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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 極端に強い安定成層下での乱流の極限現象に関する研究 — Extreme phenomena of turbulence under strongly stable stratification conditions
植田 洋匡 ; UEDA Hiromasa
研究期間: 1997-1999
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概要: 極端に強い安定成層状態の乱流中では、フローパターンや拡散・混合機構大きく変化する。これらの現象では、いずれも乱流運動が粘性消散することなく波状運動へ変化していく機構が本質的な役割を担っていると考えられる。このような視点に立って、本研究では、強安定成層中に存在する乱流運動と波状運動の特性、乱流から内部波への遷移過程を調べて,強安定成層時の極限現象を統一的に説明することを目的とした。極限現象としては、アクティブスカラーの逆勾配(鉛直方向)拡散と、このときの水平方向拡散、また、逆勾配拡散場でのアクティブスカラーとパッシブスカラーの拡散機構の相違に着目し、逆勾配拡散場の波動、乱流の特性量とその時間的発展に注目した研究を行った。 剪断のない場合、強い安定成層場での逆勾配拡散は線形理論でかなりよく説明できることを示した。さらに、成層と剪断とが共存できる場合について、この線形理論、弱非線形理論を発展させて、上記の極限現象を説明することができた。このことから、強安定成層時の極限現象のかなりの部分は線形過程として説明できること、その時間発展に初期条件が大きな影響を与えることがわかった。 以上の結果に基づいて、乱流を平均流成分と波動、乱流変動の3つの成分の和と考える乱流クロージャーモデルの発展を試みた。波動成分と乱流変動成分の非線形項のモデリングを試み、それぞれの成分の特性についての室内実験結果をもとにモデル定数の決定を行い、安定成層流のクロージャーのモデリングを行った。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of カウンタ-グラディエント拡散の起きている成層乱流場の中のパッシブスカラ-の拡散 — Diffusion of Passive Scalar in Counter-gradient Diffusion Field of Stratified Turbulent Flows.
植田 洋匡 ; UEDA Hiromasa
研究期間: 1989-1990
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概要: [目的] 温度成層乱流中では、温度(アクティブスカラ-)の変動が浮力を諾起して乱流構造及び拡散機構を大きく変化させ、極端に強い安定成層乱流中には温度勾配に逆らった方向への熱の拡散(カウンタ-グラディエント拡散)が起きる。本研究は、このような乱流場に、汚染物質(パッシブスカラ-)を放出した場合の温度(アクティブスカラ-)と物質(パッシブスカラ-)の乱流拡散機構の相違を明らかにすることを目的とする。昨年度、これの基礎実験、基礎理論はほぼ完成したので、本年度は応用研究を中心とし、密度成層効果が支配的な役割を果たす種々の気象現象、大気汚染現象の風洞実験と数値実験を実施した。 [実験] 温度条件の種々の組合わせにより安定ー不安定成層域の共存する乱流境界層を大型拡散風洞内に形成させ、熱のカウンタ-グラディエント拡散乱流場について速度、温度変動場の構造とそれらの流下方向の変化を追跡した。 [理論および数値予測] 昨年度は乱流モデルとして乱流エネルギ-および乱流エネルギ-消散速度、温度変動強度およびそのディストラクション速度に対する4つの偏微分方程式と、運動量、熱の乱流フラックス方程式の局所平衡仮定から得られる代数方程式からなる、アルジェブライックス・ストレスモデルを構築した。本年度はこれを気流数値モデル、大気汚染輸送/拡散/反応/沈着モデルに組み込んで種々の数値シミュレ-ションを実施した。まず、典型的な密度乱流である重力流(密度流)について、その中でのKelvin Helmholtz 不安定、internal bore、solitary waveの発生・発達の数値シミュレ-ションに成功し、これらと重力流全体のダイナミックスとの関連を明らかにした。更に、密度成層効果の強い拡散場での大気汚染現象として、熱的に誘起された局地風場(関東甲信越地域の大気汚染長距離輸送)および冬期夜間の都市境界層中でのNO_2、光化学オキシダント、二次生成粒子、酸性雨汚染現象の数値シミュレ-ションを行い、汚染濃度特性、乾性・湿性沈着量分布および排出削減効果の課価を行った。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 地球生態系における物質循環のモデリング — Modeling the Chemical Substance Circulation in Geophysical and Biological Sphere
