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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 血管内皮細胞の機械刺激感知に関わる分子機構の解明 — Molecular mechanisms of endothelial mechanosensitivity.
大池 正宏 ; OIKE Masahiro
研究期間: 2002-2003
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概要: 本研究では機械的刺激特に低浸透圧刺激に対するヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の反応に関わる細胞内分子機構の解明を目指した。本研究により以下の成果を得た。 (1)低浸透圧刺激感知に関わるDbl蛋白の同定:Rhoの活性化にはDbl蛋白ファミリーが必要である。RT-PCR法によってHUVECに存在するDbl蛋白の検出を試みたところ、Abr、Fgd-1、Kalirin-7、Lbcなど、8種類のDbl蛋白mRNAが検出された。これらへのアンチセンスによってDbl蛋白のmRNAを抑制したものについて、低浸透圧刺激への反応を検討した。低浸透圧刺激によるCa^<2+>上昇反応が、Lbcアンチセンスを取り込ませた細胞では有意に阻害された。また、LbcのcDNAを過剰発現したところ、対照細胞に比べてより低レベルの刺激でCa^<2+>反応を認めた。従って、機械的刺激はLbcによって感知されると考えられた。 (2)ATP放出に関与するチロシンキナーゼの同定とそのRho活性化との関連:低浸透圧刺激をHUVECに与えた後に細胞蛋白を回収し、チロシンキナーゼ活性をWestern blottingで検討したところ、低浸透圧刺激後2-5分を最大として125kDa付近と68kDa付近の二つの蛋白にチロシンキナーゼ活性が見られ、それぞれfocal adhesion kinase (FAK)及びpaxillinと同定された。また、Rhoの活性化作用を持つリゾフォスファチジン酸(LPA)でHUVECを刺激するとATPの放出が見られたが、これはチロシンキナーゼ阻害剤で抑制された。一方、低浸透圧刺激によるFAK/paxillinの活性化はRhoキナーゼ阻害剤で抑制された。従って、Rho/Rho-キナーゼ活性化とFAK/paxillin活性化はこの順に一連のカスケードとして活性化されると考えられた。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of formin相同蛋白質Fhosによる微小管-アクチン細胞骨格の動的制御機構
武谷 立
研究期間: 2004-2005
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概要: 本研究の目的は、Fhosの微小管細胞骨格との分子レベルでの関連性の解明、そしてFhosによる微小管-アクチン両細胞骨格の動的制御機構の解明であった。これらの目的に従ってFhos-細胞骨格構成成分の同定を試みたところ、驚いたことに我々はFhos2が細胞骨格の一つである中間径フィラメントと結合することを見出した。Fhos2は、我々が今回新規にクローニングしたFhosホモログであり、マウスには2種類のスプライス変異体が臓器特異的に存在していた。すなわち、心臓には主として長いアイソフォームであるFhos2L、腎臓および脳には主に短いアイソフォームであるFhos2Sが発現していた。これら2種類のアイソフォームの活性型変異体はFhos1と同様にアクチンストレスファイバーの形成を誘導することから、Fhos2がアクチンフィラメント形成蛋白質として機能していることが示唆された。ラット胎児心筋由来のH9c2(2-1)細胞を用いて生化学的解析を行ったところ、内因性のFhos2は中間径フィラメント画分に豊富に存在することがわかった。この結果と一致して、抗Fhos2抗体を用いたH9c2(2-1)細胞染色では、Fhos2はnestin中間径フィラメントと共局在していた。さらにラット胎児脳において、Fhos2はnestinを発現した神経上皮細胞に存在していた。このようにFhos2がアクチン形成能を有するだけでなく中間径フィラメントnestinとも関わっていることが明らかとなった。今回の研究結果により、formin相同蛋白質Fhosが中間径フィラメントを含めた細胞骨格の動的制御に関わる可能性が示唆され、このことは細胞骨格の統合的な制御機構の解明に貢献するものであると考えられた。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 葉緑体光定位運動における新規アクチン構造の機能解析 — Functional Analysis of Newly-found Actin Structure Involved in Chloroplast Photorelocation Movement
