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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 遺伝子導入動物における導入遺伝子構造と発現遺伝子産物の機能について — Function of transgene structure and its products on conformational changes in transgenic model mice of prion disease
毛利 資郎 ; MOHRI Shirou
研究期間: 2001-2003
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概要: プリオン病のモデル動物としての遺伝子改変マウスは、プリオン複製の仮説からすると、正常なプリオン蛋白質を過剰に発現する方が有利であると考えられる。実際にハムスターやマウス型のプリオン蛋白発現系マウスでは過剰発現による高感受性マウスの系統が樹立されている。我々は、ヒト・プリオンに対するバイオアッセイ系の確立を目指している。ヒト/マウスキメラ型プリオン蛋白質(キメラ型)を発現する遺伝子改変マウスは、ヒト・プリオンに対して高い感受性を示すことが判明したが、過剰発現になると抵抗性を示すことも明らかになった。次に、C末端までヒト型プリオン蛋白質を発現する、全ヒト型プリオン蛋白質遺伝子導入マウス、同じ導入ベクターを用いた全マウス型プリオン蛋白質遺伝子導入マウスについても検討した。その結果、全ヒト型マウスと全マウス型プリオン蛋白質遺伝子導入マウスでは共に発現量が高くなるにつれて感受性が高くなることが判明した。このことから、プリオン病モデル動物作製時の導入遺伝子のキメラ型遺伝子産物は、必ずしもプリオン複製の仮説にそぐわないことが推定された。このことは、導入遺伝子産物の一次構造がその機能発現に影響していることを示唆するものであった。 続きを見る
2.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of リボザイムを用いた組織特異的ノックアウトマウス作製法の開発
中山 啓子
研究期間: 2002-2003
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概要: リボザイムは小さな触媒作用を持つRNAで、1990年代前半より基礎研究で用いられてきたが、特定の遺伝子配列を認識することができるところから、医療等の社会的有用性が大いに期待されてきた。リボザイムはあるRNA上の特定配列を認識し、その部位を切断することによって、遺伝子の発現レベルを低下させることができるRNAである。この反応は、試験管内では非常に効果的に行われるにも関わらず、細胞内での活性は、標的遺伝子に強く依存し一般的な発現抑制システムとして用いることは難しいとされていた。しかし、リボザイムの発現法の工夫によって、細胞内で任意の遺伝子の発現レベルを調節することが可能となった。そこで本研究では我々が持つ発生工学的技術をリボザイムによる発現調節システムと結びつけ、組織特異的なノックアウトマウスの作製、さらにリボザイムライブラリーを用いた網羅的ノックアウトマウスの作製という新しい方法論の確立を目指していた。 すでに我々がノックアウトマウスを作製済みのp27やSkp2について検討を行った。まず、従来の発現ベクター及び、レトロレトロウイルスベクター由来を開発し、その有効性の比較検討を行ったところ、レトロウイルスベクターでは安定な遺伝子の導入効率が得られるものの、タンパク発現の抑制効果が低いことが判明した。これは、リボザイムの転写量に依存していると考えている。また、リボザイムの認識配列とその発現低下効果の比較検討を行ったが、一定の法則性を見出すことができなかった。 続きを見る
3.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of TGFB1遺伝子の骨代謝特に骨粗鬆症に対する役割の研究
木下 晃
研究期間: 2002-2004
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概要: 様々な骨系統疾患の一つに、Camurati-Engelmann Disease(CED)がある。これは進行性骨幹異形成症ともよばれる骨系統疾患で、長管骨や頭蓋骨の過剰な骨膜性骨形成のため著明な骨皮質の肥厚と長管骨の紡錘形肥大を特徴とする。報告者はCEDの原因遺伝子がtransforming growth factor-β1(TGF-β1)であることを明らかにした。同定した変異はすべてTGF-β1の活性を抑制する潜在型結合蛋白(LAP)とよばれる領域に局在し、TGF-β1の二量体形成に関わる2つのシステイン残基とその近傍に集中する。これら変異のうちCED患者で最も高頻度にみられるR218Cを導入した遺伝子改変マウスの作製と変異TGF-β1の機能を調べることを目標に研究を行っている。またCED患者の新規変異の解析も行った。 