植田 洋匡 ; UEDA Hiromasa
研究期間: 1993-1995
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概要: 本研究では、マスターモデルを中心に人為起源物質等の発生源データなどソフトを整備すると共に、これらを組み込んだワークステーションとネットワークシステムなどのハード面を完成させた。 1.データセットの整備:大気、海洋、陸上生態系モデルに必要なデータセット(地理、気象全球解析、海洋大循環データ、植生・土壌分布など)の整備を引き続き行った。 2・要素モデルの検証と地球生態系総合モデルの構築:大気、海洋、陸上生態系それぞれの物質循環モデル(要素モデル)について、以下の数値シミュレーションを実施して妥当性の検証を行い、要素モデルを統合して「地球生態系総合モデル(マスターモデル)」を構築した。 (1)大気中物質循環モデルを用いて、東アジアでの対流圏オゾン、酸性雨の数値シミュレーションを実施した。 (2)海洋中物質循環モデルを用いて、インド洋での拡散場の数値実験を行った。 (3)陸上生態系物質循環モデルについては、土壌中での亜酸化窒素N20、メタンCH4の生成をモデル化し、陸上植生のモデルと組み合わせて、CO2、N20、CH4の排出量の日変化、季節変化をシミュレートしたうえ、これと大気中物質循環モデルとを組み合わせ て、CO2、N20、CH4の全球的な拡散と南・北半球での濃度の季節変化をシミュレートした。 (4)各要素モデルによるシミュレーション結果をもとに、大気、海洋、陸上生態系間の相互作用を考察し、これをモデル化して「地球生態系総合モデル」(マスターモデル)を完成させた。 3.温室効果ガスの排出削減効果のシミュレーション:二酸化炭素、メタンを対象にマスターモデルの感度解析を行い、簡易モデルをえた。最後に、これらの物質の排出量が削減された場合の、大気中濃度の将来予測(年間増加率)を行った。 4.報告書執筆 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 二重拡散重力流のダイナミックスの解明と数値予測モデルの開発 — Dynamics of double-diffusive gravity current and its modelling
植田 洋匡 ; UEDA Hiromasa
研究期間: 1993-1994
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概要: 目的 本研究では、熱及び物質の移動が共存し、それらがともに浮力効果を持つような重力流(二重拡散重力流と呼ぶ)を対象に、そのダイナミックスの解明と数値予測モデルの開発を行う。液化天然ガス(LNG)の流出、火砕流、前線性豪雨(雪)などがその例である。いま、空気より分子量の小さいLNGが低温のため高密度になっている重力流を考えると、周囲大気との混合領域では温度が上昇して密度の極小部が形成され局所的に上向きの浮力が働く。混合がさらに進むと、重力流の先端部分が全体として上昇プルームになって上空に拡散していく。本研究では、二重拡散重力流についてK-H不安定などの不安定現象を調べる。この場合、周囲流体の巻き込み(混合)が局所的な浮力を生むため、不安定の発生条件、混合機構に変化の生じることが予想される。つぎに、流れの不安定で生まれる渦が重力流の内部構造、ダイナミックスにもたらす変化を明らかにする。 経過と成果 重力流内のK-H不安定とそれに伴う内部構造、ダイナミックスの変化: 重力流ヘッドの先端部分で、Ri数が臨界値0.25に達する位置でK-H不安定が発生する。K-H渦は次々に生成されて発達しながら重力流の上面(ゼロ流速面)に沿って重力流後方に流下していく。このとき、K-H渦による周囲流体の巻き込みにより“混合領域"が形成されるが、二重拡散重力流の場合流体の密度が周囲流体よりも小さい部分(密度の極小部分)が形成されて小規模な熱対流が発生し、混合を促進するが、逆にK-H渦の発達を抑制する。この混合領域は重力流の内部構造を大きく変化させる。また、重力流上面でのドラッグを生むため重力流の進行を遅らせる働きをする。 重力流から上昇ブルームへの変化: 重力流ヘッドは随伴流から独立した渦構造を形成するが、その前面での周囲流体の取り込みに伴って浮力を増し、次々と随伴流から分離して上昇する。周囲流体の取り込みは、ヘッドに対抗する周囲流体の流速、安定度に大きく依存する。 続きを見る
5.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 気液界面近傍の液側乱流拡散におよぼす密度成層の影響-大気微量気体の海洋へのフラックス- — Density stratification effects on turbulent diffusion on the liquid side near the gas-liquid interface-Ocean flax of greenhouse gases-