和田 正三 ; WADA Masamitsu
研究期間: 2004-2012
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概要: 葉緑体は弱光には集まり(集合反応)、強光からは逃避する(逃避反応)。我々はシロイヌナズナにおいて、青色光受容体フォトトロピンが葉緑体外包膜上に存在するCHUP1タンパク質を介して葉緑体と細胞膜間に存在するアクチン繊維(cp-actin繊維)を制御することによって、葉緑体の移動方向や速度が調節されていることを明らかにしてきた。本年度は、cp-actin繊維による葉緑体運動の推進力発生機構の解明のため、外包膜上に存在するタンパク質をOEP7-YFPで可視可し、外包膜の伸長と葉緑体本体(葉緑素の蛍光部位)の移動速度の相関関係を調べた。その結果、葉緑体の移動方向先端部の外包膜は、葉緑体本体の移動に先だって伸長し、その後葉緑体本体が追従していた。このことは葉緑体外包膜に結合するCHUP1及びcp-actin繊維が葉緑体に先だって移動するため外包膜が伸展し、外包膜に掛かる張力によって葉緑体本体が牽引されたと解釈された。次に葉緑体光定位運動に関わるアクチンフィラメント架橋タンパク質であるTHRUMIN1(Whippo et al.2011)のcp-actin繊維との関係、葉緑体運動への関与について解析した。THRUMIN1-GFPは膜結合タンパク質として細胞膜上に存在するが、フォトトロピン依存的に青色光によって葉緑体膜上に移行する。thrumin1欠損変異体ではcp-actin繊維の重合が抑制されること、chup1欠損変異体ではTHRUMIN1が光依存的に細胞質アクチン繊維には結合するが葉緑体外包膜への集合やcp-actin繊維が全く観察されことから、THRUMIN1はCHUP1が重合するcp-actin繊維の制御に関わっていることが明らかになった。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of カルポニン遺伝子導入による卵巣癌腹膜播種の遺伝子治療に関する基礎的研究 — A basic trial of gene therapy against peritoneal dissemination of ovarian cancer by calponin h1 gene transfer
小林 裕明 ; KOBAYASHI Hiroaki
研究期間: 2003-2004
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概要: アクチン結合蛋白であるカルポニンh1(CNh1)は癌細胞の増殖・浸潤を抑制するばかりでなく、宿主腹膜中皮の癌浸潤に対するバリアーとしての機能を高める作用も有すると考えられる。そこで本研究ではCNh1を腹膜中皮細胞と卵巣癌細胞とに遺伝子導入し、癌性腹膜炎を治療することを試みた。 平成15年度の成果:腹膜中皮細胞株あるいはヒト卵巣癌細胞株にアデノウイルスベクターを用いてCNh1を遺伝子導入すると、(1)いずれにも外来性CNh1の局在に一致したアクチンファイバーの形成が確認され、腹膜中皮細胞層は卵巣癌の培養上清存在下でも細胞間の開裂が生じにくくなり、重層培養法にて卵巣癌細胞の浸潤を有意に抑制した。卵巣癌細胞の増殖能は低下し、細胞運動能の抑制を伴う浸潤能の低下を認めた。(2)両細胞に同時に遺伝子導入した場合の癌細胞による中皮細胞層への浸潤抑制効果は相加的に増強した。 平成16年度の成果:動物を用いた卵巣癌腹膜播種に対するCNh1遺伝子治療の効果を検討したところ、(1)卵巣癌細胞株をヌードマウスに腹腔内移植すると、走査電顕上、腹膜中皮細胞表面に微絨毛様構造が生じるが、CNh1遺伝子を含むアデノウイルスを投与すると、その様な変化は生じず平坦かつ整然とした配列を保った。(2)ベクターのみのアデノウイルス投与時に比し、CNh1遺伝子を含むアデノウイルス投与時は、癌細胞による腹膜播種は明らかに抑制され有意に生存期間が延長した。ウイルス投与に起因する副作用評価としてマウス体重をモニターしたが体重減少を認めず、屠殺して腹腔内を観察しても癒着などの変化を認めなかった。 2年間の研究結果からもわかるように、カルポニン腹腔内遺伝子療法は同一遺伝子が癌抑制および宿主防御能の増強という二面的効果を有する新しい概念の遺伝子治療と成りうると考えられた。 続きを見る
