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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 天然物の超臨界流体抽出における複合エントレーナ効果の解明 — Analysis of complex entrainer effect on extraction of natural products with supercritical fluids
岩井 芳夫 ; IWAI Yoshio
研究期間: 2004-2006
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概要: 超臨界二酸化炭素、超臨界二酸化炭素+水、超臨界二酸化炭素+エタノール、超臨界二酸化炭素+水+エタノールに対するカフェインの溶解度をオンラインの赤外分光器により静置法で測定した。測定は温度40℃、圧力は15.0MPaで行った。その結果、超臨界二酸化炭素に水を飽和状態まで添加することにより、カフェインの溶解度は22%上昇することがわかった。また、超臨界二酸化炭素にエタノールを1000molm^<-3>添加することによりカフェインの溶解度は5倍上昇し、エタノールのエントレーナ効果が大きいことがわかった。水とエタノールを同時に用いると、水またはエタノールを単独に用いるよりカフェインの溶解度のおよぼすエントレーナ効果が小さいことがわかった。さらに、超臨界二酸化炭素にカフェインを溶解させ、エタノールを添加すると、カフェイン中の2つのカルボニル基(2と6の位置)の赤外吸収ピークが変形したので、カフェインのカルボニル基とエタノールが相互作用していることが示唆された。そこで、カフェインのカルボニル基のピークを波形分離したところ、エタノールを添加すると低波数側に新たなピークが現れ、これをカフェインとエタノールの相互作用種のピークと同定した。そして、2の位置のカルボニル基は6の位置のカルボニル基よりエタノールと相互作用しやすいことがわかった。さらに、カフェインの溶解度におよぼすエタノールのエントレーナ効果をカフェインのカルボニル基とエタノールの相互作用種の観点から解析したところ、エタノールの添加に伴うカフェインの溶解度の上昇は、主として相互作用種の濃度の増加によるものであることが示された。 続きを見る
2.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 心筋筋小胞体の微小カルシウム放出の生理的意義に関する電気生理学的研究 — An electrophysiological study on miniature Ca relelase from the sarcoplasmic reticulum in cardiac myocytes.
穎原 嗣尚 ; EHARA Tsuguhisa
研究期間: 1988-1989
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概要: モルモット単一心室筋細胞において、筋小胞体からCaを放出させる目的で10-25mMのカフェインを作用させると、全細胞膜電位固定下においてパルス状微小内向き電流がバ-スト状に発生することが見いだされた。このバルス状電流について明らかになったことは以下の通りである。1.この電流の発生は、細胞内Ca注入や膜脱分極(細胞の収縮を伴う)によって増強するので、Caによってひきおこされたものである。すなわちカフェインにより筋小胞体から放出されたCaがこの電流を活性化している。2.このことは、筋小胞体のCa放出を特異的に阻害するリアノジン作用下ではカフェインはパルス状電流を発生させかなったことからも支持される。3.この電流が強く発生するときは細胞はほとんど収縮しないが、発生のない細胞は強縮し細胞死に至ったことから、Caの細胞外排出機構との関連が示唆された。4.セシウムを細胞内に負荷することにより背景膜電流を強く抑制した条件下で実験を行った結果、パルス状内向き電流の膜電位依存性を明らかにすることができた。すなわち、この電流はあたかもシングルチャネル電流のごとく振舞い、そのコンダクタンスはおよそ250pSであり、逆転電位はおよそ-10mVであった。5.この逆転電位値からチャネルのイオン特性は非特異的であることが予想されたが、事実細胞外NaをLiに置き換えてもパルス状内向き電流は発生した。以上、細胞内Caがコンダクタンスの非常に大きい非選択性陽イオンチャネルを活性化することが明らかとなった。このチャネルは、密度が他のイオンチャネルに比較して極端に低いので、形質膜のある特定の部位のみに分布していることが予想される。おそらく形質膜小胞体接着部位にあって、Caの排出、したがって細胞のCaホメオスタシスに関連するチャネルであろう。今後この点を含めてこのチャネルの生理的意義についてさらに研究を展開してゆきたい。 続きを見る
3.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 血管平滑筋細胞の細胞室カルシウム濃度調節機序
