が示唆された。 in vivoの実験では、ヒスタミン・ブラディキニンによる気道攣縮がアトロピン投与により有意に抑制された。これは、ヒスタミン・ブラディキニンが迷走神経末端よりアセチルコリンを放出させ、気道攣縮作用を増強させていることを示している。 in vitroの検討では、迷走神経は気道局所においてヒスタミン・ブラディキニンによる収縮に対し増強作用を有していることが示された。この機序として、ヒスタミンによる収縮は迷走神経末端から遊離されるアセチルコリンが関与し、ブラディキニンによる収縮には軸索反射の結果cーfiber末端から遊離されるtachykininが関与している可能性が強く示唆された。 続きを見る
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 血管平滑筋細胞の細胞室カルシウム濃度調節機序
金出 英夫
研究期間: 1988
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概要: 光学的なCa動態・張力の同時測定法の開発に従事し、極小血管条件(長5、巾1、厚0.1mm)において、10nM以下の微量Ca濃度変化を記録することに成功した(Fura-2法)。これを用いて次の2点を明らかにした。 〔I〕豚冠動脈血管条件においては、カフェイン感受性細胞内Ca貯蔵部とヒスタミン感受性Ca貯蔵部は全く別物であり、重複が見られなかった。ヒスタミンは、K脱分極において見られる張力変化/Ca濃度変化比をはるかに越える張力発生を引起こすことが明らかとなった。一般に、受容体刺激によって引起こされる張力発生は、Ca濃度変化から予測される張力発生(スキンされた筋標本の張力発生)を、はるかに越えるものであった。 〔II〕内皮細胞由来収縮物質エンドセリンの豚冠動脈平滑筋に対する影響を調べた。Caを含む溶液中でエンドセリンを投与すると、速やかな細胞質Ca濃度(Ca)iの増加に引続いて張力が発生した。この(Ca)i上昇張力は各々30秒、1分でピークに達し、エンドセリン除去後もその値を維持した。ピーク値は用量依存性であった。Caを含まない溶液中では、エンドセリンは(Ca)iと張力の一過性上昇を引起こした。すなわち。(Ca)iと張力は各々30秒、2〜4分でピークに達した後、徐々に低下し、3〜5分、8〜10分で刺激前値に戻った。さらに無Ca溶液中でカフェインを繰り返し投与する事によってカフェイン感受性の細胞内Ca貯蔵部を枯渇したのちにエンドセリンを投与すると、一過性の張力発生がみられたが、(Ca)iは上昇しなかった。このCaに非依存性の張力発生は5分でピークに達し、8〜10分で刺激前値に戻った。この張力発生はH_7投与により阻止された。これらの結果から、エンドセリンは、細胞外Caに依存する機序に加えて、カフェインに感受性のある貯蔵部からのCa放出により(Ca)iを上昇させることが明らかになった。さらにエンドセリンは、(Ca)i非依存性でC-キナーゼを介する張力発生機序を有することが示唆された。 続きを見る
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 血管平滑筋細胞カルシウム動態連続観察法の確立とカルシウム制御異常発症機序の解明
金出 英夫
研究期間: 1986
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概要: 1.顕微鏡蛍光測定による細胞質【Ca^(++)】濃度変化測定法の確立。 (1)、初代培養ラット大動脈血管平滑筋細胞に【Ca^(++)】指示色素Quin2およびFura-2を生理的条件下で取込ませ、細胞質微小領域(<1μ【m^2】)の蛍光変化を顕微鏡測光することによって、細胞質【Ca^(++)】濃度変化の連続測定を可能にした。 (2)、この方法を用いて血管平滑筋細胞の細胞内【Ca^(++)】貯蔵部特性を検索した。ノルエピネフリン(NE),ヒスタミン(His),カフェイン(CF),【K^+】脱分極は、細胞内貯蔵部からの【Ca^(++)】放出による一過性細胞質【Ca^(++)】上昇を引起した。NEおよびHis感受性貯蔵部は、細胞を無【Ca^(++)】液に置くと【Ca^(++)】を容易に失い、有【Ca^(++)】液に戻すと容易に【Ca^(++)】が補給された。CFおよび【K^+】脱分極感受性貯蔵部は【Ca^(++)】を失い難く、補給が困難であった。