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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 新規protein conjugationシステムと共役した小胞輸送機構の解明
藤田 英明
研究期間: 2002-2003
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概要: AAA-ATPaseのひとつであるSKD1とその結合蛋白質が、新規protein conjugationシステムを利用した細胞内小胞輸送(特にエンドソーム・リソソームにおける)を制御しているという作業仮説に基づいて研究を行った。昨年度はSKD1のATPase活性欠損型であるSKD1(E235Q)をアデノウイルスを用いて発現させるシステムを用いて、SKD1がエンドソームを介する様々な小胞輸送の過程に関与していることを明らかにした。さらにSKD1(E235Q)の発現によりリソソーム酵素(cathepsin D)の細胞外分泌も認められ、SKD1の機能異常が酵母細胞におけるいわゆるClass E Vpsのフェノタイプと同じであることを明らかにした。(J.Cell Sci 116(1)401-414(2003)) 今年度はさらに酵母Two-hybrid法により同定したSKD1結合蛋白質について機能解析を行い、以下の点を明らかにした。 (1)SBP1(SKD1 binding protein 1)が酵母Class E Vpsの一つであるVta1pのマウスホモログであることやSBP1/SKD1が巨大複合体を形成することも明らかにした。 (2)SBP1のヒトホモログがChediak-Higashi Syndrome原因遺伝子lyst(lysosomal traficking regulator)に結合する蛋白質の一つであり、SKD1(E235Q)発現によりlystの局在が膜画分へと変化することを見い出し、SKD1/SBP1/lyst複合体がエンドソーム膜上で機能している可能性があることを明らかにした。 (3)SBP3がユビキチンシグナル依存的膜蛋白質輸送を制御する因子である酵母ESCRT-IIIのサブユニットの一つであるVps2のマウスホモログであることを明らかにした。さらにSBP3のN末側Coiled-coilドメインがSKD1(E235Q)の膜結合に重要であることも明らかにした。(J.Cell Sci(2004),accepted) 以上のようにSKD1とその結合蛋白質がユビキチンシステムを含むエンドソーム・リソソームへの小胞輸送において重要な役割を果たしていることを明らかにすることに成功した。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of LAMP-2によるオートファジーおよび受容体輸送の制御機構 — Regulatory mechanism of autophagy and receptor trafficking by LAMP-2
田中 嘉孝 ; TANAKA Yoshitaka
研究期間: 2002-2003
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概要: 我々は、主要なリソソーム膜蛋白質の1つであるLAMP-2の機能解明を目的とし、LAMP-2欠損マウスを作成し、LAMP-2欠損が死亡率の上昇、蛋白質分解能低下とそれに伴うオートファゴソームの蓄積、心機能低下を引き起こすことを以前明らかにした(Tanaka, Y. et al.Nature 406,902-906 2000)。 本研究では、LAMP-2欠損により引き起こされるオートファゴソームの蓄積の分子機構について、LAMP-2欠損マウスから単離した肝細胞を用いてより詳細な検討を行った。その結果、LAMP-2の欠損により、新たに合成されたリソソーム酵素の細胞外への分泌量の増加が引き起こされた。このようなリソソーム酸素の過剰分泌は、リソソーム酵素の受容体の1つである分子量46-kDaのcation-dependent mannose 6-phosphate receptor(MPR46)の細胞内レベルの低下により引き起こされることが判明した。免疫電顕による観察から、MPR46がLAMP-2の欠損により蓄積したオートファゴソーム内に検出された。このような現象は正常細胞では観察されなかった。MPR46は、エンドソームでリソソームに輸送される蛋白質から選別されることにより再びTGNへ輸送され、リソソームに運ばれることはないことから、LAMP-2の欠損によりMPR46のエンドソームでの選別異常が生じていることが判明した。それ故、LAMP-2はMPR46のエンドソームでの選別輸送に重要な役割を果たしていることが示唆された。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 歯周病における免疫制御系プロテアーゼの機能解析
