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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 現代日本の「子ども観」に関する実証的研究 — A Study of the Japanese Views of Children in the Present day
住田 正樹 ; SUMIDA Masaki
研究期間: 2001-2003
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概要: 本研究の目的は、人々が子どもについて抱いている観念、すなわち「子ども観」の現代的様相をとくに世代差を分析軸として明らかにすることにある。変動の激しい現代社会にあっては、世代によって「子ども観」は大きく異なっているだろう。 これまでの予備調査の結果を踏まえ、今年度は本調査としてK都市圏(1市2町)を調査対象地として層化2段階サンプリングを行い、2503名の対象者を抽出して郵送調査を実施した。調査結果から主要な知見を述べれば、以下のようである。 (1)若い成人世代は,「子ども期」を長く捉える傾向があり、そして子どもらしさを純粋性に求める傾向があるが、高年世代は子どもらしさを従順性に求めている。 (2)若い世代は子どもの発達にとって環境を重視しているが、高年世代は素質を重視している。しかし若年世代は個性を重視した発達を、高年世代は社会の一員としての社会性を重視した発達を是としている。しかしいずれの世代も協調型よりも自己主張型の子ども像を肯定的に評価している。 (3)いずれの世代の成人も、子どもの生活環境の利便性については評価しているが、安全性、快適性については相当に否定的である。 (4)総じて言えることは、いずれの世代も性善説的な「子ども観」を抱いているものの、今日の子どもたちに対する評価となると否定的である。そして否定的評価にならざるを得ない背景としてテレビゲームを初めとする遊びの変化と勉強に追いまくられるという子どもを取り巻く環境をあげている。 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of テレビ漫画の影響に関する実証的研究 — An Investigation of Effect of TV Comics on Children
住田 正樹 ; SUMIDA Masaki
研究期間: 1994-1995
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概要: 本研究は、子どものテレビ漫画視聴態度とそうした態度に対する保護者の認知の実態を分析することが目的である。調査の結果、見い出された主要な諸事実は以下のようである。 (1)テレビ漫画をよく見る子どもほど漫画雑誌・漫画本をもよく見ており、したがって子どもたちの間で漫画メディアへの接触が多重化している傾向がある。そしてテレビ漫画への接触が多い子どもほど仲間とテレビ漫画についての情報を交換している。 (2)子どもたちのテレビ漫画の選択理由は、年齢とともに絵とか登場人物の表情というような形式的な側面からストーリー性という内容的な側面へと変化している。 (3)低学年の子どもほど、また多接触型の子どもほどテレビ漫画の世界に同一化する傾向が見られる。 (4)子どものテレビ漫画視聴に対して父親は母親よりも許容的であり、母親は父親よりも子どものテレビ視聴を強く規制している。しかも子どもは親が規制いていると思っているほどに強く規制を感じていない。 (5)親自身も多くがテレビ漫画を視聴しているが、そのきっかけは子どもが見ていたからであり、いわば偶然的な視聴理由である。だがテレビ漫画は子どもとの共通の話題になるし、また子どもと一緒に視聴することで一家団欒を得られると親は思っている。ところが実際には親子間でテレビ漫画が話題になることは多くない。 (6)親はテレビ漫画が子どもに対して「言葉使いのマネ」などのように否定的な影響を与えると認めているが、他方では「友だちとの共通の話題になる」と肯定的な影響をも認めている。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 少年少女漫画に関する実証的研究 — The Investigation of Comic Books and Magazines for Children
住田 正樹 ; SUMIDA Masaki
研究期間: 1990-1991
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概要: この調査研究では、受け手である子どもたちが、青少年文化としての少年少女漫画をどのように読んでいるかというコミュニケ-ション行動を、(1)子どもの少年少女漫画への接触行動、(2)少年少女漫画に対する子どもの反応・充足、という二つの視点から明らかにしようと試みた。 漫画への接触行動については、子どもたちは漫画を借りるよりも自分で購入するという入手方法をとる傾向が強い。また、漫画雑誌への接触と単行本への接触は相乗的な関係にある。漫画への接触を促す主な要因は友人とテレビアニメであり、テレビアニメへの接触と漫画への接触は相乗的に作用しあっていることがわかった。子どもの漫画の好みは多様化しているが、どちらかといえば写実的な絵よりも漫画的な絵を、現実的な内容よりも空想的な内容を好む傾向にある。 漫画に対する反応については、子どもは好きな漫画であれ嫌いな漫画であれ、漫画の形式的側面(絵)と内容的側面(スト-リ-)の両方に興味・関心を抱き強く反応しているが、どちらかといえば低学年は形式的側面に、高学年は内容的側面により強く反応しがちである。漫画の内容の理解は受け手の知識水準や漫画接触経験の多寡により左右されると思われ、したがって学年が上がるにつれて理解度も高まると考えられるけれども、しかし実際には、わずかながらではあるが高学年ほど理解度が低くなっている。これは、高学年ほど漫画の内容的側面に興味・関心を持ち、そのためある程度内容の複雑な漫画を読むためだと考えられる。また、高学年より低学年が、男子よりも女子のほうが漫画の世界に自己を同一化させる度合が高く、行動面においても漫画の影響を受けやすい。子どもは漫画により主として娯楽的・逃避的充足を得ており、これに付随して友人関係を深めるという社会的相互交渉の充足がある。女子の場合には、新しい知識・情報を得るという充足もかなり大きかった。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 子どもたちの「居場所」と対人的世界の現在 — The Children's Residence Place and the Reality of the World of the Children's Network.
住田 正樹 ; SUMIDA Masaki
研究期間: 1998-2000
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概要: 最近子どもの問題を語る際に居場所という言葉が使われるようになってきた。居場所というのは本来は人の居所という一定の物理的空間を意味するが、しかし最近の使い方は、これに安心とか安らぎとか寛ぎ、また他者からの受容とか承認という意味合いが付与され、そこにいるとホッと安心していられるところ、心が落ち着けるというほどの意味に用いられるようになってきた。本研究では、この居場所を主観的条件と客観的条件という2つの側面から捉えようとした。主観的条件とは主体が安心、安らぎ、寛ぎ、また受容とか承認を感じ取ることができるか否かという意味付与の問題であり、客観的条件とはそこにおける人間関係の問題-関係性-と物理的場所の問題-空間性-である。 本研究においては、子どもに焦点を合わせ、現在の子どもたちがどのような所を居場所としているか、その居場所はどのような人間関係、つまりネットワークで構成されているか、そしてどのような行動をしているか等について明らかにするために社会学、教育学、心理学、地理学、精神分析学、建築学といった多様な側面からアプローチしたのである。また居場所とそこのネットワークは年齢・性別によってどのような差異を示すのか、家庭場面や学校場面といった生活場面によってどのような差異を示すのか、さらには家庭外や学校外ではどのようなところを居場所としているのか、そしてまた居場所は子どもの発達に如何なる意味を有しているのかを明らかにするために全国規模の統計的調査を実施するとともに一方では個々の子どもたちをケースに事例的調査を実施してデータを蒐集したのである。調査の結果、子どもたちの居場所は、発達段階によって、また性別によって大きく変容していることが明らかになった。 続きを見る