1.Tgfb1改変マウスの作製 Camurati Engelmann病患者で最も高頻度にみられるR218C(218番目のアルギニンがシステインに置換)の変異を導入した相同組換えES細胞を2002年度にすでに単離しキメラマウスの作製を行った。このキメラマウスは不妊でありヘテロマウスの作製までに至らなかった。このため新たに3クローンを単離し、キメラマウスの作製を再度行った。このクローンから生まれた9系統のキメラマウスもまた不妊であった。詳しい原因は分からないが相同組換えES細胞由来の生殖細胞から作られる精子の運動性の喪失が起こっていると考えられる。これを克服するために顕微受精の準備をしており、それでもヘテロマウスが生まれてこない際に備えてコンストラクトのデザインと作製をやり直している。 2.変異TGF-β1の機能解析 野生型TGF-β1とCED患者で見つかった変異(Y81H,R218C,R218H,C223R,C225R)をもつcDNAを発現ベクターに組み込んだ。発現ベクターには強制発現用にpcDNA3.1(-)を、テトラサイクリン誘導発現用にpTRE-hygを用いているTGF-β1を組み込んだ強制発現系ベクターをヒト正常骨芽細胞に導入したところ、細胞の増殖が抑制された。これは現在解析中である。テトラサイクリン誘導発現系は注文した細胞が届かないために研究が停止している。 3.新規変異解析 論文掲載以来新たなCED患者をみつけ、変異解析を行ったところ新規変異C223RとC223Gを同定した。この結果はAmerican Journal of Medical Geneticsに近日掲載予定である。 4.その他の骨系統疾患モデルマウスの作製 長崎大学医歯薬学総合研究科に就職後に、新たに単離された骨系統疾患X(論文投稿中のため名を秘す)のモデルマウスの作製を開始した。コンストラクトの作製は終了した。 続きを見る
4.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 循環器系疾患における組織および血管内での活性酸素動態の無侵襲解析 — Non-invasive analysis of dynamic state of reactive oxygen species in tissue and blood vessel of circulatory diseases
内海 英雄 ; UTSUMI Hideo
研究期間: 2002-2004
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概要: 多くの循環器系疾患の成因・進展に活性酸素・フリーラジカルが関与することが示唆されている。生体内での活性酸素・フリーラジカルの産生を無侵襲解析するために、ニトロキシルラジカルをスピンプローブ剤として生体計測電子スピン共鳴(ESR)法で解析する方法を開発し、シグナル減衰速度を活性酸素産生の指標として、多くの病態モデル動物で活性酸素・フリーラジカルの関与を明らかにしてきた。 そこで本研究では、循環器系疾患である糖尿病や肥満のモデル動物における活性酸素産生を無侵襲測定した。糖尿病や肥満のモデル動物にニトロキシルラジカルであるカルバモイルプロキシルを尾静脈内投与して無侵襲計測したところ、対照群と比較してシグナル減衰速度が亢進し、その亢進はα-トコフェロールやSODにより抑制されたことから、モデル動物の血管内における活性酸素の産生が示唆された。また、この亢進はプロテインキナーゼC阻害剤CGP41251やNADPHオキシダーゼ阻害剤アポシニンにより抑制されたことから、活性酸素産生は血管内のNADPHオキシダーゼに由来する可能性が考えられた。 疾患における活性酸素動態の画像解析を行う上で、その生成部位を特定の臓器・組織と対応付けることは不可欠であることから、ESRI/MRI融像システムを試作した。膜透過性の異なるニトロキシルラジカルをマウスに尾静脈内投与してESRI/MRI計測を行い、血管内のみに分布するプローブ剤と組織内にも移行するプローブ剤との体内動態の相違を明らかにした。 また、ESR感度向上の目的でニトロキシルラジカルの窒素核を^<15>Nで標識した^<15>N標識プローブ剤、および^<15>Nニトロキシルラジカルの水素核を重水素で標識した^<15>N, D標識プローブ剤を合成した。さらに、動物計測における呼吸・拍動に由来するノイズを抑制するため、自動周波数チューニング制御(ATC)や自動マッチング制御(AMC)を開発し、生体計測での制御特性を検討した。 以上より、本研究では循環器系疾患の中で糖尿病や肥満における活性酸素動態の無侵襲解析を行い、血管内での活性酸素産生を明らかにした。今後、ESRI/MRI融像システムや新規合成プローブ剤の適用により活性酸素動態を高感度に画像解析することで、循環器系疾患の成因・進展における活性酸素・フリーラジカル動態の解明が期待される。 続きを見る
5.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 拡張型心筋症モデルマウスを用いた心不全の病態の解明 — Elucidating the mechanism of heart failure using mouse model of dilated cardiomyopathy