山本 健二
研究期間: 2002-2003
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概要: 歯周病は病原性細菌による感染力と宿主の生体防御機能のバランスが破綻することによって発症する慢性免疫性疾患である。歯周局所に浸潤する炎症性細胞群の蛋白分解システムは、生体防御機構の中核をなすもので歯周病発症においても極めて重要な役割を果たしているものと考えられる。本研究は、歯周病発症進展に関与する好中球、単球/マクロファージ、リンパ球などにおけるエンドソーム・リソソーム系プロテアーゼ、なかでも代表的なアスパラギン酸プロテアーゼであるカテプシンDおよびカテプシンEの機能を解析するものである。本年度はとくにカテプシンEの機能について解析を試みた。歯周病原性ジンジバリス菌を野生型マウスならびにカテプシンE欠損マウスに皮内注射すると、前者がほとんど生存する条件下で後者は時間経過とともに死亡する動物が増え、数日以内にすべてが死亡した。この結果は、カテプシンEが感染に対して重要な生体防御を担っていることを示している。さらにカテプシンE欠損マウスの解析から、本動物が強い酸化ストレスに曝されていることが明らかとなり、カテプシンEの欠損がエンドソーム・リソソーム系の破綻を誘導し、全身性の酸化ストレスをきたすことが強く示唆された。カテプシンE欠損マウスを用いて解明されてきた本酵素の生体防御機構における役割を、歯周病を含めた感染症との関係でさらに追究したいと考える。また今後、カテプシンE欠損が如何なる分子機構でエンドソーム・リソソーム系の破綻を誘導するのか、本酵素のターゲット蛋白質は一体何なのか等々、興味ある課題についても追究していく予定である。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 破骨細胞性骨吸収過程の小胞輸送におけるPI3-キナーゼの機能解析 — A Functional Analysis of PI3-kinase in the vesicle transportation in Osteoclastic Bone Resorption
西嶋 克司 ; NISHIJIMA Katsuji ; 山座 孝義
研究期間: 2005-2006
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概要: マウス骨髄細胞より分化誘導した破骨細胞様細胞(osteoclast-like cells, OLCs)におけるエンドソーム(endosome, ES)の動態を蛍光二重染色法にて解析した。 OLCsでは、cathepsinK(CathK)またはcystatinC(CysC)に陽性を示す大小のESが観察され、同一のESにてそれらの局在が一致していた。Dihydrochlorideはdinitrophenyl(DNP)はエンドソーム内の酸性環境形成の指標となりうる試薬である。DNP陽性ESとCathK陽性またはCysC陽性ESとは共存していた。後期ES膜タンパク1ysosomal associatemembraneprotein2(LAMP2)陽性ESはCathK陽性/CysC陽性ESと共存していたが、初期ES膜タンパクearlyendosomeassociateprotein 1(EEA1)陽性ESとは認められなかった。DNP陽性ESはLAMP2陽性ESと共存していたが、EEA1陽性ESとは共存していなかった。Phosphatydilinositol 3 kinase(PI3-kinase)阻害剤wortomannin(WT)は、CathK陽性/CysC陽性ESならびに、CathK陽性/cysc陽性EsとLAMP2陽性/DNP陽性Esとの共存関係を解消した。電顕での観察により、WT処理OLCsではESの貯留ならびに大型化が認められ、刷子縁が消失していた。したがって、破骨細胞内で合成されたCathK/CysCは、酸性後期ESに輸送され、骨面へのエキソサイトーシスが示された。 HRP添加後30分ではHRP陽性エンドソームとLAMP2陽性/DNP陽性ESとは局在が一致していなかったが、60分後ではそれらは同一ESとして観察された。いずれの作用時間でもHRP陽性ESとEEA1陽性ESの共存関係は認められなかった。WT処理OLCsでは、HRP陽性ESとLAMP2陽性/DNP陽性ESとの共存関係が解消されていた。その他の局在関係はWT未処理群と同じであった。したがって、破骨細胞内にトランスサイトーシスにより取り込まれたHRPは、酸性環境である後期ESに輸送される事が示された。 