金出 英夫
研究期間: 1988
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概要: 光学的なCa動態・張力の同時測定法の開発に従事し、極小血管条件(長5、巾1、厚0.1mm)において、10nM以下の微量Ca濃度変化を記録することに成功した(Fura-2法)。これを用いて次の2点を明らかにした。 〔I〕豚冠動脈血管条件においては、カフェイン感受性細胞内Ca貯蔵部とヒスタミン感受性Ca貯蔵部は全く別物であり、重複が見られなかった。ヒスタミンは、K脱分極において見られる張力変化/Ca濃度変化比をはるかに越える張力発生を引起こすことが明らかとなった。一般に、受容体刺激によって引起こされる張力発生は、Ca濃度変化から予測される張力発生(スキンされた筋標本の張力発生)を、はるかに越えるものであった。 〔II〕内皮細胞由来収縮物質エンドセリンの豚冠動脈平滑筋に対する影響を調べた。Caを含む溶液中でエンドセリンを投与すると、速やかな細胞質Ca濃度(Ca)iの増加に引続いて張力が発生した。この(Ca)i上昇張力は各々30秒、1分でピークに達し、エンドセリン除去後もその値を維持した。ピーク値は用量依存性であった。Caを含まない溶液中では、エンドセリンは(Ca)iと張力の一過性上昇を引起こした。すなわち。(Ca)iと張力は各々30秒、2〜4分でピークに達した後、徐々に低下し、3〜5分、8〜10分で刺激前値に戻った。さらに無Ca溶液中でカフェインを繰り返し投与する事によってカフェイン感受性の細胞内Ca貯蔵部を枯渇したのちにエンドセリンを投与すると、一過性の張力発生がみられたが、(Ca)iは上昇しなかった。このCaに非依存性の張力発生は5分でピークに達し、8〜10分で刺激前値に戻った。この張力発生はH_7投与により阻止された。これらの結果から、エンドセリンは、細胞外Caに依存する機序に加えて、カフェインに感受性のある貯蔵部からのCa放出により(Ca)iを上昇させることが明らかになった。さらにエンドセリンは、(Ca)i非依存性でC-キナーゼを介する張力発生機序を有することが示唆された。 続きを見る
4.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 血管平滑筋細胞カルシウム動態連続観察法の確立とカルシウム制御異常発症機序の解明
金出 英夫
研究期間: 1986
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概要: 1.顕微鏡蛍光測定による細胞質【Ca^(++)】濃度変化測定法の確立。 (1)、初代培養ラット大動脈血管平滑筋細胞に【Ca^(++)】指示色素Quin2およびFura-2を生理的条件下で取込ませ、細胞質微小領域(<1μ【m^2】)の蛍光変化を顕微鏡測光することによって、細胞質【Ca^(++)】濃度変化の連続測定を可能にした。 (2)、この方法を用いて血管平滑筋細胞の細胞内【Ca^(++)】貯蔵部特性を検索した。ノルエピネフリン(NE),ヒスタミン(His),カフェイン(CF),【K^+】脱分極は、細胞内貯蔵部からの【Ca^(++)】放出による一過性細胞質【Ca^(++)】上昇を引起した。NEおよびHis感受性貯蔵部は、細胞を無【Ca^(++)】液に置くと【Ca^(++)】を容易に失い、有【Ca^(++)】液に戻すと容易に【Ca^(++)】が補給された。CFおよび【K^+】脱分極感受性貯蔵部は【Ca^(++)】を失い難く、補給が困難であった。NEとHisは同一の貯蔵部から、またCFと【K^+】脱分極も同一の貯蔵部から【Ca^(++)】を放出させた。しかしながら、NEおよびHisは、CF/【K^+】脱分極感受性貯蔵部から、逆に、CFおよび【K^+】脱分極は、NE/His感受性貯蔵部から、【Ca^(++)】を放出させることが出来なかった。百日咳毒素は、NEとHisによる【Ca^(++)】上昇作用は阻止できたが、CFと【K^+】脱分極の【Ca^(++)】上昇作用は阻止できなかった。培養血管平滑筋細胞の細胞内NE/His感受性【Ca^(++)】貯蔵部と、CF/【K^+】脱分極感受性【Ca^(++)】貯蔵部は、全く別物であることが示唆された。 2.生体【Ca^(++)】濃度変化測定法の確立、(血管条片における発生張力および【Ca^(++)】動態同時測定法の開発)。 豚冠動脈左回旋枝の摘出血管条片に【Ca^(++)】指示色素Fura2を生理的条件下で取込ませ、これを生体蛍光測光することによって、張力と【Ca^(++)】動態の同時測定が可能となった。この様な方法は未だに他に類をみないものである。この方法を用いて、β刺激薬イソプロテレノールの作用をみたところ、冠動脈の弛緩に伴って、血管平滑筋の細胞質【Ca^(++)】が低下することが明らかとなった。 続きを見る