5.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 血管内皮細胞の分子的構築と機能に関する研究 — Molecular architecture and function of endothelial cells
YAMAMOTO Torao
研究期間: 1987-1988
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概要: 血管内皮細胞は、血液と直接に接する内皮層を構成し、細胞間は接着しており、連続する細胞層をなす。このために、血液と内皮外組織との物質交換のバリアーの役割を果している。一方、血液に対しては、その凝固防止の他に種々の機能を行っている。これらの機能がどのような構造的基盤に基いて営まれているかを明らかにする目的で本研究を行った。 内皮細胞に見られる小胞は、大部分は連続する小胞管として存在しており、自由小胞は非常に少いことがわかった。したがって、小胞による物質輸送よりは、胞体を貫く小胞管を通る輸送が主要なものと考えられた。また、これら小胞は、一般に滑面小胞であるが、新鮮急速凍結割断エッチングレプリ力法で観察すると、小胞の細胞質側膜表面にアクチン分子と思われる縞構造が認められた。この構造から、小胞は可動性を持ち、隣接小胞と結合し小胞管を形成するものと考えられた。内皮細胞の内腔側細胞膜の凍結割断レプリ力像を観察すると、P面膜内粒子の配列に一定の規則性は見られなかった。これらの膜内粒子は、膜タンパク質を表すものと考えられているから、膜に局在するレセプターや酵素の分子配列にも特異性はないものと思われた。内皮細胞に見られる小胞陥入と膜内粒子の配列との特別な関連性は認められなかった。内皮細胞に、特に、有窓毛細血管に見られる窓構造は恒常的なものではなく、たとえば、糖尿病などの場合には、小腸の有窓毛細血管で窓構造は著しく減少することが明らかとなった。内皮細胞の細胞骨格であるアクチンは、蛍光顕微鏡的に平滑筋細胞のアクチンとは異なる性質が明らかとなった。超薄切片法で多数の中間径細糸の存在を認めたが、細胞内での分布様式を蛍光顕微鏡的に検索したが成功しなかった。細胞骨格と内皮細胞機能との関連を今後、電顕的、光顕的に解明していきたい。 続きを見る
6.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 癌の悪性度、特に転移能に関与する遺伝子の検索・同定とその生物学的機能解析
谷口 俊一郎
研究期間: 1988
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概要: (1)マウスB16黒色腫に発現する新種アクチン(A^x)の研究 (a)マウスB16黒色腫において、その転移能及び浸潤能の増加、細胞骨格構築低下に伴って発現低下するA^xのcDNAクローニングを行い、その構造を決定した。A^xは従来知られているβ-アクチン(β)に極めて類似しており、28番目のアミノ酸がβにおいてアルギニンである一方、A^xではロイシンであった。尚、3'、5'非翻訳領域において、塩基置換、挿入、欠失がβに比べて6ヵ所ありA^xはβに類似しているものの、独立の遺伝子にコードされていることが示唆された。 (b)クローン化したA^xcDNAを適当なプロモーターにつなぎ、A^xを発現せず高転移性のB16-F10細胞に導入し、A^xを発現させた。その結果、細胞骨格の回復、in vitroの浸潤能低下、C57BL/6マウスにおける肺転移能の低下が観察された。この結果は、A^xがB16黒色腫において、転移抑制的に働くことを示唆している。 (2)ヒト良性色素組織におけるアクチン発現 (a)ヒト良性色素組織には、β-、γ-アクチン以外に第3のアクチンが検出され、悪性黒色腫ではその検出頻度が低下することを観察してきたが、その第3アクチンが、Western及びNorthern blot解析の結果、平滑筋型α-アクチンであることが分かった。 (3)ラット形質転換 3vl細胞への v-fos導入による、転移能増強のメカニズム。 (a)src及びrasで形質転換した3Y1細胞にv-fosを導入し、肺転移能増強を観察してきたが、前者においては、浸潤能及び運動性の増強が、後者においては、NKに対する感受性低下が転移能増強の主要因と考えられた。尚、srcに、v-fosを導入した細胞において、運動性の変化に対応するアクチン関連分子の発現変化が観察された。 続きを見る
7.