以上の結果から、破骨細胞におけるエキソサイトーシス/トランスサイトーシスの過程における後期ESへの膜輸送は、PI3-kinaseによる調節が示唆された。したがって、PI3-kinaseをターゲットする薬剤の開発は、骨粗髪症などの代謝性骨疾患の治療薬として有用なことが示唆された。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of リソソーム性薬物トランスポーター欠損マウスによる薬物耐性獲得の分子制御機構 — Molecular mechanism of acquisition of drug resistance in lysosomal drug transporter protein-deficient mice
田中 嘉孝 ; TANAKA Yoshitaka
研究期間: 2004-2005
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概要: 癌細胞は、治療途中に投与した抗癌剤に対して耐性になると同時に、治療には用いていない抗癌剤、しかも作用機構や構造が異なる薬剤に対しても耐性になることが知られている。これまで多剤耐性獲得機構としてP-糖蛋白質やMRPなどの薬物輸送ポンプの過剰発現が癌細胞の抗癌剤耐性に密接に関連していることが明らかにされているが、細胞内酸性コンパートメントであるエンドソーム・リソソームへの抗癌剤の隔離が癌細胞の耐性獲得の一因であることが知られている。最近、酵母のチミジン輸送欠損株を相補するマウスヌクレオシドトランスポーター(LAPTM4α)が同定された。この蛋白質は4回膜貫通蛋白質でエンドソーム・リソソーム膜に局在し、酵母の薬物感受性株に発現させるとこれまで報告されていたP-糖蛋白質やMRPと同様な多剤耐性を示すことが判明した。しかしながら、LAPTM4αが実際に動物細胞でこのような機能を発揮しているのかについては未だ明らかにされていない。それ故、本研究はLAPTM4αの欠損マウスを作成し、これまでP-糖蛋白質およびMRPでは説明出来なかった新たな多剤耐性獲得の分子機構の解明を目的とした。 申請者らは、LAPTM4αの遺伝子ノックアウトマウスの作成に成功し、ホモマウスにおける遺伝子レベル(RT-PCR)およびタンパク質レベル(特異的抗体の作成により)でのLAPTM4α欠損を証明した。形態学的観察の結果、正常マウスとLAPTM4αノックアウトマウス間において各種組織レベルおよびオルガネラレベルにおける形態学的差は見られなかった。さらに、正常マウスとの比較においてLAPTM4αノックアウトマウスにおけるリソソームの性質に大きな違いは観察されなかったが、LAPTM4αノックアウトマウスの繊維芽細胞にリソソームの若干の肥大化が観察され、この現象は、LAPTM4αをHeLa細胞に過剰発現させた時にも引き起こされた。それ故、これらの結果はLAPTM4αがリソソーム形成に関与することを示唆する。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of AAA-ATPaseSKD1によるユビキチンシグナル依存性膜蛋白質選別機構の解明 — A study of an ubiquitylation-dependent protein sorting regulated by SKD1, an AAA-ATPAse.
藤田 英明 ; FUJITA Hideaki
研究期間: 2004-2005
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概要: 本研究はエンドソームにおける膜蛋白質のユビキチン化とそれに続く選別輸送の分子機構を明らかにすること、これまで同定したSKD1結合蛋白質について機能解析を行い、エンドソームにおけるMVBの形成および膜蛋白質選別輸送の分子機構を明らかにすることを目的として行った。 1)SKD1(E2350)過剰発現により蓄積するユビキチン化膜蛋白質の網羅的プロテオミクス解析: アデノウイルスを用いた変異型SKD1(E235Q)発現によりエンドソームに蓄積するユビキチン化蛋白質を、細胞分画およびユビキチン抗体カラムを用いたアフィニティクロマトグラフにより精製した。得られたユビキチン化蛋白質をトリプシン消化後に質量分析法(ESI-LC-MS/MS)による網羅的プロテオーム解析を行い、ユビキチン化によりその局在が制御されている膜蛋白質を少なくとも20種類同定した。さらにこの中から8種類の膜蛋白質についてユビキチン化フォームの検出(ウエスタンブロッティングでラダーとして検出)あるいは変異型SKD1(E235Q)発現依存的な局在の変化を認めた。 