5.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 冠動脈攣縮の発生と動脈硬化との関連並びに血管攣縮の発生機序に関する基礎的研究 — Relationship between the evolution of coronary artery spasm and atherosclerosis and related basic studies on the mechanisms of coronary spasm
中村 元臣 ; NAKAMURA Motoomi
研究期間: 1986-1987
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概要: 1.冠動脈攣縮の発生機序: (1)in vitroにおける研究方法の確立 生体で再現性良く誘発される冠動脈攣縮の発生機序を明らかにするにはin vitroの条件下で分析的且つ定量的な解析が必要である. 冠動脈造影で攣縮の誘発とその発生部位を確認した後心臓を摘出し, 等圧灌流装置に装着した. 冠動脈内径の変化を生体位と同様冠動脈造影で評価した. 電解質液灌流下でもhistamineによって生体位と同様の攣縮を再現することができた. この成績はミニ豚における冠動脈攣縮が血管壁自体の過剰収縮によって生じたことを示唆する. (2)冠動脈攣縮の発生機序:摘出心におけるhistamine誘発冠動脈攣縮はH_1遮断剤前投与あるいは無Ca液下では抑制され, 交感神経遮断薬の前投与では抑制出来なかった. 従って, 冠動脈攣縮はH_1レセプターを介するCa^<++>の過剰流入によると想定された. (3)攣縮部冠動脈と対側の内膜非剥離部から血管壁を切り出し等尺性張力測定装置に懸垂し, 血管作動薬に対する用量一作用関係を調べた. 攣縮部における内皮細胞依存性弛緩反応の抑制と中腹平滑筋におけるhistamine収縮の増強を見出した. 2.血管平滑筋の収縮・弛緩機序の細胞レベルでの解析: (1)培養血管平滑筋細胞におけるCa^<++>動態解析方法の確立と細胞内Ca^<++>動員機構の解明にラット胸部大動脈中膜平滑筋細胞を分離し, 初代の培養細胞にCa感受性蛍光色素guin-2を取り込ませた. 本法は細胞内の微小領域(<1μm^2)の自由Ca濃度変化を顕微測光によって定量的に評価する事が可能である. 本研究では膜電位に依存してCaを放出する細胞内のCa^<++>蓄積部位とカフェインによって放出されるCa^<++>蓄積部位が同一である事を明らかにした. (2)血管平滑筋細胞膜アドレノセプターの解析:ブタ冠動脈と大動脈の細胞膜分画について, α, β両レセプターの分布を明らかにした. 続きを見る
6.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 不整脈の周期性変動発現のメカニズムに関する実験的研究 — Mechanism of appearance of periodic variation of arrhythmias
Takashi YANAGA
研究期間: 1986-1988
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概要: 目的 不整脈の自然変動のメカニズムを基礎的に明らかにすることによって不整脈の診断、急死の予測、治療、心臓死の予防対策に資することを目的とした。 研究実施計画と成果 1)不整脈の実験モデルの作成 さきにわれわれはラットを用いて、心拍数と徐脈性不整脈が日内リズムを示すこと、その中枢は親交叉上核にあることを示した。今回は家兎を用い、10日ないし14日間心電図をテレメトリーを用いて連続記録を行い、オーディオメーターから発する規則的な音刺激には無反応であったが、拍手による音刺激では40.7%に中等度ないし高度の徐脈性不整脈が誘発されることを知った。この不整脈はエピネフリン静注による不整脈と類似した。また高度の徐脈性不整脈を示した一羽が急死した。 2)連結期と心室頻拍ないし細動の関係 血中Ca濃度が連結期の長さに関与し、その濃度が高いほど短い連結期で心室細動がおこり、Ca^<2+>拮抗剤はこれを抑制することが示された。 さきにわれわれはMnが家兎心房筋においてCa^<2+>ーインフラックスを抑制することを示した。今回、カフェインとマンガン(Mn)を用いて検討し、(1)カフェインのみでは拘縮は生じない。(2)Na欠乏では拘縮は生じやすくなる。Na^+ーCa^<2+>交換によるCa^<2+>汲み出しが抑制されるためと考えられる。(3)高K中でさらにカフェイン拘縮が生じやすくなる。脱分極によりNa^+ーCa^<2+>交換の抑制がさらに強くなるためと考えられる。(3)カフェイン拘縮はCa電流によるものと、筋小胞体からのCa^<2+>放出の2相にわけられることを知った。以上、重症不整脈の発生に音刺激、Ca、カテコラミン関与が示された。 続きを見る
7.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 温度感受性変異哺乳動物細胞を用いた放射線損傷発現機構の研究 — Study on the Expression of Radiation-Induced Damage Using Temperature-Sensitive Mammalian Cells.