久保田 徹 ; KUBOTA Toru
研究期間: 2001-2002
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概要: 研究代表者の久保田が開発した心筋特異的TNF-α過剰発現マウスを用いて心不全治療の新たな標的分子を明らかにすることが、本研究の目的である。NO、活性酸素種、NF-kB、アンジオテンシンについて検討した。 1.NO TNF-α過剰発現マウスの心筋ではiNOSの発現が亢進していた。選択的iNOS阻害薬であるONO-1714にてβ刺激時の陽性変力作用が有意に改善された。iNOSノックアウトマウスとの交配によってiNOS遺伝子が欠損したTNF-α過剰発現マウスを作成したところ、β刺激時の陽性変力作用は有意に改善したが、心筋の肥大や炎症に変化はなく、生存率の改善も得られなかった。炎症性サイトカインによる心筋障害の成因として、NO以外の経路がより重要であることが示唆された。 2.活性酸素種 TNF-α過剰発現マウスの心筋では活性酸素種の産生が亢進し、ミトコンドリアが障害されていた。シクロフォスファミドによって炎症細胞の浸潤を抑制しても活性酸素種の産生は不変であった。培養心筋細胞にTNF-αを作用させたところ、活性酸素種の産生増加とミトコンドリアDNAの減少が観察された。TNF-αはミトコンドリアを傷害することで活性酸素種の産生を亢進させ、心筋障害をもたらしていることが示唆された。 3.NF-kB TNF-α過剰発現マウスの心筋ではNF-kBが活性化されていた。NF-kB(p50)ノックアウトマウスとの交配によってNF-kBが欠損したTNF-α過剰発現マウスを作成したところ、サイトカインの発現や炎症細胞の浸潤に明らかな変化はなかったが、より早期より心不全を発症するオスにおいて生存率の有意な改善が得られた。NF-kBは、炎症だけでなく、心筋の肥大と心不全の発症において重要な働きを担っていることが示唆された。 4.アンジオテンシン TNF-α過剰発現マウスの心筋ではACE活性が亢進していた。 以上より、心不全治療の新たな標的分子として、活性酸素種とNF-kBの重要性が明らかとなった。 続きを見る
6.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of エンハンセオソーム解析を通じたライディッヒ細胞の分化・機能発現機構の解明
馬場 崇
研究期間: 2010-2012
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概要: ライディッヒ細胞の単離・培養法の確立;ライディッヒ細胞特異的にGFPを発現する複数のトランスジェニックマウスの作出を行い、GFP陽性細胞(ライディッヒ細胞)のセルソーターによる分取を試みた。その結果、GFPはライディッヒ細胞に特異的に発現するものの、その蛍光強度はセルソーターによる細胞分取には不十分であった。そこで、精巣を構成する全ての細胞から密度勾配遠心によりライディッヒ細胞のみを単離する方法の確立を試みた。その結果、90%以上の純度でライディッヒ細胞を単離し、その性質を保ったまま培養することに成功した。 クロマチン免疫沈降法によるAd4BP/SF-1遺伝子のライディッヒ細胞特異的エンハンサーの同定;上記の方法で単離したライディッヒ細胞を用いて、全ゲノムレベルでのエンハンサーの同定を行った。エンハンサーの同定は、エンハンサーの目印となるヒストン修飾・ヒストンバリアント等を認識する抗体を用いたChIP-Sequenceにより行った。これまでに、いずれもエンハンサーのマークとして報告されているH3K4mel,H3K27Ac,H2A.Z,およびAd4BP/SF-1の抗体を用いたChIP-Sequenceを行い、Ad4BP/SF-1遺伝子内のライディッヒ細胞特異的エンハンサーの候補領域を明らかにした。 エンハンセオソームの固定;ライディッヒ細胞におけるAd4BP/SF-1遺伝子の発現は、Ad4BP/SF-1が自身の遺伝子領域内のエンハンサーに結合することにより制御されている可能性が示唆された。そこで、Ad4BP/SF-1を足場として形成される複合体の精製を行ったところ、いくつかの興味深い複合体が得られた.Ad4BP/SF-1は細胞外からのさまざまな刺激に応答して機能することが知られているが、Ad4BP/SF-1複合体の構成因子も刺激に応答して変化することが明らかとなった。 続きを見る
7.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 遺伝子改変マウスを用いた視神経脊髄型多発性硬化症特異抗原免疫による動物モデルの開発 — Development of an animal model of opticospinal form of multiple sclerosis using the HLA-DP5 transgenic mice.
