close
1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 卵減数分裂周期におけるErp1の発現と機能の制御
大江 宗理
研究期間: 2007-2009
本文を見る:
概要: 脊椎動物の卵減数分裂周期は、S期を省略した2回の連続したM期(第一減数分裂,MI:第二減数分裂,MII)からなり、MI期からMII期への進行(MI/MII転移)後、卵はMII期中期(Meta-II)で分裂周期を停止し、受精を待つ。このMeta-II停止を引き起こす因子は細胞分裂抑制因子(CSF)と呼ばれる。以前の我々の研究から、ユビキチンリガーゼAPC/Cの抑制因子Emi2(別名Erp1)が、CSFの分子的実体とされるMos-MAPK経路依存的に活性化・安定化し、MI/MII転移及びMeta-II停止を引き起こすことが示された。Emi2によるAPC/C抑制には、Emi2内のD-boxやzinc binding region(ZBR)が関わっているとされる。しかしながら、Emi2のAPC/Cへの結合及び抑制の詳細な機構については不明である。そこで今回、我々はその機構について解析を行った。まず、C末端領域を欠損させたEmi2を発現させるとMI/MII転移やMeta-II停止が起こらないことから、Emi2のC末端領域がAPC/C抑制活性に必須であることがわかった。また、C末端領域のペプチドを用いた解析から、Emi2のC末端領域はAPC/Cとの結合に必要であるが、抑制そのものには関わっていないことも判明した。さらに、C末端領域がAPC/Cに結合することで、Emi2内のD-boxやZBRのAPC/Cへの結合能や抑制能を促進することが示された。以上の結果から、Emi2のC末端領域がAPC/Cへのドッキング部位として働き、APC/C抑制のために必須であることが明らかになった 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of Cdc25Bの分解における分子機構と生物学的意義の解析
兼森 芳紀
研究期間: 2005-2007
本文を見る:
概要: 本研究員は本年度ツメガエル卵を用いて細胞周期制御因子Cdc25A及びCdc25Bの分解に関与するキナーゼの同定を試みた。これまでの予備的な実験から、Cdc25A/Bの分解には、減数分裂特異的なキナーゼ(経路)であるMos-MAPK経路の関与が考えられた。まず卵母細胞にCdc25A/Bを外来的に発現させると、減数分裂の進行にともないこれらの蛋白質が分解することが確認された。そこで、Mosの下流キナーゼのMEKの特異的阻害剤UO126で処理したところ、Cdc25A/Bの分解が阻害されることが分かった。次にin vitroでMos、MEK、ERK及びp90rsk(Mos-MAPK経路の構成因子)のタンパクを用いてキナーゼアッセイを行った結果、ERKおよびp90rskのみがCdc25A/B内のある特定の残基を直接リン酸化できるという知見を得た。また、これらの残基はin vivoにおいてもErk1及びp90rskによってリン酸化されることも分かった。以上の結果から、Cdc25A/Bの分解を誘導するキナーゼにMos-MAPK経路があることが示された。 さらに、本研究員はCdc25Bの分解に他のキナーゼが関与するか調べる為、様々な阻害剤を用いて実験を行った。その結果、新たにJNKキナーゼがCdc25Bをリン酸化することが示唆された。そこで、in vitroでキナーゼアッセイを行った結果、Cdc25BはJNKによって直接リン酸化されることが分かった。また、卵内でJNKを活性化させるとCdc25Bの分解が誘導されることも判明した。これらの結果から、Cdc25BはERK以外にJNKによってもリン酸化され、分解が誘導されることが明らかになった。現在は、Cdc25B内のJNKによるリン酸化部位やこの分解の生理的意義を解析中である。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 細胞周期におけるサイクリンの機能制御因子 — Regulatory Factors of Cyclin Functions in the Cell Cycle
小林 英紀 ; KOBAYASHI Hideki
研究期間: 1996-1998
本文を見る:
概要: 本年度の研究計画に沿って、日本側九州大学小林英紀が酵母と両生類ツメガエルサイクリン結合因子の遺伝的解析を、英国癌研究所のHunt博士が両生類ツメガエルのサイクリンの生化学的解析を、ケンブリッジ大学のCarrington博士が哺乳類マウスのサイクリン結合因子の機能解析を、それぞれ3研究室間で互いに研究連絡をとりあいながら、細胞周期におけるサイクリンの構造と機能に関する研究を行った。 本年度は、小林は、2-ハイブリッド法を用いて同定したサイクリンAのN末端に結合する因子の機能解析を行った結果、ユビキチン類似配列を持った新規タンパク質がサイクリンAの分解を選択的に抑制した。そこで、この生化学的解析をツメガエルの細胞周期系を用いてHunt博士との共同実験を行った結果、本因子はサイクリンAに結合してその分解を特異的に抑制する新規因子であることを同定した。さらに、マウスのA型サイクリンの解析をおこなっているCarrington博士と共に、マウスから本因子のホモログを同定してその解析を進めた。 同時に前年度及び、本研究結果について、13回臨床研国際会議(RIC International Conference,Tokyo)において小林とT.Huntが、それぞれの研究成果を発表するとともに、国際学術誌に論文として発表した。本共同研究はそれぞれの研究室間で極めて効率的に遂行され、今後、発展的に継続することを計画中である。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 初期発生における細胞周期制御の研究 — CELL CYCLE CONTROL IN EARLY DEVELOPMENT
佐方 功幸 ; SAGATA Noriyuki
研究期間: 1998-2002
本文を見る:
概要: 本研究課題では以下の成果を得た.(1)これまでの30年来の定説とは異なり,卵成熟におけるMPFの活性化に卵核胞の内容物(核内因子)が必須であることを初めて示した.(2)卵成熟過程における二極性紡錘体の形成にサイクリンB1,B2のうちB2のみが必須であることを示した.(3)チェックポイントキナーゼChk1が卵母細胞のG2停止に関与すること,Chk1のC末端領域に自己阻害的な領域があることを見い出した.(4)Wee1キナーゼが第一減数分裂期には存在しないこと,そしてこのWee1の欠如が第二減数分裂への移行に必須であることを初めて示した.(5)受精後のMosの翻訳停止がMos mRNAの3'非翻訳領域に存在するAUUUA配列に依存して起こることを初めて示した.(6)Nek2キナーゼに母性型と胚性型の2つのスプライス変異体が存在し,前者が卵割期における中心体形成に必須であることを初めて示した.(7)MBT以降に発現する胚性型Wee1(Wee1Bと命名)を初めて単離し,Wee1Bが母性型Wee1と活性や安定性において異なる特性を持ち,MBT以降の体細胞型細胞周期に関与することを示した.(8)Chk1がMBTにおける生理的なDNA複製チェックポイントを仲介することを初めて示した.更に,MBTでChk1がCdc25Aを直接リン酸化しその分解を誘起すること,この分解が後期発生のために必須であることなどを示した. 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ツメガエル卵の受精におけるMosの翻訳停止機構の解析
上野 秀一
研究期間: 2000-2002
本文を見る:
概要: Mos mRNAは約2000bpという非常に長い3'非翻訳領域(3'UTR)を持っている。その3'UTRを部分欠失等により変異させた様々なMos mRNAを用いて、ツメガエル卵の受精前後での翻訳量の変化を調べた。その結果、受精における(母性)Mos mRNAの翻訳抑制には3'UTR内のEDEN(embryo deadenylation element : UGもしくはUAの繰り返し)配列とAUUUA配列の両方が必要かつ十分であることが分かった。また、Mos mRNAのPoly(A)の長さは両配列があるときのみに十分に短縮されることが分かった。興味深いことに、この両配列のMosの翻訳抑制における機能は過去の報告とはいくつかの大きな相違点があった。 第一に、これまではEDEN配列単独でmRNAの翻訳抑制ができるとされていたが、Mos mRNAにおいてはEDEN単独で翻訳抑制はできないことが分かった。第二に、これまでは重複して配置された複数のAUUUA配列だけが翻訳抑制に関与するとされてきた。ところが、Mos mRNAでは3'UTR内に分散して存在する(単独の)AUUUA配列だけでも翻訳抑制に関与し、かつEDENとの組み合わせを必要とすることが分かった。更に、この翻訳抑制機構はMos mRNAに限定されたものではなく、類似した配列を持つ母性Eg2 mRNAの3'UTRでも同様に機能することも示した。また、EDENはトランスに働く蛋白質を通して機能するが、AUUUA配列はそのような蛋白質なしに機能することを示唆した。これらの結果から、受精における母性mRNAの翻訳調節において、分散して(または単独で)配置されたAUUUA配列でも他の配列(EDEN)と協調して翻訳制御を行う分子機構が存在することを初めて示すことができた。 以上の結果は、Developmental Biology誌(2002. 250. 156-167)に発表した。 続きを見る