SASAKI Hiroshi
研究期間: 1986-1988
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概要: BHK細胞由来の温度感受性変異株(ts ミュータント)を用いて潜在致死損傷(DLD)の発現における染色体凝縮(Chromosome Condensation)に伴うDNAクロマチンのコンホーメーション変化の役割について検討してきた。これまでに得た主な知見は次の通りである:1)染色体凝縮開始の制御機構がtsであるBN2株では非許容温度(40℃)下で細胞周期に関係なくPCC(Premature Chromosome Condensation)が起きるが、X線照射後にその様な状態にするとPLD著しく発現する。2)カフェインもDNA合成阻害剤下ではS期に同調されたtsミュータント(8株)に許容温度(33.5℃)でPCCを誘発するが、非許容温度ではBN75、BN250、BTN1株でPCC誘発が抑えられる。3)DNA合成阻害下でカフェインによりPCCを誘発させることによりPLDは著しく発現する。しかし、カフェイン単独処理によるPLD発現はPCC誘発を阻害する蛋白合成阻害剤により抑えられないので、この場合はPCCとは関係ない。4)BN75株を非許容温度で前処理するとカフェインによるPLD発現が抑制される。 以上の結果から、非許容温度(BN2)とカフェインによるPLD発現機構として次の様なモデルを考えている。BN2は染色体凝縮を起こす引き金蛋白のリプレッサー(RCC1)がtsで、非許容温度でこわれPCCが誘発される。一方カフェインによるPCC誘発とPLD発現にはBN75のts遺伝子が関与している可能性があり、これはユビキチン活性化酵素をコードしている事がすでに明らかにされている。カフェインはユビキチン系(Ubiquitin System)を介して、DNA合成阻害下ではRCC1をこわしてPCCを誘発したり、カフェイン単独でもヒストンを分解することによりDNAクロマチンのコンホーメーションを変え、それに伴いPLDを致死損傷として発現させているのではないかと想像している。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 心筋筋小胞体の振動性カルシウム放出の生理的意義に関する電気生理学的研究 — Electrophysiological study on the physiological roles of the oscillatory release of calcium from the sarcoplasmic reticulum in myocardium.
穎原 嗣尚 ; Ehara Tsuguhisa
研究期間: 1986-1987
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概要: 乳頭筋の実験において, 筋小胞体に発生する振動性Ca放出の性質を調べた結果, この現象は遅延後脱分極や後収縮に関与するのみならず, 細胞のCaホメオスタシスの一因子となっていることが示唆された. すなわちMgイオンは小胞体の振動性Ca放出を抑制するが, 同時に単収縮力を増大させることが見出された. これはMgが振動性Ca放出を抑えた結果小胞体のCa維持量が増加したことによると考えられる. 放出されたCaは形質膜の機構により細胞外に排出されるのであろう. これに対しカラェインは小胞体のCaを放出させ同時にCa吸収を抑制するので小胞体Caを減少させるという所見も得られた. 以上の実験は後電位や後収縮が発現する条件下で行ったものであるが, 正常な心筋においても小胞体の振動性Ca放出は微視的レベルで起こっていると考えられ, それが小胞体の従って細胞のCaホメオスタシスに関与している可能性がある. そこで筋小胞体由来のCaが形質膜にどのような電気現象を発生させるかを精密に検索するため, 単一心筋細胞を用いて膜電位固定下にカフェインを作用させた. その結果, カフェインは特異なパルス状内向き電流(20〜30pA)を発生させることが見出された. この電流はNa依存性であるがNaのLi置換によっては消失しない. 電流発生の様相からして, これは形質膜直下の小胞体のCa放出活動に由来している可能性が高く, 形質膜小胞体機能連関という観点から興味深いものである. 現在その本態についてなお研究中である. つぎに, 単離細胞のパッチクランプにおいて, 細胞内Caにより活性化される陽イオンチャネルを同定することができた. このチャネルはいわゆる一過性内向き電流に寄与するものと考えられる. このように, Caによって活性化される膜電流を2種類観察できたが, これらと膜のCa排出機構さらには細胞のCaホメオスタシスとの関連を今後さらに研究してゆくべきものと考える. 続きを見る