2)SKD1結合蛋白質SBP1・SBP3(mVPS2p/CHMP2A)の機能解析: 可溶性細胞質蛋白質であるSBP1はそのC末部分のCoiled-coilドメインを介してSKD1と相互作用すること、SKD1(E235Q)の過剰発現によりSKD1とともに巨大蛋白質複合体を形成しエンドソーム膜上へと局在することなどを報告した。またSBP1のヒトホモログlip5(lyst-interacting protein 5)はリソソームの形態異常を示すChediak-Higashi Syndromeの原因遺伝子であるlyst(lysosomal trafficking regulator)に結合することから、SKD1/SBP1が何らかの形でlystの機能発現制御を行っている可能性が高い。SKD1(E235Q)を過剰発現させた細胞で可溶性膜蛋白質であるlystが膜画分へ局在変化することを明らかにした。さらにSBP3がSKD1とESCRT-IIIの相互作用に関与していることを明らかにした。 続きを見る
7.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 上皮細胞におけるエンド・リソソーム性プロテアーゼの機能に関する研究 — Function of endo-lysosomal proteinases in epithelial cells
筑波 隆幸 ; TSUKUBA Takayuki
研究期間: 2006-2007
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概要: 歯肉上皮は角化することで外界からの刺激やストレス、感染などから生体を防御する機能を持つと考えられている。歯肉上皮は主に扁平上皮細胞という角化した細胞で構成されており、同細胞は皮膚表皮を構成する細胞と同じである。近年、歯肉上皮や皮膚上皮に異常をもたらす遺伝子として、カテプシンと称されるエンドソーム・リソソーム性プロテアーゼが注目されている。例えば、カテプシンCが、ヒトにおいて遺伝子変異を来たし、酵素活性が減少するとPapillon-Lefevre症候群、あるいはHaim-Munk症候群と呼ばれる疾患を発症する。この疾患は歯肉上皮の角化異常により、重度の歯周病を呈するようになり、同時に皮膚特に手掌や足底の角化異常を起こす。さらにノックアウト(KO)マウスの解析から、カテプシンL-KOマウスは皮膚の無毛症と過角化症とを呈すると同時に、歯肉増症を呈する事も報告されている。 一方我々はエンド・リソソーム性アスパラギン酸プロテアーゼであるカテプシンEの生理学的・病理学的機能を解析するために、カテプシンE-KOマウスを作製した。カテプシンE-KOマウスは皮膚表皮の肥厚を伴うアトピー性皮炎様症状を呈した。また、最近同マウスは遺伝的背景によっては、皮膚上皮細胞性癌に進行することもある。これらの知見から、カテプシンE-KOマウスが、皮膚表皮のみならず歯肉上皮に何らかの異常をもたらす可能性が極めて高いと考えられる。しかしながら、実際どのような病態を呈するのか未だ明らかになっていない。そこで本研究では、エンド・リソソーム性プロテアーゼの上皮細胞における生理学的・病理学的機能に迫る実験を行った。これら一連の研究の最終目標は、カテプシン群をターゲットにした診断や治療薬への応用、特に歯科領域における上皮細胞性疾患、歯科領域では、歯周病、歯肉増殖症、上皮細胞性癌の診断や治療への応用である。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ユビキチン・リソソームシステムによる細胞膜蛋白質の機能発現制御の解明 — Traffic and expression of membrane proteins regulated by an ubiquitin-lysosome system
藤田 英明 ; FUJITA Hideaki
研究期間: 2006-2007
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概要: 申請者は変異型SKD1(E235Q)の過剰発現により変型したエンドソームに蓄積したユビキチン化膜蛋白質の網羅的プロテオミクス解析に成功した。同定された膜蛋白質の機能およびその代謝回転(寿命)がユビキチン・リソソーム系によりどのように制御されているかについて明らかにすることを目的として研究を行ってきた。その結果現在までに以下のような成果を得ることができた。 (1)トランスフェリン受容体が鉄イオン濃度依存的にユビキチン化され、リソソームにおける分解が促進される事を明らかにした。さらに、ユビキチン化部位であるリジン残基をアルギニン残基に変換した変異体では局在は変化しなかったものの、そのユビキチン化は認められず、代謝回転(寿命)が野生型よりも長くなっている事を明らかにした。