NEとHisは同一の貯蔵部から、またCFと【K^+】脱分極も同一の貯蔵部から【Ca^(++)】を放出させた。しかしながら、NEおよびHisは、CF/【K^+】脱分極感受性貯蔵部から、逆に、CFおよび【K^+】脱分極は、NE/His感受性貯蔵部から、【Ca^(++)】を放出させることが出来なかった。百日咳毒素は、NEとHisによる【Ca^(++)】上昇作用は阻止できたが、CFと【K^+】脱分極の【Ca^(++)】上昇作用は阻止できなかった。培養血管平滑筋細胞の細胞内NE/His感受性【Ca^(++)】貯蔵部と、CF/【K^+】脱分極感受性【Ca^(++)】貯蔵部は、全く別物であることが示唆された。 2.生体【Ca^(++)】濃度変化測定法の確立、(血管条片における発生張力および【Ca^(++)】動態同時測定法の開発)。 豚冠動脈左回旋枝の摘出血管条片に【Ca^(++)】指示色素Fura2を生理的条件下で取込ませ、これを生体蛍光測光することによって、張力と【Ca^(++)】動態の同時測定が可能となった。この様な方法は未だに他に類をみないものである。この方法を用いて、β刺激薬イソプロテレノールの作用をみたところ、冠動脈の弛緩に伴って、血管平滑筋の細胞質【Ca^(++)】が低下することが明らかとなった。 続きを見る
8.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 冠動脈攣縮の発生と動脈硬化との関連並びに血管攣縮の発生機序に関する基礎的研究 — Relationship between the evolution of coronary artery spasm and atherosclerosis and related basic studies on the mechanisms of coronary spasm
中村 元臣 ; NAKAMURA Motoomi
研究期間: 1986-1987
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概要: 1.冠動脈攣縮の発生機序: (1)in vitroにおける研究方法の確立 生体で再現性良く誘発される冠動脈攣縮の発生機序を明らかにするにはin vitroの条件下で分析的且つ定量的な解析が必要である. 冠動脈造影で攣縮の誘発とその発生部位を確認した後心臓を摘出し, 等圧灌流装置に装着した. 冠動脈内径の変化を生体位と同様冠動脈造影で評価した. 電解質液灌流下でもhistamineによって生体位と同様の攣縮を再現することができた. この成績はミニ豚における冠動脈攣縮が血管壁自体の過剰収縮によって生じたことを示唆する. (2)冠動脈攣縮の発生機序:摘出心におけるhistamine誘発冠動脈攣縮はH_1遮断剤前投与あるいは無Ca液下では抑制され, 交感神経遮断薬の前投与では抑制出来なかった. 従って, 冠動脈攣縮はH_1レセプターを介するCa^<++>の過剰流入によると想定された. (3)攣縮部冠動脈と対側の内膜非剥離部から血管壁を切り出し等尺性張力測定装置に懸垂し, 血管作動薬に対する用量一作用関係を調べた. 攣縮部における内皮細胞依存性弛緩反応の抑制と中腹平滑筋におけるhistamine収縮の増強を見出した. 2.血管平滑筋の収縮・弛緩機序の細胞レベルでの解析: (1)培養血管平滑筋細胞におけるCa^<++>動態解析方法の確立と細胞内Ca^<++>動員機構の解明にラット胸部大動脈中膜平滑筋細胞を分離し, 初代の培養細胞にCa感受性蛍光色素guin-2を取り込ませた. 本法は細胞内の微小領域(<1μm^2)の自由Ca濃度変化を顕微測光によって定量的に評価する事が可能である. 本研究では膜電位に依存してCaを放出する細胞内のCa^<++>蓄積部位とカフェインによって放出されるCa^<++>蓄積部位が同一である事を明らかにした. (2)血管平滑筋細胞膜アドレノセプターの解析:ブタ冠動脈と大動脈の細胞膜分画について, α, β両レセプターの分布を明らかにした. 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of X線照射による冠動脈攣縮の増幅機序の解明
友池 仁暢
研究期間: 1987
