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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of コンパートメント配位子を用いる四核金属錯体の合理的合成と化学特性の研究
大川 尚士
研究期間: 2001-2002
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概要: (1)フェノール酸素を橋架け基として共有して、'salen'類似のN(imine)_2O_2サイトと'salen'を還元したタイプのN(amine)_2O_2サイトを交互にマクロ環内に配置させた大環状四核化コンパートメント配位子を設計合成して、Cu_2M_2(M=Co, Ni, Zn)混合金属四核錯体を合成した。構造解析によって、Cu_2Ni_2錯体は不完全ダブルキュバン構造、Cu_2Co_2及びCu_2Zn_2錯体は'Dimer-of-dimers'構造を有することを確かめた。この配位子のCo_2M_2(M=Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn)錯体は、1つのCo(II)は低スピンもう1つのCo(II)は高スピンとなった珍しい混合スピン混合金属錯体を与える。Co_2Ni_2及びCo_2Zn_2錯体の構造解析から、これら錯体は{CoM_2}ユニットと{Co}ユニットからなり、前者のユニットではCo(II)が高スピン6配位となることを確認した。この配位子の四核Ni(II)錯体は、Tc=14.5K以下で秩序磁性を示すことを見い出した。 (2)標記配位子のアルカン鎖をメチレンからトリメチレンに置換した大環状四核化コンパートメント配位子の四核銅(II)錯体は、対イオンによってコア構造の可変を示し、構造解析及び磁気測定から'open'【double arrow】'folded'の可逆的変換を確かめた。 (3)4分子の3-アミノメチル-5-メチルサリチルアルデヒドを環化縮合させて新規な四核化大環状コンパートメント配位子を鋳型反応で合成した。この配位子を用いて、4つのNi(II)を平面正方に配置させ、中央にμ4-ヒドロキソ又はμ4-オキソをもつユニークな錯体を合成した。これら錯体では、隣接するNi(II)間に強磁性的相互作用を、対角するNi(II)間には反強磁性的相互作用を観測した。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 反応活性な多核金属錯体の設計合成と機能創成 — Design and creation of reaction active multinuclear metal complex
大川 尚士; OKAWA Hisashi; 大場 正昭 ... [ほか]
研究期間: 2002-2004
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概要: (1)リン酸トリエステル加水分解酵素類似機能 'end-off型二核化コンパートメント配位子を用いたbis(μ-carboxylato)-μ-phenolato錯体[M_2(L)(AcO)_2]^+ (M=Mn, Co, Ni, Zn)錯体をリン酸トリエステラーゼのモデルとしてtris(p-nitrophenyl)phosphate (TNP)→bis(p-nitrophenyl)phosphate (BNP^-)の加水分解を分光法およびESIマス質量分析法で研究した。加水分解能は、錯体の二核コアがMnMn〜ZnZn>CoCo>>NiNiの順に低下した。これは金属イオンに結合した水の求核性がこの順で低下することで説明される。リン酸トリエステラーゼは、MnMnではなくてZnZn二核コアを活性中心に持つ。これは、海水中の金属イオンの存在量がZn>>>Mnであることで理解できる。 (2)リン酸ジエステル加水分解酵素類似機能 リン酸ジエステラーゼの機能モデルとして[M_2(L)(AcO)_2]^+ (M=Mn, Co, Ni, Zn)錯体によるbis(p-nitrophenyl) phosphate (BNP^-)→mono(p-nitrophenyl) phosphate (MNP^<2->)の加水分解を研究した。加水分解は[M_2(L)(AcO)_2]^+ + BNP^- = [M_2(L)(AcO)(BNP)]^+ + AcO^-の平衡で生成する錯種[M_2(L)(AcO)(BNP)]^+を経由して進行し、加水分解能はMnMn〜CoCo>>NiNi>>ZnZnの順に低下した。ZnZn錯体の加水分解能が低い理由は、μ-acetato-μ-bnp錯体のコア構造が'rigid'で水分子の取込みが難しいためである。リン酸ジエステラーゼにはMnMnコアは存在するが、CoCoコアは見いだされていない。この理由は海水中の金属イオンの存在量がMn>>Coであることで理解できる。また、FeZnコアを有するpuple acid phophataseの最初の機能モデルの構築にも成功した。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ディスクリートな集積型金属錯体および集積系ユニットの創出 — Synthesis of Discrete Polynuclear Complexes and Units for Metal-Assembled Compounds