(2)ITM2Bについてユビキチン化部位であるリジン残基をアルギニン残基に変換した変異体を細胞内に発現させ、その機能および細胞内輸送の変化を野生型と比較・検討を行ったところ、予想に反して両者の間には細胞内局在や代謝回転速度に違いが認められなかった。(3)ユビキチンリガーゼであるNedd4と相互作用するNDFIP2がConnexin43のユビキチン化・分解を負に制御していることを見いだした。NDFIP2のRNAiによるノックダウンによりConnexin43の分解が促進され、Gap-junctionの機能が低下していること、逆に過剰発現によりGap-junctionの形成が促進されることも明らかにした。またNDFIP2は少なくともNedd4,AIP4,WWP2と相互作用していることが明らかとなった。(4)亜鉛イオンを細胞内に取り込む輸送体であるSlc39Al4が細胞表面に局在する事を明らかにした。 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 細胞膜-エンドソーム間蛋白質輸送におけるプラスマローゲンの機能解明
本庄 雅則
研究期間: 2006-2007
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概要: エーテルリン脂質プラスマローゲンの合成はペルオキシソームで開始される。ペルオキシソームの形成不全変異細胞ではプラスマローゲンが欠損し、コレステロールやプラスマローゲンに富むラフトと相互作用するモデルGPIアンカー蛋白質は、よりエンドソームに局在した。同様の現象は新たに分離したプラスマローゲン合成不全変異細胞でも観察された。これらの変異細胞ではGPIアンカー蛋白質が局在するエンドソームにおいてアクチンの重合が観察され、かつアクチンの重合は細胞内プラスマローゲン量に依存していた。また、モデルGPIアンカー蛋白質のエンドソーム局在性は短時間のアクチンの脱重合剤処理により、速やかに解消された。従って、プラスマローゲンはエンドソームにおけるアクチン重合の制御を介してモデルGPIアンカー蛋白質のエンドソームにおける局在性を制御していることが推察された。また、プラスマローゲンは定常状態においてエンドソームや細胞膜などに存在しているが、プラスマローゲンの合成が完了する小胞体から細胞膜へのプラスマローゲンの輸送が分泌経路に非依存的で、かつ一部ATPに依存した経路によって細胞膜へ輸送されることを明らかにした。以上の成果は、プラスマローゲンの細胞内分布に基づいた機能理解へとつながる進歩であると同時に、細胞膜受容体蛋白質の細胞膜-エンドソーム間の輸送制御による機能調節の一つとしてプラスマローゲンを介した制御システムが考えられる。 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ユビキチンシグナルによるトランスポーターの細胞内輸送制御機構の解明
藤田 英明
研究期間: 2006-2007
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概要: 細胞膜表面で機能するトランスポーター等輸送分子は通常は形質膜上に留まらず、一定の割合でエンドサイトーシスされエンドソームを経由して細胞表面へとリサイクルされ、また必要に応じてリソソームまで運ばれて分解を受ける。申請者は変異型SKD1(E235Q)の過剰発現により、変型したエンドソームにユビキチン化された膜蛋白質が蓄積することを見出し、さらにそこに蓄積したユビキチン化膜蛋白質の網羅的プロテオミクス解析に成功した。興味深いことに同定された膜蛋白質の中にトランスポーター分子が多数含まれていた。ユビキチン化によるこれらの選別輸送機構について分子レベルで明らかにすることを目的として研究を行い、現在までに以下のことについて明らかにした。 (1)ユビキチンリガーゼであるNedd4と相互作用するNedd4 interacting protein 2(NDFIP2)がConnexin43のユビキチン化・分解を負に制御していることを見いだした。NDFIP2のRNAiによるノックダウンによりConnexin43の分解が促進され、Gap-junctionの機能が低下していることを見出した。さらにGFP-NDFIP2の過剰発現によりGap-junctionの形成が促進されることも明らかにした。WW-ドメインを有するNDFIP2とHECT-ドメインを有するユビキチンリガーゼ群(Nedd4,AIP4,WWP1,WWP2)との相互作用を調べたところ、NDFIP2は少なくともNedd4,AIP4,WWP2と相互作用していることが明らかとなった。 (2)これまでに亜鉛イオンを細胞内に取り込む輸送体であるSlc39A14が細胞表面に局在する事を明らかにした。現在Slc39A14が同様な亜鉛イオン濃度依存的なダウンレギュレーションを受けるかについて検討中である。 続きを見る