植田 洋匡 ; UEDA Hiromasa
研究期間: 1995-1996
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概要: 最近、ガス吸収の問題は地球温暖化問題と関連して注目を集めている。特に、温室効果気体の大気海洋間の交換過程はオーシャンフラックス問題と呼ばれ、海洋への二酸化炭素の吸収量の評価の不確定性はミッシングシンク問題と呼ばれている。本研究ではガス吸収において気液界面近傍の密度成層(安定、不安定成層)が液側乱流拡散および乱流構造におよぼす影響を水槽実験により明らかにし、これに対する乱流輸送モデルを構築することを目的とする。また、これを用いて、二酸化炭素の全球的なオーシャンフラックスを高精度で見積ることを目的とする。 気液界面を通しての移動過程(交換過程)を詳細に調べるために、熱伝達実験を行った。これは、物質移動の場合に比べて温度分布の形成される層(温度境界層)の厚さが大きくなるためであり((Pr/Sc)^<1/2〜1/3>倍)、これが本研究の特色であり、独創的な点もある。実験には、温水回流式の開水路(測定部:0.6mWx0.6mHx10mL、既設)とその上部を覆う風洞とからなる、いわゆる「風洞水槽」を用いた。 本年度は不安定成層実験を行った。一定流量、一定温度の温水をヘッドタンクから開水路に流し、気液界面からの蒸発冷却より大きな上向きの熱流束を得て気液界面直下に熱対流を発達させ、種々の成層状態に対して、乱流構造の変化、自由表面近傍での乱流から波状運動へのエネルギーの授受とそれらに及ぼす密度成層の影響を調べた。密度成層乱流理論については、これまでレ-ノルズ応力、乱流熱流束方程式を基にしたクロージャーモデルを構築してきた。本研究では、このモデルを発展させて、気液界面の効果(界面が存在することによる圧力変動場の変形と乱流から波状運動へのエネルギーの授受)を表現できるモデルを構築した。 また、二酸化炭素の全球的なオーシャンフラックスの見積りにあたって、その算定の基礎になっている大気-海洋間の二酸化炭素濃度の測定にかなりの不確定性のあることが判明した。これは、二酸化炭素の液中濃度が測定方式によって大きな差を生じていることに起因する。そこで、本研究では、液中濃度の測定システム(4槽バブリング方式気-液平衡器)とその校正方法を新たに開発した。これを基準に、他の測定方式のデータのドリフト、測定誤差範囲の推定とこれらによって得られた大気-海洋間の二酸化炭素濃度差の全球分布の見直しに着手した。 続きを見る
6.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of エアロゾルによるグローバル大気環境変動の予測モデルと高速演算手法の開発 — Numerical model for global atmospheric constituent change and development of high-speed execution method by parallel processing
植田 洋匡 ; UEDA Hiromasa
研究期間: 1997-1999
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概要: 本研究の第1の目的は、大気大循環モデルGCMと対をなすべきグローバル大気環境変動の数値モデル(大気中化学物質の3次元輸送・反応・沈着モデル)を確立することにある。第2の目的は、数値モデルを東アジアに適用して、黄砂の飛散と長距離輸送、それによる中和作用を考慮した酸性雨の解明を行うことにある。 本研究では、現有の各素過程の数値モデルを「グローバル大気環境変動モデル」に統合し、さらに「球面座標系」の3次元モデルを構築した。また、エアロゾルのモデルの不確定性はガス状大気微量成分に比べてはるかに大きいことから、エアロゾルのモデルリングに重点を置き、エアロゾルと温室効果気体およびそれらの相互作用を含む総合モデルを確立した。ここでは、モデルの簡略化は二義的なものとし、むしろ、ベクトル化のほかに、パラレルプロセッシングなどの分散処理手法を実用化して、計算時間の大幅な短縮を図った。 エアロゾルの素過程として、「ソース・シンク」、「反応」、「放射フォーシング」の3つを重点課題とし、室内実験、観測データとの比較からモデルの精緻化を図った。「ソース・シンク」のサブモデルとして、黄砂などの土壌粒子の飛散機構のモデルの精緻化を行った。「反応・粒子成長」のサプモデルとして、硝酸、アンモニア、塩酸など環境酸性化にとって重要な揮発性成分について、ガスーエアロゾル平衡モデルを構築し、さらに平衡に達する速度、粒子成長のモデル化を行った。さらに、「放射フォーシング」のサブモデルとして、雲、降水生成などによる間接的なフォーシングのモデルの精緻化を行った。 この数値モデルを用いたケーススタディとして、東アジア酸性雨の数値予測を行い、黄砂による酸性雨の中和効果、排出量増大に伴うて酸性雨の年々変動が的確に予測できることを示した。 続きを見る