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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of プリオン病をはじめとしたコンフォメーション病の治療薬剤の開発と作用機序解明 — Development and pharmacological analysis of therapeutic drugs for conformation diseases and prion diseases
堂浦 克美 ; DOH-URA Katsumi
研究期間: 2002-2004
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概要: 本研究は、プリオン病、アルツハイマー病やアミロイドーシスなどのコンフォメーション病に共通した治療予防薬を開発するとともに、その作用機序に関する薬理学的解明を目指したものである。3種のin vitroアッセイ法を用いて治療候補化合物をスクリーニングし、キノリン環化合物、ベンゾチアゾール環化合物、非キノリン環キレート化合物、コンゴーレッド関連化合物、硫酸化多糖などに各種の異常立体構造蛋白質の産生・凝集体形成や神経細胞毒性を抑制し、それ自身の神経細胞毒性が低いものを多数発見した。作用機序に関しては、アミロイド化ペプチドを用いて表面プラズモン共鳴法や円二色性スペクトルで解析した結果、大半の有効化合物がβシート構造の核となる疎水性アミノ酸配列を含む疎水性ポケットに疎水性結合で作用することが推定された。また、疎水性相互作用の強さと凝集阻害効果とは相関するものの、細胞障害抑制効果とは必ずしも相関しないことを明らかにした。in vitroで極めて有効で脳内移行が良好である化合物のうち、代表的なものについて、各種モデル動物において末梢投与での治療効果を評価した。その結果、化合物Aは毒性が見られない低用量の持続経口投与で著明な予防・治療効果を発揮することを明らかにした。また、in vivoでの毒性が極めて低い化合物MCは、皮下への単回投与で最も著明な予防・治療効果を発揮することを明らかにした。なお、in vitroで極めて有効で脳内に容易に移行し異常立体構造蛋白質と結合することが確認できたにもかかわらず、in vivoで有意な効果を示さないものがあり、この原因として異常立体構造蛋白質側の要因以外に宿主側要因も関与している可能性を示した。以上の成果により、コンフォメーション病共通治療薬開発は、次のトランスレーショナルリサーチに向けての準備が整った。 続きを見る
2.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of コンホメーショナルディジーズの解明を目指してのNMRを用いた蛋白質の変性構造解析
大栗 誉敏
研究期間: 2003-2004
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概要: 本研究の目的は、リゾチームをモデルに、アミノ酸変異による変性構造変化がどのように凝集反応と結びつくかを調べることである。還元リゾチームは強い変性条件下でさえも疎水クラスター(A9,W28,W62,W108,W111,W123からなる)を形成する事が報告されているが、我々のグループはTrp62Gly変異体ではその疎水クラスターがすべて崩壊することをNMRの緩和解析により明らかにした。 15年度ではリゾチームの4つのSS結合を1つだけ保持するような種々の変異体とこれらにW62G変異を加えた変異体の計16種を作製し、還元変性状態に近いモデルを構築した。結果として変性構造がSSの優位な形成に寄与し、変性構造が崩壊するとSS結合形成がランダムに起こることが示唆された。 16年度において、野生型及びW62G変異体についてSS結合を化学修飾で還元状態にしたリゾチームを作製し、フォールディング条件下におけるアグリゲーション反応の比較を行った。その結果、変性構造が崩壊するW62G変異体は野生型に比べアグリゲーション反応へ導かれる事が示唆された。一方で2004年に酸性条件下で還元状態のリゾチームがアミロイド形成を起こすという論文が報告された。そこで野生型及びW62G変異体の還元修飾体を用いてその酸性条件下でアミロイド形成実験を行った。CD測定とチオフラビンT存在下での蛍光測定より、変性構造をもたないW62G変異体の方はアミロイド形成を起こしにくい事が分かった。以上の結果から変性構造はアグリゲーション反応を抑制し効率的なフォールディング過程を導く反面、条件の変化でアミロイド形成が起こりやすくなることが示唆された。即ち、変性構造がアミロイド形成に関与する事を初めて証明することに成功した。本成果はJ.Mol.Biol(2005)347,159-168に掲載された。また疎水コアの各アミノ酸残基のGly変異体を調製しNMR緩和解析を行った。その結果、W62Gのように疎水コアが全て崩壊するのではなく、変異によって部分的な変性構造を形成する事が分かった。即ち、変性構造のバリエーションを得ることに成功した。この変異体を用いる事でさらに変性構造とアミロイド形成の関与を追求する事が可能であろう。 続きを見る
3.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of NMRを用いた難治性疾患ALアミロイドーシスの発症機構の解明と阻害法の確立 — Elucidation of the pathogenic mechanism of intractable disease ; AL amyloidosis using NMR and inhibition of the amyloid formation
大栗 誉敏 ; OHKURI Takatoshi
研究期間: 2007-2008
