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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ヒト膀胱平滑筋のK_チャネルの分子薬理学的研究と新規K_開口薬の検索
柚木 貴和
研究期間: 2002-2003
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概要: 尿意切迫、頻尿、尿失禁といった症状を呈する過活動膀胱(overactive bladder : OAB)に対し、本研究はヒト膀胱平滑筋のK_<ATP>チャネルの分子薬理学的特性を解明し、OAB治療に対して臨床応用が可能なK_<ATP>チャネル開口薬の開発を目指した。 K_<ATP>チャネルはチャネルポアを形成する内向き整流性K^+チャネル(Kir6.0)とスルフォニルウレア受容体(SUR)によって構成される。Kir6.0ファミリーとしてKir6.1とKir6.2が、SURファミリーとしてSUR1、SUR2A、SUR2Bがクローニングされている。従来血管をはじめとする平滑筋型K_<ATP>チャネルは主にKir6.1+SUR2Bの組み合わせであると考えられてきた。 パッチクランプ法を用いた検討では膀胱平滑筋K_<ATP>チャネルは内向き整流性を示し、約80pSのチャネルコンダクタンスを有し、高いATP感受性を有していた。これらの特性に加えRT-PCR法やWestern-blotting法でKir6.2が検出されたことより、ヒト膀胱平滑筋では主にKir6.2が機能的に発現していると考えられた。 さらにヒト膀胱平滑筋のSURサブタイプを検討するとSUR2 agonistであるpinacidil、SUR1 agonistであるdiazoxideいずれによってもK_<ATP>チャネルは活性化され、Western-blotting法でもSUR1、SUR2いずれも検出された。この結果よりヒト膀胱平滑筋においてはSUR2B+SUR1が発現している可能性がある。 また同時に比較的組織として取り扱いやすいブタ尿道平滑筋を用いてSURサブタイプを解析したところ、SUR2Bに加えてSUR1が機能的に発現していることが明らかとなりこれを報告した。 これらの我々が本研究において発見した結果は新しい平滑筋型K_<ATP>チャネルの分子構成の概念を導くものであると考えられる。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ヒト膀胱平滑筋のATP感受性K^+チャネルの分子薬理学的研究-高齢化社会に向けて- — Molecular and pharmacological investigation of ATP-sensitive K^+ channels in human detrusor
寺本 憲功 ; TERAMOTO Noriyoshi
研究期間: 2002-2003
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概要: 近年、分子生物学的手法によりK_<ATP>チャネルは少なくとも2種類の蛋白質、すなわちチャネルポアを形成する内向き整流性K^+チャネル(Kir : Inwardly rectifying K^+ channels)とスルフォニルウレア受容体(SUR : Sulphonylurea receptors)より構成されることが明らかとなった。それらKirとSURにはそれぞれ数種類のサブタイプが存在する(Kir : Kir6.1とKir6.2の2種類のサブタイプ、SUR : SUR1、SUR2AとSUR2Bの3種類のサブタイプ)。そのKirとSURの種々のサブタイプの組み合わせが臓器によって異なりそれぞれのK_<ATP>チャネルの薬理学的特性を決定していると考えられる。例えば膵臓β細胞型K_<ATP>チャネルの組み合わせは、Kir6.2/SUR1から構成され、心筋型K_<ATP>チャネルは、Kir6.2/SUR2Aの組み合わせ、血管平滑筋型K_<ATP>チャネルは、Kir6.1/SUR2Bの組み合わせから構成されていると考えられている。 本研究ではヒト膀胱平滑筋におけるK_<ATP>チャネルの電気生理的、薬理学的及び分子生物学的特性を明らかとし、そのK_<ATP>チャネルの分子実体を解明することに主眼を置いた。ヒト膀胱平滑筋型K_<ATP>チャネルのKir蛋白タイプは、チャネル蛋白としてKir6.1は細胞膜上に発現しているものの実際にはヒト膀胱平滑筋型K_<ATP>チャネルのチャネルポア領域の蛋白質はKir6.1蛋白ではなく主にKir6.2蛋白である可能性が強く示唆された。