吉良 潤一 ; KIRA Jun-ichi
研究期間: 2002-2003
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概要: 1.視神経脊髄型多発性硬化症(OS-MS)の特異抗原の検索 SEREX法を用いて8名のOS-MS患者血清をスクリーニングすることにより5つの候補抗原が同定された。この内の一つであるheat shock protein 105 (hsp105)に対して、MS患者では液性免疫、細胞性免疫応答が共に亢進していることから、MSの新規自己抗原と考えられた。今回さらに検討を進めた結果、hsp105蛋白に対し免疫抑制性サイトカインIL-10の産生細胞がMS患者では低いことが示され、これがMSの増悪に関与すると推測された。一方、マウスを用いた実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)においては、hsp105蛋白をpHSP105投与により生体内で高発現させることにより、EAEの早期発症と重症化が観察された。しかしながら、pHSP105をマウスに接種後、脾臓細胞をhsp105蛋白にてin vitroで刺激しても、hsp105蛋白に対する増殖応答は認められず、また、フローサイトメーターによる解析においてもCD4陽性細胞やCD8陽性細胞の割合に変化は認められなかった。これらのことは、pHSP105によるEAEの増悪は、hsp105蛋白自体に対する免疫応答の亢進によるものではなく、むしろ、hsp105によるantigen-carrierとしての機能が影響している可能性があり、今後さらなる検討が必要と考えられた。 2.OS-MS動物モデルの作製 OS-MSの疾患感受性遺伝子であるHLA-DP5(DPA1*02022-DPB1*0501)のTg-マウスを作製し得た。現在3系統のラインが存在し、HLA-DP5の発現や機能の解析後、系統選択を行う。また、今後RAG2-KOマウスと掛け合わせ、DP5拘束性自己反応性T細胞の解析を行い、OS-MSの特異な病巣形成に関わるメカニズムの解明に務めていきたい。 続きを見る
8.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of Dural specific phosphataseによるTh1/2分化制御機構
吉開 泰信
研究期間: 2004-2005
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概要: 我々がクローニングしたJNK特異的dual specific phosphatase (DUP)をコードするDUP16遺伝子とそのシステインをセリン置き換えたdominant negative DUP16遺伝子をT細胞にのみに発現する1ck-promoterで発現させたトランスジェニック(Tg)マウスをもちいて、Th1/Th2応答を検討した。TgマウスのナイーブT細胞を用いて抗CD3抗体/抗CD28抗体で刺激しIFN-γ、IL-4、IL-2の産生を調べたところ、DUP16-TgマウスでIL-2,IL-4産生の低下が、dominant negative抑制された。Mycobacterium bovis (BCG)と卵白アルブミン(OVA)に対するTh1/Th2応答を検討した。BCGを感染させて、臓器内菌数を調べたところ、DUP16-Tgマウスで菌数の低下、dominant negative DUP16-Tgマウスで菌数の増加を認めた。さらにPPD抗原で刺激した細胞内サイトカインによってTh1機能分化を調べたところ、DUP16-TgマウスでTh1細胞数の増加、dominant negative DUP16-TgマウスでTh1細胞数の低下を認めた。これらの結果よりT細胞に発現されるDUP16はTh1細胞の産生・維持にはネガティブに働く可能性が示唆された。次にこれらのTgマウスに卵白アルブミン(OVA)/CFAで免疫して、OVA特異的抗体産生を調べたところ、DUP16-TgマウスIgEの産生が低下、dominant negative DUP16-Tgマウスで上昇した。OVA特異的CD4Th細胞のサイトカイン産生を細胞内サイトカインによって調べたところ、DUP16TgマウスでTh2細胞応答の有意な低下を,dominant negative DUP16-Tgマウスで上昇を認めた。これらの結果よりT細胞に発現されるDUP16はTh2細胞応答を制御することによってTh1/Th2応答を制御すると考えられる。 続きを見る
9.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ヒト免疫応答の遺伝的制御に関する分子生物学的研究 — Molecular Analyses of the Genetic Control of Immune Response in Humans