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概要: 難治性疾患ALアミロイドーシスの原因タンパク質である免疫グロブリンL鎖可変領域ドメイン(VL)について、NMRによる物理学的手法から、変性状態での動的構造を明らかにし、その構造がアミロイド線維形成に深く関与していることを突き止めた。また、アミロイド線維に重要な役割をしているアミノ酸を明らかにし、そのアミノ酸変異によってVLのアミロイド線維化を阻害することに成功した。 続きを見る
4.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of ラジカル重合反応を用いるたんぱく質β-シートの高機能化 — Fictionalization of β-sheet by radical copolymerization
森 健 ; MORI Takeshi
研究期間: 2006-2008
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概要: 以下の3点を達成した。βシートのb鎖間の距離(4.8Å)と、重合距離の一致するジエンに注目し、これを9量体ペプチドの中央に導入した。このペプチドは静電相互作用および疎水性相互作用によりβシートを形成した。その状態で紫外光を照射したところ、重合によりジエンが消失した。CDおよびTEMより、架橋後にβシートにひずみが生じることなく、その構造が維持されることがわかった。このようにして得られた安定化βシートの有機溶媒および酸に対して高い耐性を示すことが明らかとなった。 続きを見る
5.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of アルツハイマー病の次世代型画像診断手法の開発 — Development of Imaging technique for Alzheimer's disease
山田 健一 ; YAMADA Kenichi
研究期間: 2007-2009
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概要: アルツハイマー病は進行性の神経変性疾患であり、認知障害などを引き起こす。その原因の一つとして、アミロイドβ(Aβ)の過剰蓄積による神経細胞死が考えられている。しかしながら、生体内での毒性発現メカニズムは未だ明確でない。そこで、本研究では新たなAβ結合ニトロキシルラジカルを開発し、Aβ凝集塊の検出とその凝集過程の解析を行うことを目的とした。Aβ結合ニトロキシルラジカルは、6-methoxybenzothiazoleanilineから合成した。蛍光とESR解析の結果、合成した化合物は、Aβに結合することがわかった。また、ESRスペクトル変化から、その凝集過程を解析することに成功した。さらに、このAβ認識ニトロキシルラジカルは、抗酸化効果を有することを示した。以上の知見は、新規ニトロキシルラジカルが、Aβを認識し、ESRを用いて凝集過程を評価できる可能性を示した。 続きを見る
6.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of クロイツフェルト・ヤコブ病特異蛋白の微量定量法の確立 — Establishment of Prion Protein Immunoassay for Creutzfeldt-Jakob Disease.
北本 哲之 ; KITAMOTO Tetsuyuki
研究期間: 1989-1990
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概要: クロイツフェルト・ヤコブ病(以下CJDと略す)は原因不明の伝染性疾患で,脳に海綿状脳症をひきおこすスロ-ウィルス疾患と考えられている。CJDの原因物質の1つとしてアミロイド蛋白(プリオン蛋白)が提唱されており,我々を中心にクル斑がプリオン蛋白より構成されることを免疫学的に報告してきた。まず,このプリオン蛋白の微量定量法を確立するため,免疫反応性を高め,しかも感染力価を消失させる処理法を検討した。検討した処理法の中で,最も有効であったのは1%SDS存在下の熱処理であった。SDS存在下での免疫反応の測定のため,我々は定量的Western blot法を確立した。本法により,300pg以上のプリオン蛋白を定量可能とし,プリオン蛋白の各種臓器での分布と濃度を明らかとした。またマウスで分離したCJD株2種を用いて,感染力価とプリオン蛋白濃度を検討すると,両者は正の相関関係を示し,各臓器分布でのプリオン蛋白濃度と,各臓器の感染力価にも相関関係が認められた。また,微量定量法の確立に必要な精製したプリオン蛋白を用いて,アミノ酸配列の決定を行った。クル斑を構成している蛋白を純化精製したところ,免疫組識学的な間接証明だけでなく,蛋白化学的にもクル斑はプリオン蛋白より構成されていることを明らかとした。さらにクル斑形成に関与するプリオン蛋白はN末端より102番目のプロリンがロイシンに置換した変異型プリオンがその主な構成分はであることを証明した。加えて,アミノ酸配列では同定できなかったプリオン蛋白のN末部分の抗体を新たに作製し、in situにて,N末のアミノ酸配列もまたアミロイド形成に関与していることを明らかとした。これらの結果は,研究発表として以下の論文にまとめた。 続きを見る
7.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of クロイツフェルト・ヤコブ病特異蛋白質の臓器, 血液からの検出法の開発 — Immunological detection of specific protein from organs and blood of patients with Creutzfeldt-Jakob disease.