またヒト膀胱平滑筋型K_<ATP>チャネルのSUR蛋白のサブタイプは、SUR1とSUR2Bの異なる受容体が関与する可能性が強く示唆された。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 高血圧病態における血管平滑筋および内皮のカリウムチャネルの発現と機能変化 — EXPRESSION AND FUNCTIONAL ALTERATION OF POTASSIUM CHANNELS IN VASCULAR SMOOTH MUSCLE AND ENDOTHELIAL CELLS IN HYPERTENSION
大屋 祐輔 ; OHYA Yusuke
研究期間: 2001-2002
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概要: 本研究では、血管平滑筋細胞と内皮細胞のイオンチャネルの変化について、高血圧ラットのSHR-SPとそのコントロールラットであるWKYを用いて検討を行った。血管平滑筋では、高血圧の進展とともに電位依存性K電流が減少した。また、高血圧発症以降も、アンジオテンシン受容体拮抗薬による降圧治療により一部改善したため、血圧の持続やレニンアンジオテンシン系の関与がこの変化を生じさせているものと考えられた。薬理学的検討では4-aminopyridine感受性電流が主に変化していた。定量的PCRでは、主にKv2.1が減少しており、Kv1.2、Kv1.5、Kv9.2には変化はみられなかった。以上の結果より、Kv2.1の減少が電位依存性K電流減少のひとつの原因と考えられた。血管内皮においても、高血圧の進展とともに電位依存性K電流が減少していた。この成分も4-aminopyridineに感受性があった。免疫染色では主にKv1.5の染色性が認められ、SHR-SPでWKYに比較して減少していた。また、大動脈リング標本を用いて、内皮依存性弛緩の検討を行った。SHR-SPはWKYに比較してAchに対する弛緩反応が減弱しており、superoxide dismutaseの投与により一部改善した。WKYの弛緩反応は4-aminopyridineの存在下で減弱しsuperoxide dismutaseの存在で一部改善した。以上より、血管内皮細胞の脱分極は活性酸素の産生増加を介して血管内皮依存性弛緩反応を減弱するものと考えられた。アンジオテンシンIIは、細胞膜表面の受容体に作用するが、細胞内にアンジオテンシンIIやその結合部位が存在すると報告されている。血管平滑筋細胞内にアンジオテンシンIIを注入し、カルシウムチャネルに及ぼす影響を検討した。細胞内にアンジオテンシンIIを注入すると、カルシウム電流が増加した。この変化は、タイプ1受容体拮抗薬、Cキナーゼ、G蛋白、フォスフォリパーゼCの阻害薬で阻害された。以上より、血管平滑筋細胞の細胞内にはアンジオテンシンタイプ1受容体様の結合蛋白が存在し、G蛋白、フォスフォリパーゼC、Cキナーゼの活性化を介してカルシウムチャネルの活性に変化を与えるものと考えられた。 続きを見る
4.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 過活動膀胱の分子生物学的・電気生理学的特性を解明し、新治療法の可能性を探る — The investigation into the molecular and electrophysiological properties of overactive bladder and the research for the novel consequent treatment
梶岡 俊一 ; KAJIOKA Shunichi
研究期間: 2008-2010
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概要: ブタ膀胱排尿筋を用いた研究では、ATP感受性Kチャネルの電気生理学的チャネル特性を明らかにし、さらに分子生物学的手法を用いて、このチャネルのサブユニットの構成を明らかにした(Kajioka et al. J Pharmacol Exp Ther 2008)。ヒトの膀胱排尿筋でも、世界で初めて、ヒト膀胱排尿筋のATP感受性Kチャネルのシングルチャネル電流の観察に成功し、さらに電子伝達系で重要な役割を果たすβ-nicotinamide adenine dinucleotide (βNAD)がATP感受性Kチャネルを活性化する能力を有していることを発見した(Kajioka et al. J Urol 2011 in press)。 