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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 配偶子形成とゲノム刷込みのエピゲノム制御機構 — Epigenomic mechanisms in gametogenesis and genomic imprinting
佐々木 裕之 ; SASAKI Hiroyuki
研究期間: 2008-2012
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概要: 交付申請書の実施計画に沿って以下の研究を行った。(1)de novo DNAメチル化酵素本体と相互作用する有望な新規因子は得られなかったが、酵母2ハイブリッド法によりDnmt3Lと相互作用する因子を同定した。これがCa依存性プロテアーゼであることを示し、ノックアウト法により配偶子形成等への影響を調べている(分担者の秦が担当)。(2)piRNAの生合成に関わるMili及びMitoPLD/Pld6のノックアウトマウスを用いて、雄性生殖細胞においてインプリント遺伝子Rasgrf1がpiRNAに依存してDNAメチル化されることを発見した。ほかのインプリント遺伝子には影響がなかった。またpiRNAがRasgrf1のメチルを起こすには、相補的なnon-coding RNAの転写が必要であることを示した。これらを総合して、non-coding RNAがメチル化に必要な複合体をリクルートするというモデルを提唱した(Science 2011)。(3)アイコンプローブ(5-メチルシトシンに高い親和性を示す)による蛍光in situハイブリダイゼーションとオスミウムによる固定化で、サテライト配列のメチル化状態は常時単一細胞レベルで可視化できるようになった。しかし、シングルコピー配列の検出には至っていない。この方法を用いてこれまで非メチル化であると考えられていた雄性生殖細胞のサテライト配列が実はヒドロキシメチル化されていることを発見した(投稿準備中)。(4)各種Dnmtのノックアウト卵子を用いて、前年度に発見した卵子の非CpGメチル化はDnmt3aとDnmt3Lの複合体により触媒されることを発見した。非CpGメチル化の意義は不明だが、次世代シークエンサーを用いたゲノムワイドマッピングの結果、CpGメチル化が豊富な領域に非CpGメチル化も多く分布することが分かった。現在更に詳しい解析を行なっている。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ゲノム刷込み領域の構造特性と疾患遺伝子の探索
佐々木 裕之
研究期間: 1997
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概要: ゲノム刷込みを受ける遺伝子がクラスターを形成するマウス第7染色体遠位部は、インスリン依存性糖尿病、Beckwith-Wiedemann症候群、各種小児腫瘍などの責任座位を含むヒト11p15.5領域に相当する。このゲノム領域をモデルとして染色体ドメインレベルの刷込み制御機構を解明し、新たな疾患関連遺伝子を同定・解析することを目的として、以下の研究を行った。 1.対象となるおよそ1Mbのマウスゲノム領域をカバーするYACクローンを整列化し、コスミドサブクローンの整列化を開始した。これまでにおよそ0.5Mbの領域をカバーするコスミドを整列化している。 2.H19遺伝子と下流のL23mrp遺伝子の間に刷込みドメインの境界が存在することを報告した。つまりH19および上流の遺伝子は刷込み受けるが、L23mrpから下流の遺伝子は刷込みを受けない。そこには染色体の機能ドメインを区切るDNA配列が存在する可能性がある。 3.Igf2・H19遺伝子付近に新たな転写単位が複数あることを見つけた。そのうちIgf2付近のものは刷込みを受けることが分かった。 4.ヒトH19遺伝子を含むコスミドを得てその塩基配列を決定し、マウスの配列と比較検討したところ、遺伝子以外の領域に数ヵ所の保存された配列があることが分かった。これらの配列をマウスに導入したところエンハンサー活性をもつことが分かった。 今後この1Mbのマウスゲノム領域の塩基配列の決定、ヒト配列との比較・CpGアイランド検索・エクソントラップ法などにより新たな遺伝子を探すとともに、種々の機能配列も同定し、ドメインレベルの刷込み機構を明らかにする予定である。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ゲノム刷込み領域の構造特性と疾患遺伝子の探索
佐々木 裕之
研究期間: 1998-1999
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概要: ゲノム刷り込みを受ける遺伝子がクラスターとして存在するマウス7F4/F5領域はヒト11p15.5領域とシンテニーをなし、Beckwith-Wiedemann症候群、各種小児癌などの刷り込み関連疾患の責任座位を含んでいる。本研究では、ゲノム刷り込み領域の構造特性を明らかにし、疾患関連刷り込み遺伝子を単離するため、当該領域のゲノム解析を行っている。平成10年度はゲノム構造解析の最終段階に入り、以下の成果を得た。 (i)まずマウスの当該領域およそ1MbをカバーするYAC、BAC、コスミドクローンの整列化を完成させ、その物理地図を作成した。得られた整列化BACクローンをショットガン法でシークエンスし、配列のギャップを閉じる最終作業に入った。(ii)ヒトとマウスの配列比較によりH19遺伝子の下流に合計10箇所の保存された領域を同定し、トランスジェニックマウス作成によりそのうち7つが組織特異的エンハンサーであることを示した。(iii)遺伝子のマーカーであるCpGアイランド同定する簡便な方法を開発し、この方法を当該領域に適用して、5つの新規遺伝子候補領域を同定した。今後は得られた配列情報を整理し、制御配列同定と新奇刷り込み遺伝子同定の最終作業に入る。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 刷込みを受けるゲノムドメインの境界の構造と機能 — Structure and Function of the Boundaries of Imprinted Genome Domains
佐々木 裕之 ; SASAKI Hiroyuki
研究期間: 1998-1999
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概要: ゲノム刷込みを受ける哺乳類の遺伝子はクラスターを形成しており、刷込みドメインと呼ばれる機能単位が存在する。しかし個々のドメインが如何にして規定されているのか、ドメイン間の干渉が如何にして遮断されているのか不明である。そこでマウス第7染色体遠位部にある刷込みドメインのセントロメア側の境界(H19-L32mrp遺伝子間領域)を対象として、ドメイン境界を遮断する機構を調べ、以下の成果を得た。1.まずこの境界領域の全構造を決定し、刷込みを受けずかつ翻訳されない転写物Nctc1を同定した。2.ヒト-マウス間の塩基配列比較により境界領域内に合計10箇所の保存された配列があることが判明したので、個々の配列を検定用ベクターに接続してトランスジェニックマウスを作成した。その結果、10箇所のうち7箇所はそれぞれ特有の組織で働く組織特異的エンハンサーであることが分かった。3.L23mrpがこれらのエンハンサーを利用できないのは境界配列(インスレーター)があるためかプロモーター・エンハンサー不適合によるのかを区別するためトランスジェニックマウスを用いて調べたが、予想に反してL23mrp自身のプロモーター効果が非常に強かったため、エンハンサーの効果の有無の判定が困難であった。4.まとめると、この領域には翻訳されない転写物や組織特異的エンハンサーのクラスターがあることが分かり、これらのユニークな特徴からグロビンLCRと同様な境界決定を行っている可能性が示唆された。 続きを見る