立石 潤 ; Tateishi Jun
研究期間: 1986-1987
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概要: クロイツフェルト・ヤコブ病(以下本病と略す)の特異蛋白プリオン抽出法によりアミロイド繊維が, 本病以外の全身性アミロイドーシスやアルツハイマー病のアミロイド沈着臓器より抽出可能であることを見出した. しかしながら, 本病のアミロイドは, 他のアミロイドとは異なる繊維蛋白より構成され, 免疫学的に, 特異抗体を用いた組織染色では, 本病のアミロイド斑とのみ反応し, 他のアミロイド沈着とは交叉反応をしないこと確認し報告した. また, 本病のアミロイド斑を組織切片中にて変性させる物理的および化学的処理が, 本病の感染力価を低下および消失させることを証明した. また各種の特異抗体を作製した. 抗マウスプリオン抗体, 抗ヒトプリオン抗体, 抗プリオン合成ペプチド抗体を作製し, 免疫反応を高めるため新たに開発したギ酸処理法を併用すると, 本病のヒトおよびマウス脳より, ごく小さなクル斑まで検出可能となった. またクル斑と同様のアミロイド沈着をもつ老人斑が, そのアミロイド蛋白自体が, 免疫学的にも生化学的にも異なるものであることを報告した. さらに, 本病感染マウス脳を用いて, 免疫組織学的に検索すると, このクル斑のアミロイド蛋白が, ヒトプリオン蛋白より構成されるのではなく, マウス自身のプリオン蛋白由来であることを, Western blot法ならびに, 免疫染色にて証明した. Western blot法では脳の場合, 現在, 湿重量5mgの脳組織があれば, 簡単に本病を診断することが可能となっている. また, 本病感染マウスの各種臓器を用いて, プリオン蛋白が検出可能か否かを検討した. 今のところ, 本病感染マウスの脾臓よりプリオン蛋白が抽出できている. しかし, その検出には,マウスの脾組織25mg〜50mgが必要であり, さらに検出感度をあげるため, ラジオイムノアッセイ法の開発を現在行っているところである. 続きを見る
8.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 変異型アルツハイマーアミロイド前駆体蛋白の神経細胞における動態の解析
後藤 幾生
研究期間: 1992
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概要: [目的]アルツハイマー病(AD)の病態を明らかにするために、アミロイド前駆体蛋白(APP)の神経細胞における動態を解析する。 [方法]APPのアミロイドジェニックであり、神経細胞に対してtpxicと考えられているβC末部分を、神経細胞において特異的かつ強力に発現することが期待されるneuron specific enolase(NSE)promoterの制御下に発現させたトランスジェニックマウスを作成し、アミロイド形成について検討を行った。 [結果]βC導入マウスは9lines得られ、そのうち3lineの生後1〜2ケ月のF1について解析を行った。導入遺伝子量はサザンブロットの結果、それぞれ20、2、5コピーであった。導入遺伝子の発現はノーザンブロットで検出でき、発現量は内因性APPの39%,35%,34%であった。また導入遺伝子の発現は、他の臓器では検出されず、脳特異的に発現していた。C末の抗体を用いた脳のウエスタンブロットで、コントロールマウスには認められない約10kdのバンドが認められ、導入遺伝子の産物と考えられた。脳の凍結切片のC末およびβに対する抗体を用いた免疫染色では、神経細胞がよく染色され、神経細胞の脱落やアミロイドの沈着は認められなかった。 [考察]NSEpromoterを用いた導入遺伝子は脳特異的に比較的高効率に発現しており、APPのトランスジェニックマウス作成に良い遺伝子構築である。今回調べたマウスの脳にはアミロイドの沈着を含め病的な変化は観察されなかったが、月齢が生生1〜2ケ月と若いため最終的な結論を得るためには、さらに高齢のマウスについて検討する必要がある。また家族性ADの変異型APPを導入したトランスジェニックマウスを作成しており、今後検索の予定である。 続きを見る