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Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 各種組織における縞状被覆形質膜小胞の分布と性状に関する形態学的研究
柴田 洋三郎
研究期間: 1988
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概要: 1.ラット大動脈内皮細胞において先に同定した小型形質膜小胞の細胞質側膜表面に存在する経線状走行を示す縞状隆起構造について、ミオシン小片1(S-1)や、アクチン安定化剤ファロイジンによる処理後、その構造が極めて明瞭となり、アクチン線維に密接な関連を有する物質であることが示唆された。さらに金コロイド標識したS1によって結合した部位の分布を切片法で観察し、内皮細胞内のアクチン線維束以外に小型形質膜小胞の内葉細胞質側膜にも13〜15nmの間隔で金粒子の修飾する構造を認めた。しかしクラスリン被覆小胞には結合しなかった。 2.急速凍結ディープエッチレプリカ法により、同様の縞状被覆小胞の分布をラット・マウスの各種組織について検討した。心筋の毛細血管内皮細胞、妊娠ラット子宮平滑筋、子宮内膜間質細胞、大動脈外膜線維芽細胞、腓腹筋腱腱細胞などにおいて、大動脈内皮にみられるものと同様の縞状被覆構造が高頻度に観察された。しかし肝実質細胞、腎尿細管上皮細胞、膀胱移行上皮細胞などでは、明瞭な縞状被覆は認めることができず、S1修飾やファロイジン処理によってもさほど著明な変化はなかった。これらの組織ではクラスリン被覆小胞以外の形質膜小胞の表面に、時として不整な顆粒状物質の付着をみることがあった。 3.小型形質膜小胞を構成する膜構造分子は、細胞・組織種に特異的なものがあり組織分化系列に関連する可能性のあることが、本研究により強く示唆される。即ち典型的な縞状被覆構造は、非上皮系組織に限って出現し、上皮組織には認められない。この組織分布傾向は、我々が先に明らかにしたギャップ結合膜の細胞質側表面構造の組織特異性と類似し、また中間径線維やカドヘリンなどの細胞骨格や接着分子の組織分布傾とも共通点があり、これら細胞膜関連分子に共通の組織分化過程の存在を推測させる点で興味深く、今後さらに検討を加える必要があろう。 続きを見る
8.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 癌の悪性度(特に転移能)に関与する遺伝子の検索・同定とその生物学的機能解析
谷口 俊一郎
研究期間: 1987
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概要: 1.vーfos癌遺伝子導入によって肺転移が増強したラット形質転換細胞(SRー3Y1ー2)について, 生化学的及び生物学的検討を加えた結果, 以下の新知見を得た. (1)vーfosによる転移能増強は, in vitro,in vivo(筋肉内)での増強能, 肺への定着能とは相関しなかった. (2)Matrigelを用いたin vitroの系及び腫瘍組織において, vーfos導入による高転移性獲得細胞は, 浸潤能が増強していた. (3)浸潤能増強は基底膜成分であるラミニン,IV型コラーゲンへの細胞接着能とは相関せず, 運動性の増強又は蛋白分解酵素の増強が主因と考えられた. (4)vーfos導入細胞で癌遺伝子発現を調べた結果, ras,myc,srcの顕著な発現増強はみられなかった. 2.高転移性と低転移性細胞間での発現蛋白比較検討によりマウスB16黒色腫において発見したA^xアクチン(A^x)について, 更なる知見を得た. (1)A^xは機能的(重合能,DNaseIへの結合能)に正常である. (2)A^xの転移能増強に伴なう発現低下は, A^x蛋白の寿命短縮ではなく, mRNAレベルで生じていた. (3)A^x発現は, アクチンストレスファイバー構築低下, in vitro浸潤能増強と逆相関した. (4)A^xのcDNAクローニングに成功し, A^xの全構造を決めた. A^xはアミノ酸配列においてβアクチンと類似している(28aaがArg→Leu)が, 5′,3′のuntranslated regionが, βと異なっており, βとは独立の遺伝子と考えられた. 3.ヒト色素組織で悪性化に伴なって発現変化する第3アクチンの検討を更に加え, 多くの症例で, この事実が確認された. 又, このアクチンは平滑筋α型アクチンであること, 及び培養正常色素細胞において, この第3アクチンの発現が認められた. 続きを見る
9.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 血管内皮細胞における機械刺激受容の分子構築とその活性化による一次応答の解明 — Mechanosensory molecules and mechanical stress-induced primary responses in vascular endothelial cells.