9.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 体組織中薬物の分析による脳死状態の解明 — Brain death diagnosed by forensic analgsis of drug distribution in human tissues
工藤 恵子 ; KUDO Keiko
研究期間: 1996-1997
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概要: 脳死状態を経過後心停止に至り,司法解剖に付された6名(脳死群)と脳死状態を経過しないで心停止に至った5名(非脳死群)の剖検死体について,体組織中カフェイン濃度をGC-MSを用いて測定した.その結果,非脳死群のカフェイン濃度は脂肪以外の体組織においてほぼ血中濃度と同じになった.脂肪では対血中濃度比は約0.3であった.脳死群においては脳と脂肪以外の体組織中カフェイン濃度は非脳死群と同様,血中濃度と等しくなった.脳のカフェイン濃度に関しては6例中5例については血中濃度より高く,輸血が行われた1例のみは血中濃度より低くなった.脂肪の対血中カフェイン濃度比は脳死群では非脳死群よりやや高い値となった.この脳死群における脳中薬物濃度の変化は,脳死状態において脳血流が停止したためにもたらされたものであろうと考えられた.そこで脳とその他の体組織中カフェイン濃度を比較することで,脳死の法医学的証明が可能であることが判明した. 次に,脳死状態を経過後心停止に至り司法解剖に付された49歳男性の各体組織中からGC-MSによりmepivacaine,pentazocine,lidocaineおよびthiamylalを検出した.mepivacaine,pentazocine,lidocaineの脳中濃度の対血液中濃度比はその他の体組織のそれに比べて高くなり,一方thiamylalの比は低くなった.そこで脳血流は前者の薬物の投与後,後者の薬物の投与前に停止したものと考えられた.脳の7つの部位についての各薬物の濃度は前者の薬物は,後頭葉と頭頂葉で高く,後者の薬物は小脳と延髄で高かった.以上のことから,脳血流は後頭葉と頭頂葉で最初に停止し,小脳と延髄で最後に停止したと考えられた.以上の結果,脳の各部位を含む体組織中薬物濃度を測定することは,脳死の時期と脳死に至る経過を知る上で大変有用であることが判明した. 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 体細胞の細胞周期とその制御機構-RCC1-RanGTPaseの解析を中心として-
西本 毅治
研究期間: 2000-2004
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概要: 1)RanGAP蛋白質の機能解析:分裂酵母のhistone H3と動物のヒストンを用いてRanGAPとの結合性をしらべたところ、histone H3のC端とRanGAPは結合した。この結合によりRanGAPの活性は完全に阻害された。そして、RanGAP/Sprna1p温度感受性変異のサプレッサーとして分離された、Histone H3-K9 methyltransferase Clr4がこの阻害を完全に回復させる事が生化学的に証明された。In vivoにおいても、ヒストンH3の強発現はclr4遺伝子欠損株では致死となったが、野生株では致死とはならなかった。さらに、興味あることにはRanGAP蛋白質がそれ自体でRan非依存的にClr4のHistone H3-K9 methyltransferase活性を促進した。これらの結果はRanGAPがヘテロクロマチン形成に関わっている事を強く示唆する。2)SpSnf2複合体を酵母より抽出し、Ranによる機能制御の有無をしらべる。【○!3】Clr4とSrSnf2以外にSerine/threonine kinase SpKsp1pが分離されている。このキナーゼとRanとの関連を調べる。3)出芽酵母Ran/Gsp1温度感受性変異株においてはDNA障害チェックポイント機構が活性化されており、野生型で致死である、MEC遺伝子欠損がこの株では致死とならなかった。この結果はRan cycleの新たな機能を示唆する。4)Mog1蛋白質の温度感受性変異株を分裂酵母を用いて作成し、そのサプレッサーを分離した結果、多数のNTF2が分離された。この結果はMog1蛋白質とNTF2蛋白質の機能的相関を強く示唆する。5)RCC1遺伝子に温度感受性変異を持つマウスは発生初期の卵割期に染色体凝縮を起こして死んだ。この結果、培養細胞での表現型が実際の動物体においても証明された。 続きを見る