9.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of アルツハイマ-病の脳に沈着する異常物質の生化学的解析とその処理機構
立石 潤
研究期間: 1991
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概要: 老人斑を構成するβ/A4の前駆蛋白質であるAPPは、神経細胞の胞体内から突起内へ順行性に運ばれ,その流れが阻害される部位に集積することが各種の原因による軸索スフェロイドやクル斑にAPPが貯る所見から示された。β/A4の直前のAPP断片がアストログリアの突起内にも存在することや、β/A4以外のAPP断片が老人斑に存在することが報告された。β/A4の15〜17番アミノ酸を切断するAPPセレクタ-ゼ活性が,ラット肝臓から抽出したカテプシンBに認められた。ダウン症の動物モデルといわれるトリソミ-16マウス胎児脳を移植した正常マウスの脳内で、APPの発現増加と微量のβ/A4陽性細胞が証明された。ダウン症脳から分泌型APP,膜結合型APP、APPのC末端部およびβ/A4部が系統的に分離、精製された。 西ドイツの122例の正常老人脳およびアルツハイマ-病(AD)脳を調べ、正常老人では原線維変化が海馬にほゞ限局するが、ADでは新皮質に広汎に出現し、日本人と大差がないことが判明した。幼若ラット脳では、MAP 1Bの多数のリン酸化分子種が存在し、PHF抗体はその一部とのみ反応することが判った。さらにラット胎児脳にPHFと共通抗原を持つ分子量70kDの胎児性蛋白質(P70)が存在し,それに対する抗体がラット脳内のcurly fiberよう構造およびPC12細胞の突起のgrowth coneを染めた。したがってこの新しい蛋白質は胎児脳とAD脳で神経突起の伸展と関連する可能性がある。PHFの成分であるタウたんぱくをリン酸化する酵素TPKI,IIについての広汎な研究が,公開シンポジウムで発表された。一方リン酸化されたタウを脱リン酸化する酵素としてプロティンホスファタ-ゼ2Aが同定され,その働きがアルミニウムにより阻害されることが報告された。 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of アルツハイマ-病に関連した遺伝子異常の解析
榊 佳之 ; 宮武 正
研究期間: 1990
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概要: βアミロイド前駆体(APP)には3つの分子種APP695、751、770が主成分として存在することはよく知られている。APP695は神経細胞に特異的である。3つの分子種の脳内における存在比の変化がアミロイド形成と相関しているか否かについて、老人脳の連続剖検38例を免疫組織学的手法とS1ヌクレア-ゼProtection法により分析した。その結果アミロイド、PHFの有無とAPPの3つの分子種の存在比の間には特別の相関は認められないと結論した。竹田は老化促進マウス(SAM)を用い、アルツハイマ-脳に見られるAPP751、770の増加をグリオ-シスにより説明することが必ずしも妥当でないことを示唆した。榊はAPP遺伝子の発現が正と負の両方の制御を受けていることを示した。吉川はAPPのC末端よりβ蛋白の領域を含むペプチドが培養細胞中においてアミロイド様の繊維物質を作ることを示した。藤原はFADリンパ球でAPPのプロセッシングに異常の起きていることをウェスタンブロッティングで示した。 FAD家系は日本でも報告されているが、本邦の家系調査によれば39家系が報告されている。FAD遺伝子のひとつが存在するといわれる#21染色体領域について、小野寺はいくつかのDNA断片をマップした。また#21染色体特異的cDNAクロ-ンを脳cDNAクロ-ンを脳cDNAライブラリ-より分離する方法について検討した。また宮武は神経成長抑制因子(GIF)のcDNAの分離に成功したことを報告した。 続きを見る