モルモットの正常膀胱と過活動膀胱モデルの比較検討においては、Western Blotting法、免疫組織化学的染色法では定量的に、膀胱に発現する間質性細胞の発現量やギャップジャンクションの発達の差異を示すことはできなかったが、排尿筋層のムスカリン受容体のサブタイプであるM2、M3受容体の2種類のサブタイプの発現に関しては、免疫組織化学的手法で、この双方のサブタイプとも発現量が増加していることが示唆された。過活動膀胱では、Rhoキナーゼ(ROK)、PKCによるCa 感受性の増加を確認し、過活動膀胱の収縮力の増加の一部を担っていることが示唆された。また、ヒト排尿筋においては、この二つのCa 感受性の増加の経路は、主にM3受容体の活性化によるが、M2受容体はcAMPのdown-regulationを介して、間接的に、ROK経路を活性化してCa 感受性に関わっていることが示唆された。 続きを見る
5.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of マウス輸精管平滑筋における電位依存性Naチャネルの分子実体の分子薬理学的解明
寺本 憲功
研究期間: 2007-2008
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概要: 研究の目的:様々な平滑筋組織において活動電位が記録されtetrodotoxin投与にて選択的に消失する。しかし平滑筋型Na^+チャネルのチャネル特性やその分子実体に関しては未だ全く不明のままであった。様々な分子生物学的手法(RT-PCR法、in situハイブリダイゼーション法、免疫組織化学染色法等)および電気生理学的手法を用いてマウス輸精管平滑筋におけるNaVチャネルの主要構造を成すαサブユニット蛋白質はScn8aにてコードされるNaV1.6であると報告した(<Zhu HL>___- et al.Biophyscal Journal,94:3340-3351,2008)。本研究にてNaV1.6チャネル蛋白質をコードするScn8a遺伝子欠損マウス(NaV1.6^<-1->マウス)を用いて分子遺伝学のツールを用いて検証することを研究目的とした。 研究実施内容:野生型マウス(NaV1.6^<+/+>マウス)における輸精管平滑筋細胞においてはNa^+電流は記録されたが、一方、NaV1.6^<-/->マウス輸精管平滑筋ではNa^+電流は全く記録されなかった(<Zhu HL>___- et al.British Journal of Pharmcology,in press,2009)。またNaV1.6^<+/+>マウスの輸精管平滑筋細胞に対してNa^+チャネルの選択的活性化薬であるveratridineを投与すると低濃度では活性化されたが、高濃度のveratridineではNa^+電流は抑制された。しかしveratridine投与にてtail電流および持続的なNa^+電流が新たに生じた。一方でNaV1.6^<+/+>マウス輸精管平滑筋細胞に対してveratridineを投与しても何も電流が生じなかった。以上の結果から平滑筋型NaVチャネルのαサブユニット蛋白質の分子実体はNaV1.6である可能性が強く示唆された。 今後の研究計画:今後、NaV1.6^<-/->マウスとNaV1.6^<+/+>マウスを用い、両マウスにおける輸精管平滑筋の機能的な特性を比較することにて平滑筋型NaVチャネルに関する生理学的な役割を明らかにする計画である。 続きを見る
6.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 腸間膜微小動脈に高密度に存在する新型カルシウムチャネルの電気生理及び薬理学的研究
森田 浩光
研究期間: 2001-2003
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概要: 今年度は、ラット腸間膜動脈からcDNAライブラリーを作成し、新型カルシウムチャネルの遺伝子クローニングを試みた。この計画に先立ち、新型カルシウムチャネルに類似した急速不活性化型の既知の電位依存性カルシウムチャネル遺伝子(α1E,α1G,α1H,α1I)について、ラット腸間膜動脈最終分岐部より採取した全RNAを用いてRT-PCRを行った結果、α1G及びα1Hのバンドが検出された。recombinantのα1E及びα1Gをbaby hamster kidney(BHK)細胞及びhuman embryo kidney(HEK)細胞に強制発現し、電気生理学的及び薬理学的に新型カルシウムチャネルと比較検討した結果、新型カルシウムチャネルは薬理学的にα1Gに一部類似していたものの、その結果は全て一致するものではなく、また生物物理学的性質(活性化閾値、不活性化時間、チャネルコンタクタンス等)は、似ているとは言い難い結果を得た。