笹月 健彦 ; SASAZUKI Takehiko
研究期間: 1988-1990
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概要: ヒト主要組織適合抗原系(HLA)は、その特定の対立遺伝子と免疫異常に起因する疾病との強い相関より、疾病の遺伝要因として重要であると考えられている。本研究は、HLAによるヒト免疫応答および疾病感受性の個体差の形成機序を、解明することを目的とし、以下の成果を納めた。 1)HLA領域の遺伝子構成の解析:21水酸化酵素欠損症の原因として、偽遺伝子と機能的遺伝子との問に生じた遺伝子変換による場合が、存在することを明らかにした。 2)HLAーDQの機能に関する研究;各種の抗原に対する免疫低応答性と、特定のHLAーDQ対立遺伝子との強い相関をDNAレベルで明らかにし、低応答性が優性形質であることを集団レベルでも確認した。低応答者にのみDQと抗原を認識する CD4AA+BBT細胞が存在し、これが免疫抑制活性を有するCD8AA+BBT細胞の増殖および活性化を誘導することを明らかにした。 3)HLAーDQトランスジェニクマウスの解析;HLAーDw12ハプロタイプに由来するDQw6遺伝子を、B6マウスに導入し発現させた。このマウスは、溶連菌抗原に対する免疫応答性を獲得し、大腸菌抗原に対する応答性を喪失した。つまりDQ遺伝子の発現により個体の免疫応答性を変えることに成功し、in vivoにおけるHLA分子の機能を解析する実験系を確立した。 4)疾病感受性遺伝子の解析;インスリン依存型糖尿病、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患と、HLAーDRあるいはDQ対立遺伝子との相関を、DNAレベルで同定した。 本研究を通じて、特定のHLAーDQ対立遺伝子が、特定の抗原に対する免疫低応答性を、優性形質として決定することにより、免疫応答の個体差を支配し、これが免疫異常に起因する疾病の遺伝要因となっている可能性を示した。 続きを見る
10.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 遺伝性血液疾患の病因と治療に関する分子遺伝学的アプロ-チ — Molecular analysis and gene therapy of the hereditary blood disorders
服巻 保幸 ; FUKUMAKI Yasuyuki
研究期間: 1988-1989
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概要: 本研究は遺伝性血液疾患の中でも主に赤芽球を病態の場とする疾患を選び、病因から診断そして治療に関する基礎的な解析を行なった。1)日本、台湾、タイおよびマレ-シアのβサラセミアの病因解析をPCR法で増幅したDNAを用いてdot blotting、direct cloningそしてdirect sequencingにより行なった。その結果タイでは9種類、マレ-シアでは11種類、台湾で3種類、日本では8種類の変異を明らかにした。また非放射活性物質を用いたDNA診断法の開発も行なった。2)サラセミアの治療に関する基礎的研究においては、ヒト由来の細胞であるKMOE細胞及びKU812細胞が薬剤により胎児型及び成体型グロビン遺伝子の発現を選択的に誘導できることを明らかにした。また両グロビン遺伝子をタンデムに連結した分子を持つトランスジェニックマウスを作成し、両遺伝子がマウス内において組織特異的かつ発生のステ-ジ特異的な発現をすることを明らかにした。3)遺伝性メトヘモグロビン血症の分子遺伝学的解析を行なうにあたり、まず正常のNADH-チトクロ-ムb5還元酵素(b5R)遺伝子の構造解析を行なった。その結果本遺伝子は30kbにおよび、9つのエクソンからなり、プロモ-タ-領域にはGC boxが見られた。また可溶型b5RのN末端のアミノ酸をコ-ドするコドン26は第2エクソン内に位置しており、可溶型b5Rはスプライシイングの違いにより生じるのではなく、膜結合型b5Rが翻訳後その25と26番残基の間で切断を受けて生じるものと結論された。全身型遺伝性メトヘモグロビン血症の患者からb5R遺伝子を単離し、コドン127番目第一塩基チミヂンがシチヂンへと置換していることを明らかにした。この変異により同アミノ酸残基がセリンからプロリンへと置換するがαヘリックス構造が破壊され、b5RのNADH結合に障害を来たすことが推測され、電子伝達が妨げられ全身型遺伝子メトヘモグロビン血症を来たしたものと結論された。 続きを見る