大池 正宏 ; OIKE Masahiro
研究期間: 2006-2007
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概要: 血管内皮細胞は機械的な刺激を感知してその生理機能を果たしている。本研究は、内皮細胞が機械刺激を感知する分子機構を明らかにすることを目的とし、ヒト謄帯静脈内皮細胞及びウシ大動脈内皮細胞を用いて以下の結果を得た。低浸透圧刺激を加えると、刺激後数分以内に小分子G蛋白RhoAの活性化とそれに続くFAKとパキシリンのチロシンリン酸化を認めた。これらの活性化によってATPの放出とそれに続くCa^<2+> 濃度変化、さらにそれと並行してアクチン線維の一過性重合を認めた。内皮細胞の機械刺激に対するこれらの即時一次反応は、細胞を抗インテグリンα5β1抗体で処理した場合と、ヘパラン硫酸プロテオグリカンをヘパリナーゼIIIで分解した場合に全て消失した。一方、剪断力刺激の感知に関わるという報告があるPECEM-1のMrna発現をsiRNAで抑制したが、この場合は低浸透圧刺激によるアクチン重合は抑制されなかった。また、TGFβ1で処理して形態が変化した内皮でも機械刺激による反応が消失したことから、細胞形態そのものが機械刺激受容メカニズムの一部である可能性が示唆された。さらに、環境変化による機械刺激としての重力負荷を内皮細胞に加えたところ、低浸透圧刺激と全く同一のメカニズムによる即時反応が得られた。従って、本研究の成果より、血管内皮細胞の機械刺激感知機構は単一ではなく、今回のインテグリンα5β1とヘパラン硫酸プロテオグリカンをセンサー分子とした構築と、従来報告のPECAM-1等を含む分子構築の少なくとも二種類存在することが明らかとなり、特に前者は重力や浸透圧等のより恒常的な機械刺激の変化に対応する機構である可能性が示唆された。血管内皮細胞機能の持つ病態生理的意義から考えると、これら複数の分子構築が関わることは、今後機械刺激感知機構を治療標的として捉える上で有用な特徴であると考えられた。 続きを見る
10.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of アクチン調節蛋白質Fhod1およびFhod3の生理機能と制御機構の解明 — Phys i o I og i ca I f unct i on and regu I atory mechan i sm of Fhodl and Fhod3, proteins that regulate actin filaments
住本 英樹 ; SUMIMOTO Hideki
研究期間: 2009-2011
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概要: アクチン線維形成を調節するforminタンパク質ファミリーの1員であるFhod3は、培養心筋細胞におけるサルコメア(筋収縮を担う「筋原線維」の中の収縮ユニットとして働く)の形成に決定的な役割を果たすこと、そして実際に、マウスにおいてFhod3遺伝子を欠失させると、発生初期に心臓の形成異常がおこり出生前に死亡することを示した。このように、Fhod3は心臓の形成に必須のタンパク質である。 続きを見る