また、NIH3T3細胞などの線維芽細胞にα1Gが発現していることはよく知られた事実であり、RT-PCRによって得られたα1G陽性の結果は、血管組織内の線維芽細胞のコンタミネーションか原因ではないかと考えられた。α1Hについては、遺伝子の提供者がなかったことから、電気生理学的及び薬理学的検討はこれまで実現できなかったが、今年度作成したcDNAライブラリーを用いて、さらに遺伝子クローニングを続けていく計画である。以前の国内外のα1Hに関する論文と我々の新型カルシウムチャネルを比較してみると、条件等が異なり直接比較することは困難であるが、活性化閾値は違うものの、CaとBaの透過性などは類似している。こうした背景から、新型カルシウムチャネルはα1Hの血管型のsplice variantである可能性も十分考えられる。 また、昨年度より米国バーモント大学のMark T.Nelson教授との共同研究で開始した、ラット脳血管平滑筋における張力感受性非選択的陽イオンチャネルの研究は、張力負荷により筋小胞体からのカルシウム放出が起き、その結果、細胞内Ca感受性のTRPM4様チャネルが開口し、脱分極を引き起こすことが判明した。このことが電位依存性Caチャネルの開口を促し、更なるカルシウム流入を引き起こすことにより、血管のトーン維持機構が働いていることが示唆された。この結果は現在、投稿準備中である。 続きを見る
7.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 心不全に関わるG蛋白質シグナリング経路の解析と新たな治療標的の探索 — Analysis of G protein signaling pathways involved in the development of heart failure and discovery of the novel therapeutic target.
西田 基宏 ; NISHIDA Motohiro
研究期間: 2007-2009
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概要: 細胞膜上の受容体と共役する三量体G蛋白質の役割に着目し,Gq蛋白質シグナリングが心肥大形成に,G12蛋白質シグナリングが線維化の誘導に関わることを見出した.また,Gq蛋白質の下流で活性化されるCa^<2+>シグナリングを制御する新たな標的分子としてTRPCチャネルを,G12蛋白質シグナリングを活性化するトリガー受容体としてP2Y6受容体を同定した.さらに,これら標的分子の阻害が心不全を抑制することをマウス心臓を用いて初めて明らかにした. 続きを見る
8.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ナノバブルによる新しい遺伝子導入法の開発と末梢循環障害の治療への応用
寺本 憲功
研究期間: 2007-2008
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概要: 我々は様々な低分子の安定ガスを用いてナノサイズのガス粒子およびGFP発現遺伝子を共に封入させ、さらにその周囲を様々な種類のリン脂質を用いて新規ハイブリッド型ナノバブルを試作した。これらの作成したハイブリッド型ナノバブルを用いてHEK293細胞(培養細胞)へのGFP発現遺伝子の導入効率を指標としGFP蛍光をFACSにて計測しその導入効率を定量化した。その結果、最終的に低分子の安定ガスとしてはC_3F_8ガス、またリン脂質としては (Distearoyl-Phosphocholine)-Distearoyl-Phosphoethanolamine-Poly Ethylene Glycolと(Distearoyl phosphatidylcholine)-Poly Ethylene Glycolを選び、ハイブリッド型ナノバブルを完成した。本ハイブリッド型ナノバブルは下記の優れた特徴を有した。 1)リン脂質から成る脂質2重膜内の液相中に導入遺伝子が内封され、血液(体液)中でも導入遺伝子(cDNA)はエンドヌクレアーゼにて加水分解されない。 2)ハイブリッド型ナノバブル内には液相が存在する。この液相中に水溶性のプラスミドDNAが溶解し、導入遺伝子は長期間、安定した状態でハイブリッド型ナノバブル内に保存される。 