大川 尚士 ; OKAWA Hisashi
研究期間: 1998-2001
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概要: 大川は異なる金属結合サイトを備えた二核化及び四核化大環状コンパートメント配位子を用いて、多様な金属イオンの組合せからなるヘテロ金属錯体を合成して、その構造と物理化学的性質や機能との関連を研究した。また、二種類の金属イオンをシアン化物イオンで集積させた三次元ネットワーク構造の磁性体を研究して、構造が明らかにされた磁性系では最高の磁気転移温度(Tc=71K)を示すフェリ磁性体の合成に成功した。北川は人工ゼオライトとも云うべき三次元ネットワーク化合物を合成して、ゼオライト5Aを大幅に越えるメタンガス吸着を実現した。また、三次元ネットワークのチャンネル内にアミド基を組み込むことによって、極性分子を選択的に包接させることに成功した。更には、ナノ空孔を動的に変形させてゲスト応答性を示す高分子錯体の設計合成にも成功した。磯辺は16族元素を金属イオン集積配位ドナー原子とするクラスター及び多核金属錯体を研究して、バリーサイト、ブックシェルフおよび積層型不完全キュバン骨格などの欠陥構造をもつ多様なタングステン酸化物クラスターの合成し、また、親電子性と求核性を併せ持つRh_2Mo_6酸化物クラスターや色素の脱色を触媒するMn_2Mo_4クラスターの合成にも成功した。真島は、金属-金属多重結合をもつ二核錯体に金属を付加させる設計原理に基いて、全ての金属間に結合が存在するM-Mo-Mo-M(M=Pd, Pt, Rh, Ir)型4核錯体の合成に初めて成功した。大塩は、強磁性的クラスター錯体を研究して、アルコール性三座配位子から導かれる四核キュバン骨格錯体のうち四核鉄(II)錯体が単分子磁石として振る舞うことを見い出した。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 異常原子価ニ核錯体の特異物性と機能 — Characteristics and Functions of Dinuclear Complexes in Unusual Oxidation States
大川 尚士 ; OKAWA Hisashi
研究期間: 1997-1999
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概要: 1.二つのフェノール酸素を橋架け基として共有して、分子内に'salen'類似のN(imine)_2O_2金属結合サイトとN(imine)_2O_2S金属結合部位を有する大環状コンパートメント配位子を用いて、Co(II)Cu(I)ヘテロニ核錯体を合成した。その結晶構造解析の結果、N(imine)_2O_2金属結合サイトに、Cu(I)はN(imine)_2O_2Sサイトにあって、Cu(I)は極端に歪んだ平面構造を有することを確認した(Cu-N〜1.95Å、Cu-O〜2.35Å、Cu-S3.08Å)。この化合物は極めて酸素に鋭敏で、-50℃で短寿命のμ-peroxoCo(III)Cu(II)錯体を経由してCo(III)Cu(II)錯体に非可逆的に変換されることを、ESR及び可視スペクトル径時変化より明らかにした。 2.二つのフェノール酸素を橋架け基として共有して、分子内にN(amine)_2O_2およびN(imine)_2O_2の異なる金属結合部位を有する大環状コンパートメント配位子(L^<2->)を用いて、配位位置異性の関係にあるCu(II)M(II)およびM(II)Cu(II)(M=Co、Ni、Zn)ヘテロニ核錯体[CUM(L)](ClO_4)_2および[MCu(L)](ClO_4)_2合成して、X線結晶構造解析より異性体の関係にあることを確かめた。両異性体は全く異なる電気化学的挙動を示し、異常原子価の安定性が異なることが示された。 3.四つのフェノール酸素を橋架け基として共有して、分子内にN(imine)_2O_2金属結合サイトとN(imine)_2O_2サイトを交互に配置させた4核化大環状コンパートメント配位子をニ核銅(II)錯体として高収率で合成する方法を確立した。これよりCu(II)_2M(II)_2(M=Mn,Fe,Co,Ni,Cu,ZN)錯体を合成してその構造を決定し、物理化学的性質を調べた。錯体のコア構造はM(II)イオン及び対イオンで異なり、不完全ダブルキュバン(defective double-cubane)又はニ核の二両体(dimer-of-dimers)構造に分けられる。二つのタイプは異なる分子内相互作用を示し、異常低原子価状態の生成においても異なる安定性を示した。 続きを見る