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1.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 耐乾性ゴム植物の再分化系の確立と遺伝子組換え個体の作出 — Shoot differentiation and gene-transfer in Periploca sepium Bunge
玉泉 幸一郎 ; GYOKUSEN Koichiro
研究期間: 2001-2002
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概要: 中国産の蔓性落葉潅木のペリプロカ(Periploca speium Bunge)の子葉と下胚軸からの再分化系を確立した。MS培地を基本培地とし,NAAとBAPの組み合わせで再分化が確認された.再分化率は子葉よりも胚軸で高く、下胚軸の方が外植体として適していると考えられた.再分化したシュートは1/2MS培地にIAAを6μmol/l添加した培地で発根し,幼植物体が再生された. さらに、茎葉からのシュートの再分化と植物体の再生について検討した.MS培地を基本培地とし,NAAとBAPの組み合わせでシュートの再分化が確認された.茎からの再分化には,BAP 1μM〜3μMとNAA 0.1μMの組み合わせで分化率が高かった.一方,葉からの再分化には,BAP 3μM〜1 0μMとNAA 0.1〜1μMを組み合わせで分化率が高かった.最適な再分化培地での茎と葉における分化率はそれぞれ100%と90%であった. 次に、ペリプロカの形質転換個体の作出を試みた.アグロバクテリウム法によりGFP遺伝子の導入を行い,蛍光を発するカルスから蛍光を発するシュートを再分化させた.このシュートを用いて,PCR分析,Western分析を行なった結果,遺伝子の導入とタンパクの合成が確認された. さらに、ペリプロカへのFerritin遺伝子の導入を試みた.培養シュートの節間を長さ1cmに切り取り,アグロバクテリウム法により遺伝子を導入した.遺伝子導入に用いた試料はカナマイシンを添加した培地で生育させ,生残したシュートを選抜個体として再生させた.選抜個体はPCR法により遺伝子を確認したところ,目的としたFerritin遺伝子が導入されていることが確認された. 続きを見る
2.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 希少種ヤクタネゴヨウの増殖と保全に関する研究 — Study of conservation and proliferation of Pinus armandii var.amamiana
玉泉 幸一郎 ; GYOKUSEN Koichiro
研究期間: 1995-1996
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概要: 屋久島におけるヤクタネゴヨウの分布,その林分の植生および構造を調査した結果,以下の生態的特性が明らかとなった。 ヤクタネゴヨウは標高900mまで分布し,これまでの報告より高い標高まで分布したことが確認され,さらに高い標高まで分布する可能性が指摘された。 ヤクタネゴヨウの分布地は,基岩が露出している急峻な尾根筋の崩壊跡地であり,ヤクタネゴヨウはツガ,スギおよびヒノキなどの針葉樹と高木層を構成し,その林冠下にはヤクシマシャクナゲやヤマモモなどの陽性樹種が特異的に出現した。このことから,ヤクタネゴヨウは,林冠層破壊や土壌流出などの撹乱後に一斉更新していることが推察された。 ヤクタネゴヨウは高木層や亜高木層に多く分布したが,低木層以下に後継樹の生育はみられなかった。このことから,ヤクタネゴヨウはその林分において遷移の進行に伴って衰退していく種と判定された。 ヤクタネゴヨウの種子は大型で翼が未発達であることから,その多くは母樹の樹冠下に多く散布されることが明らかとなった。 ヤクタネゴヨウの成熟胚を外植体として増殖培地を検討したところ,BAP1〜2ppmを添加したDCR培地とWS培地で良好な生育が認識された。 続きを見る
3.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of 遺伝解析に基づいたヤクタネゴヨウの保全法の確立 — Conservation of Pinus armandii var. amamiana based on the information about genetic variations.
玉泉 幸一郎 ; GYOKUSEN Koichiro
研究期間: 1998-1999
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概要: ヤクタネゴヨウの種子生産特性の把握のために、屋久島破沙岳周辺における生残個体を対象に球果および種子の生産状況を5年間(1995〜1999年)調査した。着果率は、22.0%〜32.9%と毎年変動したが、調査年による統計的差異は認められなかった。着果量は、1個体当たり平均10個ほどであり、1球果当たりの種子数も平均10粒程度と非常に少なかった。ヤクタネゴヨウの種子の充実率や発芽率は極端に低いことから、種子生産に関する諸特性がヤクタネゴヨウの更新に悪影響を及ぼしていると推察された。 ヤクタネゴヨウの枯死要因を明らかにするために、屋久島破沙岳周辺と種子島全域における生残状況の調査を行った。種子島では、1999年に2個体の枯死が確認され、うち1個体の樹幹片よりマツノザイセンチュウが検出された。しかしながら、屋久島では、土壌崩壊などの自然撹乱以外の要因は明らかにできなかった。 各集団におけるヤクタネゴヨウの球果の形態変異を明らかにするために、球果の5つの形質(生重、球果長、球果直径、総種鱗数、球果当たりの種子数)について解析した。各諸形質とも集団間に有意差が認められた。球果当たりの種子数を除いた4形質の平均値を用いてクラスター分析を行った結果、島の系統によって大きく2つのグループに分けられた。アイソザイム分析でも、集団毎にグループに分かれる結果が得られており、種子島と屋久島との間には遺伝的差異が存在する可能性が認められた。 以上のことから、両島間での遺伝子交流すなわち花粉や種子等の持ち込みは、遺伝子汚染を引き起こす可能性があることから、慎重に対処すべきと考えられた。 続きを見る
4.
助成・補助金
Kyushu Univ. Production 九州大学成果文献
Cover image of スギ林冠の炭酸ガス固定機能の評価に関する研究 — Evaluation of CO2-fixation capacity in Sugi (Cryptomeria japonica) canopy
斉藤 明 ; 玉泉 幸一郎 ; GYOKUSEN Koichiro
研究期間: 1998-2000
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概要: スギ林冠の炭酸ガス固定機能を明らかにするために、(1)葉の空間分布を決定する枝の構造と、(2)葉の生産性を決定する樹冠内窒素分布について研究した。 (1)枝の構造 スギの枝は分布や密度に規則性が認められ、スギ樹冠の構造は枝を1個のモジュールとしたモデルによって表現された。また、スギでは幹シュートの上位から中位の枝は樹冠の空間獲得の機能、下位の枝は空間充填の機能を持つことが明らかにされた。 間伐により本数密度を変えた場合、樹冠のサイズには差は認められなかったが、着生する葉量とその分布に差がみられ、間伐林分では同化器官の配置を変化させることによって生産性を高めていた。 枝打ちにより葉量を低下させた場合、幹や枝の伸長量はともに低下したが、枝の成長低下率が小さく、結果的に傘型の樹型となった。これは、光合成器官の減少を残った枝への最配置で補おうとした結果であると考えられた。 (2)窒素の分布 当年葉の窒素量は光強度と正の相関にあり、樹冠上部で高く、下部で少なかった。しかし、一年生以上の葉では樹冠の深さや葉齢に関係なく一定の値を示した。さらに、立地が異なる場合の樹冠における窒素分布をモデル化するために、斜面に生育するスギの窒素分布を調べた。この結果、立地が異なってもスギ樹冠の窒素分布は光強度と地位の2因子を用いてモデル化できることが明らかにされた。これらも結果を用いて、窒素分布を取り入れた炭酸ガス固定モデルを構築した。モデルには林冠の窒素分布に関するパラメーターと葉の光合成に関するパラメーターを用いた。スギ林分で得られた値をモデルに代入して計算した結果、適合度の高いモデルであることが確認された。 続きを見る