3)ハイブリッド型ナノバブル内にはC_3F_8ガスから成るナノサイズの微小ガス粒子が含まれ、封入された導入遺伝子の近傍にてC_3F_8ガスによる有効かつ強力な衝撃波が生じるため、in vivo条件における遺伝子導入効率が極めて高い。 4)ハイブリッド型ナノバブルはリン脂質2重膜にてコートされているため、ゼータ電位がほとんど無い。したがってマイナス電荷に帯電している細胞膜に対しても何ら影響なく接近し細胞内に導入することが可能である。 すなわち、本ハイブリッド型ナノバブルはソノポレーション法による低侵襲性遺伝子導入の臨床応用に向け、今後、極めて有用なナノサイズレベルの遺伝子導入ツールに成りうると考えた。現在、本研究成果を基に特許の申請準備および原著論文の執筆中である。 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of アミノ酸作動性チャネルによる細胞外マトリックス制御機構の解明
西田 基宏
研究期間: 2011-2012
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概要: 生体内のアミノ酸は,蛋白質の構成成分としてだけでなく,細胞内シグナル伝達経路を活性化する細胞外リガンドとしても働いている.生体内のアミノ酸バランスの破綻と様々な疾患との関連が示唆されているものの,両者を直接結びつけるアミノ酸の標的分子は見つかっていない.我々は最近,プロリンなど特定のアミノ酸で活性化されるカチオンチャネル(Proline-Activated Channel:PRAC)を同定した.ラット心線維芽細胞にL-プロリンを処置すると,濃度依存的なCa2+濃度上昇が観察され,この応答はPI代謝回転阻害薬では抑制されなかった.薬理学的解析および電気生理学的解析の検討結果から,PRACは電位非依存性の直線に近いI-V曲線を示し,既知のチャネル(TRP)と複合体を形成する可能性が示された.全アミノ酸(D体も含む)に対するCa2+応答性を調べた結果,プロリン以外にもL-ハイドロキシプロリンやアラニンによっても活性化されることがわかった.さらに,PRACを過剰発現させた心線維芽細胞ではコラーゲンやフィブロネクチンなどのマトリックスmRNA量が低下していること,カルシニューリン阻害剤処置によりコラーゲンmRNA量の低下がキャンセルされることが明らかになった.以上の結果は,PRACが細胞外マトリックス代謝制御において重要な役割を果たす可能性を示している. 続きを見る
10.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 化学受容におけるトランスダクションの分子機構 — Molecular Tranduction Mechanism in Chemoreception
木島 博正 ; KIJIMA Hiromasa
研究期間: 1988-1990
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概要: 1.前年度に引き続きイモリとカエルの単離嗅細胞にパッチクランプ法を適用して研究を進めた。嗅細胞を全細胞クランプし、匂い物質を与えた時に活性化される陽イオンコンダクタンスと、細胞内に_cAMPを注入したときに活性化される陽イオンコンダクタンスとの詳しい比較を行った。その結果両者が嗅毛と嗅小胞に局在すること、逆転電位とイオン選択性が同一であること、細胞内に流入したCa^<2+>イオンによって順応が起こる閉となど全く同一の性質を持ことが明らかになった。即ちサイクリックヌクレオチド作動性トランスダクション・カチオンチャンネルが嗅覚のトランスダクションを行っている。また、細胞内に流入したCa^<2+>イオンによって起こる順応は、Ca^<2+>イオンが直接トランスダクションチャンネルに作用してブロックするのではなく、_cAMPなどの細胞内セカンドメッセンジャ-系に作用することによって起こることが明らかになった。(渋谷、中村、鈴木) 2.ハエの唇弁味細胞を単離して培養したものにパッチクランプ法を適用し、糖などの味物質を受容するレセプタ-とイオンチャネルの複合体(複合体型トランスダクションチャネル)が受容膜に存在して情報変換を行っていることを明らかにした。また。IP_3,_cGMP,Ca^<2+>イオンが細胞内で受容過程の修飾をしている可能性が高い。(木島、尼川、嶋田、谷村) 3.カエルの味細胞を単離して全細胞クランプし、酸味受容は、酸によって活性化されるカチオンチャネルによって味細胞が脱分極することに起因することを明らかにした。(佐藤) 4.マウスの甘味アミノ酸DーpheとLーproの受容体は第4染色体上の極めて近接した座位にある複合遺伝子群によって支配されている。 続きを見る