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概要: X線治療を受けた癌患者では, 照射部位の血管の動脈硬化が進行している現象が知られている. われわれは先に, ミニ豚冠動脈の内膜剥離部にX線を限局性に照射すると高度の冠動脈攣縮が生じる事を見出した. 本研究では, (1)X線照射によって冠動脈に器質的な病変が進行性に出現するのか, (2)X線照射によって出現する血管腔の過剰狭窄現象の特徴について検討した. 1.成犬における検討:左冠動脈回旋枝に限局してX線を照射し, 2-4週間後冠動脈カテーテルを行い, エルゴノビンに対する冠動脈の反応性を検討した. 過剰収縮を認めなかったので, 病理組織学的検索行った所, 照射部位に一致して求心性の内膜肥厚を認めた. 線維性の肥厚が強い為に血管反応性が抑制されたと考えられた. 本実験では以下に述べるミニ豚と同様に照射量を1500rad×2に固定した為, X線量が強すぎたと思われる. 今後, 血管反応性とX線照射線量との関係を検討する予定である. 2.ミニ豚における冠動脈攣縮:高コレステロール血症ゲッチンゲン種ミニ豚の冠動脈内膜剥離3, 4か月後, 同部にX線を各1500rad照射した. 5か月後, 冠動脈の反応性を冠動脈造影にて定量的に評価した. X線照射前(内膜剥離3か月後)はヒスタミン, セロトニンに対し34, 45%の内腔狭窄率であり, 非剥離部と有意の差を認めなかった. 照射後は(内膜剥離5か月後)ヒスタミン, セロトニンに対し57, 83%の狭窄率を示した. すなわち, セロトニンに対する過剰狭窄現象が出現した. 又, 攣縮出現時に心電図ST上昇が高頻度に認められた. 攣縮部の冠動脈をニトログリセリン作用下に検討した所, 有意の器質的変化(壁不整)を認めた. これらの成績はX線が冠動脈硬化を促進すると共に血管壁自体のセロトニン感受性も亢進した事を示唆する. 尚, セロトニンの過剰収縮はプラゾシンで抑制されず, ケタンセリンで抑制されたのでS_2レセプターを介する現象と考えられた. 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 細胞内ミクロ環境を制御するタンパク質機能解析のための蛍光イメージング法
瀬戸 大輔
研究期間: 2008-2009
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概要: 本研究は、細胞内タンパク質の挙動やその周辺環境を可視化するための蛍光検出・イメージング法の開発を目的としており、これまでにタンパク質の局在とその周りのpH変化のレシオ計測を指向した新規なタンパク質蛍光標識方法の構築に成功している。本年度は、この研究より得られた知見をもとに、細胞内外における様々な現象のモニタリング、生理活性物質の検出・イメージングを可能とする蛍光計測法の開発を試みた。 本研究において、ヒスチジンタグを用いるタンパク質標識法を研究するにあたり、イミノ二酢酸(IDA)-Ni^<2+>錯体と、イミダゾール基とアミノ基とを近接した位置に有する化合物とが選択的に配位子置換反応することを見出した。そして、この現象を利用することで細胞内外におけるヒスタミン類縁体を特異的に検出できる手法を開発できると考え、新規蛍光プローブcalcein-Ni^<2+> complexとNile Red-Ni^<2+> complexを合成した。これらの蛍光プローブは蛍光色素であるフルオレセインまたはNile RedにIDA-Ni^<2+>錯体を付加した構造体である。以上のプローブは、ともにヒスタミンに対して高選択性であり、さらにヒスタミンの添加量に応じて蛍光強度が定量的に増大するといった特性を有していた。この蛍光変化はNi^<2+>イオンの消光作用に起因する。さらにcalcein-Ni^<2+> complexは、炎症刺激によって細胞から放出されるヒスタミンの経時変化を捉えることが可能であり、また、Nile Red-Ni^<2+> complexは、細胞に直接添加するだけで細胞内へと導入され、細胞内ヒスタミンを可視化することが可能であった。以上のことから、生理活性分子の簡便な蛍光検出・イメージングのための一手法として、配位子置換反応を利用する蛍光プローブが有効であることが示唆された。以上、本研究で開発された新規蛍光プローブ群は、未知の細胞内現象の解明や生命科学の准展に資するものと期待される。 続きを見る